有価証券報告書-第4期(2024/04/01-2025/03/31)

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2025/06/23 10:00
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有報資料

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 経営の基本方針
当社は、2021年10月1日に、前田建設工業(株)、前田道路(株)及び(株)前田製作所の完全親会社として設立されました。「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現をビジョンに掲げ、「インフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。」を果たすべき使命と定め、企業活動を通じて、環境・社会課題の解決にとどまらず、社会そして地球の持続可能な発展に貢献する「総合インフラサービス企業」を目指しています。
「社会・地域の安全安心とサステナビリティ」をバリューとし、当社グループ共通の価値観を醸成するとともに、企業が果たすべき社会的責任についての理解を共有し企業施策を実行していくことで、ステークホルダーの皆様の理解と共感が得られる開かれた経営に努めます。
また、当社は、ステークホルダーの皆様の権利を尊重し、経営の監督機能と業務執行機能を明確に分離することにより経営の公正性・透明性を確保するとともに、適切な情報開示とステークホルダーの皆様との対話を通じ、良好かつ円滑な関係を維持しながら信頼関係を構築していくことで、共同の利益や長期的な価値を協創し、社会価値の創造に貢献します。

(2) 中長期的な会社の経営戦略
当社は、当社グループ全体として永続的成長を遂げることを目的に、中長期的に目指す姿を「総合インフラサービス企業」と定め、事業会社の従来の事業における強みを活かしつつ、事業領域を拡大し安定的に高収益を上げ続けるビジネスモデルへ転換することや、生産性改革に向けたデジタル化戦略、技術開発及び人材育成等の協働推進による経営基盤強化に取り組んでいます。また、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により迅速かつ適正な経営を実現し、社会変化への対応力を強化することで、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指しています。今後も、社会・地域・お客様とともにインフラの可能性を広げ、最適なサービスを提供していきます。
これらの実現のため、当社設立時に『INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画』(以下、中長期経営計画)を策定しています。中長期経営計画において定める当社グループの「目指す姿」、それを実現するための中長期経営ビジョンの内容は以下のとおりです。
①会社概要
商号インフロニア・ホールディングス株式会社
(英文名 INFRONEER Holdings Inc.)
設立2021年10月1日
資本金200億円
機関設計指名委員会等設置会社
証券コード5076(東京証券取引所プライム市場)
Visionどこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。
Missionインフラストラクチャー・ビジネスの既成概念に挑み、イノベーティブなアイデアで世界中に最適なサービスを提供する。
Value社会・地域の安全安心とサステナビリティ

②経営環境認識
当社グループを取り巻く現状の経営環境については、以下のとおりと認識しています。
・今後、国内の新規建設の請負市場は、財政上の制約から縮小していくと予測
・その解決策として、官民連携によるインフラの維持管理・更新や新規建設の新たな市場が拡大すると予測
・さらにカーボンニュートラルに向けた政策推進により、再生可能エネルギー市場も急速に拡大すると予測
・担い手不足に対して、働き方改革、抜本的な生産性改革の推進が必須
・長期的な企業成長のためには、ESG経営の更なる推進、より高い水準のガバナンス体制が必須
・デジタル技術の急激な進展による社会変化の加速に対し、迅速かつ機動的な経営体制の確立が急務
③我々が目指す姿
当社グループが「目指す姿」は、以下のとおりです。
・外的要因に左右されずに持続的成長を実現するビジネスモデルの確立を目指し、インフラ運営の上流から下流までをワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」をグループ全体戦略として強力に推進する
・グループ各社のエンジニアリング力の集結と、積極的なM&Aによる事業領域の拡大により、競争力を早期に最大化し、外的要因に左右されない「高収益かつ安定的な新たな収益基盤」を確立する
・さらに、実効性のあるガバナンス体制の構築やDXの推進等により、迅速かつ適正な経営を実現し、「社会変化への対応力」を強化することで、「あらゆるステークホルダーから信頼される企業」を目指す

④戦略三本柱と重点施策
当社グループが「目指す姿」の実現にむけた戦略三本柱とそれぞれの主な重点施策の内容は、以下のとおりです。
・「インフロニアのビジネスモデルに基づく収益基盤の確立」
・「付加価値の最大化」
・「体質強化・改善」

⑤マルチステークホルダーに対する付加価値分配方針
当社が生み出す付加価値を、社会からの要請に応えつつあらゆるステークホルダーへバランスよく配分することで、付加価値を最大化するサイクルを構築し、持続的な成長を実現していきます。
・人財投資:モチベーション向上や人財の成長や豊かさに繋がる従業員への還元策の推進
・成長投資・恒常的投資:安全で質の高いインフラサービス、M&A、IT・DX投資等への「攻めの投資」と、生産設備投資の最適化や重複資産の統廃合等の「守りの投資」の両輪により、付加価値を最大化
・事業パートナー(連携企業、協力会社など):パートナーのニーズに合わせて付加価値を分配し、競争力の強化、事業領域の拡大、経営の安定化、生産性向上をともに目指し、質の良い供給力・体制を確立
・株主・市場:タイムリーな情報開示や対話といった「定性的な還元」と、配当や資本政策に応じた戦略的自社株買い等の「定量的な還元」により、市場からの信頼を獲得し当社株価の継続的な上昇を目指す
2030年度の目標数値及び2021年度からの配当性向を以下のように定めています。
2030年度目標2021年度以降
事業利益1,000億円以上配当性向(注2)30%以上
当期利益700億円以上
ROE12%以上

(注)1.上記数値は、IFRSに基づいています。
2.2025年度から2027年度までの3か年を対象期間とする『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』においては、中長期経営計画で定めた目標を上回る40%以上を目標としています。
(3) 『INFRONEER Medium-term Vision 2024 中期経営計画』の振り返り
当社は、2021年10月の当社設立に伴い、2024年度までの3年間を対象期間とする『INFRONEER Medium-term Vision 2024 中期経営計画』(以下、前中期経営計画)を策定し、公表しました。
業績については、国内のバイオマス発電事業の動向等に鑑み、予定していた再生可能エネルギー事業の売却を延期しましたが、建築、土木、舗装事業における高水準な受注時利益率の確保、施工管理の徹底、設計変更の確実な獲得により、計画からは未達となったものの、3年間において堅調な成長を達成しています。また、重要指標としていた付加価値額も順調に増加しており、前中期経営計画の最終年度となる2024年度においては、計画を上回る1,777億円となりました。
資本戦略・還元方針に係る計画の達成状況については、日本風力開発(株)の完全子会社化による影響で一部計画未達となったものの、配当性向は増配により30%を上回る水準で推移し、自己株式の取得も目標である累計400億円を早期に達成しました。政策保有株式については、2027年度までに保有ゼロとする目標を新たに掲げました。2024年度においては株式52銘柄を売却(内、29銘柄は保有する全株式を売却。売却金額合計約240億円)する等、政策保有株式の縮減に向けた取り組みを加速しています。
<業績数値>(単位:億円)
2022年度
(2023年3月期)
2023年度
(2024年3月期)
2024年度
(2025年3月期)
前中期
経営計画
計画対比
売上高7,1187,9338,4758,750△275
付加価値額(注3)1,5981,7421,7771,550+227
売上総利益9771,1191,1551,145+10
事業利益464515485590△105
当期利益(注4)335326324400△76
EBITDA805845839--

(注)1.億円未満を四捨五入して表示しています。
2.計画対比は2024年度(2025年3月期)との比較により表示しています。
3.加算法または控除法により算出します。加算法による場合、事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和により算出される額とします。控除法による場合、売上高から外部購入費用を控除して算出される額とします。
4.親会社の所有者に帰属する当期利益です。
<資本戦略・株主還元>
2022年度
(2023年3月期)
2023年度
(2024年3月期)
2024年度
(2025年3月期)
前中期
経営計画
計画対比
ROE9.4%8.6%7.1%9.5%△2.4%
自己資本比率37.0%28.4%35.8%30%以上+5.8%
D/Eレシオ0.4倍1.1倍0.8倍0.6倍以下△0.2倍
配当性向42.5%46.0%48.3%30%以上+18.3%
自己株式の
取得
累計300億円累計400億円-累計400億円
以上
早期達成
政策保有株/
純資産割合
19.8%25.8%14.7%20%以下+5.3%
保有資産の
売却
46億円非効率な資産の
売却・統合を検討

(注)計画対比は2024年度(2025年3月期)との比較により表示しています。
(4) 経営環境と対処すべき課題、新中期経営計画の概要
①経営環境と対処すべき課題
当連結会計年度末現在における当社グループを取り巻く経営環境においては、人口減少による税収減、高齢化の進展による社会保障費の増大により、国や地方公共団体の財政がますます厳しくなる一方で、高度経済成長期に整備された膨大な数の社会インフラが一斉に老朽化していくため、新規建設はおろか、既存インフラの維持管理・更新への投資もままならない状況になると予想されます。また、少子高齢化に伴う生産年齢人口減少の影響による担い手不足の更なる深刻化や、デジタル化への変革、地球環境問題等への対応が不可避であることも考えると、建設産業においても従来の価値観が変わり、産業構造そのものが変化していくと考えられます。
このような社会課題を解決するため、当社は、前田建設工業(株)、前田道路(株)、(株)前田製作所、日本風力開発(株)をはじめとしたグループ各社が有する従来の事業における強みを活かしつつ、グループのシナジーを発揮することが重要と考えています。
当社グループは引き続き、インフラに関わる事業の企画提案、施工、運営・維持管理、再投資等のインフラのライフサイクル全体をマネジメントする「総合インフラサービス企業」への転換に挑戦し、「どこまでも、インフラサービスの自由が広がる世界。」の実現を目指してまいります。
②『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』の概要
前中期経営計画における取り組みと成果を踏まえ、当社は、2025年度から2027年度までの3年間を対象期間とする『INFRONEER Medium-term Vision 2027 中期経営計画』(以下、新中期経営計画)を策定し、2025年3月に公表しました。新中期経営計画では、2030年度までを対象期間とする『INFRONEER Vision 2030 中長期経営計画』で掲げている目指す姿の実現に向けて、前中期経営計画での成長を基盤に今後3年間を「投資事業拡大フェーズ」と位置付け、財務規律に則り、バリュー思考に基づく積極的な成長投資を推進します。EBITDAを重要指標として収益力を正確に把握し、特にインフラ事業における持続的成長を目指します。
また、当社は、2021年10月の設立時から機関設計として「指名委員会等設置会社」を採用していますが、経営の監督と執行の機能を明確に分離し、透明・公正かつ果断な意思決定を行うための仕組みであるコーポレート・ガバナンスのあるべき体制をさらに進化させ、未来志向の事業戦略と実行力で企業価値向上と社会貢献の両立を実現してまいります。
ビジネスモデル
当社は、インフラの上流から下流までをワンストップでマネジメントする「総合インフラサービス企業」を目指し、グループ全体が外的要因に左右されずに持続的な成長を実現するビジネスモデルの確立に取り組んでいます。請負事業の強化と脱請負事業の拡大により、成長サイクルの好循環を目指してまいります。

新中期経営計画の位置付け
当社は、新中期経営計画の3年間を、「投資事業拡大フェーズ」と位置付けています。官民連携事業や再生可能エネルギー事業への投資拡大や、請負を活かした新事業の実行、M&Aの更なる推進に注力してまいります。

業績目標
2027年度の業績目標について、以下のとおり定めています。
事業利益700億円
EBITDA(注1)1,100億円
当期利益430億円
付加価値額(注2)2,250億円

(注)1.事業利益に減価償却費を加算して算出します。
2.加算法または控除法により算出します。加算法による場合、事業利益、総人件費、減価償却費、研究開発費の総和により算出される額とします。控除法による場合、売上高から外部購入費用を控除して算出される額とします。
資本戦略・還元方針
資本戦略・還元方針について、以下のとおり定めています。資産の効率化と収益性の向上を通じてROEを9.0%まで引き上げるほか、自己資本比率30%以上を維持し、D/Eレシオを1.0倍以下に抑えることで、財務健全性を確保します。また、年間配当金の下限を普通株式1株当たり60円とし、配当性向の目標を前中期経営計画の30%以上から引き上げ40%以上とすることで、安定かつ成長に連動した還元を維持してまいります。
政策保有株式については2027年度までに保有ゼロを目標とし、保有不動産については新中期経営計画期間中に100億円以上の売却を推進します。これらの売却により得られる経営資源を官民連携事業や再生可能エネルギー事業等の成長投資に振り向け、事業領域の拡大と利益の最大化を目指します。
ROE9.0%配当性向40%以上
自己資本比率30%以上下限配当60円/株
D/Eレシオ1.0倍以下
政策保有株/純資産割合0%
保有不動産の売却100億円以上


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