有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/06/11 15:00
【資料】
PDFをみる
【項目】
146項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
(コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方)
当社は、公正で透明性の高い経営に取り組むことを基本的な考えとしております。その実現のため、株主の皆様やお客様をはじめ、取引先、地域社会、従業員等各ステークホルダーと良好な関係を築き、長期的視野の中でグループ企業価値の向上を目指すべく経営活動を推進しております。
①企業統治の体制
a.企業統治の体制の概要
当社の企業統治の体制模式図は以下のとおりであります。

b.会社機関の内容
(取締役会)
取締役会は取締役7名(内、社外取締役1名)で構成されております。取締役会は、原則として月1回開催し、重要な議案が生じた場合には適宜開催しております。取締役会には、監査役3名も出席し、取締役会の意思決定を監視することとしております。尚、当社の取締役は11名以内とする旨定款にて定めております。
(幹部会)
当社は、取締役会を経営の基本方針や重要課題並びに法令で定められた重要事項を決定するための最高意思決定機関と位置づけ、原則月1回開催するとともに、事業経営にスピーディーな意思決定と柔軟な組織対応を可能にするため、取締役および事業責任者等が出席する幹部会議を毎週金曜日に開催しております。
(監査役会)
当社は、監査役会制度を採用しております。重要事項に関する意思決定及び監督機関としての取締役会、業務執行機関としての代表取締役、監査機関としての監査役会という、会社法に規定される株式会社の機関制度を採用しております。監査役会は監査役3名(内、社外監査役2名)で構成されており、原則として月1回監査役会を開催し、取締役会の適正運営を確認する等、取締役の業務執行を監視するとともに、コンプライアンス上の問題点等について意見交換を行っております。また、内部監査人及び会計監査人と適宜議論の場を設け、相互に連携を図ることで、監査役監査はもとより、内部監査、会計監査の実効性の向上を図っております。
(内部監査)
内部監査につきましては、内部監査担当者を置き、代表取締役からの指示により必要な監査・調査を定期的に実施し、業務執行の妥当性・効率性やリスク管理体制の遵守・整備状況などを幅広く検証しております。その結果を代表取締役に報告し、その後の進捗管理を行うなどその機能の充実に日々努め、これを経営に反映させております。内部監査担当者の人員は2名ではありますが、内部監査規程に基づき、必要に応じて内部監査担当者以外の従業員を臨時に監査担当者に任命でき、支援可能な体制を構築しております。
(会計監査人)
当社は、有限責任監査法人トーマツと監査契約を締結し、通常の会計監査に加え、重要な会計的課題について随時相談・検討を実施しております。なお、同監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の指定有限責任社員・業務執行社員と当社の間には、特別な利害関係はありません。また、継続監査年数が7年を超える者はおりません。
(リスク管理委員会)
当社は、経営に対するリスクに総合的に対処・対応するためリスク管理委員会を設け、委員長はシステム部長が就き、各部のリスク管理責任者、リスク管理者が委員として組織されております。リスクマネジメント担当を中心に、情報漏えい、災害対応をはじめとする、当社経営をとりまくリスクに対応する予防策を検討し、必要な業務ルールの見直し、情報システムの整備、社員教育の徹底等の活動をしております。また、万が一緊急事態が発生した場合の報告系統を社内において広報し、徹底しております。
c.機関ごとの構成員(◎は議長、委員長を表す)
役職名氏名取締役会幹部会監査役会リスク管理
委員会
取締役会長髙野 明
代表取締役社長杉山 憲太郎
常務取締役木村 泰彦
(注)1
取締役青山 明生
(注)2
取締役徳山 順也
取締役吉岡 優
取締役(社外)嶋村 那生
常勤監査役(社外)長澤 孝吉
(注)3
監査役(社外)小澤 哲
監査役飯沼 孝壮
(注)4
上席執行役員井手 任
上席執行役員池澤 正光
執行役員関谷 靖
執行役員小泉 領雄南
その他 2名

(注)1.グローバルカードシステム株式会社の取締役を兼務しております。
2.GMOデータ株式会社の代表取締役を兼務しております。
3.GMOデータ株式会社の監査役を兼務しております。
4.GMOペイメントゲートウェイ株式会社の監査役を兼務しております。
d.当体制を採用する理由
当社は、上記のとおり、株主総会、取締役会、監査役会及び会計監査人を設置し、日常的な業務監査等を行う役割として内部監査担当者を配置しております。これらの各機関が相互に連携することによって、継続的に企業価値を向上させ、ガバナンス体制が有効に機能すると考え、現在の体制を採用しております。
e.内部統制システムの整備の状況
当社は、業務の適正を確保するための体制として、取締役会にて、「内部統制システムの構築の基本方針」を以下のとおり決議しております。
(内部統制システムの構築の基本方針)
①取締役及び使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
当社はコンプライアンス体制確立の為、コンプライアンス管理規程を定め、これらに従い、コンプライアンス経営を推進する。
コンプライアンス委員会を設置し、グループ全体のコンプライアンスに関する意識の高揚を図り、当社の事業に適用される法令等を識別し、法的要求事項を遵守する基盤を整備するとともに、随時、教育や啓発を行う。
コンプライアンス経営の確保を目的として、グループ全体を対象とした内部通報制度を設ける。
当社及び子会社においてコンプライアンス経営の確保を脅かす重大な事象が発生した場合、コンプライアンス委員会で対処方法等を速やかに検討し実施する。財務報告に係る内部統制について、社内の責任体制等を明確にし、財務報告の信頼性を確保する。監査役は、独立した立場から、内部統制システムの構築・運用状況を含め、取締役の職務執行を監査する。内部監査部門は、内部統制の評価並びに業務の適正・有効性について監査する。反社会的勢力との一切の関係遮断、不当要求の拒絶のための体制を整備する。
②取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
取締役会における意思決定に係る情報、代表取締役の重要な決裁に係る情報については、法令・定款及び社内規程等に基づき、その保存媒体に応じた適切な状態で保存・管理することとし、必要に応じて閲覧可能な状態を維持する。
③損失の危険の管理に関する規程その他の体制
健全な経営基盤の確立と安定した収益を確保するため、リスク管理に関する基本的な考え方、行動指針等を定めた「リスク管理規程」をリスク管理の最上位の方針と位置付け、リスク管理規程に基づき、リスクの定義及び主管責任部門を定める。取締役社長が指名した委員長を中心としてリスク管理委員会が、リスク管理方針を策定し、リスク管理規程に基づき、リスクマネジメント活動を円滑、適正に推進する。リスクが顕著化した場合またはリスクが顕著化する恐れがある場合、災害時等の緊急対応時マニュアルに基づき、緊急対策本部を設置し迅速に対応する。
④取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
取締役会の運営及び付議事項等を定めた「取締役会規則」を制定する。中期事業計画は取締役会を経て策定され、それらに沿った事業戦略及び諸施策を図る。また、社内の指揮・命令系統の明確化及び責任体制の確立を図るため、業務分掌及び職務権限に関する諸規程を制定する。
⑤当社並びにその親会社及び子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
当社と親会社との間における不適切な取引又は会計処理を防止するための監査体制を会計監査人とも連携して整備する。当社は、当社が定める関係会社規程に基づく子会社運営基準において、子会社の経営内容を的確に把握するため、必要に応じて関係資料等の提出を求める。
当社は、当社グループ全体のリスク管理について定めるリスク管理規程を策定し、同規程において子会社にリスクマネジメントを行うことを求めるとともに、グループ全体のリスクを統括的に管理する。
当社及び子会社からなるグループ間の協調、連携及び情報共有並びに経営層による業務執行状況のモニタリングを目的として、毎月業務報告会を開催する。当社の監査役および内部監査部門は、子会社の業務の適正性について調査する。
⑥財務報告の信頼性を確保するための体制
当社グループの財務報告に係る内部統制については、金融商品取引法その他適用のある国内外の法令に基づき、評価、維持、改善等を行う。当社の各部門および子会社は、業務遂行にあたり、職務分離による牽制、日常的モニタリング等を実施し、財務報告の適正性の確保に努める。
⑦監査役の職務を補助すべき使用人を置く事を求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役会が職務を補助する使用人を置くことを求めた場合は、当該使用人を置くものとする。配置にあたっての使用人の人数、人選等については、監査役の意見を十分考慮して検討する。
⑧前項の使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役の職務を補助すべき使用人は、もっぱら監査役の指揮・命令に従うものとする。監査役の職務を補助する使用人は、他部署を兼務しない。
⑨監査役の職務を補助すべき使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
当社は、監査役の職務を補助すべき使用人に関し、監査役の指揮命令に従う旨を当社の役員および使用人に周知徹底する。
⑩当社及び子会社の取締役および使用人が監査役に報告するための体制その他の当社の監査役への報告に関する体制
取締役および執行役員は、その職務の執行状況について、取締役会等の重要会議を通じて監査役に、必要の都度、遅滞なく報告する。取締役、執行役員および使用人は、監査役が事業の報告を求めた場合、または監査役が当社グループの業務および財産の状況を調査する場合は、迅速かつ的確に対応する。取締役は、会社に著しい損害を及ぼした事実または及ぼす恐れのある事実を発見した場合は、直ちに監査役に報告する。
⑪監査役へ報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、監査役への報告を行った当社グループの役員および使用人に対し、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを行うことを禁止し、その旨を当社グループの役員および使用人に周知徹底する。
⑫監査役の職務の執行について生ずる費用の前払いまたは償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
監査役がその職務の執行について、当社に対し費用の前払い等の請求をしたときは、担当部門において審議のうえ、当該請求に係る費用または債務が当該監査役の職務の執行に必要でないことを証明した場合を除き、速やかに当該費用を支払うものとする。
⑬その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
監査役の監査機能の向上のため、社外監査役の選任にあたっては、専門性のみならず独立性を考慮する。監査役は、取締役の職務執行の監査および監査体制の整備のため、必要に応じ代表取締役、会計監査人、内部監査部門等とミーティングを行う。監査役は、会計監査人、内部監査部門等と、情報・意見交換等を行い、緊密な連携を図る。
当社は、一般株主の利益に配慮し、継続的に企業価値を高める目的として、独立役員を選任する予定であります。その際、経営陣や支配株主から独立した立場で、一般株主の利益保護を踏まえ行動がとれる者を、社外取締役及び社外監査役から選任することを基本方針としております。なお、当社の社外取締役1名及び社外監査役2名は、いずれも株式会社東京証券取引所が定める独立性基準を満たしております。
また、独立役員は他の役員との連携を密にとることにより会社情報を共有し、独立役員が期待される役割を果たすための環境を整備する方針であります。
e.子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
子会社の取締役等及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するため、子会社に関しても業務プロセスの見直し、情報システムの整備、社員教育の徹底を実施し、また必要に応じて規程・マニュアルを策定しております。また、当社の内部監査担当者が、グループ各社に対して業務監査を実施し、必要があれば、法令及び定款に適合するように改善指導等を行っております。
f.取締役定数
当社の取締役は11名以内とする旨を定款に定めております。
g.取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款にて定めております。
h.取締役及び監査役の責任免除
当社は、賠償責任に関する不安を除去することで、萎縮することなく適切に職務を遂行することを可能とし期待される役割を十分に発揮できるよう、会社法第426条第1項の規定により、任務を怠ったことによる取締役(取締役であった者を含む。)及び監査役(監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役会の決議によって免除することができる旨を定款に定めております。
i.剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等、会社法第459条第1項に定める事項については、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議によるものとする旨を定款に定めております。これらは、剰余金の配当等の決定を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。