有価証券報告書-第40期(2024/06/01-2025/05/31)

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2025/08/27 13:15
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(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は、次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度における当社グループを取り巻く事業環境は、デジタル技術を活用したビジネスプロセスやビジネスモデルの変革、レガシーシステムからの脱却といったDX(デジタルトランスフォーメーション)の取り組みは変わらず活況でありました。株式会社アイ・ティ・アールによる国内企業を対象に実施したIT投資動向調査によると、2023年度(2023年4月~2024年3月)のIT予算額が増額したと回答した企業の割合は前年度と比較し3ポイント上回り、2024年度のIT予算額も増額を見込む企業はおおよそ半数を占め、増額基調が継続すると予想しています。労働人口の減少と高齢化が進み、あらゆる業種において人材不足となっていることもあり、特にAI関連製品・サービスへの投資意欲の高まりが大きく、今後も急速な拡大が見込まれます。一方で、IT・デジタル人材は不足しており、採用環境は厳しい状況で推移いたしました。
このような環境の下、当社グループは2030年5月期における目指す姿「『人を想う』事業やサービスを通じて社会的課題を解決し、人や社会、未来に貢献する企業グループ」の実現に向けて、『中期経営計画(2025年5月期~2027年5月期)』を開始いたしました。基本方針「エンパワーメントの促進とイノベーションの醸成」に基づき、「1. 事業基盤の強化」「2. 新たな顧客獲得による事業規模拡大」「3. ソリューションの拡充による市場拡大」「4. 新たなビジネス機会の創出に向けた提案力の強化」「5. 社会課題を起点としたビジネスの創出」の5つの戦略に取り組み、最終年度における数値目標の売上高100億円、営業利益率10.0%以上の達成を目指します。
経営基盤については、中期経営計画において人事制度改革の完成をKPIに掲げており、多様性の拡大やワークエンゲージメントの向上等を実現するための礎となる等級制度及び評価制度と、これに合わせた報酬制度の再設計を進めました。2026年5月期より新評価制度の全社適用開始を予定しておりましたが、中期経営計画を加速させることを目的に、一部制度設計の調整を実施し段階的に各制度を適用していくことといたしました。また、コミュニケーション活性化やエンゲージメント向上に向けた全社施策として、カジュアルコミュニケーションのためのツールの導入や、一部の社員を対象に組織横断1on1を試行いたしました。前年度に開始したコンサルティング事業においては、社外から招聘したコンサルティングの専門家による研修を実施する等、既存エンジニアのコンサルタントへの育成に注力するとともに、進めていたDXコンサルタント人材向けの標準スキル表が完成いたしました。このスキル表を基準に、コンサルタントの評価や単価算出、また、お客様向けコンサルティングサービスの品質を担保してまいります。
ビジネス面については、当社オリジナルブランドのU-Wayシリーズの拡充をはじめ、サービスの開発を進めました。U-Wayをフックとした引き合いは増加し、その受け皿は、当期初に営業力強化を目的に立ち上げた部門横断のタスクフォースが担い、新規エンドユーザーの獲得により受注拡大しております。デジタル革新推進事業においては、2025年4月に、アオラナウ株式会社と共同開発したServiceNowのITサービスマネジメント(ITSM)機能のうち、インシデント・問題管理に特化した「ServiceNow ITSM クイックスターターパッケージ」をリリースいたしました。コンサルティング事業においては、2025年2月に4つのメニューを揃えた、企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)に向けた準備状況を診断するDXコンサルティングサービスを開始いたしました。
■当期の状況
デジタル革新推進事業では、柱であるServiceNow導入支援に関して、前期から協業を開始したAoraNow社との積極的な営業活動により受注が伸張したほか、キャッシュレス決済アプリケーション開発案件は実績が評価され、対応領域が拡大いたしました。また、生成AI関連については、顧客企業におけるシステム開発業務の生産性向上を目的とした生成AI利活用プロジェクトへ複数参画し、売上の拡大に寄与いたしました。この結果、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比20.9%増の2,200,951千円、売上総利益率は、前期比0.7ポイント増の25.2%となりました。
ビッグデータ分析事業は、新規顧客案件の体制が順調に拡大したことに加え、既存顧客の大手通信キャリアに係る案件について計画を上回る増員ができた結果、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比16.7%増の1,330,434千円となりました。売上総利益率については、現在、案件の選択と集中を進めている中で過渡的に低減しており、前期比3.4ポイント減の21.1%となりました。
システム基盤事業は、主要顧客における大規模なシステム更改案件の延伸やプロジェクト凍結等の影響がありましたが、当社オリジナルサービス「U-Way」の引き合いが増加し複数の新規エンドユーザーを獲得できたこと、また、地方自治体におけるガバメントクラウド案件を受注できたこと等により、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比1.9%増の1,812,747千円となりました。売上総利益率につきましては、前期並みの24.4%で着地いたしました。
業務システムインテグレーション事業は、経済安全保障に係る案件や、証券会社向けシステム構築案件等の規模を拡大できたことで売上に大きく寄与いたしました。また、ERP関連については、開始が計画より遅れたものの大型の請負案件として受注しており、今後のERP領域拡大の足掛かりとなるものと考えております。一部の既存顧客における運用保守案件の体制の大幅な縮小はあったものの、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比1.2%増の1,535,886千円となりました。売上総利益率については、上述の大型請負案件等により前期比2.1ポイント増の26.0%となりました。
コンサルティング事業は、今期立て直しを図ることを目的に、体制を大幅に縮小して開始いたしました。このような状況の中、既存案件は計画どおり継続できたものの、新規に獲得した顧客において案件規模拡大ができず、当連結会計年度における当事業の売上高は、前期比68.7%減の124,957千円、売上総利益率は前期比5.3ポイント減の24.4%となりました。2025年2月にリリースしたDXコンサルティングサービスについては、DXへの高い需要を背景に引き合いは増えております。
以上の結果、当連結会計年度における当社グループの売上高は7,004,976千円(前期比5.2%増)となりました。利益面につきましては、期初に実施したベースアップ等による人件費増、バックオフィス業務委託に係る支払報酬等の増加により販管費率は1.1ポイント増加し、営業利益は555,336千円(同10.4%減)、経常利益は585,254千円(同10.0%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は427,349千円(同7.4%減)となりました。なお、ベースアップを含むおおよそ11%の賃上げの影響により、売上原価に含まれる労務費を含めた人件費率は前期比1.4ポイント上昇し、27.7%で着地いたしました。
財政状態は、次のとおりであります。
(資産)
当連結会計年度末における総資産は5,259,857千円となり、前連結会計年度末と比較して326,347千円の増加となりました。これは主に、現金及び預金が92,729千円、売掛金及び契約資産が70,774千円、新オフィスの賃借契約などの影響により敷金及び保証金が177,631千円増加したことによるものです。
(負債)
当連結会計年度末における負債合計は1,300,385千円となり、前連結会計年度末と比較して38,542千円の増加となりました。これは主に、買掛金が47,341千円、役員退職慰労引当金が12,966千円増加した一方で、未払法人税等が44,142千円減少したことによるものです。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は3,959,471千円となり、前連結会計年度末と比較して287,804千円の増加となりました。これは主に、配当により利益剰余金が139,488千円減少したものの、親会社株主に帰属する当期純利益の計上により利益剰余金が427,349千円増加したことによるものです。
②キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末と比較して32,712千円増加し、2,966,277千円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果による収入は443,712千円となりました。主な要因は法人税等の支払額197,187千円があった一方、税金等調整前当期純利益が582,545千円等あったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果による支出は268,629千円となりました。主な要因は定期預金の預入による支出が60,017千円、敷金及び保証金の差入による支出が181,629千円等があったことによるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果による支出は142,370千円となりました。主な要因は配当金の支払額139,488千円等があったことによるものです。
③生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社グループが営むシステムエンジニアリングサービス事業は、提供するサービスの関係上、生産実績の記載になじまないため、記載しておりません。
b.受注実績
当社グループが営むシステムエンジニアリングサービス事業は、提供するサービスの関係上、受注実績の記載になじまないため、記載しておりません。
c.販売実績
当連結会計年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(千円)前期比(%)
システムエンジニアリングサービス事業7,004,976105.2
合計7,004,976105.2

(注)1.当社グループはシステムエンジニアリングサービス事業の単一セグメントであるため、セグメント別の販売実績の記載はしておりません。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の売上高及び当該売上高の総売上高に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年6月1日
至 2024年5月31日)
当連結会計年度
(自 2024年6月1日
至 2025年5月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社NTTデータ1,310,80519.71,475,82321.1
株式会社NTTデータグループ975,18014.6800,78511.4
株式会社野村総合研究所765,62611.5697,3049.9

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
①重要な会計方針及び見積り
当社の連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。また、この連結財務諸表の作成にあたりましては、会計方針の選択及び適用、損益又は資産の報告金額等に与える見積りを必要としております。これらの見積り及び判断につきましては、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社の連結財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等(1)連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりでありますが、会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、以下の事項が重要であると認識しております。
(繰延税金資産)
当社は、繰延税金資産について、将来の利益計画に基づいた課税所得が十分に確保できることや、回収可能性があると判断した将来減算一時差異について繰延税金資産を計上しております。繰延税金資産の回収可能性は将来の課税所得の見積りに依存するため、その見積りの前提とした条件や仮定に変更が生じた場合、繰延税金資産の回収可能性の判断に重要な影響を与える可能性があります。
(請負業務に係る履行義務充足に伴う収益認識)
売上高の計上は進捗度に基づき測定され、進捗度はプロジェクトの総見積原価に対する連結会計年度末までの発生原価の割合(原価比例法)によって算定しております。適用にあたっては、プロジェクトの総見積原価は、各プロジェクトに対する専門的な知識と経験を有するプロジェクト責任者による一定の仮定と判断を伴うものであり、見積原価総額の変動により、各連結会計年度の売上計上額に重要な影響を与える可能性があります。
②経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態に関する認識及び分析・検討内容
「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度の経営成績の前連結会計年度との比較分析については、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載しておりますが、その主な要因は次のとおりです。
(売上高)
当連結会計年度の売上高は7,004,976千円(前期比5.2%増)となりました。主な増加要因は、既存顧客ビジネスの維持・拡大、新規案件獲得によるものであります。
(売上原価)
当連結会計年度の売上原価は5,298,469千円(前期比5.6%増)となりました。主な増加要因は外注加工費によるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は1,151,170千円(前期比12.9%増)となりました。主な要因は、従業員増加に伴う給料及び手当、退職給付費用等の人件費が増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度の営業利益は、555,336千円(前期比10.4%減)となりました。
(経常利益)
当連結会計年度の営業外収益は30,556千円(前期比7.1%減)となりました。主な内訳は、保険積立金の解約に伴う受取保険金、助成金収入によるものであります。
この結果、当連結会計年度の経常利益は、585,254千円(前期比10.0%減)となりました。
(親会社株主に帰属する当期純利益)
法人税、住民税及び事業税(法人税等調整額を含む)を155,195千円計上したことにより、当連結会計年度の親会社株主に帰属する当期純利益は427,349千円(前期比7.4%減)となりました。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性
a.キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フロー分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b.財務政策
当社は、事業活動に必要な流動性を安定的に確保するため、手許流動性3~6か月を目安に保有しておくこととしております。
当社は事業の特性上、巨額な投資は必要としないため、間接金融ではなく直接金融を原則として安定的な経営を行っていく方針です。
④経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、企業価値の向上及び財務体質の強化を図るため、具体的な数値目標は設定しておりませんが、売上高成長率及び営業利益率を重要な経営指標としております。

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