有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/03/16 15:00
【資料】
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【項目】
157項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)経営方針
当社グループは、「解き尽くす。未来を引きよせる。」というミッションのもと、テクノロジーを活かしながら既存のビジネスを柔軟に組み合わせ、新しいサービスを生み出すことで、新しい価値を提供し続けていくとともに、成果を積み重ねていくことの連鎖でより大きな課題に立ち向かい、未来を引きよせたいと考えております。
このようなミッションのもと、データドリブンな事業開発の連鎖で多様な産業領域の変革を推進しております。
(2)目標とする経営指標
当社グループは、より高い成長性及び収益性を確保する視点から、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標と捉えております。
(3)経営戦略等
(基本戦略)
当社グループは、次の2つの活動に注力することを基本的な戦略としております。
① 事業発展による単価・収益性向上
顧客企業のデータ資産を収集・統合を行った上で分析を行い、そのデータを利活用するサービスを複数提供することで、顧客企業の成果を最大化し、これによって単価を高め・収益性向上に努めます。また、この活動を通じて、データの利活用に関する専門的なノウハウの獲得・蓄積を進めます。
② 事業開発による顧客数増加
前項を通じて得たノウハウを元に、バリューチェーンの非効率が取り残されやすい状態になっている、産業としての歴史が長い領域に対して、デジタル化やデータの利活用によって業務のデジタル置換を推進し、業界全体の生産性を高めつつユーザーへの提供価値の向上を進めております。X-Tech事業のサービス群はこのような取り組みに該当するものであります。またあわせて、次世代の収益の柱となる事業の育成をめざし、Data Platform事業等新たな事業領域の開拓・投資を行っております。
(当社グループの強み)
当社グループの強みは、①事業開発全体へのデータの活用、②人材及び組織、③事業開発フローを強力にサポートする独自システム、であります。
① 事業開発全体へのデータの活用
当社グループでは、事業の運営を通じて以下のようなデータ蓄積を行っております。
ⅰ.MarTech事業において、マーケティング関連プロジェクトを通じた、検索データやサイトのコンテンツに関するデータの蓄積
ⅱ.X-Tech事業において、不動産売買仲介・リフォーム契約の仲介を通じた、査定仲介データや見込み顧客データの蓄積
ⅲ.その他において、インドネシア共和国の求職サイトを通じた、サイトへのアクセスデータの蓄積
これらのデータを用いることで、施策成果の事前予測や自動最適化プログラムを構築し、マッチングアルゴリズムの精度向上等によって事業価値・生産性向上につなげるとともに、独自データを用いることで、新たな市場機会の発見にもつなげております。
② 人材及び組織
当社グループでは、データドリブンな事業開発フローを実現するために、人材の増強、組織体制の充実に注力しております。バックオフィスを除く正社員のうち、約3分の1(30.1%)がプロダクト開発に関わる専門職種、約3分の1(35.9%)がデータ分析・利活用に関わる専門職種、約3分の1(34.0%)がビジネス系職種となっております(2020年2月末現在)。当社グループでは、データ分析と利活用、分析を元に得た知見や企画のプロダクト(サービス)化、そしてサービスを顧客に届ける活動までを一貫してバランスよく行うことが重要であると考えており、これらの比率の維持、及び各職種の専門性の深化に注力してまいります。
③ 事業開発フローを強力にサポートする独自システム
事業間で共通の基盤をベースに、領域ごとの用途に特化させた独自システムを構築しており、これによって、顧客満足度をあげるとともに、オペレーションを最適化させることで工数負担の軽減を実現しております。
(4)対処すべき課題
① 優秀な人材の採用と育成・活用
グローバル展開を含めた今後の成長を推進するにあたり、優秀で熱意のある人材を適時に採用することが重要な課題と認識しているため、採用の強化及び従業員が高いモチベーションをもって働ける環境や仕組みの整備・運用を進めてまいります。今後も優秀な人材の採用とさらなる育成に投資を行っていく方針であります。
② 高い専門性を有する人材の確保
当社グループの継続的な事業拡大には、当社グループの経営理念に合致した志向性を持ち、かつビッグデータ解析のアルゴリズムを開発できる工学博士クラスの高い専門性を有する人材の確保と育成が重要であると認識しております。特にエンジニアやデータ・サイエンティストなどの採用においては、獲得競争が激化し、今後も人材確保には厳しい状況が続くものと予想されます。当社グループでは、採用方法の多様化をはじめ、教育や人材育成制度の確立などにより、人材の採用から定着に至るまでの体制準備を進めてまいります。
③ 技術革新への対応
当社グループは、ビッグデータ解析技術を基盤として事業を展開しておりますが、新たなインターネット関連の技術革新やデータ分析技術の進歩に対してタイムリーに対応することが、今後の事業展開上重要な要素であると認識しております。そのために、Google,Inc.などインターネット・サービス事業者の動向を把握し、その技術情報(動画広告技術やAI応用技術など)をいち早く入手すると同時に、それに対抗する独自の技術を開発することで、自社サービスの先進性やユニーク性を確保してまいります。
④ 海外展開への対応
当社グループでは、日本市場で蓄積したノウハウを活用して海外市場での展開を図り、サービスの多国展開を達成することが、事業の一層の発展に貢献し得る要素であると考えており、海外進出拠点として、インドネシア共和国に子会社PT.SPEEE RECRUITMENT NUSANTARAを有しております。
今後も、海外事業の立ち上げと拡大・成長の機会を検討してまいります。
⑤ 内部管理体制の強化
当社グループは、急速な事業環境の変化に適応し、継続的な成長を維持していくために、内部管理体制の強化が重要であると認識しております。このため、事業規模や成長ステージに合わせバックオフィス機能を拡充していくとともに、経営の公正性・透明性を確保するための内部管理体制強化に取り組んでまいります。具体的には、事業運営上のリスク管理や定期的な内部監査の実施によるコンプライアンス体制の強化、社外役員の登用、内部統制システムを活用した監査の実施によるコーポレート・ガバナンス機能の充実等を行ってまいります。
⑥ 情報セキュリティのリスク対応の強化
当社グループは、ウィルスや不正な手段による外部からのシステムへの侵入、システムの障害及び役職員・パートナー事業者の過誤による損害を防止するために、引き続き優秀な技術者の確保や、職場環境の整備及び社内教育による情報セキュリティの強化を図ってまいります。