有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/08/23 15:00
【資料】
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【項目】
136項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、公正で透明性の高い経営を行い、企業価値を継続的に高め企業の社会的責任を果たし、当社のすべてのステークホルダー(利害関係者)から信頼を得ることをコーポレート・ガバナンスの基本的な考え方としております。また、コンプライアンスの徹底を図るとともに、積極的かつ迅速な情報開示による透明性・健全性の向上と効率経営を実現するための施策並びに組織体制の継続的な改善・強化に努めております。
②企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
イ.企業統治の体制の概要
当社は会社法上の機関として、株主総会、取締役会、監査役会及び会計監査人を設置しております。また、代表取締役社長が事業本部より1名、経営管理本部より2名の内部監査担当者を指名し、事業本部の内部監査担当者が経営管理本部を監査し、経営管理本部の内部監査担当者が事業本部を監査するクロス監査の実施により、経営に対する監督の強化を図っております。さらに、必要に応じて、弁護士等の外部専門家の助言及び指導をいただくことで、コーポレート・ガバナンス体制を補強しております。
当社の企業統治の体制の模式図は以下のとおりであります。
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a.取締役会
当社の取締役会は、代表取締役社長 鹿島秀俊が議長を務め、常務取締役 横川尚佳、取締役 楠武史、社外取締役 岡本泰彦の取締役4名(うち社外取締役1名)、監査役である萩原伸朗(常勤監査役)、土谷環、浅野絵里(うち社外監査役3名)で構成され、法令及び定款の決議事項を含め、会社経営全般に関わる基本方針を審議・決定することを目的として設置し、会社の経営方針、経営戦略、事業計画、重要な財産の取得及び処分、重要な組織及び人事等に関する意思決定を行っております。取締役会は、原則として毎月1回開催の定時取締役会に加え、決議を要する重要案件が発生した際には臨時取締役会を開催しております。
b.監査役会および監査役
当社の監査役会は、萩原伸朗(常勤監査役)、土谷環、浅野絵里の監査役3名(うち社外監査役3名)で構成されており、ガバナンスのあり方や取締役の業務の執行状況や財産状況に関する日常的経営活動の監査を行うことを目的として設置し、取締役の法令・定款遵守状況を把握し、業務監査及び会計監査が有効に実施されるよう努めております。監査役会は原則毎月1回の開催の定時監査役会に加え、必要に応じて臨時監査役会を開催しております。監査役は取締役会その他の重要な会議に出席するほか、監査計画に基づき重要書類の閲覧、役職員への質問等の監査手続きを通して、経営に対する適正な監視を行っております。また、会計監査人の会計監査の把握や内部監査の状況を把握し、定期会合での情報共有により監査の実効性の確保に努めております。
c.内部監査担当者
当社は経営診断の見地から社内規程や関連法令の遵守、業務改善の向上、不正、誤謬の未然防止を目的として代表取締役社長直轄の内部監査担当者として、事業本部より1名、経営管理本部より2名を配置しております。
業務監査は、合法性と合理性の観点から公正かつ独立の立場で全部署に対して実施しておりますが、内部監査担当者は、自己監査とならないようにクロス監査を採用しており、事業本部の監査担当者は経営管理本部を監査し、経営管理本部の監査担当者が事業本部を監査しております。
内部監査担当者は代表取締役社長に対して監査結果を報告した上で、被監査部門に対して改善を指示し、その結果を報告させることで内部統制の維持改善を図っております。更に内部監査担当者、監査役及び会計監査人は、定期的なミーティングを開催し、それぞれの監査を踏まえた意見交換を行うとともに、必要に応じて都度情報を共有し、三者間で連携を図ることにより三様監査の実効性を高めております。
d.会計監査人
当社は、有限責任監査法人トーマツと監査契約を締結し、通常の会計監査に加え、重要な会計的課題について随時相談・検討を実施しております。なお、同監査法人及び当社監査に従事する同監査法人の指定有限責任社員・業務執行社員と当社の間には、特別な利害関係はありません。
ロ.当該体制を採用する理由
当社は取締役会において当社事業に精通した取締役が経営の基本方針や重要な業務の執行について法令や規程に則った意思決定を行う一方、社外監査役にて構成されている監査役会において、客観的な監督を行うこと及び常勤監査役が重要な会議に定期的に出席することで、コーポレート・ガバナンス体制をより一層充実させることが可能となると考え、当該体制を採用しております。
③企業統治に関するその他の事項
当社の内部統制システムに関する基本方針は以下のとおりです。
イ.内部統制システムの整備状況
コーポレート・ガバナンスを維持していくうえで、業務の適正を確保するために必要な体制(内部統制システム)の確保・整備は、経営上必要なプロセスであると認識しており、次のとおり内部統制システムの基本方針を定めております。
a.取締役および使用人の職務の執行が法令および定款に適合することを確保するための体制
(1)法令および定款に適合すべく社内規程の見直しを随時行い、必要に応じ社内教育を実施し、使用人による業務執行に対する意識を高める。
(2)「取締役会規程」、「就業規則」その他の社内規程において、業務の適正な執行に対する体制を定義する。
(3)法令遵守体制を堅持するために、使用人は、誓約書に署名捺印をもって提出するものとする。
(4)内部通報制度を構築し、法令および定款遵守の推進については、役員および社員等が、それぞれの立場で自らの問題として捉え業務運営にあたるよう、研修等を通じて指導する。
(5)代表取締役社長直轄の内部監査担当者を配置し、「内部監査規程」に基づき、各部門と連携の上、業務執行の適法性を監査する。また、これらの活動は定期的に代表取締役社長および監査役会に報告する。
b.取締役の職務の執行に係る情報の保存および管理に関する体制
(1)当社グループは、法令をはじめ、「文書管理規程」「機密保持規程」その他社内規程に基づき、情報の保存・管理を行う。
(2)代表取締役社長は、取締役の職務執行に係る情報の保存・管理に関する全社的な統括を行う責任者を取締役より任命する。
(3)経営管理本部担当役員は、取締役の職務執行に係る情報を社内規程に基づいて記録として保存・保管する。
(4)保管される記録は、随時、取締役、監査役が閲覧可能な検索性の高い状況で保存・保管する。
c.損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1)当社グループの業務執行に係るリスクについて、その未然防止および迅速な対処を行うことを目的として、「リスクマネジメント・コンプライアンス規程」を制定し、リスク管理の方針、体制並びにリスク発生時の対応等を明確化する。
(2)内部監査担当者による内部監査を通じて各組織の内部管理体制およびその適正性・有効性を検証・評価し、改善を促すことでリスク管理体制の適正性を確保する。
(3)財務報告に係る内部統制について、社内の責任体制等を明確にし、財務報告の信頼性を確保する。
d.取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1)当会社は、取締役会を月1回開催する他、必要に応じて臨時に開催し、重要事項の決定並びに取締役の業務執行状況の監督等を行う。
(2)業務執行取締役は、当会社業務をそれぞれ所管し、適切に進捗状況を確認し、業務執行に関する効率化をはかる。
(3)業務運営については、将来の事業環境等を踏まえ中期経営計画および年度予算を立案し、全社的な目標を設定する。
(4)各本部は、その目標達成に向けて具体的な施策を立案し実行する。
(5)効率的な職務執行のため、「組織規程」、[職務権限規程」により必要な職務の範囲および権限を明確にする。
(6)環境変化に対応するため、機動的な組織変更を実施する。
e.企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1)「関係会社管理規程」に基づき、子会社の業務執行状況を管理・監督する。
(2)子会社の経営上の重要な意思決定については、当社において取締役会の承認を得るまたは報告を行う。
(3)内部監査担当者は「内部監査規程」に基づき、子会社の内部監査を行う。
(4)監査役は「監査役監査基準」に基づき、取締役および使用人から子会社管理の状況について報告または説明を受け、関係資料の閲覧を行うものとする。
f.監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
監査役の職務を補助すべき使用人は、内部監査担当者とする。
g.監査役の職務を補助すべき使用人の取締役からの独立性に関する事項
内部監査担当者に対する人事異動・人事評価・懲戒処分については、監査役の事前の同意を得るものとする。
h.監査役の職務を補助すべき使用人に対する指示の実効性の確保に関する事項
監査役の職務を補助すべき使用人に対して監査役は、監査業務に必要な指揮命令権を有する。
i.監査役への報告に関する体制
(1)取締役は、会社に著しい損害を及ぼすおそれのある事実を発見した場合、法令および社内規程に従い、直ちに監査役に報告する。
(2)認識するリスクに対して内部監査担当者による内部監査を行い、内部監査担当者は、その結果を監査役会に報告する。
j.監査役に報告した者が、当該報告をしたことを理由として不利な取扱いを受けないことを確保するための体制
「リスクマネジメント・コンプライアンス規程」に準じ、当該報告をした者に対し、解雇その他いかなる不利益取扱いの禁止の他、職場環境等が悪化することのないような措置を講ずる。
k.監査役の職務の執行について生ずる費用の前払または償還の手続その他の当該職務の執行について生ずる費用または債務の処理に係る方針に関する事項
(1)監査役会は、職務の執行上必要と認める費用について、あらかじめ予算を計上する。
(2)緊急または臨時の支出が必要となった費用の前払い、および支出した費用の償還を会社に請求する事ができる。
(3)監査費用の支出については、効率性および適正性に留意する。
l.その他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1)監査役の実効性を確保するため、「監査役監査基準」、「監査役会規程」を制定する。
(2)監査役は、取締役会の他、会社の重要な意思決定の過程および業務の執行状況を把握する。
(3)会社の重要な会議に出席するとともに、主要な稟議書その他業務執行に関する重要な文書を閲覧し、必要に応じて取締役または使用人にその説明を求める。
(4)内部監査と監査役監査の連携の意義・目的を十分理解し、内部監査と監査役監査の連携および相互補完を図る。
m.反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方およびその整備状況について
当会社グループでは、反社会的勢力との関係を遮断し排除するため、「反社会的勢力対応規程」を制定しており、反社会的勢力に対し毅然とした態度で対応し、いかなる名目の利益供与も行わず、反社会的勢力との係わりを一切持たないようにすることを基本的な考え方としており、リスクマネジメントを担当する部門に統括機能を設置し、情報の集約化を図るとともに、イントラネット上で対応マニュアル等の整備を行っている。また、地元警察署との連携や反社会的勢力排除を推進する団体に加盟する等、外部情報の収集や外部団体との連携をしている。
ロ.リスク管理体制の整備の状況
当社は、リスク管理に関して、「リスクマネジメント・コンプライアンス規程」を定め、総務人事部を主管部門としてリスク管理体制を構築しております。業務上発生する可能性がある各種リスクを把握し、適切に対処すべく、継続的にリスク管理体制の強化に取り組んでおります。
また、内部通報制度を設け、コンプライアンスに抵触する事態の発生の早期発見、解決に取り組んでおります。当社の役職員等は本制度を通じてコンプライアンス違反等の事実が生じているか、または生じようとしていることを社内外に設けた通報窓口に通報することができます。
ハ.提出会社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備の状況
当社の子会社の業務の適正を確保するための体制整備としましては「関係会社管理規程」に基づき、子会社における業務の適正性を管理できる体制としております。
子会社への取締役および監査役の出向並びに業績および経営課題に関する報告を通じて、子会社の経営状況を把握し、適宜指導を行う体制を構築しております。当社の取締役会においては、子会社の業務執行状況について報告、討議を行い、適宜適切な対応を実施しております。
また、子会社に対して当社の内部監査担当者および監査役が直接監査を実施することができる体制としております。
④取締役の定数
取締役の定数は7名以内、監査役の定数は5名以内とする旨を定款で定めております。
⑤取締役の選任及び解任の決議要件
当社は、取締役の選任決議については、株主総会において、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらないものとする旨を定款で定めております。
⑥責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役及び社外監査役は会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、社外取締役・社外監査役ともに法令が定める最低限度額を限度としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該社外取締役および社外監査役が責任の原因となった職務の遂行について善意かつ重大な過失がないときに限られます。
⑦株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議の要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものです。
⑧自己株式取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって自己の株式を取得することができる旨を定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的としております。
⑨中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって毎年6月30日を基準日として、中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。また、会社法第459条第1号各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、取締役会の決議によって剰余金の配当を行うことができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。