有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/01/15 15:01
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146項目

事業等のリスク

本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が連結会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している重要なリスクは、以下のとおりであります。ただし、以下に記載したリスクは当社グループに関する全てのリスクを網羅したものではなく、記載されたリスク以外のリスクも存在します。かかるリスク要因のいずれによっても、投資家の判断に影響を及ぼす可能性があります。
当社は、リスク管理の全社的推進とリスク管理に必要な情報の共有化を図るため、「リスク管理委員会」を設置し、当社の事業活動に関する様々なリスクを全社横断的な観点からモニタリングする体制を構築しております。具体的には、各部門ごとにリスクを洗い出し、リスクの発生確率や、リスクが顕在化した場合に当社グループが被ると想定される損害額によってリスクの程度を評価し、この評価結果に基づいてリスクごとに管理責任者を定め、四半期ごとにモニタリングすることにしております。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1)中国での事業活動
当社グループでは、マーケットの拡大が期待されるアジア太平洋地域、特に中国において事業活動を展開しており、今後一層の拡大を目指しております。現在、社外取締役を含む8名の取締役のうち4名は中国籍であり、中国ビジネスを展開するうえでの強みとなっていることもあり、当社グループにおける中国向けの売上高は第9期連結会計年度において86.0%に達しております。一方、これらの中国での事業活動におきましては、予期し得ない不透明な政策運営、各種法制度の未整備や変更、外国資本優遇措置の見直し、労働問題等のオペレーションリスクのほか、反日抗議行動や治安悪化、テロ・戦争の勃発、感染症の流行による社会的混乱等のリスクが潜在しております。2019年1月の中国電子商取引法(EC法)の施行に際しては、流通や販売網に変化が生じたものの、早期から中国本土での販売力強化を行ってきたことや中国本土でのブランディング・マーケティング体制を自前で構築する等、対応を進めております。また、中国の主要販売チャネルであるEコマースにおきましては、主として阿里巴巴集团控股有限公司(アリババグループ)のプラットフォームで販売していることから、阿里巴巴集团控股有限公司(アリババグループ)の運営方針の変更や経営状況等の影響を受ける可能性があります。当社グループでは、これら中国での事業活動に潜在するリスクに対しては、現地情勢の把握に努め早期の回避策を講じてリスク管理に努めておりますが、完全に回避できるものではなく、これらが顕在化する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(2)ブランド価値の毀損
当社グループは、「AGtheory」「AXXZIA」などの個別ブランド展開を図っており、各ブランドは、誠実な企業経営とお客様の信頼に応えた製品・サービスの提供により、ブランドイメージの形成とその維持向上に十分努めております。しかしながら、当社グループの製品に関する否定的な評判や評価が世間に流布することによって信用が低下し、ブランドイメージが毀損された場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(3)化粧品市場環境
国内化粧品市場は成熟期を迎えており、M&Aによる企業グループの再編、異業種からの新規参入、流通業及び小売業の提携・統合に伴う影響力の増大など競争環境は厳しさを増しております。当社グループは取引先や営業・販売現場からの情報を随時把握するとともに、市場の情報をタイムリーに把握することに取り組み、マーケットニーズ・顧客志向の変化を考慮した商品開発・マーケティング・販売活動を行っておりますが、当社グループが予期せぬ競争環境の変化に的確に対処できない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(4)新製品開発と消費者ニーズへの適合
新製品開発は当社グループの競争力・成長力の源泉のひとつであり、継続的に市場ニーズの先取りに努め新製品を開発し市場に投入してきております。年度販売・生産計画を策定し、上市前のマーケティング・広告戦略の実践にも注力し、短期間で成果を挙げることを目指していますが、新製品の開発が長期にわたる場合、成果が翌期以降に及ぶことがあります。また、予定どおりの成果が得られない場合、期間の延長や上市に向けた諸経費の増加を強いられる場合や、結果として製品化できない場合もあります。さらに、製品化できた場合でも、様々な要因による不確実性が伴うため、必ずしもお客様に受け容れられるとは限りません。当社グループでは消費者ニーズに応えられなくなった既存ブランド及び商品の撤退を継続的に行っております。このように当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(5)知的財産権保護の限界
当社グループでは、商品の企画から入念なマーケティングに基づき商品開発をしており、商品上市前には商標権等の取得により知的財産権の確保に努めております。また、第三者によって模倣品が製造、販売されることを防止、当社の知的財産権に対する侵害事例の調査を随時行っております。しかし、取得した商標権等の内容が不十分であったり、第三者による予測を超えた手段等により当社グループが保有する知的財産権が侵害され、結果として、当社が第三者の権利を侵害してしまったり、第三者により当社の技術の不正流用や模倣品の開発等が行われた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(6)情報セキュリティ
当社グループでは、個人情報や研究開発情報等の機密情報の取扱いについては、情報セキュリティシステムの整備や各種委員会による社内規程の制定・教育に加え、内部監査の実施等により管理の徹底を図っております。特に個人情報の保護については、当社グループはECビジネス展開においてお客様の個人情報を取得しているため、個人情報の保護に関連する法律を遵守する必要があります。そのため社内教育や顧客情報の保管管理等を徹底し、個人情報の流出防止を図っております。しかしながら、何らかの原因によりこれらの情報が流出した場合には、当社グループに対する損害賠償請求の提起、信用失墜等が生じることにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(7)重要な訴訟
当社グループでは、法務部門を設けて契約の事前審査や知的財産の出願、管理、役職員へのコンプライアンス教育などを担当させることにより、当社グループの業務が法令や契約に違反することがないよう努めており、本書提出日現在において、当社グループに重大な影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来、重要な訴訟等が発生し、当社グループに不利な判断がなされた場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(8)天災、火災、事故等の発生が将来の業績に与える影響
当社グループは、災害による生産・供給体制への影響を最小化するため、複数調達先の確保及び生産委託先の分散化に取り組んでいます。しかしながら、これら外部パートナーの拠点地域及び当社グループが所在する地域に地震等の天災や事故が発生し、原材料及び商品の供給への影響や、生産及び納品遅延などの事態が生ずる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(9)感染症の流行、拡大
当社グループでは、感染症流行、拡大への対策として、在宅勤務が可能な環境を整備しており、感染症流行時に本社に出社しなくても業務遂行が可能となっておりますが、社会的、経済的影響の大きな感染症の流行、拡大が発生した場合、物流の停滞による資材調達の遅れや生産及び納品の遅延、営業活動や接客行為の自粛や制限、取引先や販売店の休業などにより、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(10)海外子会社管理に係るリスク
当社グループは、経営方針の中核に「グループとしての企業価値を高める経営を継続して行っていく」ことを掲げており、この企業価値を高める経営の継続に当たっては、コーポレート・ガバナンスを経営上の重要な課題のひとつと位置付け、健全な経営を遂行する組織体制や仕組みを整備し、継続的に社会的信用を保持するための体制づくりを進めております。本社における海外子会社の統括部門の下、海外子会社において社内規程を整備し、規程に則って業務を運営しガバナンス体制強化を図っております。海外子会社の運営リスクに対し、整備した社内規程の運用等を含め、計画的に海外子会社に対する監査を実施しております。しかしながら、海外子会社管理(企業統治)が不十分であることにより、不正・不祥事等が発生した場合、企業イメージの悪化、信用失墜等により、当社グループの業績に影響を与える可能性があります。
(11)為替
当社グループは、売上高に占める海外比率が拡大しており、第9期連結会計年度においては海外における売上高は当社グループの売上高の89.2%に達しており、為替リスクの影響は増加傾向にあります。そのため、グループ間取引における為替リスクは本社が負うという方針に基づき、外貨取引における為替変動の影響を本社に集約し、本社にて為替管理を行っております。また、為替予約取引等の手段により、可能な限りリスクを軽減し、回避するよう努めてまいりますが、予測を超えた為替相場の変動がある場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(12)インバウンドの影響
当社グループは、特に中国からの訪日客によるインバウンド需要の影響を多く受けております。当社グループでは、インバウンド動向を注視しており、その内容によっては機動的に取締役会等を開催して対策を講じることができる体制を構築しておりますが、予測し得ない現地の経済情勢の変化、政策等の変更、日中関係悪化、感染症の拡大等による需要の低迷が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(13)原材料価格の高騰
当社グループでは、市場リスクを最小限にするために、海外を含めたグローバル調達を推進しております。また、供給会社と良好な関係を保ちながら、必要な原材料を適切な価格でタイムリーに調達できるよう努めております。しかしながら、国際情勢の変化、投機資金流入などにより需給バランスが一時的に不均衡となり、購入価格に影響がでた場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(14)物流コストの高騰
当社グループの製品を国内及び各国に供給するためには、物流サービスが有効に機能している必要があります。
当社グループでは、内外のお客様への商品配送を複数の業者に分散して委託し、これら事業者と良好な取引関係を保つことで、安定的な物流体制を構築しております。しかしながら、昨今の物流業界の状況に鑑み、これら事業者から大幅な配送料の値上げや取引関係の縮小などがあった場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(15)部材及び商品供給
当社グループは、原材料、容器、包装資材等の部材を外部のパートナーより供給を受けています。部材の供給不安を回避するため外部パートナー選定には経営状態や生産現場の視察などを通じて安定的な供給先確保に努めています。しかしながら、外部パートナーの品質不良や経営状態の悪化等により必要部材の供給が困難になった場合、完成品である商品の生産・供給に影響することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(16)特定の委託製造先への依存
当社グループは、商品の製造を外部に委託しており、第9期連結会計年度において主力の委託製造先である株式会社シーエスラボへの外注費割合が全外注費合計に対し75.6%と高い水準となっています。同社の4工場での製造の分散化及び他製造委託先起用の拡充など、特定の委託製造先への依存による不測のリスク軽減に努めておりますが、天災、火災、事故、委託製造先の経営状態の急変などが発生した場合、商品の生産・供給に影響することとなり、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、同社との契約条件は以下のとおりであり、本書提出日現在において、契約解除事由に該当する事実はありません。
相手先の名称契約締結日契約期間契約内容契約解除事由
株式会社シーエスラボ2013年5月1日2013年5月1日から
(5年毎の自動更新で、2023年4月30日まで
自動延長中)
商品の製造委託契約条項への違反、履行に関する不正行為、その他経営状態の悪化などを事由として催告なしに契約を解除できる契約解除条項有り。

(17)在庫
当社グループは、在庫保有状況を毎月精査し、部材の発注計画を含む生産計画を毎月見直し、滞留在庫が懸念される商品については販売促進策を随時立案・実施し、在庫リスクの低減化を図っています。しかしながら、内外での法令・規制の変更に伴う市場環境の変化、消費者ニーズの変化、他社競合品との競争などにより需要及び販売見込みが実態と乖離し、滞留在庫が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(18)特定のブランド及び商品への依存
当社グループは、主力商品の売上安定化を図るとともに継続的に新規ブランド及び商品を生み出し、特定のブランド及び商品による依存リスクの分散を図っております。しかしながら、第9期連結会計年度においてはAGtheoryブランド及びAXXZIAブランドが当社グループの売上高の大部分を占めており、現在の主力ブランドが何らかの要因により販売不振に陥る場合や、また、ブランド及び商品の柱を増やす事業活動はその性質上、さまざまな要因による不確実性が伴うため、当初意図した成果が得られない場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(19)競合の激化
当社グループは、競合他社の動向によって業績に影響を受ける可能性があります。競争環境を勝ち抜くために、当社グループは新規ブランド及び商品の開発に対する投資を積極的に行っております。また、新規ブランド及び商品の開発と同時に、知的財産権の確保にも積極的に投資を行っております。競合他社に類似品を展開させないためにニッチ市場での先行者利益の獲得、パッケージや形状の独自性等様々な対策を講じ、確固たるブランド価値の確立を図っております。しかしながら、予測し得ない競合他社の動きが発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(20)法規制等の遵守
当社グループは、国内外で化粧品・健康食品を中心に多様な商品を取り扱っており、多岐にわたる法規制の適用を受けています。具体的には、会計基準や会社法、税法、労働基準法、独占禁止法、下請法、薬機法、食品衛生法、景品表示法、電子商取引法、特定商取引法、消費者契約法、個人情報保護法など、さらに海外市場に関わる各国の各種法令・規制等があり、これらの法令を遵守するためにコンプライアンス管理規程の制定及び運用、必要に応じて各種法令を管轄する省庁への確認、役職員への周知及び研修会の実施等を行い、法令遵守の徹底を図っております。しかしながら、今後、これらの法規制等の変更や、予測できない法規制等の新設により当社グループの活動が一時的に制限される場合、また、これらの法規制等への対応のための費用が生ずる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(21)許認可
当社グループは、薬機法に基づく化粧品製造業(有効期限:東京都、2023年5月28日)、化粧品製造販売業(有効期限:東京都、2023年5月28日)の許認可のもとで化粧品事業を展開しています。このため、かかる許認可に基づく基準を遵守し化粧品の品質と安全性を確保する取り組みを行っています。将来において、薬機法の変更や、許認可の有効期限到来時の更新のため、更なる対策を講ずる費用が生ずる可能性があります。さらに、将来の事業領域の拡大の際に新たな許認可取得の必要性が生ずる場合には、許認可取得のための対策費用が生ずる可能性があります。これらの可能性が顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
[主要な許認可の取得状況(2020年12月31日現在)]
取得年月許認可等の名称所管官庁等許認可等の内容有効期限法令違反の要件及び
主な許認可取消事由
2018年5月29日化粧品製造販売業
許可
東京都自らが化粧品製造販売業者として化粧品の製造販売を許可する。2023年5月28日薬機法違反
(届出義務違反、配合成分違反、表示違反、広告表現違反など)
2018年5月29日化粧品製造業許可(包装・表示・
保管区分)
東京都化粧品の包装・表示・保管行為を行うことを許可する。2023年5月28日薬機法違反
(届出義務違反、配合成分違反、表示違反、広告表現違反など)

なお、上記許認可について、2020年12月31日現在において、事業の停止、許認可取消事由及び事業廃止事由に該当する事実はありません。
(22)製造物責任賠償
当社グループが販売する商品は、消費者の肌に直接接触するもの、消費者が摂取するものが含まれるため、常に健康障害などによる製造物責任賠償のリスクが内在しており、健康障害を引き起こす事態が生じた際には製造物責任を負う可能性があります。当社グループは当該リスクへ対応するために商品の品質と安全性を確保するために品質管理体制を構築しています。しかしながら、これらの可能性が顕在化した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(23)リコール発生などの品質問題
当社グループは、市場及び消費者ニーズに応じて継続的に新規ブランドや新商品開発に取り組んでおり、製造工程面での品質管理に万全を期すとともに発売前の安全性試験を通じて、常に精緻な「製品標準書」に基づいた3C8(注)検査ポリシーに従い、安全面での品質維持に努めています。しかしながら、意図しない品質不良等により大規模なリコールの必要性が生じた際には、法令に沿った告知をはじめ速やかな自主回収の措置を講ずることとなり、これらの対策費用発生により、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(注)3C8(スリー・シー・エイト)とは3段階Check、計8項目検査のことです。
1st Check:「バルク原料等資材受入検査」1C-(1)バルク原料受入検査 1C-(2)容器等、他資材、受入検査
2nd Check:「製造~充填~梱包工程でのライン検査」2C-(1)個装品検査 2C-(2)内箱詰品検査 2C-(3)内箱詰品検査 2C-(4)5年間保管用参考品採取
3rd Check:「出荷前最終品質検査」3C-(1)完成品検査 3C-(2)出荷前品質検査
(24)消費者とのトラブル及び風評
当社グループは、販売する商品の特性上、消費者が期待する効果効能が体感できなかった場合の消費者よりの苦情、健康障害などのトラブルが発生する可能性があります。販売する商品の効果効能については商品毎に関連法令の定める範囲内での効果効能表現を徹底し、消費者との適切なコミュニケーションを図るとともに、健康障害などのトラブルに際しては誠意をもって消費者対応にあたる体制を整備しています。しかしながら、これらトラブルに関するマスコミ報道やインターネットへの書き込み等により風評が流布し、当社グループ及び商品イメージの低下につながる事態が発生した場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(25)返品発生
当社グループは、百貨店・量販店・ドラッグストアチェーン店などの商慣習に従い商品を販売しており、過去に販売した商品の返品が発生する可能性があります。これら取引先との契約条件については個別協議を続けるとともに、取引先と協力して取引先側での過剰在庫を発生させないよう販売促進策を随時実施することで返品発生のリスクの最少化に努めています。さらに、当社グループが責を負うべき品質不良などによる返品が多数発生し、返品処理及び代替品納品などの費用が多額に発生する場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(26)特定人物への依存
当社グループは、代表取締役社長である段卓の中国市場における人的関係を活用し、海外事業を推進、展開しております。海外営業部及び海外子会社にてこれら人的関係を継承し、特定の人物に依存するリスクの低減に努めています。しかしながら、段卓自身が不慮の事故等に遭遇し、海外取引先との人的関係及び取引関係の維持に支障を生ずる場合には、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(27)人材の獲得及び育成
当社グループでは、今後想定される事業拡大等に伴い、継続した人材の確保が必要であると考えております。特に商品開発や営業、マーケティングに関わる優秀な人材の確保に努めるとともに、教育体制の整備を進め、人材の定着と能力向上に取り組んでおります。しかしながら、当社グループが求める人材が必要な時期に十分に確保・育成できなかった場合、あるいは人材の流出が進んだ場合には、経常的な業務運営及び事業拡大に支障が生じ、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。
(28)支配株主との関係について
当社の支配株主である段卓は、当社の創業者であり代表取締役であります。当社の支配株主である王暁維(通称名 天野 暁維)は、当社の取締役副社長であり、段卓の配偶者であります。
段卓と王暁維、自身の資産管理会社である株式会社イーグルファイナンス及び創維科技實業有限公司並びに二親等内の親族である段世純の所有株式数を含めると本書提出日現在で発行済株式総数の87.4%を所有しております。また、段卓の四親等の親族である取締役の武君の所有株式数も含めると94.7%を保有しております。
段卓及び王暁維は、安定株主として引き続き一定の議決権を保有し、その議決権行使にあたっては、株主共同の利益を追求するとともに、少数株主の利益にも配慮する方針を有しておりますが、双方の意見が必ずしも一致するわけではないため、支配株主の利益追求により当社の少数株主利害を害される利益相反リスクの可能性があります。
(29)新株予約権の行使による株式価値の希薄化
当社グループでは、当社グループの役員、従業員に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しております。本書提出日現在、これらの新株予約権による潜在株式数は390,000株であり、発行済株式総数の1.71%に相当しております。これらの新株予約権の行使が行われた場合、発行済株式総数が増加し、1株当たりの株式価値が希薄化する可能性があり、この株式価値の希薄化が株価形成に悪影響を及ぼす可能性があります。
(30)公募増資による資金使途のリスクについて
当社は、本書に基づき資本市場から調達する公募増資による資金について、「第一部 証券情報 第1 募集要項 5 新規発行による手取金の使途 (2)手取金の使途」に記載のとおり、新たな自社工場設立に充当する予定としております。当社は、これまで自社工場を保有しておらず、工場設立に当たっては、その投資効果を慎重に検討しておりますが、経営環境の急激な変化等により、上記の資金使途へ予定どおり資金を投入したとしても、想定どおりの投資効果を上げられない場合、当社グループの経営成績及び財政状態に悪影響を及ぼす可能性があります。