有価証券届出書(新規公開時)
有報資料
文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
当社グループは、人材事業及びメディア事業を営んでおりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済や生活様式に対する影響により、転職市場の冷え込みを要因としてクリエイター採用が困難となることや主なクライアントであるゲーム業界における人材採用活動が鈍化すること、及び景気の鈍化による広告市場の冷え込み等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、現状においては、外出自粛要請などの影響により在宅でのゲームを利用する需要が拡大しているものと考えられ、主なクライアントであるゲーム業界は市場規模を拡大しており、その結果、派遣事業を中心とした当社の人材事業の業績は堅調に推移しております。また、広告市場の冷え込みによってメディア事業への影響が生じているものの、当社グループの業績に対する影響は軽微なものとなっております。従いまして、環境の変化に応じた事業戦略と適正な財務戦略によって、当社グループの持続的な成長を展望できると考えております。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「クリエイティブの最前線で共に未来を描く」をビジョンとして、エンターテイメント業界におけるものづくりの最前線を支えるクリエイターの皆様が自らの夢を実現させ、携わった作品の価値が向上し、所属した組織および業界がさらに発展するような未来を共に描きたいと考え、その実現のためにクリエイター・取引先企業・社会を「信頼」という絆で結ぶことで当社の企業価値の向上と社会への貢献を目指しております。具体的には、クリエイターにはエンターテイメント業界での就業機会を、取引先企業にはクリエイターの労働サービスを提供し、取引先企業がより良い作品を制作することで社会への貢献を果たすという循環を作り、その循環を作り出すための適正な対価を受け取ることで、当社の企業価値の向上を図りたいと考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、人材事業・メディア事業の成長による安定的な収益の獲得を実現しながら、両事業のシナジーを活かした新たな価値を提供するサービス・事業を創出し、高い成長率と収益力を継続する方針でおります。具体的には、当社の主力事業となっている人材派遣事業についてゲーム業界のクライアントをより深耕するとともに、周辺のWeb・エンターテイメント領域(*1)にターゲットを拡大しようと考えております。また、人材派遣事業で既にサービスを提供している取引先企業を対象に、クロスセル営業を推進することで人材紹介事業及び受託事業を成長させ、拡大することを目指しております。加えて、フリーランス・マッチング(*2)等の新たなサービスに参入することによって、クライアントの人材ニーズに合わせたサービスの提供を行っていく予定です。
メディア事業では、メディア運営によって蓄積した検索エンジン最適化(SEO)やSNSによる集客ノウハウを利用し、クライアントのプロモーション活動を支援するサービスの提供も検討しております。さらに、人材事業とメディア事業のシナジー効果を発揮するため、メディア事業の集客ノウハウを利用して、潜在的に転職を希望する人材を集めるためのオウンドメディアを立ち上げることを検討しております。
(*1)当社は、周辺のWeb・エンターテイメント領域として、Eコマース、Web広告、映像、アニメーション、テレビ及びe-スポーツに関連する事業を対象にしております。
(*2)フリーランス・マッチングは、「案件を発注したい企業」と「案件を受注したいフリーランス」を繋ぎ合わせ、その対価として、手数料を頂くサービスのことを指しております。
(3)経営環境
人材事業においては、人材派遣業の全体の市場規模は7.8兆円まで拡大しておりますが(出典:2019年度厚生労働省による労働者派遣事業報告書の集計結果より当社作成)、いわゆる働き方改革や派遣法改正による同一労働同一賃金などの影響から、派遣社員の時給は年々増加傾向にあるとともに、派遣社員への教育訓練の機会提供及びその充実化が求められることで、規制への対応を迫られております。また、新型コロナウイルスの影響により、小売業やサービス業における人材ニーズが減少しているため、人材派遣業の市場規模は短期的には縮小することが想定されます。一方、当社が主にサービスの提供を行っているゲーム業界においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣籠もり需要によって、国内家庭用ゲームのハード・ソフトともに市場規模は拡大している状況にあり、ハードは1,856.6億円で前年対比116.4%増、ソフトは1,817.2億円で前年対比108.9%増(出典:ファミ通ゲームソフト・ハード売上ランキング 2020年年報)となっております。加えて、2020年の世界のモバイルゲーム市場規模は7兆7,255億円で前年対比7.5%増、その中でも日本の市場規模は1兆2,113億円となっております(出典:ファミ通モバイルゲーム白書2021)。そのため、人材派遣業の市場規模が短期的に縮小する中、当社がターゲットとしているゲーム業界向けの人材派遣業の市場は堅調に推移するものと考えております。当社では、2019年3月に経済産業省から発表された「IT人材需給に関する調査報告書」に記載されているとおり、2030年には最大79万人のIT人材の需給ギャップが生じるとされ、ゲーム業界もIT人材に対する需要があることから、中期的なトレンドとして、ゲーム業界は慢性的な人材不足となっており、人材を確保することが困難な状況が継続すると考えております。働き方も多様化してきており、「期間や時間を選べる」「好きな職種や職場を選べる」「パートやアルバイトより給料水準が高い」などの嗜好に合わせて、派遣形態を利用するメリットがあることから、ゲーム業界を含むエンターテイメント業界における人材派遣事業の需要は今後も拡大していくものと推測しております。また、人材紹介事業においては、ゲーム業界の市場拡大に伴い、成長市場で就業したいという求職者が増加すると考えております。さらに、受託事業においては、国内外のゲーム会社の競争が激化しており、クライアント企業はコアとなるゲーム開発にリソースを集中していくことから、ノンコア業務についてはアウトソースの利用が増加するものと考えております。したがって、当社がターゲットとしているゲーム業界又はその周辺領域であるエンターテイメント業界向けの労働市場は益々拡大していくものと考えております。
メディア事業においては、インターネットの普及により世の中に出回る情報量が増えている一方で、個人が読み取ることのできる情報量には限界がきていると認識しており、このような課題を解決していく可能性を秘めているものとして、ユーザーが必要とする情報を取捨選択し、ユーザーにとって最適な情報発信を行うメディアサービスがあります。インターネット広告の国内市場規模は、スマートデバイスの普及率に比例して成長を遂げていき、2015年度から2017年度まで約1兆円から1.37兆円と大きく拡大しており、2022年度までに2.38兆円まで拡大すると予測されています(矢野経済研究所調べ)。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、主要セグメントである人材事業において、成長性と収益性を評価する指標として、売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、セグメント利益を重視しております。特に、取引先企業との契約条件と派遣社員の賃金バランスが重要であると認識していることから、売上総利益率30%の維持を経営指標の数値的な目標として掲げております。また、売上高の大半を占める派遣事業における配属社員数、稼働率及び配属社員1人当たり売上高につきましても、重要な指標として管理しております。メディア事業において、成長性と収益性を評価する指標として、売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、セグメント利益を重視しておりますが、経営指標の数値的な目標は掲げておりません。これらを踏まえ、当社グループでは、連結全体における経営指標として売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、営業利益及びその増加率、営業利益率を重視し、売上総利益率30%の維持を経営指標の数値的な目標として掲げております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループにおいて収益基盤の更なる拡大及び経営安定化を図っていくうえで対処すべき課題は以下となります。
①人材事業
a.人材の確保
2019年3月に経済産業省から発表された「IT人材需給に関する調査報告書」に記載されているとおり、2030年には最大79万人のIT人材の需給ギャップが生じるとされ、ゲーム業界もIT人材に対する需要があることから、中期的なトレンドとして、人材の売り手市場化が進み、慢性的な人材不足の状態となっているものと認識しており、このような状況は今後も継続するものと考えております。このため、当社では人材の確保及び社員定着率の向上を図ることが重要と考えており、今後、対策として福利厚生、研修制度、社員交流制度等を充実させ、社員のキャリアパスの多様化を実現することで人材の確保に努めてまいります。
b.サービス提供先の適切な選別
当社グループの人材事業では、ゲーム業界を中心とするエンターテイメント系企業を主要顧客としております。近年のオンラインゲームの国内市場規模は2013年の8,423億円から1兆3,530億円となり、堅調に推移しております(「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート2020(一般社団法人日本オンラインゲーム協会)」)。本業界におけるヒットタイトルの盛衰によりゲーム業界での人材需要も大きく変動することから、特定の取引先に依存せず常に取引先を確保し続ける事が必要と考えております。当社グループにおいては、ゲーム業界を中心にクライアント企業を拡大し、各クライアントの人材需要の変動に対応できる体制の構築に努めてまいります。また、ゲーム業界の周辺領域分野であるエンターテイメント業界など、クリエイティブスキルを活かせる分野への参入を図ることで、サービス提供先を拡大し、経営の安定化を図ってまいります。
c.収益確保のためのプロセス確立
当社グループにおける人材事業は、業界内の価格抑制圧力と慢性的な人材確保の困難さという側面から収益率停滞のリスクが高まっていると認識しております。その状況に対応するため当社グループにおいては、クリエイター人材の評価、育成、配置転換等のタレントマネジメント機能の強化と営業のゲーム開発プロセスの理解を通じた人材要件定義の精緻化及び交渉能力の向上により、売上総利益率30%の維持に努めてまいります。
d.内部管理体制の強化
当社グループにおける人材事業が急速な事業環境の変化に適応しながら持続的に成長していくためには、各種業務の標準化と効率化を図ることが重要と認識しております。そのためには、全社従業員が業務フロー・マニュアル・規定を遵守することを一層徹底させるとともに内部管理体制の強化を図ってまいります。
e.新型コロナウイルスへの対応
当社グループにおける人材事業は、派遣先の多くをゲーム会社が占めているため、コロナ禍においても在宅勤務等によって継続して業務を行うことが出来ていることから、当社の派遣社員の多くが配属出来ており、派遣契約が終了するという状況には陥っておりません。しかしながら、在宅勤務等によってゲーム業界の未経験者とコミュニケーションを取りながら業務を進めていくことが難しいことから、ゲーム会社各社の人材の採用基準は厳しくなっており、新たに派遣社員を配属することが以前よりも難しい状況となっております。そのため、ゲーム業界経験者の採用を強化することで、クライアントとクリエイター人材のマッチング精度を上げ、新たな派遣社員を配属できるように努めてまいります。
②メディア事業
a.人材の確保及び組織の構築
当社子会社におけるメディア事業は、スマートフォンの普及による情報メディアへの検索ニーズの高まりと、創業者が有していた検索時に上位に表示される記事作成ノウハウを社内に蓄積し、検索される回数の多いキーワードを選定することによって女性向けメディア「Lovely」のページビュー数を安定的に獲得することで、広告収入を得ております。しかしながら、変化の速いインターネットメディア業界において持続的成長を目指すにあたり、運営を推進するマネジメント人材が不足すると考えられます。したがって、当社グループではメディア事業の運営を推進するマネジメント人材の育成・採用の強化を図ってまいります。
b.収益の拡大
メディア事業の収益拡大には、主要サイト「Lovely」のページビュー数の増加、ページビュー数あたりの収益単価の増加が必要と考えており、ページビュー数の増加に関する施策として、検索結果の上位に表示されるようキーワードを意識した記事作成の他、SNS等を活用して固定ユーザーが安定的にサイトに流入するようにしております。ページビュー数あたりの収益単価の増加の施策として、広告のターゲットとなるユーザーを意識した記事作成を行っております。そのほか、他メディアの記事制作業務の代行や新規メディアの開発・運営を行うことで収益力の更なる拡大が期待できるため、各サイトに掲載するコンテンツの開発能力強化と複数メディア管理が可能な社内体制の構築を進めてまいります。
c.検索エンジンのアルゴリズム変更への対処
グーグル検索エンジンの大型アップデートは年に2回から3回実施されており、同アップデートにより検索結果の表示順位が大きく変動する可能性があります。これらの検索結果の表示順位の変動に依存しないサイトへの流入経路を確保するとともに、作成する記事の質を向上することによって、安定的にページビュー数を確保する必要があります。また、アップデートにより影響を受けて一時的にページビュー数が減少した場合においても、早期に既存の記事をリライトし、アップデートの内容に沿った記事に変更できるよう情報収集体制及び記事作成体制の構築を進めてまいります。
d.内部管理体制の強化
メディア事業が急速な事業環境の変化に適応しながら持続的に成長していくためには、各種業務の標準化と効率化を図ることが重要と認識しております。そのためには、全従業員が業務フロー・マニュアル・規定を遵守することを徹底させると共に内部管理体制の強化を図って参ります。
e.新型コロナウイルスへの対応
当社グループにおけるメディア事業は、主に、「Lovely」を通じてアドネットワーク広告によって収益を得ております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響により実体経済が冷え込んだ結果、広告市場が縮小し、アドネットワーク広告における単価が下落傾向にあります。そのため、アドネットワーク広告における収入に依存しないよう記事作成の受託案件の増加やアフィリエイト収入の増加など、収益獲得手段の多角化を目指してまいります。
当社グループは、人材事業及びメディア事業を営んでおりますが、新型コロナウイルス感染症の拡大による世界経済や生活様式に対する影響により、転職市場の冷え込みを要因としてクリエイター採用が困難となることや主なクライアントであるゲーム業界における人材採用活動が鈍化すること、及び景気の鈍化による広告市場の冷え込み等が生じ、当社グループの業績に影響を及ぼす可能性があります。しかしながら、現状においては、外出自粛要請などの影響により在宅でのゲームを利用する需要が拡大しているものと考えられ、主なクライアントであるゲーム業界は市場規模を拡大しており、その結果、派遣事業を中心とした当社の人材事業の業績は堅調に推移しております。また、広告市場の冷え込みによってメディア事業への影響が生じているものの、当社グループの業績に対する影響は軽微なものとなっております。従いまして、環境の変化に応じた事業戦略と適正な財務戦略によって、当社グループの持続的な成長を展望できると考えております。
(1)会社の経営の基本方針
当社グループは、「クリエイティブの最前線で共に未来を描く」をビジョンとして、エンターテイメント業界におけるものづくりの最前線を支えるクリエイターの皆様が自らの夢を実現させ、携わった作品の価値が向上し、所属した組織および業界がさらに発展するような未来を共に描きたいと考え、その実現のためにクリエイター・取引先企業・社会を「信頼」という絆で結ぶことで当社の企業価値の向上と社会への貢献を目指しております。具体的には、クリエイターにはエンターテイメント業界での就業機会を、取引先企業にはクリエイターの労働サービスを提供し、取引先企業がより良い作品を制作することで社会への貢献を果たすという循環を作り、その循環を作り出すための適正な対価を受け取ることで、当社の企業価値の向上を図りたいと考えております。
(2)中長期的な会社の経営戦略
当社グループでは、人材事業・メディア事業の成長による安定的な収益の獲得を実現しながら、両事業のシナジーを活かした新たな価値を提供するサービス・事業を創出し、高い成長率と収益力を継続する方針でおります。具体的には、当社の主力事業となっている人材派遣事業についてゲーム業界のクライアントをより深耕するとともに、周辺のWeb・エンターテイメント領域(*1)にターゲットを拡大しようと考えております。また、人材派遣事業で既にサービスを提供している取引先企業を対象に、クロスセル営業を推進することで人材紹介事業及び受託事業を成長させ、拡大することを目指しております。加えて、フリーランス・マッチング(*2)等の新たなサービスに参入することによって、クライアントの人材ニーズに合わせたサービスの提供を行っていく予定です。
メディア事業では、メディア運営によって蓄積した検索エンジン最適化(SEO)やSNSによる集客ノウハウを利用し、クライアントのプロモーション活動を支援するサービスの提供も検討しております。さらに、人材事業とメディア事業のシナジー効果を発揮するため、メディア事業の集客ノウハウを利用して、潜在的に転職を希望する人材を集めるためのオウンドメディアを立ち上げることを検討しております。
(*1)当社は、周辺のWeb・エンターテイメント領域として、Eコマース、Web広告、映像、アニメーション、テレビ及びe-スポーツに関連する事業を対象にしております。
(*2)フリーランス・マッチングは、「案件を発注したい企業」と「案件を受注したいフリーランス」を繋ぎ合わせ、その対価として、手数料を頂くサービスのことを指しております。
(3)経営環境
人材事業においては、人材派遣業の全体の市場規模は7.8兆円まで拡大しておりますが(出典:2019年度厚生労働省による労働者派遣事業報告書の集計結果より当社作成)、いわゆる働き方改革や派遣法改正による同一労働同一賃金などの影響から、派遣社員の時給は年々増加傾向にあるとともに、派遣社員への教育訓練の機会提供及びその充実化が求められることで、規制への対応を迫られております。また、新型コロナウイルスの影響により、小売業やサービス業における人材ニーズが減少しているため、人材派遣業の市場規模は短期的には縮小することが想定されます。一方、当社が主にサービスの提供を行っているゲーム業界においては、新型コロナウイルス感染症拡大に伴う巣籠もり需要によって、国内家庭用ゲームのハード・ソフトともに市場規模は拡大している状況にあり、ハードは1,856.6億円で前年対比116.4%増、ソフトは1,817.2億円で前年対比108.9%増(出典:ファミ通ゲームソフト・ハード売上ランキング 2020年年報)となっております。加えて、2020年の世界のモバイルゲーム市場規模は7兆7,255億円で前年対比7.5%増、その中でも日本の市場規模は1兆2,113億円となっております(出典:ファミ通モバイルゲーム白書2021)。そのため、人材派遣業の市場規模が短期的に縮小する中、当社がターゲットとしているゲーム業界向けの人材派遣業の市場は堅調に推移するものと考えております。当社では、2019年3月に経済産業省から発表された「IT人材需給に関する調査報告書」に記載されているとおり、2030年には最大79万人のIT人材の需給ギャップが生じるとされ、ゲーム業界もIT人材に対する需要があることから、中期的なトレンドとして、ゲーム業界は慢性的な人材不足となっており、人材を確保することが困難な状況が継続すると考えております。働き方も多様化してきており、「期間や時間を選べる」「好きな職種や職場を選べる」「パートやアルバイトより給料水準が高い」などの嗜好に合わせて、派遣形態を利用するメリットがあることから、ゲーム業界を含むエンターテイメント業界における人材派遣事業の需要は今後も拡大していくものと推測しております。また、人材紹介事業においては、ゲーム業界の市場拡大に伴い、成長市場で就業したいという求職者が増加すると考えております。さらに、受託事業においては、国内外のゲーム会社の競争が激化しており、クライアント企業はコアとなるゲーム開発にリソースを集中していくことから、ノンコア業務についてはアウトソースの利用が増加するものと考えております。したがって、当社がターゲットとしているゲーム業界又はその周辺領域であるエンターテイメント業界向けの労働市場は益々拡大していくものと考えております。
メディア事業においては、インターネットの普及により世の中に出回る情報量が増えている一方で、個人が読み取ることのできる情報量には限界がきていると認識しており、このような課題を解決していく可能性を秘めているものとして、ユーザーが必要とする情報を取捨選択し、ユーザーにとって最適な情報発信を行うメディアサービスがあります。インターネット広告の国内市場規模は、スマートデバイスの普及率に比例して成長を遂げていき、2015年度から2017年度まで約1兆円から1.37兆円と大きく拡大しており、2022年度までに2.38兆円まで拡大すると予測されています(矢野経済研究所調べ)。
(4)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、主要セグメントである人材事業において、成長性と収益性を評価する指標として、売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、セグメント利益を重視しております。特に、取引先企業との契約条件と派遣社員の賃金バランスが重要であると認識していることから、売上総利益率30%の維持を経営指標の数値的な目標として掲げております。また、売上高の大半を占める派遣事業における配属社員数、稼働率及び配属社員1人当たり売上高につきましても、重要な指標として管理しております。メディア事業において、成長性と収益性を評価する指標として、売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、セグメント利益を重視しておりますが、経営指標の数値的な目標は掲げておりません。これらを踏まえ、当社グループでは、連結全体における経営指標として売上高及びその増加率、売上総利益、売上総利益率、営業利益及びその増加率、営業利益率を重視し、売上総利益率30%の維持を経営指標の数値的な目標として掲げております。
(5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループにおいて収益基盤の更なる拡大及び経営安定化を図っていくうえで対処すべき課題は以下となります。
①人材事業
a.人材の確保
2019年3月に経済産業省から発表された「IT人材需給に関する調査報告書」に記載されているとおり、2030年には最大79万人のIT人材の需給ギャップが生じるとされ、ゲーム業界もIT人材に対する需要があることから、中期的なトレンドとして、人材の売り手市場化が進み、慢性的な人材不足の状態となっているものと認識しており、このような状況は今後も継続するものと考えております。このため、当社では人材の確保及び社員定着率の向上を図ることが重要と考えており、今後、対策として福利厚生、研修制度、社員交流制度等を充実させ、社員のキャリアパスの多様化を実現することで人材の確保に努めてまいります。
b.サービス提供先の適切な選別
当社グループの人材事業では、ゲーム業界を中心とするエンターテイメント系企業を主要顧客としております。近年のオンラインゲームの国内市場規模は2013年の8,423億円から1兆3,530億円となり、堅調に推移しております(「JOGAオンラインゲーム市場調査レポート2020(一般社団法人日本オンラインゲーム協会)」)。本業界におけるヒットタイトルの盛衰によりゲーム業界での人材需要も大きく変動することから、特定の取引先に依存せず常に取引先を確保し続ける事が必要と考えております。当社グループにおいては、ゲーム業界を中心にクライアント企業を拡大し、各クライアントの人材需要の変動に対応できる体制の構築に努めてまいります。また、ゲーム業界の周辺領域分野であるエンターテイメント業界など、クリエイティブスキルを活かせる分野への参入を図ることで、サービス提供先を拡大し、経営の安定化を図ってまいります。
c.収益確保のためのプロセス確立
当社グループにおける人材事業は、業界内の価格抑制圧力と慢性的な人材確保の困難さという側面から収益率停滞のリスクが高まっていると認識しております。その状況に対応するため当社グループにおいては、クリエイター人材の評価、育成、配置転換等のタレントマネジメント機能の強化と営業のゲーム開発プロセスの理解を通じた人材要件定義の精緻化及び交渉能力の向上により、売上総利益率30%の維持に努めてまいります。
d.内部管理体制の強化
当社グループにおける人材事業が急速な事業環境の変化に適応しながら持続的に成長していくためには、各種業務の標準化と効率化を図ることが重要と認識しております。そのためには、全社従業員が業務フロー・マニュアル・規定を遵守することを一層徹底させるとともに内部管理体制の強化を図ってまいります。
e.新型コロナウイルスへの対応
当社グループにおける人材事業は、派遣先の多くをゲーム会社が占めているため、コロナ禍においても在宅勤務等によって継続して業務を行うことが出来ていることから、当社の派遣社員の多くが配属出来ており、派遣契約が終了するという状況には陥っておりません。しかしながら、在宅勤務等によってゲーム業界の未経験者とコミュニケーションを取りながら業務を進めていくことが難しいことから、ゲーム会社各社の人材の採用基準は厳しくなっており、新たに派遣社員を配属することが以前よりも難しい状況となっております。そのため、ゲーム業界経験者の採用を強化することで、クライアントとクリエイター人材のマッチング精度を上げ、新たな派遣社員を配属できるように努めてまいります。
②メディア事業
a.人材の確保及び組織の構築
当社子会社におけるメディア事業は、スマートフォンの普及による情報メディアへの検索ニーズの高まりと、創業者が有していた検索時に上位に表示される記事作成ノウハウを社内に蓄積し、検索される回数の多いキーワードを選定することによって女性向けメディア「Lovely」のページビュー数を安定的に獲得することで、広告収入を得ております。しかしながら、変化の速いインターネットメディア業界において持続的成長を目指すにあたり、運営を推進するマネジメント人材が不足すると考えられます。したがって、当社グループではメディア事業の運営を推進するマネジメント人材の育成・採用の強化を図ってまいります。
b.収益の拡大
メディア事業の収益拡大には、主要サイト「Lovely」のページビュー数の増加、ページビュー数あたりの収益単価の増加が必要と考えており、ページビュー数の増加に関する施策として、検索結果の上位に表示されるようキーワードを意識した記事作成の他、SNS等を活用して固定ユーザーが安定的にサイトに流入するようにしております。ページビュー数あたりの収益単価の増加の施策として、広告のターゲットとなるユーザーを意識した記事作成を行っております。そのほか、他メディアの記事制作業務の代行や新規メディアの開発・運営を行うことで収益力の更なる拡大が期待できるため、各サイトに掲載するコンテンツの開発能力強化と複数メディア管理が可能な社内体制の構築を進めてまいります。
c.検索エンジンのアルゴリズム変更への対処
グーグル検索エンジンの大型アップデートは年に2回から3回実施されており、同アップデートにより検索結果の表示順位が大きく変動する可能性があります。これらの検索結果の表示順位の変動に依存しないサイトへの流入経路を確保するとともに、作成する記事の質を向上することによって、安定的にページビュー数を確保する必要があります。また、アップデートにより影響を受けて一時的にページビュー数が減少した場合においても、早期に既存の記事をリライトし、アップデートの内容に沿った記事に変更できるよう情報収集体制及び記事作成体制の構築を進めてまいります。
d.内部管理体制の強化
メディア事業が急速な事業環境の変化に適応しながら持続的に成長していくためには、各種業務の標準化と効率化を図ることが重要と認識しております。そのためには、全従業員が業務フロー・マニュアル・規定を遵守することを徹底させると共に内部管理体制の強化を図って参ります。
e.新型コロナウイルスへの対応
当社グループにおけるメディア事業は、主に、「Lovely」を通じてアドネットワーク広告によって収益を得ております。しかしながら、新型コロナウイルスの影響により実体経済が冷え込んだ結果、広告市場が縮小し、アドネットワーク広告における単価が下落傾向にあります。そのため、アドネットワーク広告における収入に依存しないよう記事作成の受託案件の増加やアフィリエイト収入の増加など、収益獲得手段の多角化を目指してまいります。