有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2020/11/12 15:08
【資料】
PDFをみる
【項目】
141項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
1.経営方針
(1) 経営理念
当社グループは、『喜びを企画して世の中を面白くする』を経営理念としております。
これは、人にとって喜びこそが万国共通の永遠なるニーズであると考え、リベルタ商品と出会った時の喜び、リベルタ商品を使った時の喜び、次々に生み出される多種多様な商品の話題への期待、商品を通じてユーザー同士の楽しいコミュニケーションが生まれる喜び、様々な企業がリベルタと共に商品を企画、販売する喜び、満足、感動、感激、感謝にとどまらない「ワクワク!ドキドキ!おっ!わぉ!」といった感覚的な喜び、これらを含めた刺激を世界中に届けることを理念としております。
(2) ビジョン
「世界中に喜びが拡散する様々な商品を流通させる、マーケティングのプロフェッショナル企業となる。」をビジョンと定め、
・いかなる業界でもヒット商品を生み出せるノウハウ
・参入した業界でヒット商品を生み続けられる独自のスキームと組織
・長きにわたり築いた国内外の販路を最大限に活用し、日本の中小企業のマーケティング支援を行う
これらを実践することで実現してまいります。
(3) ミッション ~セルフ販売時代に適した商品企画を得意とするファブレスメーカーとして~
当社グループは、代表取締役社長の佐藤透が前職の通信販売会社における企画を通じて養われた、独自の「売るノウハウ」が一般消費財において、いかなる商品でも、そしていかなる販路においても効果的であるという無限の可能性を感じて創業に至りました。
今や小売業界においては、接客サービスは減少し、お客様が店内で商品を探し、欲しいものを自身でレジに持って行き支払いを行う、いわゆる「セルフ販売」が主体となっております。このため、お客様の目に留まり、欲しいっ!という欲求を作ることが必要になります。「売るノウハウ」は究極的なセルフ販売である通信販売で養われた売る技術です。「売るノウハウ」には、生活者にとっての価値を想像し、また生活者にその価値が伝わる表現の企画編集力が必要なため、今まで以上にそのノウハウはジャンルに関わらず広く活用できるようになりました。
また、国内外に広く様々な業界の販路を築くことで、商品ジャンルに関わらず数多くのヒット商品を生み出せるマーケティングプラットフォームを組織的に作り出せます。
機能的価値を追求しながら質の高い「物を作り出す」数多くのメーカーと、売るノウハウを持ち斬新な商品企画力、商品販売力、表現開発力、PR及びプロモーション力を発揮する当社グループが取り組み、生活者にとって魅力的な商品を次々に世に送り出すことを使命と考えております。
(4) 経営環境
今後のわが国の経済の見通しにつきましては、昨年の消費税増税による消費の落ち込みに続き、新型コロナウイルス感染症の拡大により経済のみならずライフスタイルや人々の価値観に過去にない変化を及ぼし不透明感が一層強まる状況となっております。これに米中の通商問題の動向など地政学リスクの高まりも加わり、不安定な状況が続くと予想されております。
当社グループが属する化粧品、日用雑貨、機能衣料、腕時計などの業界におきましても、新型コロナウイルス感染症の影響により安心・安全志向の高まりやテレワークの浸透といったライフスタイルの変化を受け、消費者ニーズの変化と多様化は今までにないスピードで起きております。このような経営環境のもと、以下の経営戦略を着実に実行していくことで経営理念、ビジョン、ミッションの実現を図ってまいります。

(5) 経営戦略
当社グループは経営戦略として「広げた販路に深く攻める」をテーマに、以下の事項を掲げております。
① 新商品開発と新規ジャンル参入による成長
新商品開発の注力テーマとして「安心・安全・健康・衛生・防御」を掲げております。コスメジャンルでは新商品開発量を抑え、日用生活雑貨ジャンルの新商品開発量を増加させます。機能衣料ジャンルは、既存のFREEZE TECHやHeatMasterなどの4ブランドを、「LIDEF(リデフ)」 ⦅LIDEF=LIBERTA流にLIFEをDEFENCEする⦆ブランドに集約し、クーリング機能付き防護服の開発や救命胴衣機能の防水バッグなどをシリーズに加え、さらなる研究開発を促進します。2018年より参入した加工食品ジャンルでは、アスミール以外の新商品企画開発を強化し、生活雑貨ジャンルについては、「暮らしを健康に」にフォーカスした商品の企画開発を強化します。また、これら以外にオーガニック&ナチュラル素材のサプリメントなどの新規ジャンルへの参入を図ってまいります。
② 国内自社通販強化による成長
デジタル&WEBマーケティングの体制を強化し、攻めの自社通販にするため、当社の強みである、商品企画力、表現開発力、そしてPR及びプロモーション力を最大限に生かし、特に今まで卸売の販売促進のために行ってきたPRを、必要に応じて外部の専門企業にも協力を得ながら、自社ECの活性化のために様々な施策を実行していきます。ユーザー及びファンを増やし、積極的に成長を促していくことで、自社通販の売上向上のために売上構造の柱として今まで実施してきていない自社通販限定商品の企画販売、会員情報を活用したリピート促進及びクロスセルを狙った販促を実施し注文単価を向上させ、またアウトレット販売のプラットフォームを活用します。
③ 国内ヒット商品No.1化による成長
国内の主要な販路で拡販に成功したヒット商品は、消費者ニーズの裏付けとなるため、後発の競合や類似品との競争フェーズへと進むことを余儀なくされ、それら競合の登場により市場は大きく広がり、新規ユーザーを含めたシェア争いに向かいます。このフェーズでブランド認知、ユーザー満足度やNPS(ネット・プロモーター・スコア)値が高いものがNo.1ブランドとして生き残ることとなり、広がる市場の中で大きなシェア獲得を行うことができます。ブランド価値を訴求するブランディングやマーケティングプロモーションを行うことで、一定の確率で生み出されるヒット商品からジャンルのNo.1を育てることにより成長を図っていきます。注力ブランドとして「ベビーフット」、「FREEZE TECH」、「カビトルネード」、「COSCOS」、「デンティス」、「DEXT」、「アスミール」を掲げています。
④ 国内のヒット商品の海外拡販による本格成長
国内に限らず、海外にも多くの販路を持っていることが当社グループの大きな強みのひとつであり、その販路は一から営業して獲得してきました。さらに大手代理店と直接の取引を実現できており利益率も高く、密なコミュニケーションから、新しい企画の創造や店頭販促強化など、市場や店舗、お客様のニーズにあわせて各種商品をはじめマーケティングの提案をしていくことが可能です。そして、国内で誕生するヒット商品の中から、海外でヒットする可能性のある商品を選定し展開国の法規制、業界特性や商習慣、人種、宗教、文化なども配慮し改善を加え、必要に応じてブランド名も変更しながら発売していき、中期的視点で目標設定とマーケティング投資を含めた収支計画を立て進めていきます。
また、販路毎に営業チームを発足させ、商品ジャンルを横展開し売上強化及びラウンド営業管理全般の体制強化を図っていきます。
(6) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、売上高、売上総利益率、経常利益及び売上高経常利益率を重要な経営指標として位置付けております。今後も引き続き商品企画力を強化し付加価値の向上に取り組むことによって、売上高及び経常利益の増加、売上総利益率及び売上高経常利益率の上昇を目指してまいります。

2.対処すべき課題
当社グループは、上記経営戦略を実現するための対処すべき課題として以下の経営課題に対処してまいります。
① 「売るノウハウ」習得の標準化
当社グループの成長のコアになる新商品企画、訴求表現開発、販促物企画、売場企画などの「売るノウハウ」の習得は、従来3年~5年のOJTをベースとした経験による習得をベースとしてまいりました。しかし、上記経営戦略を実現するためには、より早期により有効な習得手法を構築することが重要となります。このため、2018年より開始した4レベルに区分した「売るノウハウ」の認定制度と教育プログラムの実践を継続、改善、運用していくことで対処してまいります。
② 人材市場の流動化への対応
昨今の人材市場流動化へ対応すべく、能力の見える化と自己課題の明確化を可能とする継続的な人事考課制度の改善と運用、米フロイド・コンサルティング社が開発し、実用化したライフコーチングプログラムである「ドリームマネージメント」システムの導入による定着率向上をはかってまいります。
また、人材の早期戦力化を可能にする教育プログラムの開発とクラウド型システムを活用した管理運用を行い対処してまいります。
③ 人の労力と能力への依存からの脱却
上記経営戦略のとおり、数多くの新商品を企画、発売させるためには、バックオフィス業務のRPA(ロボティック・プロセス・オートメーション)の活用のみならず、商品企画業務においてもRPAの導入による自動化やAI等を活用した商品企画の合理化が重要と考えております。このため、積極的にRPAやAIなどの活用を行い対処してまいります。