有価証券報告書-第15期(令和2年4月1日-令和3年3月31日)

【提出】
2021/06/24 15:33
【資料】
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【項目】
153項目
文中の将来に関する記載は、本書提出日現在、当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社は、設立時より「情報の価値を具現化する仕組みを提供する」を企業理念に掲げ、グループにおいてこれを共有し、経営判断の拠り所としております。コンテンツを自動生成するAIエンジン、ユーザーの投稿や閲覧といったクラウドインプット、国内外の金融経済・企業情報等のビッグデータは当社グループのコア・アセットであり、当社グループは、これらのコア・アセットを活用して、B2Cのメディア事業及びB2B・B2B2Cのソリューション事業を通じ、情報インフラを担う企業集団としての役割と責務を認識しております。
また、当社の社名「株式会社ミンカブ・ジ・インフォノイド」の「インフォノイド」は“情報(Information)”と“拘る者(Noid)”の造語であり、“MINKABU THE INFONOID - Minkabuこそが情報に拘るものである”は、当社の今後の成長ドライバーのスローガンそのものであります。当社グループのコア・アセットが生み出す情報の網羅性・正確性・速報性の強みは、業績面では収益の再現性、利益の効率性及び収益機会の拡張性をもたらします。当社はこうした強みを活かし、情報への拘りを追求してその価値を具現化し、金融・経済のみならず、スポーツや選挙、文化活動に至る様々なテーマにおいて、直接的に又は間接的に最終顧客の活動に寄与し、情報提供を通じて人々を豊かにし、社会に貢献してまいります。
(2)経営戦略等
当社は、上記の経営方針に基づき、金融・経済をテーマとする分野においては、情報を必要とする全ての人が、意識的に、また無意識に当社サービスを利用する環境の構築を目指してまいります。そのため、メディア事業においては、既存サービスの深掘による有料化や他社との協業を通じて、更に細分化されたユーザーニーズに対応し、より幅広い層の獲得と各ユーザーの利用拡大を目指します。一方、ソリューション事業においては、商材の拡充やAI技術の汎用的展開等により顧客対象企業の多様化と顧客単価の上昇を推進してまいります。また、これまでの実績と経験を活かし、ノウハウ、開発、販売などのスコープの拡大を追求する事業譲受や企業買収も、経営戦略上の有効な手段と捉えております。
こうした経営戦略のもと、当連結会計年度におきましては、2020年6月30日付でSaaS型投資信託情報ベンダーのロボット投信株式会社を連結子会社化し、投資信託の運用会社や販売会社等、法人顧客層の多様化を実現するとともに、複数のマイノリティ出資を行い、シナジー効果により互いの競争力を強化してまいりました。非金融情報分野といたしましては、スポーツに加え、選挙情報や音楽情報分野への展開を開始いたしました。
また、2021年4月25日には、メディア事業の旗艦サービスである「みんなの株式」について、みんかぶシリーズメディア7媒体を統合し、従前の投資情報メディアから、1億500万人の資産形成層(総務省統計局「人口推移」20代以上の合計値)に向けた資産形成情報メディア「MINKABU(みんかぶ)」へとリブランドし、TAM(Total Addressable Market)を拡大いたしました。合わせて、資産形成にかかるサービスの一角としてサブスクリプション型課金サービス「MINKABU ASSET PLANNER」(通称「アセプラ」)の展開を決定、もう一方の旗艦サービスである投資経験者向け株式情報メディア「Kabutan(株探)」につきましては、投資家のニーズが高い米国株情報を追加してサービスの深掘を加速し、新たなスタートを切ることといたしました。
加えて、2021年5月14日には、株式会社QUICK(以下、「QUICK」といいます。)及び株式会社日本経済新聞社(以下、「日本経済新聞社」といいます。)と資本業務提携契約を締結し、両社に対して総額約35億円の第三者割当増資を実施いたしました。当社とQUICKは2020年9月より業務提携関係にあり、更なる連携強化として、同社の親会社である日本経済新聞社も加わる形での第三者割当増資となり、幅広い協業を通じて日本国内における金融・経済情報のデファクトを構築する理念で一致し、その事業領域及び規模の拡大並びに事業効率の向上の実現に向けた取り組みを開始いたしました。なお、調達資金のうち、25億円は、資本提携等のための待機資金として充当する予定であります。
以上を踏まえ当社では、中期的な戦略として売上高成長の加速を重視しており、その成功の鍵となる要因(KFS:Key Factor for Success)は以下のとおり考えております。
Subscription : メディア事業におけるサブスクリプション売上の拡大
Solution: ソリューション事業の継続成長
IFA: IFA関連の新規事業の開始
Alternative: オルタナティブ(非金融)分野の収益貢献
M&A: 資本提携・M&Aの実施
(3)経営環境
金融・経済をテーマとする事業領域におきましては、当社の経営は株式等資本市場の動向に影響を受けやすく、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による影響も不透明な状況下、市場の動向は注視していく必要があると認識しております。一方で、所謂、老後2,000万円問題を機にした資産運用への機運の高まりや米国株情報への需要増などの外部環境の変化は好機であり、当社の強みである情報の品質面での参入障壁、ソリューション事業における独自性の力を発揮できるものと考えております。加えて、金融・経済情報分野で法人顧客及び個人への圧倒的な認知度と訴求力を有するQUICK、日本経済新聞社との35億円規模の資本業務提携の実現により、競争優位な経営環境を獲得したものと考えております。
なお、これらの事業活動を支える労働力の確保に関しては、採用に加えて、グループ全社で導入し事業面、管理面ともに概ね安定して円滑に推進出来ているテレワークについてデジタル化の推進により一段の効率化を図り内部体制を強化するとともに、マイノリティ出資等を通じ様々な分野に強みを有する外部事業パートナーを獲得する等、体制強化を図っております。
以上の経営環境を踏まえ、2022年3月期連結業績予想といたしましては、売上高は5,300百万円(2021年3月期比27.4%増)、営業利益は1,000百万円(同31.7%増)、営業利益に減価償却費、のれん償却額を加えた計画上のEBITDAは1,680百万円(同31.2%増)を見込んでおります。なお、本業績予想におきましては、新型コロナウイルス感染症拡大の長期化による経済情勢の不確実性を認識する前提のもと、既存のビジネスラインの安定成長に加え、メディア事業においては「Kabutan(株探)米国株Premium」、資産形成管理ツール「MINKABU ASSET PLANNER」(通称「アセプラ」)の新規のサブスクリプション型サービスの提供開始による課金収入の拡大、ソリューション事業においては、既存ラインナップのストック収入の拡大及び子会社であるProp Tech plus株式会社、ロボット投信株式会社の業績寄与の拡大を見込んでおりますが、QUICK及び日本経済新聞社との資本業務提携に関しましては、業績への具体的な影響額や寄与開始時期について、その全てが確定しているものではないことから、適切に見込むことができる範囲にて保守的に見積り、その一部を織り込んでおります。一方、費用面に関しましてはM&Aに伴うのれん償却額、ソフトウエアを中心とした成長投資に係る減価償却費の増加及び事業の継続成長に伴う人件費の増加、「MINKABU ASSET PLANNER」、「Kabutan(株探)米国株」等の新規サービスに係るデータ取得費並びに幅広い層に向けたサービス認知度向上のための広告宣伝費等の増加を見込んでおります。
なお、当社では、経営上の目標の達成状況を判断するための指標として売上高の他、EBITDA(営業利益+減価償却費+のれん償却額)を重視しております。EBITDAは、ソフトウエアを中心とした成長投資に係る減価償却費やM&A等によるのれん償却額を除いた収益力を示すものであり、当社の事業形態や経営戦略に則した実質的な収益力を測る有効な指標と考えております。また各事業セグメントにおいて業績動向を測る主な指標(KPI:Key Performance Indicator)として、メディア事業では当社が運営するウェブサイトを利用する月間ユニークユーザー数と訪問ユーザー数を、ソリューション事業では顧客数を参照しております。また、今後のサブスクリプション収益の拡大戦略においては課金率(メディア事業)やMRR、ARPU(ソリューション事業、Monthly Recurring Revenue、Average Revenue Per User)なども参考にしてまいります。
(4)優先的に対処すべき事業上、財務上の課題
今後当社グループが成長を遂げていくための優先的に対処すべき事業上、財務上の課題及びこれらへの対処方針は以下のとおりであります。
① 提供サービスの品質の維持向上
当社グループが提供するメディアサービス及びソリューションサービスは、その大半がインターネットを利用したサービスであり、システムの安定稼働は不可欠であり、ユーザーがいつでもどこでもストレス無く利用できる環境の提供、ユーザー情報を含む各種情報資産の適切な管理、提供コンテンツの速報性や網羅性並びに正確性等、サービスの品質の維持・向上は経営課題と認識しております。係る課題に対処するため、技術革新等に対応するシステム開発投資及び技術者等育成のための投資を継続的に行ってまいります。
② 収益基盤の強化・拡大
当社グループの売上高は、メディア事業及びソリューション事業のいずれも堅調に推移しているものと考えておりますが、更なる収益基盤の強化・拡大の加速は経営課題と認識しております。そのため、メディア事業では、2021年3月期において月間平均922万人となったUU数及び同2,789万人を超える訪問ユーザー数を有する大規模な投資家ユーザーベースの更なる拡大や、それらユーザーベースを活用した外部パートナーとの協業促進による収益機会の創造、より深化した情報提供を実現する課金サービスの導入によるユーザー当たりの収益増大等、各種収益の獲得を、ソリューション事業では、情報系フィンテックを核とした事業特性に鑑み、幅広い金融機関のニーズに対応する様々な情報ソリューションの提供に注力し、収益基盤の強化を図ってまいります。
③ 経営資源の最適配分と効率的運用
当社グループは、事業の拡大に則した人員確保を進めると同時に、限られた経営資源を有効に活用すべく業務執行の組織横断的連携と集中管理体制を構築しております。結果、組織運営の秩序が乱れた場合には、事業運営に影響が生じる可能性があり、限られた経営資源をもって各種事業リスクにどのように対処していくかが課題と認識しております。係る課題に対処するため、経営資源の最適配分及び効率的な組織運用を目的とした各社及びグループ共通規程の整備、並びにその周知徹底を継続的に行ってまいります。
④ 人材の確保及び育成
当社グループは、自律的な成長のためには、当社の理念に共感し高い意欲を持った優秀な人材の採用及び確保、並びにその育成は重要であると認識しております。そのため、多様な働き方の整備や福利厚生・社内教育体制の充実等、従業員が高いモチベーションを持って働くことのできる環境の整備を継続して推進してまいります。
⑤ ガバナンス及び内部管理体制の強化
当社グループは、持続的成長を遂げるために、事業執行とガバナンスのバランス、並びに経営上のリスクを適切に把握しコントロールするための内部管理体制の強化が重要であると認識しております。そのため、社外取締役や監査等委員への報告体制の強化、監査等委員会と内部監査室並びに会計監査人による実効性ある三様監査を推進するとともに、グループ役職員向けコンプライアンス研修の実施等を通じた個々人への意識づけ並びに内部監査室による定期的監査を継続的に実施してまいります。

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