有価証券報告書-第10期(2025/07/01-2026/06/30)
有報資料
文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであります。
1)経営方針
当社は、2026年8月14日付でグループ理念を改訂し、「グループ理念」、「ビジョン」及び「行動指針」を、当社グループの経営における基本方針として定めております。
(1)グループ理念
地域企業の自律と連携を通じて
一人ひとりがしあわせを実感できる社会を創造する
(2)ビジョン
100社、1000億、1万人
中小企業100社のネットワーク
グループ売 上 高 1000億円
グループ営業利益 100億円
社 員 数 1万人
(3)行動指針
① 意志
「絶対こうなる」と強烈に思い続ければ必ず実現する、「こうなりたい」程度では実現しない
② 逆算
現状維持は衰退、自らが望む将来像から逆算してゴール、プロセス、スケジュールを具体的な目標にする
③ 勇気
変わる勇気、嫌われる勇気等、真の勇気を持つ、卑怯な行動はしない
④ 努力
一番を目指して競合他社に勝つ努力をし続ける
⑤ 価格
企業の栄枯盛衰は「値決め」で決まる、売上最大・経費最小、原価意識・採算意識を持つ
⑥ 尊重
「ために」ではなく「共に」、互いを尊重し、平等な関係で信頼しあい、それぞれが持てる力を尽くす
2)経営環境
(1)社会環境
当連結会計年度における我が国経済は、米国の通商政策の影響や中東情勢等に留意する必要があるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景として、緩やかな回復基調で推移しました。個人消費には持ち直しの動きがみられ、設備投資も回復基調で推移しました。一方、物価上昇の影響は引き続きみられ、人手不足の状況が続いたほか、金融資本市場の変動等にも注意が必要な状況が続きました。
(2)事業環境
① グループ全体の事業環境
当社は、地域に根差した中小企業の成長支援を行う「企業支援プラットフォーム」を構築し、子会社に対して、グループ共通の理念・価値観の共有や、経営管理、資金繰り、営業・技術力の向上、人材採用・育成、DX化への対応等の支援を行っております。また、「企業支援プラットフォーム」のさらなる充実を図るため、「従業員承継型M&A」によるグループネットワークの拡大を進めております。
我が国では、経営者の高齢化や後継者不足を背景として、中小企業の事業承継が引き続き社会的な課題となっております。また、物価上昇や人手不足等の事業環境の変化に対応し、企業の持続的な成長を実現するため、人への投資、設備投資、M&A、研究開発投資、DX及び海外展開等の重要性が高まっております。
中小企業庁が2026年4月に公表した2026年版「中小企業白書」によると、中小企業における後継者不在率は減少傾向にあるものの、60歳以上の経営者が過半数を占めるなど、経営者年齢の水準は依然として高い状況にあります。このことから、中長期的に事業承継を必要とする企業は相当程度存在し、事業承継に対するニーズは今後も継続するものと見込んでおります。
M&A市場においては、事業承継に加え、事業ポートフォリオの見直しに伴うカーブアウト、成長を目的とした企業グループへの参画、スタートアップ企業のイグジット、投資ファンドによる投資回収を目的とした売却案件など、売り手側の目的が多様化しております。このような市場環境は、当社グループが推進する「従業員承継型M&A」及び「企業支援プラットフォーム」を軸とした成長戦略との親和性が高いものと認識しております。
② セグメント別の事業環境
a.建設関連サービス事業
建設関連サービス事業は、発注者の約8割を行政機関(国、都道府県、市町村等)が占めております。当社グループでは、土木・建築工事に関する調査、計画、設計、施工管理及び維持点検等の「建設コンサルタント業務」を提供するとともに、公共工事の発注に伴う工事監督、積算及び検査等の業務を行政職員に代わって行う「発注者支援業務」を提供しております。
当事業の市場動向について概観しますと、財務省が2025年12月に公表した「令和8年度国土交通省・公共事業関係予算のポイント」によると、2026年度の公共事業関係費は6兆1,078億円(前年度比0.4%増)となっております。同予算では、「防災・減災、国土強靱化の推進」、「持続的な成長力強化・生産性向上、地方の生活等の安定に向けた取組」、「担い手確保・処遇改善等への対応」等が基本的な考え方として示されております。
また、一般財団法人建設経済研究所が2026年4月に公表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し(2026年4月)」によると、建設投資額は、2025年度が76兆7,800億円(前年度比4.9%増)、2026年度が80兆9,400億円(同5.4%増)と、2年連続で前年度を上回ることが予測されております。このうち、政府分野投資は、2025年度が22兆8,900億円(同2.1%増)、2026年度が24兆6,500億円(同7.7%増)と、いずれも増加することが予測されております。
以上から、当事業を取り巻く市場環境は、公共投資による下支えに加え、防災・減災、国土強靱化及び老朽化した社会インフラの維持・更新需要を背景として、今後も底堅く推移するものと見込んでおります。一方で、技術者の高齢化や人手不足、人件費の上昇等が事業上の課題となっており、技術者の確保・育成及び生産性の向上が一層重要になるものと認識しております。
b.人材関連サービス事業
人材関連サービス事業は、事務スタッフ派遣、建設技術者派遣及び製造業派遣を主要な事業としております。その他の関連事業として、交通誘導や施設警備等を行う警備事業、日本で受託した図面作成等の業務をカンボジアで行う海外アウトソーシング事業及びカンボジア人技能実習生送出事業を行っております。
当事業の市場動向について概観しますと、厚生労働省が2026年4月に公表した「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」によると、2025年度平均の有効求人倍率は1.20倍となり、前年度の1.25倍から0.05ポイント低下しました。
労働者派遣事業については、厚生労働省が2026年3月に公表した「令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、派遣労働者数は約220万人(前年度比3.9%増)、派遣先件数は約86万件(同7.9%増)、年間売上高は9兆9,005億円(同9.4%増)となり、いずれも前年度を上回りました。
警備業については、警察庁の「令和7年における警備業の概況」によると、2025年12月末現在の警備業法第4条に基づく認定業者数は1万949業者(前年比138業者、1.3%増)、警備員数は59万6,985人(同9,137人、1.5%増)となり、いずれも前年を上回りました。
外国人雇用については、厚生労働省が2026年1月に公表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」によると、外国人労働者数は257万1,037人(前年比11.7%増)、外国人を雇用する事業所数は37万1,215か所(同8.5%増)となり、いずれも届出が義務化された2007年以降の過去最多を更新しました。
以上より、有効求人倍率は前年度を下回ったものの、労働者派遣市場及び外国人雇用は拡大し、警備業における認定業者数及び警備員数も増加していることから、人手不足を背景とした多様な人材・サービスに対する需要は、引き続き底堅く推移しているものと認識しております。一方で、人材獲得競争の激化や賃金水準の上昇等が事業上の課題となっており、人材の確保・定着及び適正な派遣料金への転嫁が一層重要になるものと認識しております。
c.建設事業
建設事業は、総合建設業及び法面工事事業を中心としており、道路、橋梁、河川、上下水道、法面及び駅施設等の新設・維持補修工事を行っております。主要な顧客は、国及び地方公共団体、鉄道事業者等であります。
当事業の市場動向について概観しますと、財務省が2025年12月に公表した「令和8年度国土交通省・公共事業関係予算のポイント」によると、2026年度の公共事業関係費は6兆1,078億円(前年度比0.4%増)となっております。このうち、老朽化対策として、道路メンテナンス補助は2,312億円(同1.3%増)、河川維持修繕費等は1,358億円(同0.3%増)、防災・減災対策として、上下水道事業の広域化等は57億円(同42.8%増)となっております。
以上より、公共投資による下支えに加え、社会インフラの老朽化対策や頻発・激甚化する自然災害への対応、防災・減災及び国土強靱化に対する継続的な需要を背景として、当事業を取り巻く市場環境は、今後も底堅く推移するものと見込んでおります。
一方で、需要が堅調に推移するなか、時間外労働の上限規制をはじめとする働き方改革への対応、技能労働者の高齢化・担い手不足、資材・機材価格及び労務費の上昇、猛暑対策に伴う工期の長期化や生産性の低下等が、建設業界全体の課題となっているものと認識しております。当社グループでは、これらの課題に対応するため、労働環境の整備、DX・ITの活用、女性・外国人材の活用、グループ内における人員配置の最適化等に取り組んでまいります。
d.介護事業
介護事業は、通所介護(デイサービス)、認知症対応型通所介護(認知症専用デイサービス)、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)及び住宅型有料老人ホームの運営を行っております。
当事業の市場動向について概観しますと、厚生労働省の「介護保険事業状況報告の概要(令和8年4月暫定版)」によると、2026年4月末現在の介護保険第1号被保険者数は3,587万人、要介護(要支援)認定者数は738.0万人となっております。また、居宅(介護予防)サービス受給者数は443.7万人、地域密着型(介護予防)サービス受給者数は93.1万人となっております。要介護(要支援)認定者数及び各サービスの受給者数は、全体として増加傾向にあります。
以上より、高齢化の進展に伴う要介護(要支援)認定者数及び介護サービス受給者数の増加を背景として、介護サービスに対する需要及びその社会的な必要性は、今後も高まるものと見込んでおります。
一方で、介護人材の不足や人件費・物価の上昇、介護報酬制度の改定等が事業運営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、人材の確保・育成及び定着、業務の効率化、サービス品質の維持・向上並びに事業所の稼働率向上に取り組んでまいります。
3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、売上高の中長期的な成長と安定的な利益の確保を重視しており、2025年8月に公表した中期経営計画に基づき、売上高及びEBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却額)を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。
4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、「企業支援プラットフォーム」を通じてグループ各社の自律的な成長を支援するとともに、「従業員承継型M&A」により地域企業の事業承継課題の解決とグループの持続的な成長を目指しております。
今後も中長期的な企業価値の向上を実現するためには、グループ各社の収益力を高めるとともに、当社グループとの親和性及び持続的な成長が期待できる企業とのM&Aを着実に推進し、買収後の経営統合(PMI)を通じて企業価値の最大化を図ることが重要であると認識しております。
このような認識のもと、当社グループでは、①当社グループの認知度向上、②優良なM&A案件の継続的な確保、③PMIの強化によるグループシナジーの最大化、④企業支援プラットフォームを活用したグループ各社のオーガニック成長の支援、⑤成長投資を支える財務基盤の強化を、重要な経営課題と認識しております。
これらの課題に対処するため、当社グループは以下の施策を推進してまいります。
・当社グループの認知度向上策及び情報発信の強化
・金融機関、M&A仲介会社、事業承継・引継ぎ支援センター等との連携強化によるソーシング力の向上
・当社グループとの親和性及び持続的な成長が期待できる企業とのM&Aの推進
・PMI及び企業支援プラットフォームを通じたグループ各社の成長支援
・グループ内資金の有効活用及び金融機関との連携強化による機動的な資金調達体制の構築
1)経営方針
当社は、2026年8月14日付でグループ理念を改訂し、「グループ理念」、「ビジョン」及び「行動指針」を、当社グループの経営における基本方針として定めております。
(1)グループ理念
地域企業の自律と連携を通じて
一人ひとりがしあわせを実感できる社会を創造する
(2)ビジョン
100社、1000億、1万人
中小企業100社のネットワーク
グループ売 上 高 1000億円
グループ営業利益 100億円
社 員 数 1万人
(3)行動指針
① 意志
「絶対こうなる」と強烈に思い続ければ必ず実現する、「こうなりたい」程度では実現しない
② 逆算
現状維持は衰退、自らが望む将来像から逆算してゴール、プロセス、スケジュールを具体的な目標にする
③ 勇気
変わる勇気、嫌われる勇気等、真の勇気を持つ、卑怯な行動はしない
④ 努力
一番を目指して競合他社に勝つ努力をし続ける
⑤ 価格
企業の栄枯盛衰は「値決め」で決まる、売上最大・経費最小、原価意識・採算意識を持つ
⑥ 尊重
「ために」ではなく「共に」、互いを尊重し、平等な関係で信頼しあい、それぞれが持てる力を尽くす
2)経営環境
(1)社会環境
当連結会計年度における我が国経済は、米国の通商政策の影響や中東情勢等に留意する必要があるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果を背景として、緩やかな回復基調で推移しました。個人消費には持ち直しの動きがみられ、設備投資も回復基調で推移しました。一方、物価上昇の影響は引き続きみられ、人手不足の状況が続いたほか、金融資本市場の変動等にも注意が必要な状況が続きました。
(2)事業環境
① グループ全体の事業環境
当社は、地域に根差した中小企業の成長支援を行う「企業支援プラットフォーム」を構築し、子会社に対して、グループ共通の理念・価値観の共有や、経営管理、資金繰り、営業・技術力の向上、人材採用・育成、DX化への対応等の支援を行っております。また、「企業支援プラットフォーム」のさらなる充実を図るため、「従業員承継型M&A」によるグループネットワークの拡大を進めております。
我が国では、経営者の高齢化や後継者不足を背景として、中小企業の事業承継が引き続き社会的な課題となっております。また、物価上昇や人手不足等の事業環境の変化に対応し、企業の持続的な成長を実現するため、人への投資、設備投資、M&A、研究開発投資、DX及び海外展開等の重要性が高まっております。
中小企業庁が2026年4月に公表した2026年版「中小企業白書」によると、中小企業における後継者不在率は減少傾向にあるものの、60歳以上の経営者が過半数を占めるなど、経営者年齢の水準は依然として高い状況にあります。このことから、中長期的に事業承継を必要とする企業は相当程度存在し、事業承継に対するニーズは今後も継続するものと見込んでおります。
M&A市場においては、事業承継に加え、事業ポートフォリオの見直しに伴うカーブアウト、成長を目的とした企業グループへの参画、スタートアップ企業のイグジット、投資ファンドによる投資回収を目的とした売却案件など、売り手側の目的が多様化しております。このような市場環境は、当社グループが推進する「従業員承継型M&A」及び「企業支援プラットフォーム」を軸とした成長戦略との親和性が高いものと認識しております。
② セグメント別の事業環境
a.建設関連サービス事業
建設関連サービス事業は、発注者の約8割を行政機関(国、都道府県、市町村等)が占めております。当社グループでは、土木・建築工事に関する調査、計画、設計、施工管理及び維持点検等の「建設コンサルタント業務」を提供するとともに、公共工事の発注に伴う工事監督、積算及び検査等の業務を行政職員に代わって行う「発注者支援業務」を提供しております。
当事業の市場動向について概観しますと、財務省が2025年12月に公表した「令和8年度国土交通省・公共事業関係予算のポイント」によると、2026年度の公共事業関係費は6兆1,078億円(前年度比0.4%増)となっております。同予算では、「防災・減災、国土強靱化の推進」、「持続的な成長力強化・生産性向上、地方の生活等の安定に向けた取組」、「担い手確保・処遇改善等への対応」等が基本的な考え方として示されております。
また、一般財団法人建設経済研究所が2026年4月に公表した「建設経済モデルによる建設投資の見通し(2026年4月)」によると、建設投資額は、2025年度が76兆7,800億円(前年度比4.9%増)、2026年度が80兆9,400億円(同5.4%増)と、2年連続で前年度を上回ることが予測されております。このうち、政府分野投資は、2025年度が22兆8,900億円(同2.1%増)、2026年度が24兆6,500億円(同7.7%増)と、いずれも増加することが予測されております。
以上から、当事業を取り巻く市場環境は、公共投資による下支えに加え、防災・減災、国土強靱化及び老朽化した社会インフラの維持・更新需要を背景として、今後も底堅く推移するものと見込んでおります。一方で、技術者の高齢化や人手不足、人件費の上昇等が事業上の課題となっており、技術者の確保・育成及び生産性の向上が一層重要になるものと認識しております。
b.人材関連サービス事業
人材関連サービス事業は、事務スタッフ派遣、建設技術者派遣及び製造業派遣を主要な事業としております。その他の関連事業として、交通誘導や施設警備等を行う警備事業、日本で受託した図面作成等の業務をカンボジアで行う海外アウトソーシング事業及びカンボジア人技能実習生送出事業を行っております。
当事業の市場動向について概観しますと、厚生労働省が2026年4月に公表した「一般職業紹介状況(令和8年3月分及び令和7年度分)」によると、2025年度平均の有効求人倍率は1.20倍となり、前年度の1.25倍から0.05ポイント低下しました。
労働者派遣事業については、厚生労働省が2026年3月に公表した「令和6年度労働者派遣事業報告書の集計結果(速報)」によると、派遣労働者数は約220万人(前年度比3.9%増)、派遣先件数は約86万件(同7.9%増)、年間売上高は9兆9,005億円(同9.4%増)となり、いずれも前年度を上回りました。
警備業については、警察庁の「令和7年における警備業の概況」によると、2025年12月末現在の警備業法第4条に基づく認定業者数は1万949業者(前年比138業者、1.3%増)、警備員数は59万6,985人(同9,137人、1.5%増)となり、いずれも前年を上回りました。
外国人雇用については、厚生労働省が2026年1月に公表した「『外国人雇用状況』の届出状況まとめ(令和7年10月末時点)」によると、外国人労働者数は257万1,037人(前年比11.7%増)、外国人を雇用する事業所数は37万1,215か所(同8.5%増)となり、いずれも届出が義務化された2007年以降の過去最多を更新しました。
以上より、有効求人倍率は前年度を下回ったものの、労働者派遣市場及び外国人雇用は拡大し、警備業における認定業者数及び警備員数も増加していることから、人手不足を背景とした多様な人材・サービスに対する需要は、引き続き底堅く推移しているものと認識しております。一方で、人材獲得競争の激化や賃金水準の上昇等が事業上の課題となっており、人材の確保・定着及び適正な派遣料金への転嫁が一層重要になるものと認識しております。
c.建設事業
建設事業は、総合建設業及び法面工事事業を中心としており、道路、橋梁、河川、上下水道、法面及び駅施設等の新設・維持補修工事を行っております。主要な顧客は、国及び地方公共団体、鉄道事業者等であります。
当事業の市場動向について概観しますと、財務省が2025年12月に公表した「令和8年度国土交通省・公共事業関係予算のポイント」によると、2026年度の公共事業関係費は6兆1,078億円(前年度比0.4%増)となっております。このうち、老朽化対策として、道路メンテナンス補助は2,312億円(同1.3%増)、河川維持修繕費等は1,358億円(同0.3%増)、防災・減災対策として、上下水道事業の広域化等は57億円(同42.8%増)となっております。
以上より、公共投資による下支えに加え、社会インフラの老朽化対策や頻発・激甚化する自然災害への対応、防災・減災及び国土強靱化に対する継続的な需要を背景として、当事業を取り巻く市場環境は、今後も底堅く推移するものと見込んでおります。
一方で、需要が堅調に推移するなか、時間外労働の上限規制をはじめとする働き方改革への対応、技能労働者の高齢化・担い手不足、資材・機材価格及び労務費の上昇、猛暑対策に伴う工期の長期化や生産性の低下等が、建設業界全体の課題となっているものと認識しております。当社グループでは、これらの課題に対応するため、労働環境の整備、DX・ITの活用、女性・外国人材の活用、グループ内における人員配置の最適化等に取り組んでまいります。
d.介護事業
介護事業は、通所介護(デイサービス)、認知症対応型通所介護(認知症専用デイサービス)、居宅介護支援事業所(ケアマネ事業所)及び住宅型有料老人ホームの運営を行っております。
当事業の市場動向について概観しますと、厚生労働省の「介護保険事業状況報告の概要(令和8年4月暫定版)」によると、2026年4月末現在の介護保険第1号被保険者数は3,587万人、要介護(要支援)認定者数は738.0万人となっております。また、居宅(介護予防)サービス受給者数は443.7万人、地域密着型(介護予防)サービス受給者数は93.1万人となっております。要介護(要支援)認定者数及び各サービスの受給者数は、全体として増加傾向にあります。
以上より、高齢化の進展に伴う要介護(要支援)認定者数及び介護サービス受給者数の増加を背景として、介護サービスに対する需要及びその社会的な必要性は、今後も高まるものと見込んでおります。
一方で、介護人材の不足や人件費・物価の上昇、介護報酬制度の改定等が事業運営に影響を及ぼす可能性があります。当社グループでは、人材の確保・育成及び定着、業務の効率化、サービス品質の維持・向上並びに事業所の稼働率向上に取り組んでまいります。
3)経営上の目標達成状況を判断するための客観的な指標
当社グループは、売上高の中長期的な成長と安定的な利益の確保を重視しており、2025年8月に公表した中期経営計画に基づき、売上高及びEBITDA(=営業利益+減価償却費+のれん償却額)を経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としております。
4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、「企業支援プラットフォーム」を通じてグループ各社の自律的な成長を支援するとともに、「従業員承継型M&A」により地域企業の事業承継課題の解決とグループの持続的な成長を目指しております。
今後も中長期的な企業価値の向上を実現するためには、グループ各社の収益力を高めるとともに、当社グループとの親和性及び持続的な成長が期待できる企業とのM&Aを着実に推進し、買収後の経営統合(PMI)を通じて企業価値の最大化を図ることが重要であると認識しております。
このような認識のもと、当社グループでは、①当社グループの認知度向上、②優良なM&A案件の継続的な確保、③PMIの強化によるグループシナジーの最大化、④企業支援プラットフォームを活用したグループ各社のオーガニック成長の支援、⑤成長投資を支える財務基盤の強化を、重要な経営課題と認識しております。
これらの課題に対処するため、当社グループは以下の施策を推進してまいります。
・当社グループの認知度向上策及び情報発信の強化
・金融機関、M&A仲介会社、事業承継・引継ぎ支援センター等との連携強化によるソーシング力の向上
・当社グループとの親和性及び持続的な成長が期待できる企業とのM&Aの推進
・PMI及び企業支援プラットフォームを通じたグループ各社の成長支援
・グループ内資金の有効活用及び金融機関との連携強化による機動的な資金調達体制の構築