有価証券報告書-第21期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/22 11:00
【資料】
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【項目】
115項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績」という。)の状況の概要は次の通りであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態の状況
当事業年度末における財政状態は、総資産3,695,451千円(前事業年度末比12.0%減)、負債合計は1,460,399千円(前事業年度末比1.1%減)、純資産合計は2,235,052千円(前事業年度末比17.9%減)となりました。
(流動資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末より393,110千円減少し、3,339,894千円となりました。これは主に、現金及び預金が991,340千円減少したこと、また売掛金及び契約資産が519,346千円増加したこと等によるものであります。
(固定資産)
当事業年度末における固定資産は、前事業年度末より109,941千円減少し、355,557千円となりました。これは、投資その他の資産が156,033千円減少したこと、また、有形固定資産が46,597千円増加したこと、無形固定資産が504千円減少したことによるものであります。
(流動負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末より81,532千円増加し、1,075,569千円となりました。これは主に、未払法人税等が138,725千円増加したこと、未払費用が33,502千円増加したこと等によるものであります。
(固定負債)
当事業年度末における固定負債は、前事業年度末より97,329千円減少し、384,829千円となりました。これは主に、長期借入金が67,752千円減少したこと等によるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末より487,255千円減少し、2,235,052千円となりました。これは主に、自己株式の取得により自己株式が1,176,261千円増加したこと、当期純利益684,270千円の計上により利益剰余金が同額増加したこと等によるものであります。
② 経営成績の状況
当社は、コーポレートビジョンである「あるべき未来をクラウドでカタチにする」のもと、クラウドとAIの先端テクノロジーで企業のデジタルトランスフォーメーション(DX)を支援するマルチクラウド・インテグレーターです。
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用情勢等に改善がみられる一方で、物価上昇や海外政治・経済動向等、依然として先行き不透明な状況が続いております。
当社が属するDX市場に関して、DXには様々な定義がありますが、日本経済団体連合会によれば、単純な改善や自動化、効率化をもってDXとは言い難く、社会の根本的な変化に対して、新たな価値を創出するための改革がDXと定義されております(出典:日本経済団体連合会「Digital Transformation(DX)」2020年5月19日)。コスト削減を目的とした、社内のアナログな業務やデータをデジタル化する「守りのDX」から、収益や顧客エンゲージメントの向上を目的とした、新しい顧客体験を創出する「攻めのDX」へシフトすることが求められています。「攻めのDX」は、顧客接点の変革、サービス商品の変革、そしてビジネスモデルの変革へとステップが進みますが、達成難度は高いものの、これを実現することで企業は高い競争力を獲得できます。この「攻めのDX」こそがDXの本質であると言えます。
このような環境下、国内DX市場の規模は、2024年度の5兆2,759億円見込から2030年度には9兆2,666億円に拡大すると予測されております(出典:株式会社富士キメラ総研「2025 デジタルトランスフォーメーション市場の将来展望」)。DX実現を支える国内パブリッククラウドサービス市場は2023年~2028年にかけて年平均成長率15.7%で推移し、2028年の市場規模は2023年比2.1倍の6兆5,146億円になることが予測されております(出典:IDC Japan株式会社「国内パブリッククラウドサービス市場予測、2024年~2028年」)。
また、少子高齢化に伴う労働力不足が深刻化するなか、AIによる業務効率化や生産性向上、新たな顧客価値を創出する企業ニーズが急速に高まっており、AIの業務実装は企業の重要な経営課題となっています。国内におけるAIシステムの市場規模は、マルチAIエージェントが業務や産業等の特徴ある分野に活用されることで高い成長が見込まれており、2024年の1兆3,412億円(支出額ベース)から2029年に4兆1,873億円になると予測されております。(出典:IDC Japan株式会社「国内AIシステム市場予測、2024年~2029年」)
当社においては、「クラウドインテグレーションサービス」について事業運営を行ってまいりました。なお、当社の事業はクラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメントごとの記載は省略しております。
当事業年度の経営成績に関して、旺盛なDX支援の需要を背景に、過去最高の売上高となりました。当第4四半期会計期間における大手企業(注1)の「四半期契約顧客数(注2)」は70社(前年同期は55社。前四半期は65社)、大手企業の「顧客当たりの四半期平均売上高ARPA(注3)」は29.3百万円(前年同期は33.3百万円。前四半期は30.8百万円)となりました。
提案活動を強化したことで一部の既存顧客との取引拡大に繋がり、大手企業の四半期売上高が50百万円以上の顧客数は13社(前年同期は11社。前四半期は13社)となり、大手企業の四半期売上高が100百万円以上の顧客数は、前四半期から1社増え5社となりました。また、大手企業の四半期売上高が10百万円以下の顧客数が32社(前年同期は20社。前四半期は28社)となり、クラウド・AIの先端テクノロジー領域において複数の新規受注を実現しています。売上総利益率は、オペレーションの徹底による健全なプロジェクト運営及びエンジニアのアサイン最適化、社内AI活用を通じて、高水準を実現しました。
具体的な取り組みとして、データ連携、ID統合及びデータ統合プラットフォームの構築にAIを加えたトータルサービスを提供しました。またSalesforceプラットフォームを活用したコンタクトセンターサービス、コミュニティサービス、ECサービス、IoTサービス等アプリケーション開発も引き続き提供しております。
新規顧客においては、金融業界を中心に、自律型AIエージェント「Agentforce」及び「Data 360」を複数受注し、他にもデータ統合プラットフォーム「Databricks」やAPI連携プラットフォーム「MuleSoft」でも複数社から受注いたしました。また既存顧客においては、Salesforceプラットフォームを活用したプロジェクトが業績に貢献しました。
クラウドエンジニア等の専門職従業員数(注4)は、2026年3月末時点で415人(前年同期は359人、前四半期は408人)となりました。

1. 大手企業:日経225、日経400、日経500のいずれかに採用されている企業、または当該企業のグループ企業や当該企業に準ずる売上(1,000億円以上)規模の企業
2. 四半期契約顧客数:再販案件及び四半期売上高が1百万円以下の顧客を除いた四半期会計期間における契約顧客数。再販案件とは当社が仕入れたライセンスを顧客に再販売するリセールにあたり、当社においては金額が僅少なため、当該顧客は除く
3. 顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA):Average Revenue per Accountの略(顧客当たりの平均売上高)で、再販案件及び四半期売上高が1百万円以下の顧客を除いた顧客当たりの四半期平均売上高。再販案件及び四半期売上高が1百万円以下の顧客からの売上高を除いた四半期売上高÷四半期契約顧客数により算出
4. クラウドエンジニア等の専門職従業員:事務職を除いたクラウドインテグレーションサービス部門のエンジニア、マネージャー等の専門職
これらの結果、当事業年度における当社の経営成績は、売上高8,251,666千円(前年同期比3.8%増)、売上総利益3,908,221千円(前年同期比10.3%増)、営業利益1,244,194千円(前年同期比14.6%増)、経常利益1,245,601千円(前年同期比15.2%増)、当期純利益684,270千円(前年同期比5.1%減)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、1,136,760千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において営業活動により獲得した資金は、330,229千円(前年同期は895,213千円の獲得)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益1,142,210千円、関係会社株式評価損102,311千円、主な減少要因は、売上債権の増加519,346千円、未払消費税等の減少133,486千円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において投資活動により支出した資金は、69,768千円(前年同期は288,048千円の支出)となりました。主な増加要因は、敷金及び保証金の回収による収入39,758千円、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出108,735千円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度末において財務活動により支出した資金は、1,251,801千円(前年同期は54,130千円の支出)となりました。主な増加要因は、自己株式の処分による収入11,066千円、主な減少要因は、自己株式の取得による支出1,199,851千円、長期借入金の返済による支出67,752千円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社は、受注から販売までの期間が短いため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績をサービスごとに示すと、次のとおりであります。なお、当社は、クラウドソリューション事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
事業の名称当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
前年同期比(%)
クラウドソリューション事業(千円)8,251,666103.8

(注)1.製品・サービス間の取引はありません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおり
であります。
相手先前事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
ANAシステムズ株式会社1,006,35412.71,068,57713.0

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
① 重要な会計方針及び見積り
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りに関しては、過去の実績等を勘案し合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表の作成にあたって採用している重要な会計方針は「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 重要な会計方針」に記載しております。
② 当事業年度の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態の分析
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要」に記載しております。
b.経営成績の分析
(売上高)
当事業年度における売上高は、前事業年度に比べ302,497千円増加し8,251,666千円(前事業年度比3.8%増)となりました。これは主に、提案活動の強化により既存顧客との取引が拡大し、クラウドインテグレーションサービスによる売上高が増加したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度における売上原価は、前事業年度に比べ62,937千円減少し4,343,445千円(前事業年度比1.4%減)となりました。これは主に、マルチクラウドとAIの先端技術を活用した高付加価値のサービス提供に加え、オペレーションの徹底やAI活用による生産性向上によるものであります。
以上の結果、売上総利益は前事業年度に比べ365,434千円増加し3,908,221千円(前事業年度比10.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度における販売費及び一般管理費は、前事業年度に比べ206,551千円増加し2,664,027千円(前事業年度比8.4%増)となりました。これは、主に事業規模拡大に伴う組織拡大や処遇の向上等により給与手当が267,594千円増加したこと等によるものであります。
以上の結果、営業利益は前事業年度に比べ158,883千円増加し1,244,194千円(前事業年度比14.6%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度における営業外収益は、前事業年度に比べ3,096千円増加し7,201千円(前事業年度比75.4%増)となりました。これは主に、受取利息が3,500千円増加したことによるものであります。また、営業外費用は、前事業年度に比べ2,387千円減少し5,794千円(前事業年度比29.2%減)となりました。これは主に、支払利息が2,387千円減少したことによるものであります。
以上の結果、経常利益は前事業年度に比べ164,368千円増加し1,245,601千円(前事業年度比15.2%増)となりました。
(特別損益、税引前当期純利益)
当事業年度における特別損失は、関係会社株式評価損102,311千円等の計上により103,390千円となりました。
以上の結果、税引前当期純利益は前事業年度に比べ、60,395千円増加し1,142,210千円(前事業年度比5.6%増)となりました。
(法人税等合計、当期純利益)
当事業年度における法人税等合計は、税引前当期純利益が増加したことから法人税、住民税及び事業税が増加し、前事業年度に比べ96,913千円増加し457,940千円となりました。
以上の結果、当期純利益は前事業年度に比べて36,517千円減少し684,270千円(前事業年度比5.1%減)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
各キャッシュ・フローの分析については、「3(1)経営成績等の状況の概要③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、クラウドインテグレーションサービスにおける労務費及び外注費、販売費及び一般管理費等の営業費用によるものであります。また、投資を目的とした資金需要は、事業成長を支えるエンジニア等の人材採用及び育成に係る費用、クラウドとAIの先端テクノロジーに関する研究開発費用、業務用PC等の設備投資等によるものであります。
なお、当社の資金の源泉は主に営業活動によるキャッシュフロー及び金融機関からの借入等によるものであります。
e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (2)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、クラウドインテグレーションサービスにおける売上総利益率、四半期契約顧客数及び顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)を重要な経営指標と位置づけ、各経営課題に取り組んでおります。売上総利益率、四半期契約顧客数及び顧客当たりの四半期平均売上高(ARPA)につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (4)当社の強みと特徴 ② 優良な顧客基盤を有する収益性の高いクラウドインテグレーションサービス」に記載の通りです。
f.重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
g.経営成績に重要な影響を与える要因について
当社は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (5)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題」及び「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおり、事業内容や外部環境、事業体制等、様々なリスク要因が当社の経営成績に重要な影響を与える可能性があると認識しております。
h.経営者の問題認識と今後の方針について
クラウドとAIの先端テクノロジーで企業のDXを支援することで、あらゆるヒト、モノがデジタルでつながる社会において、デジタルに最適化された新しい顧客体験をカタチにし、顧客中心型のビジネス変革を支援していきます。
当社が今後更なる成長を遂げるために、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載している課題に対処することが重要であると認識しております。

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