有価証券報告書-第18期(2022/10/01-2023/09/30)

【提出】
2023/12/21 15:54
【資料】
PDFをみる
【項目】
128項目

対処すべき課題

(1) 経営方針
当社グループは、「テクノロジーの力で自国の未来に希望を創る」をミッションに掲げ、デジタルマーケティングを活用したオリジナルブランドの化粧品の企画・開発、並びに新しい事業領域への進出により、お客様の期待を上回る商品やサービスをご提供していくことを目指しております。
また、株主、お客様、お取引先、従業員等のすべてのステークホルダーへの社会的責任を果たし、事業を通じて社会に貢献していくことを目指してまいります。
(2) 目標とする経営指標
高い成長性及び企業価値の向上を経営上の重要課題と認識しており、成長性については売上高、企業価値の向上については営業利益及び当期純利益を重視しております。
(3) 経営環境
当社グループの主要事業である物販系分野におけるBtoC-EC市場規模におきましては、2022年に13兆9,997億円で前年比5.37%増となっており、そのうち化粧品、医薬品のEC市場規模は、9,191億円で前年比7.48%増と伸長しております(経済産業省2023年8月31日公表「電子商取引に関する市場調査」より)。
このような状況の中、当社グループの取り組みとしては、経費効率をふまえた広告宣伝費の投下とともに、ブランディング広告の強化による潜在的な顧客に対する認知度の向上、新たなカテゴリーの商品の発売等により新規顧客数の拡大に努め、各種CRM施策の実施による既存顧客の継続購入を促進してまいります。
また、2022年8月10日には、当社グループの主要株主及び筆頭株主である相川佳之氏が代表を務めるSBCメディカルグループ株式会社(本社:神奈川県横浜市戸塚区)と業務提携契約を締結し、化粧品分野の多角展開のみならず、医薬品等の商品企画・開発領域への拡充や、再生医療領域並びに美容医療領域に重点を置いた事業展開を計画してまいります。
2014 年の「再生医療等安全性確保法」の施行により、再生医療市場が誕生し、従来、医療機関にて行われていた細胞加工の外部委託が可能となりました。再生医療等製品市場は、上市する製品数の増加や処方者・患者への浸透に加え、難治性疾患の患者に対し高価な医薬品による対症療法で発症を抑えている現状に対して、安価で高品質の製品開発を行い上市化することで QOL(Quality of Life)の向上と医療費削減の実現が期待されていることから拡大して推移しており、2050 年には世界で 38 兆円、国内で 2.5 兆円の市場規模へと伸長するものと予測されております(出典:2020 年 3 月 経済産業省 第 1回再生医療・遺伝子治療の産業化に向けた基盤技術開発事業複数課題プログラム中間評価検討会資料)。再生医療に対する社会的認知度及び社会的意義の意識が一層高まるとともに、今後も優れた効果・効能を有する開発製品の上市が続くものと期待されております。
(4) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
新型コロナウイルス感染症の行動制限が緩和され、経済活動に明るい兆しが見られた一方、ウクライナ情勢の影響をはじめ緊迫した世界情勢は依然として続いており、今後も先行き不透明な経済情勢が続くと見込まれます。
当社グループが展開するD2C事業及びメディカルサポート事業においても、それぞれの領域において新規顧客獲得競争の激化の様相は続くと思われます。
そのような中、当社グループにおきましては、主要事業であるD2C事業の再成長に向けた施策の強化を図り、メディカルサポート事業を将来に向けた盤石なビジネスモデルの構築に向けて以下のとおり取り組んでまいります。
(D2C事業)
① 薬用炭酸ヘッドスパ育毛剤「sodatel(ソダテル)」を主力商品として成長軌道に乗せるべく、積極的かつ戦略的な先行投資(広告宣伝費・販売促進費・人材投資)を展開してまいります。具体的には、複数の広告媒体への展開を加速させ、同商品の新規顧客獲得を強化するとともに、既存商品とのクロスセルの提案、並びにLTV(Life Time Value:顧客生涯価値)を向上させるためのCRM(Customer Relationship Management:顧客関係管理)の構築にも最大限注力してまいります。また、顧客との接点を強化するべく、コールセンターの体制を強化し、休眠会員等の掘り起し等にも着手してまいります。
② 当社グループの主力オリジナルブランドである「HADA NATURE(肌ナチュール)」の商品については、引き続き、ロイヤルカスタマー施策に注力し継続率の維持に努めてまいります。一方、付加価値の高い再生医療技術を生かしたSBCメディカルグループ株式会社と当社グループとのコラボレーション商品の共同開発に向けても着手してまいります。
(メディカルサポート事業)
① 「血液由来加工療法(血液加工サービス)」の提携医院数の更なる増加を図るために、外部の協力パートナーを最大限活用するとともに、営業社員の増員をはじめ、各種ツールのブラッシュアップ及び統一化を図る等、営業力の強化に向けた各種施策を積極的に推進してまいります。また、既に提携している医院に対する、継続的かつ献身的なサポート体制の確立も図ってまいります。
② 再生医療市場の活性化の実現を果たすべく、SBCメディカルグループ株式会社と当社グループの相互の強みを活かした新たな取り組み・サービス・商品開発等にも適宜着手してまいります。