有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/09/08 15:00
【資料】
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【項目】
160項目
(1) 【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社は、「未晃道(みこうどう)」を社是とし、「事業を通じ、物心両面の幸福を追求すると同時に、かけがえのない地球環境の維持にも貢献します。」という経営理念のもと、CSR基本方針を定めております。当該方針において、法令を遵守、倫理的行動をとることを基本原則としており、当社グループは環境社会をリードする事業を展開することで社会に必要とされ続ける永続企業を目指しており、事業を通して地域に根差した企業として、環境に最大限配慮した事業活動を積極的に行っております。
そのなかでコーポレート・ガバナンスの観点では、様々なステークホルダーと強固な相互信頼関係を構築し、公正性・透明性が高く、かつ実効的なコーポレート・ガバナンス体制を追求するとともに、コンプライアンス体制のさらなる強化に継続して取り組んでまいります。
具体的には、経営に健全性・効率性及び透明性を高めるとの視点から、経営の意思決定、職務執行及び監督、並びに内部統制等について適切な体制を整備・構築し、必要な施策を実施することにより、法令・規程・社内ルールに則った業務執行を組織全体において徹底しております。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
a 企業統治の体制の概要
当社は、取締役会・取締役の監査・管理監督機能の充実をはじめ、コーポレート・ガバナンスの一層の強化に繋げるとともに、それを通じての中長期での企業価値の向上を図るため、2019年12月24日開催の第22期定時株主総会の決議により、監査役設置会社から監査等委員会設置会社へ移行いたしました。社外取締役を複数選任するとともに、複数の社外取締役を含む監査等委員である取締役に、取締役会における議決権が付与されることにより、監査及び監督機能の強化が図られ、コーポレート・ガバナンス体制の一層の充実と機能強化を実現することができ、当社の企業価値の継続的な向上に資するものと判断しております。
なお、当社の取締役会は、取締役(監査等委員である取締役を除く)7名と、監査等委員である取締役3名にて構成されており、取締役全10名中4名(構成比40.0%)が社外取締役であります。
当社の企業統治の体制の概要は、以下の通りであります。
(a) 取締役会
当社の取締役会は、定例取締役会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時取締役会を開催し、法令で定められた事項及び経営に関する重要事項の決定を行うほか、業務執行、業績の進捗等について審議しております。取締役会の議長は、代表取締役社長が務めております。取締役会は、本報告書提出日現在で10名の取締役(監査等委員でない取締役7名及び監査等委員である取締役3名)で構成され、監査等委員でない取締役のうち2名が非業務執行取締役であります。各取締役の氏名及び社外役員の区分等は、「(2) 役員の状況」に記載しております。
(b) 常務会
常務会は、代表取締役社長の諮問機関として業務執行取締役及び常勤監査等委員で構成し、原則として月3回開催しております。常務会は、取締役会への付議事項の審査、並びに取締役会から委嘱を受けた事項その他経営に関する戦略的事項等、特に重要な事項を審査・決定しております。
なお、常務会には常勤監査等委員が出席し、監査の一環として、付議される案件に対しての妥当性等を検証するとともに、必要な意見反映を行っております。各取締役の氏名及び監査等委員の区分等は、「(2) 役員の状況」に記載しております。
(c) 監査等委員会
当社の監査等委員会は、定例監査等委員会を毎月1回開催するほか、必要に応じて臨時監査等委員会を開催し、法令、定款及び「監査等委員会規程」に基づく重要事項について決定するとともに、監査計画の策定を行い、監査実施状況等の情報共有を図ることとしております。内部監査室や会計監査人とも緊密な連携を保ち、随時監査についての報告を求めております。監査等委員会の委員長は、亀山直人が務めております。監査等委員会は、本報告書提出日現在で3名の取締役監査等委員で構成され、うち2名が社外取締役監査等委員であります。各監査等委員の氏名及び社外役員の区分等は、「(2) 役員の状況」に記載しております。
なお、監査等委員会については、活動の実効性確保のため、監査等委員の互選により、常勤の監査等委員を置いております。常勤の監査等委員が社内の重要会議や稟議書類の閲覧を通じて、必要に応じた意見を述べる等の日常継続的な監査を行う体制を維持することに加え、すべての監査等委員に対し、監査等委員会の決議により、独立した立場から業務執行状況の調査及び監査を実施する権限等を付与できる体制としております。
(d) 報酬諮問委員会
当社は取締役の報酬等に関する手続きの公正性・透明性・客観性を強化し、コーポレート・ガバナンスの充実を図るため、取締役会の諮問機関として任意の報酬諮問委員会を設置しております。同委員会は社外取締役を委員長として、社外取締役2名と代表取締役社長の3名で構成されております。
(e) 内部監査室
内部監査室については、業務部門から独立した代表取締役社長直轄の内部監査室に専任者1名を置き、代表取締役社長の承認が得られた監査計画に基づき、原則として年1回当社の全部門及びグループ会社について監査を実施し、経営の合理化、効率化と業務の適正な遂行等の観点から助言・改善指導等を行っております。
(f) 会計監査人
当社は、EY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結し、公正不偏の立場から会計に関する監査を受けております。
(g) リスク・コンプライアンス委員会
当社は、グループ全体のリスク・コンプライアンス管理に関する重要事項の審議と方針決定を行い、リスクの発生防止及び適切な対応による損失の最小化並びに法令遵守の徹底を図るため、代表取締役社長を委員長、各取締役を委員、管理本部を事務局とするリスク・コンプライアンス委員会を設置しております。リスク・コンプライアンス委員会は、四半期に1回定例開催するほか、必要に応じて臨時開催し、以下の役割を務めております。
ⅰ リスク・コンプライアンスの調査、網羅的認識及び分析
ⅱ 各種リスク・コンプライアンスに関する管理方針の協議及び決定
ⅲ 各種リスク・コンプライアンスの評価手法の立案並びにリスク測定及び評価の実施
ⅳ 各種リスク・コンプライアンス管理に関する情報収集等
ⅴ 各種リスク・コンプライアンスへの対応策の検討及び決定
ⅵ 対応策の実施状況の監督及び再発防止策の検討
ⅶ 委員会の議事及び結論に関する取締役会への報告
(h) その他
従業員の不正については、「就業規則」に従業員の懲戒に関する規定を設け、これらに基づき厳正に懲戒処分に処し、その内容を社内公示するほか、再発防止策の検討等の必要な措置を講じることで類似する不正行為の予防を図ることとしております。また、当社グループの役職員による組織的又は個人的な不正行為に関する通報・相談のために内部通報制度を整備し、「内部通報制度に関する規程」に則り運用しております。当社グループの内部通報制度は、社内相談窓口を常勤監査等委員、社外通報窓口を法律事務所として、当社グループの役職員から広く不正行為に関する情報を得られる体制としております。「内部通報制度に関する規程」については、イントラネットを通じて当社グループの全役職員に周知することで制度の利用を促し、コンプライアンス強化を図っております。
当社の企業統治の体制の概要図(2020年9月30日現在)は、次の通りであります。

b 企業統治の体制を採用する理由
当社は、取締役会の監督機能を強化し、経営の透明性を一層向上させるとともに、意思決定のさらなる迅速化の実現を図るため、上記体制を採用しております。
③ 企業統治に関するその他の事項
a 内部統制システムの整備の状況
当社は、会社法及び会社法施行規則に基づき、当社の業務の適正を確保するための体制の整備をするため、2019年12月に「内部統制システム基本方針」を取締役会で決議し、この方針に基づいた運営を行っております。当社の「内部統制システム基本方針」の内容は、以下の通りであります。
(a) 取締役・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
(1) 当社は経営理念、企業行動指針・役職員行動指針等、コンプライアンス体制に関わる規程を、当社の取締役・使用人が法令・定款及び社会規範を遵守した行動をとるための行動規範とする。
(2) コンプライアンスを横断的に統括する組織を設置し、取締役・使用人の教育、啓蒙を図る。
(3) 内部監査室は、コンプライアンスの状況を定期的に監査するものとし、その監査結果については、代表取締役社長に報告するものとする。
(4) 当社内における法令遵守上疑義がある行為について、使用人が直接通報を行う手段を確保するものとする。重要な情報については、必要に応じてその内容と会社の対処状況・結果につき、当社取締役・使用人に開示し、周知徹底を図るものとする。
(b) 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(1) 取締役の職務の執行に係る情報・文書(電磁的記録も含む)については、「文書管理規程」にしたがい保存・管理を行うものとし、取締役及び監査等委員が当該情報・文書等の内容を知り得る体制を確保するものとする。
(2) 「文書管理規程」には保存対象情報の定義、保管期間等を定めるものとする。
(c) 損失の危険の管理に関する規程その他の体制
(1) リスクの未然防止、極小化のために組織横断的リスクマネジメント体制を構築し、当社及び子会社のリスクを網羅、総括的管理を行う。
(2) 新たに発生したリスクについては、「リスク・コンプライアンス管理規程」に基づいてリスク・コンプライアンス委員会にて対応し、取締役会にはかるものとする。
(3) 取締役・使用人のリスク管理マインド向上のために、勉強会、研修を定期的に実施する。また、必要に応じて内部監査を実施し、日常的リスク管理を徹底する。
(d) 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(1) 当社及び子会社の取締役・使用人の役割分担、業務分掌、職務権限、指揮命令関係等を通じ、職務執行の効率性を確保する。
(2) 「業務分掌規程」、「職務権限規程」等については、法令の改廃、職務執行の効率化の必要がある場合は随時見直すものとする。
(3) その他業務の合理化、電子化に向けた取組みにより、職務の効率性確保をはかる体制の整備を行う。
(4) 経営会議、取締役会による月次業績のレビューと改善策の実施を行う。
(e) 当社ならびにその子会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
(1) 当社及び子会社から成る企業集団の業務適正確保の観点から、当社のリスク管理体制、コンプライアンス体制をグループ全体に適用するものとし、必要な子会社への指導、支援を実施する。
(2) 内部監査室は定期的に当社及び子会社の内部監査を実施し、当社及び子会社の内部統制の有効性と妥当性を確保する。また、監査結果については、代表取締役社長に報告するものとする。
(3) 子会社を担当する役員又は担当部署を明確にし、必要に応じて適正な指導、管理を行うものとする。また、子会社を担当する役員又は担当部署は、子会社の業務及び取締役等の職務の執行の状況を定期的に当社に報告するものとする。
(f) 監査等委員会の職務を補助すべき取締役及び使用人に関する事項並びにその独立性及び指示の実効性の確保に関する事項
(1) 代表取締役社長は、監査等委員会事務局を設置し監査等委員会の職務を補助する使用人(以下「補助使用人」)を配置する。
(2) 補助使用人の人選は、監査等委員会の職務遂行上必要な知識・能力を勘案し、監査等委員会又は常勤の監査等委員と協議のうえ決定する。
(3) 補助使用人は、当社の就業規則に従うが、当該職務に関する指揮命令権は監査等委員会に属するものとし、異動・評価・懲戒等の人事事項については監査等委員会又は常勤の監査等委員と事前協議のうえ実施する。
(g) 監査等委員会への報告及び報告をしたことを理由として不利益な取扱いを受けないことを確保するための体制
(1) 監査等委員は、重要な意思決定の過程及び業務の執行状況を把握するため、経営会議のほか全ての会議又は委員会等に出席し、報告を受けることができる。
(2) 取締役(監査等委員を除く)及び使用人は、監査等委員会が求める重要な書類については、速やかに監査等委員会に提出する。
(3) 取締役(監査等委員を除く)及び使用人は、監査等委員会が求める重要な事項については、速やかに監査等委員会に報告する。
(4) 取締役(監査等委員を除く)及び使用人は、当社又は子会社の業務執行に関し、監査等委員会にコンプライアンス、リスク管理等に関する報告・相談を直接行うことができる。
(5) 子会社の役職員が、監査等委員会にコンプライアンス、リスク管理等に関する報告・相談を行う体制を確保する。
(6) 監査等委員会は、定期的に代表取締役社長との意見交換会を開催し、必要に応じ取締役及び使用人との連絡会を開催し報告を受けることができる。
(7) 取締役及び使用人は、監査等委員会が事業の報告を求めた場合、又は業務及び財産の状況を調査する場合は、迅速かつ的確に対応する。
(8) 監査等委員会は、子会社を担当する役員又は担当部署による子会社管理の監査を行うため、主要な子会社の往査、子会社の監査役との日常の連携等を通じて、子会社から報告を受けることができる。
(9) 監査等委員会に報告・相談を行った取締役(監査等委員を除く)及び使用人もしくは子会社の役職員に対し、報告・相談を行ったことを理由とする不利益な取扱いの禁止を規定する。
(h) 監査等委員の職務の執行について生ずる費用又は債務の処理に係る方針に関する事項
代表取締役社長は、監査等委員の職務の執行に協力し監査の実効性を担保するため、監査費用のための予算措置を行い、監査等委員の職務の執行に係る費用等の支払いを行う。
(i) その他監査等委員会の監査が実効的に行われることを確保するための体制
(1) 代表取締役社長は「監査等委員会規程」等に定める監査等委員会監査の重要性・有用性を十分認識し、監査等委員会監査の環境整備を行う。
(2) 監査等委員会は、代表取締役社長直轄の内部監査部門である内部監査室に監査の指示を行うことができる。
(3) 監査等委員会は、各グループ及び管理本部に対して、随時必要に応じ、監査への協力を指示することができる。
(4) 監査等委員会は、会計監査人と監査業務の品質及び効率を高めるため、情報・意見交換等の緊密な連携を図る。
(j) 財務報告の信頼性を確保するための体制
(1) 信頼性のある財務報告を作成するために、財務報告に係る内部統制の整備及び運用の体制を構築する。
(2) その仕組みが適正に機能することを継続的に評価し、不備があれば必要な是正を行う。
(k) 反社会的勢力排除に向けた基本的な考え方及びその整備状況
(1) 反社会的勢力による被害の防止及び反社会的勢力の排除について、当社役職員行動指針において、「反社会的勢力には毅然として対応し、利益供与は一切行わない」旨を規定し、全取締役・使用人へ周知徹底するものとする。
(2) 反社会的勢力排除に向けて、不当要求がなされた場合の対応基本方針、対応責任部署、対応措置、報告・届出体制等を定めた対応規程を制定し、事案発生時に速やかに対処できる体制を整備する。
b 取締役との責任限定契約の内容の概要
当社と社外取締役(業務執行取締役等である者を除く。)は、会社法第427条第1項及び当社定款の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約では、会社法第423条第1項の責任につき、同法第425条第1項に規定する最低限度額をもって、損害賠償責任の限度としております。なお、当該責任限定が認められるのは、当該取締役(業務執行取締役等である者を除く。)が責任の原因となった職務の遂行について善意でかつ重大な過失がない場合に限られます。
c 取締役の定数及び選任の決議要件
当社は、取締役(監査等委員である取締役を除く。)は11名以内、監査等委員である取締役は5名以内とする旨を定款に定めております。また、当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨及び累積投票によらない旨を定款に定めております。
d 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める決議は、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款に定めております。これは、株主総会における特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会の円滑な運営を行うことを目的とするものであります。
e 取締役会で決議できる株主総会決議事項
(a) 剰余金の配当等の決定機関
当社は、法令に別段の定めのある場合を除き、取締役会の決議によって、剰余金の配当等会社法第459条第1項各号に掲げる事項を定めることができる旨定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることを可能とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
(b) 自己の株式の取得
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等により自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。これは、経営環境の変化に対応した機動的な資本政策の遂行を可能とするため、市場取引等により自己の株式を取得することを目的とするものであります。
(c) 取締役の責任免除
当社は、会社法第426条第1項の規定に基づき、取締役会の決議をもって、同法第423条第1項の行為に関する取締役(取締役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において免除することができる旨を定款に定めております。これは、取締役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
(d) 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の定めに基づき、機動的な配当政策を遂行できるよう、取締役会の決議によって中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。