有価証券報告書-第39期(2023/06/01-2024/05/31)

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2024/08/29 16:38
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(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度の当社を取り巻く事業環境は、国内の企業収益が好調に推移し、デジタル技術を活用したビジネスプロセス及びビジネスモデルの変革、DX(デジタルトランスフォーメーション)の実現に向けた投資意欲が旺盛であった一方、コストの削減や期間の短縮を目的に内製化の志向も高まった一年でした。IT・デジタル人材は依然として不足しており、需給差は拡大しております。その影響でIT業界における開発単価は上昇傾向となりましたが、採用環境についてはより厳しい状況で推移いたしました。
このような環境の下、DX向けソリューションである、クラウド構築、ビッグデータ分析、業務ワークフローの自動化(ServiceNow)により、顧客企業が提供する価値増強への支援を継続するとともに、2023年6月に立ち上げたコンサルティング事業においては、企業のDX戦略の策定、実行支援のニーズに対応しており、ITソリューションからコンサルティングまでワンストップで対応するサービスを提供してまいりました。また、2023年8月に発表したリブランディングの下、当社が次のステージに進むための社内向け施策の検討、設計に取り組んでまいりました。中長期的な成長を見据え、改めて当社の強みを再定義したリブランディングでは、新たに当社ブランドメッセージ「BEYOND THE RIGHT ANSWER. -正解以上の答えをだそう-」を策定し、コーポレートアイデンティティのリニューアルも実施いたしました。当社の価値の源泉である3つの強み「人を想う力」「技術を活かす力」「可能性を広げる力」と、当社が目指すこれからの”CNS”の姿を表現しております。
当社の事業は主に準委任契約による受託開発・システムコンサルティング等であり、人員数の増減が収益に影響を与えるビジネスモデルでありますが、以降でご説明する各既存事業の対前年同期増減率については、2024年5月期からの下記の新事業体制による人員異動の影響を考慮しておりません。
● システム基盤事業を再編し、一部のリソースをデジタル革新推進事業、業務システムインテグレーション事業、コンサルティング事業へ移管
● ビッグデータ分析事業に属するリソースをコンサルティング事業へ移管
■成長戦略と施策の実践状況
当社グループは、DX変革ビジネスの拡大を成長戦略の中核に据え、前連結会計年度に続き、「1.事業基盤の強化」、「2.新たな顧客獲得による事業規模拡大」、「3.ソリューションの拡充による市場拡大」の実現に向けた各施策を推進いたしました。
なお、当社グループのマテリアリティに関連して「積極的な新卒採用と早期育成」、「DX推進のためのパートナー企業アライアンス拡大、協業」「最新のIT技術の活用」の取り組みの実践状況も含めてご報告いたします。
①事業基盤の強化
当期は新卒採用に比重を置き、ダイレクトリクルーティング及びインターンシップの活用を進めることで優秀な人材の囲い込みに努めた結果、2024年度入社の新卒社員数はおおよそ計画どおりとなりました。人事部では入社前の研修やフォロー、社員交流イベントを充実させ内定承諾率の向上を図り、入社後は集合研修後、配属現場でのOJT・フォローアップ研修を行っております。下半期においては、現場配属後の即戦力化を目指し、特に新卒社員の育成施策の改善に取り組むことで、主体性とチームワークがさらに身に着くよう研修の見直しを行いました。中途採用に関しては、各事業部における募集要項を見直し、応募数の増加を図るとともに入社後のミスマッチ防止に努めましたが、ターゲット層の採用は厳しい状況で推移いたしました。既存のエンジニアについては、ますます加速する技術進化の中で常にキャッチアップを行い、対応可能な案件の幅を広げるとともに、資格取得の推奨・支援により顧客に対して付加価値を提案できる人材の育成に努めました。
②新たな取引先拡大のための強化施策
当社が注力するデジタルワークフローを提供するServiceNowについては、引き続き需要は高く、主要取引先である株式会社NTTデータに加え、新規SIerとの取引を開始いたしました。システム基盤事業における独自サービス「U-Way」Oracle Cloud Infrastructure(以下、OCI)シリーズは、日本オラクル社の注力パートナーとして、同社と連携してそれらサービスの販売を強化し、ベンダーを挟んだ間接取引のみならず、エンドユーザーからの直接取引にも繋げ顧客の裾野を広げることができました。ビッグデータ分析事業においても、SAS社製品を活用した独自サービス「U-Way Migration to SAS Viya構築支援サービス」の開発・リリースをいたしました。業務システムインテグレーション事業では、金融業界を中心にローコード開発等対応業務の幅を拡げることで顧客の要望に柔軟に対応し取引を拡大することができました。
③ソリューションの拡充による市場拡大
当社グループの主力ソリューションであるデジタル革新技術(業務ワークフローの自動化(ServiceNow)、ビッグデータ分析、クラウド構築等)について、顧客にとって分かりやすく、かつタイムリーに提供することを目的に、ノウハウの標準化、方法論のフレームワーク化を進めてまいりました。これによりサービスメニューの整備が進み、自社ブランドを立ち上げたことから、2023年8月の自社ウェブサイト更改に合わせてサービスページもリリースいたしました。U-Wayシリーズの事業展開に関しては、システム基盤事業では2022年10月から現在までに4サービスを提供し、ビッグデータ分析事業においては、2024年1月に1サービスの提供を開始しております。業務システムインテグレーションにおいては、アプリケーション開発のみならず、ERP関連のSaaS等のソリューション導入サービスにも着手いたしました。
■当期の状況
デジタル革新推進事業では、既存の性能やデータベース移行に関するテクノロジーコンサルティング案件及び新規に獲得したキャッシュレス決済アプリケーション開発案件の大幅な拡大に加え、注力するServiceNowでは新規顧客を獲得いたしました。この結果、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比20.6%増の1,819,938千円となりました。売上総利益率は、リカバリー対応を優先したこと、ServiceNowパートナー認定ランクに係る取り組み費用を抑制できたことで前期比0.9%減に止まり、24.5%となりました。
ビッグデータ分析事業は、組織再編による人員減少の体制で今期開始いたしました。このような状況のなか、主要顧客における事業環境の変化による受注案件の縮小、新規顧客にて計画していた案件の中止等の影響を受けました。これらのリカバリーに向けて営業活動を強化した結果、小規模も含めた案件の獲得につながり、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比1.5%増の1,139,923千円となりました。売上総利益率につきましても、利益率の高い案件の縮小により、前期比5.2%減の24.5%となりました。
システム基盤事業についても組織再編に伴う人員減少により収益が縮小いたしましたが、SES契約ではなくサービス形態による案件受注・拡大を目指し、当社独自サービス「U-Way」をフックに、日本オラクル社とともに積極的な提案活動を行った結果、新規エンドユーザーを獲得することができました。加えて、既存顧客に対しても対応範囲を広げ体制を拡大することができましたが、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比10.4%減の1,779,555千円となりました。一方で売上総利益率については、既存顧客への単価アップ交渉や「U-Way」OCIシリーズの寄与により前期比1.2%増の24.4%となりました。
業務システムインテグレーション事業は、金融業界における法規制等に対応する大型スクラッチ開発案件やシステム老朽化対応案件などの前期下半期からの継続案件に加え、経済安全保障に係る案件や証券会社向けシステム構築案件を新規に獲得したことにより、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比10.7%増の1,517,934千円となりました。売上総利益率については、主に大口顧客からの受注案件の縮小により、前期比0.3%減の23.8%となりました。
当期新たに立ち上げたコンサルティング事業については、主にコンサルティング案件を対応していた既存エンジニアを移管し、上流エリアのビジネス拡大に向けた営業活動を実施してまいりました。エンジニアとともに移管した案件の継続、及び生成AIや金融機関向けのコンサルティング案件等を下半期において新たに獲得できたものの、コンサルタント人材数が計画通りに進捗しなかったことにより、当連結会計年度における当事業の売上高は、399,730千円(計画比79.8%)、売上総利益率については、想定していた新規コンサルティング案件を受注できなかったことにより、29.7%(計画比4.4%減)となりました。なお、コンサルタント人材の獲得が進み、2025年5月期は当該事業の立て直しを図り、上流のDXコンサルティングの拡大に努めてまいります。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は6,657,083千円(前期比11.1%増)となりました。認知度向上に向けたIR・PR活動に積極的に取り組んだことにより当該費用は増加したものの、即戦力人材採用活動の見直しによるコスト削減等があったことで販管費率は前期比で0.5ポイント減少し、営業利益619,974千円(同10.9%増)、経常利益650,255千円(同10.6%増)、親会社株主に帰属する当期純利益461,328千円(同6.5%増)となりました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は4,933,509千円となり、前連結会計年度末と比較して386,331千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が410,401千円、前払費用が21,147千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,261,842千円となり、前連結会計年度末と比較して55,772千円の増加となりました。これは主に、買掛金が25,432千円減少した一方で、未払法人税等が41,001千円、未払消費税等が11,717千円増加したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,671,667千円となり、前連結会計年度末と比較して330,558千円の増加となりました。これは主に、配当により利益剰余金が130,770千円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が461,328千円増加したことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して350,390千円増加し2,933,565千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果による収入は564,567千円となりました。主な要因は法人税等の支払額153,411千円があった一方、税金等調整前当期純利益が636,489千円等あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果による支出は80,653千円となりました。主な要因は定期預金の預入による支出が60,010千円、保険積立金の積立による支出39,573千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果による支出は133,523千円となりました。主な要因は配当金の支払額130,770千円等があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営むシステムエンジニアリングサービス事業は、提供するサービスの関係上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループが営むシステムエンジニアリングサービス事業は、提供するサービスの関係上、受注実績の記載になじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
システムエンジニアリングサービス事業6,657,083111.1
合計6,657,083111.1

(注)1.当社グループはシステムエンジニアリングサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2022年6月1日
至 2023年5月31日)
当連結会計年度
(自 2023年6月1日
至 2024年5月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社エヌ・ティ・ティ・データ2,027,07133.8--
株式会社NTTデータ--1,310,80519.7
株式会社NTTデータグループ--975,18014.6
株式会社野村総合研究所748,91212.5765,62611.5

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたりましては、会計方針の選択及び適用、損益又は資産の報告金額等に与える見積りを必要としております。これらの見積り及び判断につきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の事項が重要であると認識しております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の回収可能性の判断に重要な影響を与える可能性があります。
(請負業務に係る履行義務充足に伴う収益認識)
売上高の計上は進捗度に基づき測定され、進捗度はプロジェクトの総見積原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合(原価比例法)によって算定しております。適用にあたっては、プロジェクトの総見積原価は、各プロジェクトに対する専門的な知識と経験を有するプロジェクト責任者による一定の仮定と判断を伴うものであり、見積原価総額の変動により、各連結会計年度の売上計上額に重要な影響を与える可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は6,657,083千円(前期比11.1%増)となりました。主な増加要因は、既存顧客ビジネスの維持・拡大、新規案件獲得によるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は5,017,663千円(前期比11.9%増)となりました。主な増加要因は外注加工費によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,019,445千円(前期比7.7%増)となりました。主な要因は、従業員増加に伴う給料及び手当、退職給付費用等の人件費が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、619,974千円(前期比10.9%増)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は32,877千円(前期比12.2%増)となりました。主な内訳は、保険積立金の解約に伴う受取保険金、助成金収入によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、650,255千円(前期比10.6%増)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を175,161千円計上したことにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は461,328千円(前期比6.5%増)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社は、事業活動に必要な流動性を安定的に確保するため、手許流動性3~6か月を目安に保有しておくこととしております。
当社は事業の特性上、巨額な投資は必要としないため、間接金融ではなく直接金融を原則として安定的な経営を行っていく方針です。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、具体的な数値目標は設定しておりませんが、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標としております。

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