有価証券報告書-第17期(令和3年9月1日-令和4年8月31日)

【提出】
2022/11/28 15:29
【資料】
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【項目】
142項目

有報資料

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営方針
当社グループは「アイディアとテクノロジーで革新的なサービスを提供し、便利で楽しい、みんながハッピーになる社会を創る。」というミッションを掲げております。当社グループは全ての人々の幸せな未来の生活を想像し、アイディアとテクノロジーでサービスを創造し、提供することで社会的課題を解決し、みんながハッピーでいられる社会を実現してまいります。当社グループは、このミッションに基づく事業活動が社会に貢献し、ひいては企業価値の最大化につながると考えております。
(2) 経営戦略等
当社グループは、「メッセージングサービス事業」と「データセキュリティサービス事業」を安定成長事業として収益の基盤をつくり、「キャッシュレスサービス事業」を高成長事業として中長期的な収益拡大を目指す方針であります。
各事業におきまして、顧客との年間契約に基づきサービスを提供しており、月額利用料、決済額に応じた手数料、その両方もしくは年間ライセンス料というリカーリングビジネスによる継続的な売上を得ることを最重要の戦略と位置付けております。これらの収益が占める割合は、2022年8月期で売上高の87.1%を占め、その他の12.9%は、初期費用、物品販売、受託開発等で構成されております。
当社グループのリカーリングビジネスの拡大のために、以下の開発を計画しております。
① より大規模かつ、顧客の要望に対応できるよう、パブリッククラウドサーバ(注)を活用したデータ処理能力の向上及び多種多様な機能を搭載した独自Payプラットフォームの開発
② サービス連携パートナー等の他社システムとの連携を容易にし、長期的に顧客がサービスを利用できるような多種多様なAPIの開発
③ 効率的な市場シェア拡大を目指したウェブ等による受発注システムの開発
④ デジタルマーケティングサービス領域では、チャージバック等のサービスラインナップ拡充のための開発、銀行口座からの支払いが可能なコード決済サービス「Bank Pay」との接続に関する開発、従来は応募にハガキを利用していたレシート販促キャンペーンをデジタル化したインスタントウィンサービスなど、独自Pay利用促進・付加価値向上のための新サービスの開発
2022年3月に発表した当社グループの中期経営計画の長期事業Value「独自Payを第4のキャッシュレス決済手段にする」を当社グループ全従業員で共有し、リカーリングビジネスの中でも、特に「キャッシュレスサービス事業」に経営資源を集中し拡大を図っております。上記の開発計画を推進することにより、小規模な個店向けに即日サービス提供が可能となり、また月間数千億円規模の決済を伴う大規模顧客にも対応できるようにすることで、業績の拡大を図ってまいります。
(注) パブリッククラウドサーバとは、広く一般のユーザーや企業向けにクラウドコンピューティング環境をインターネット経由で提供するサービスのことを指します。サーバや通信回線等を調達・所有する必要がなくなり、クラウド事業者が提供する仮想化されたサーバやネットワーク等のクラウドリソースを必要なときに、必要な分だけ利用することができます。スケールアウトやスケールインを自由自在にリアルタイムで変更できる利点があり、急なアクセス数の増加や会員数の増減にあわせて最適なITリソースを確保することが可能であります。
(3) 経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標等
各事業の目標達成状況を判断するための客観的な指標は下記のとおりであります。
事業客観的な指標
キャッシュレスサービス事業・独自Pay決済額:店舗等でエンドユーザーが支払った金額
・顧客数:当社グループのサービスを利用する顧客社数
・エンドユーザー数:当社グループがデータベースとして管理する、エンドユーザーが保有する店舗の会員カード等に付されたIDの累計数
メッセージングサービス事業・解約率:当月に解約となったリカーリング売上÷月初のリカーリング売上×100
・3年以上継続取引者数:当社グループのサービスを3年以上継続的に利用する顧客社数
データセキュリティサービス事業・解約率:当月に解約となったリカーリング売上÷月初のリカーリング売上×100

(4) 経営環境
高成長事業として位置付けております「キャッシュレスサービス事業」に関連する「国内プリペイド決済市場予測」(注1)は、2025年には20兆1,865億円市場に成長すると予測されております。当社グループの「アララキャッシュレス」及び「バリューカードサービス」が属するサーバ型前払式支払手段は、今後「Felica」(注2)等に代表される非接触IC電子マネーよりも成長し、2025年に向けて2020年比176.2%の成長が見込まれ、全プリペイド決済額の56.3%にあたる11兆3,589億円になると予想されております。
また、経済産業省は、2025年までにキャッシュレス決済比率を40%程度とし、将来的には世界最高水準の80%を目指す(注3)としております。
安定成長事業として位置付けております「メッセージングサービス事業」に関連する国内メール送信市場は、2020年度は7.1%増、2021年度予想も8.3%増と安定した成長が見込まれております(注4)。
「データセキュリティサービス事業」は、デジタルトランスフォーメーションの促進、高度サイバー攻撃に対するセキュリティ対策、2022年4月に施行された改正個人情報保護法の対応のため、国内セキュリティ市場は今後も緩やかに成長すると予測されております(注5)。企業における個人情報は、改正個人情報保護法、JIS Q 15001 2017(新JIS)、改正割賦販売法、PCI DSS(注6)等の新たに制定された法律、規格や基準でより厳格な管理を求められており、今後も底堅いニーズがあると考えられております。
なお、新型コロナウイルス感染症が当社グループの経営環境に与える影響は、現時点では限定的なものではありますが、継続して注視してまいります。「キャッシュレスサービス事業」は、主に新型コロナウイルス感染症による業績への影響が限定的であった地域密着型のスーパーマーケット、一方で飲食業においては、新型コロナウイルス感染症の影響による独自Payの利用が減少となっております。「メッセージングサービス事業」は月額利用料及び年間ライセンス料、「データセキュリティサービス事業」は年間ライセンス料にて提供していることから、足元での新型コロナウイルス感染症の業績への影響は軽微な状況であります。
(注) 1.出典:2019年9月株式会社インフキュリオン カード・ウェーブ編集部発行「電子決済総覧2019-2020」
2.「Felica」とは、ソニー株式会社が開発した非接触型ICカードの技術方式、及び同社の登録商標であります。交通系電子マネーやコンビニエンスストア等が発行する電子マネー等で利用されております。
3.出典:2018年経済産業省「キャッシュレス・ビジョン」
4.出典:2022年1月株式会社アイ・ティ・アール発行「メール/Web マーケティング市場2022」
5.出典:2022年7月特定非営利活動法人日本ネットワークセキュリティ協会 「国内情報セキュリティ市場2021年度調査報告」
6.PCI DSSとは、Payment Card Industry Data Security Standardの略で、世界的に統一されたクレジットカード情報保護のためのセキュリティ対策フレームワークを指します。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループが対処すべき主要な課題は、以下の項目と認識しております。
① 成長サービスにおける新たなビジネスモデルによる業績拡大
「キャッシュレスサービス事業」は、今後も市場規模が拡大すると予測されており、大手企業の参入等による競争激化が見込まれます。そのような環境においても当社グループが継続的に業績を拡大するために、独自Payの強みを活かしたビジネスの多様化を検討しております。例えば、電子ギフト対応により、発行額に応じた手数料を得たり、消費者の利便性を高めるために汎用の電子マネーとのシステム連携を計画したり、デジタルマーケティングサービス領域では、メーカーの販売促進支援として、エンドユーザーが特定商品を独自Payで購入すると、購入者に相応の電子マネーが付与され、当社グループは当該取扱手数料を得ることができるチャージバックシステムの開発の推進、銀行口座からの支払いが可能なコード決済サービス「Bank Pay」との接続に関する開発、従来は応募にハガキを利用していたレシート販促キャンペーンをデジタル化したインスタントウィンサービスなど、独自Pay利用促進・付加価値向上のための新しいビジネスモデルの展開も積極的に検討し、業績の拡大を図ってまいります。
② 優秀な人材の確保
当社グループの収益の源泉は、サービスの企画力であり、その企画を最新のテクノロジーで具現化する開発力及び保守運用力であります。これを維持・発展させるためには、当社グループのミッションに共感し、高い意欲を持った優秀な人材を数多く確保することが不可欠であります。高度な企画力、開発力及び運用力を持つ優秀な人材を積極的に採用し、人材の定着率を高めるために、従業員にとって働きやすい環境づくりに取り組んでおります。具体的には、自席だけでなく、オープンスペースでの執務環境の提供や裁量労働制を採用することで、柔軟な働き方を支援しております。
③ 営業力の強化による収益向上
全国に店舗展開を行う多業態飲食チェーンや、大手スーパーマーケット・ドラッグストア等の受注が進んでおり、受注先企業規模の大型化によってサービス導入までの準備に期間を要し、人的リソース不足が発生することでの、販売費及び一般管理費の増大傾向は継続しております。自社の営業力だけではなく、代理店やサービス連携パートナー企業等を活用した営業力の更なる強化が必要と考えております。決済手数料率についても、当社及び株式会社バリューデザインの経営統合前の価格競争によって提供価格が低下し、収益性に課題が生じております。当経営統合により徐々に当該課題については解消し、収益改善に取り組んでまいります。デジタルマーケティングサービス提供による売上拡大、独自Pay利用促進によるリカーリング売上増など、収益性の向上を推進してまいります。
④ システムの安定性の確保
当社グループは、インターネットを利用して顧客にサービスを提供しているため、システムの安定稼働が必要不可欠であります。このため、顧客の増加に合わせサーバの処理能力を増強する施策を継続的に実施し、システムの安定性の確保に努めてまいります。また、パブリッククラウドサーバの利用を積極的に推進することで、データ量の増加にもフレキシブルな対応が可能となり、ディザスタリカバリー(注)による安全性も担保しやすくなります。
(注) ディザスタリカバリーとは、地震や津波等の天災や、テロ、不正侵入等によりシステムが壊滅的な状況になった際に効率的、かつダウンタイムを最小限にして復旧・修復すること、また、その災害に備えたシステムや体制を指します。
⑤ 個人情報管理体制の強化
GDPR(General Data Protection Regulation:EU一般データ保護規則)等による世界的な個人情報管理の規制強化を背景に、個人情報を保有する法人の情報管理の実効性強化が求められております。当社グループでは、2008年8月に一般財団法人日本情報経済社会推進協会のプライバシーマークを取得する等、個人情報保護に努めておりますが、更に今後は、「キャッシュレスサービス事業」の拡大に合わせて、PCI DSSに準拠したシステム開発を行い、セキュリティ基準の認定取得を計画しております。
⑥ アジアへの事業展開の体制構築
当社グループは、アジアにおいて、シンガポール、タイ、マレーシア、インドにおいて、現地法人を設置しております。各国とも代理店等と共に新規顧客の開拓を続けておりますが、案件は徐々に規模を拡大し、案件数の増加が進んでおり、新規営業やサービス運営、及び現地法人の運営体制の強化が課題となっております。また、会員管理やモバイル決済など、各国の事情に合わせたサービスニーズの提供に向けた現地企業との提携や、M&Aなども視野に入れた各国の同業企業との連携などを行い、アジア主要国での実績の早期確立・拡大に努めてまいります。
⑦ 内部管理体制の強化
当社グループは、今後も更なる業容拡大を図るため、成長段階に沿った業務運営の効率化やリスクマネジメントのための内部管理体制の強化が必要と認識しております。内部統制に基づき業務プロセスの整備を行い、業務を有効的かつ効率的に行ってまいります。また、内部管理体制を充実させるために、研修や社内勉強会等を開催し、内部統制及びコンプライアンスの強化に努めております。
⑧ 従業員教育等の支援強化
個々の従業員がミッションやビジョンを理解し、委譲された権限を適切に執行し、あらゆる製造原価、販売管理費の投資対効果を最大化させることができるよう、継続した従業員教育を行っております。一人ひとりが、新しい事業を生み出し、更には起業できるような人材を育成することが、当社グループの収益拡大につながると考えております。その他にも、外部の優秀な人材及び企業との交流を促進するために、従業員による自主的なイベントの開催等を支援しております。

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