有価証券報告書-第66期(2024/01/01-2024/12/31)

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2025/03/31 15:47
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156項目
(1) 経営成績等の状況の概要
① 経営成績の状況
当連結会計年度における世界経済は、中国や欧州で停滞が見られたものの、好調が続く米国経済やインドをはじめとするアジア地域での経済成長に支えられ、おおむね堅調に推移いたしました。一方で、欧米における高い金利水準の継続やエネルギー価格の高騰等による物価上昇、中国での不動産市場の低迷等、いくつかの懸念材料が散見される状況となりました。
日本におきましては、雇用や所得環境が改善したことに加えて、アフターコロナの流れの中でインバウンド消費が盛り上がりを見せる等、回復傾向となりましたが、円安による物価上昇に伴う消費の落ち込みや品質不正問題等による自動車生産の低迷等の影響も受けました。
電子部品業界におきましては、前半は、情報通信機器市場の調整が長引いたことや中国での製造業の停滞から厳しい状況が続きました。後半は、過剰在庫の調整一巡や、生成AI普及等による回復の兆しが見られましたが、EV市場の急減速による自動車産業の停滞や高金利の継続による先行き景気悪化懸念等の影響を受け、再度調整傾向となりました。
こうした中、当社では、中期経営計画の達成に向けて、新製品の開発と拡販、設備総合効率の改善、リード端子事業における生産体制の再構築・生産工程の効率化や、不採算製品・不採算受注の改善等、売上の拡大と収益構造の改善に努めました。
また、新規分野として注力している高純度石英ガラス製品(SSG®)の拡販活動の強化や、PLZT光スイッチ技術の開発会社であるエピフォトニクス株式会社の子会社化等、中長期的な成長に向けての施策にも取り組みました。
当連結会計年度の経営成績は、売上高は15,924百万円(前期比18.2%増)、営業利益は3,939百万円(前期比40.1%増)、経常利益は4,856百万円(前期比54.0%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は3,252百万円(前期比70.8%増)となりました。当連結会計年度における期中平均レートは、1米ドル当たり151.69円となりました。
セグメントごとの経営成績は、次のとおりであります。
(リード端子事業)
当連結会計年度におけるリード端子事業の売上高は8,403百万円(前期比13.6%増)、セグメント利益(営業利益)は403百万円(前期比799.3%増)となりました。
自動車用エレクトロニクス市場では、前半は、アルミ電解コンデンサ市場における過剰在庫の調整に伴う低迷が欧州や中国等で続いたことに加え、品質不正問題による自動車生産の停滞の影響を受けました。後半に入り、こうした調整が一段落したことによる回復が見られました。その後、欧州の自動車及び車載関連市場が大きく減退したこと、中国における需要の鈍化等の影響により市場は再度調整局面となりました。
民生機器市場におきましては、前半はコロナ禍において発生したステイホーム需要の反動等による調整が続きましたが、猛暑によるエアコン需要等が下支え要因となりました。情報通信機器市場については、前半の市場の調整が一巡したことに加えて、AIサーバーを中心とするIT需要の拡大により好調に推移しました。
こうした状況の中、前半には一部品種の受注急増に伴う想定外の固定費上昇が一時的な利益押し下げ要因となりましたが、後半はフレキシブルな生産体制の構築を進めたことに加えて、これまで進めてきた不採算製品の価格是正、小ロット受注の見直し、生産性改善等の効果が出始めました。また、中長期的な収益構造の改善に向けて、EDLC(電気二重層キャパシタ)向け製品、対振動特性や絶縁特性を大幅に改善した新製品「バリレス」等の高付加価値製品の拡販に努めました。
生産技術面では、製品の品質と信頼性の向上や生産効率の改善に向け、高効率・高精度を実現する新しい溶接技術であるレーザー溶接の開発に取り組みました。
(光部品・デバイス事業)
当連結会計年度における光部品・デバイス事業の売上高は7,520百万円(前期比23.9%増)、セグメント利益(営業利益)は3,536百万円(前期比27.8%増)となりました。
海底ケーブル向け光デバイス製品では、昨年からの海底ケーブルプロジェクトの一部延期等の影響による調整が一巡したこと、世界的な通信インフラ強化の流れに伴う新たな海底ケーブルプロジェクトが発表されたこと等、需要の先行き見通しが改善しました。こうした需要見通し改善により光アイソレータ及び光フィルタの受注が急速に増加し、売上は回復傾向をたどりましたが、第4四半期に、反動と思われる一部顧客からの一時的な調整も見られました。
開発面では、情報通信の拡大ニーズに対応し、小型や複合製品の開発を進めました。また、海底ケーブルのマルチコアファイバ化に対応した次世代デバイスとして、新たな光アイソレータとファンイン/ファンアウト(※1)の複合光デバイスの開発に取り組みました。
加えて、新規事業として位置づけている高純度石英ガラス(SSG®)製品については、昨年より量産供給を開始した紫外線用非球面レンズの販売が順調に増加しました。また、半導体関連メーカー等さまざまな用途への採用に向けて、拡販活動とサンプル出荷を進めました。
その他、衛星間光通信ネットワークサービスを手掛ける株式会社ワープスペースと2024年11月に資本・業務提携、2024年4月に子会社化した次世代情報通信インフラ向けの研究開発を手掛けるエピフォトニクス株式会社における経営体制の強化等、新分野の開拓に取り組みました。
※1:ファンイン/ファンアウト(製品)
マルチコアファイバの各コアとシングルコアファイバのコアを接続する光部品。「ファンイン」とは複数の入力を一つの出力にまとめること、また「ファンアウト」は一つの入力を複数の出力に分岐することです。例えば、1本の光ファイバケーブルに複数のコアを内蔵するマルチコアファイバを海底ケーブルとして使用する際、数十キロメートルごとに設置する光中継器内で、一旦シングルコアファイバへ分岐して光信号を増幅した後に再度一つの出力にまとめ直す場合に使われます。
② 財政状態の状況
(資産)
流動資産は前連結会計年度末に比べ1,595百万円増加し、18,331百万円となりました。これは主に、受取手形、売掛金及び契約資産が562百万円、有価証券が1,801百万円、原材料及び貯蔵品が322百万円増加した一方で、現金及び預金が1,537百万円減少したことによるものであります。
固定資産は前連結会計年度末に比べ2,116百万円増加し、10,353百万円となりました。これは主に、機械装置及び運搬具(純額)が281百万円、土地が612百万円、のれんが291百万円、投資有価証券が470百万円増加したことによるものであります。
この結果、総資産は前連結会計年度末に比べ3,711百万円増加し、28,684百万円となりました。
(負債)
流動負債は前連結会計年度末に比べ422百万円増加し、2,945百万円となりました。これは主に、買掛金が224百万円、未払法人税等が665百万円増加した一方で、短期借入金が196百万円、1年内返済予定の長期借入金が309百万円減少したことによるものであります。
固定負債は前連結会計年度末に比べ81百万円減少し、2,309百万円となりました。これは主に、リース債務が58百万円、繰延税金負債が47百万円増加した一方で、長期借入金が208百万円減少したことによるものであります。
この結果、負債合計は前連結会計年度末に比べ340百万円増加し、5,254百万円となりました。
(純資産)
純資産は前連結会計年度末に比べ3,371百万円増加し、23,430百万円となりました。これは主に、利益剰余金が2,712百万円、為替換算調整勘定が671百万円増加したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は9,799百万円となりました。
当連結会計年度における活動ごとのキャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、3,836百万円の収入となりました。主な資金増加要因は、税金等調整前当期純利益4,856百万円、減価償却費947百万円、主な資金減少要因は、売上債権の増加額640百万円、棚卸資産の増加額306百万円、法人税等の支払額908百万円であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、3,115百万円の支出となりました。主な資金増加要因は、定期預金の払戻による収入450百万円、主な資金減少要因は、定期預金の預入による支出956百万円、有形固定資産の取得による支出1,433百万円、投資有価証券の取得による支出504百万円であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、1,636百万円の支出となりました。主な資金減少要因は、短期借入金の減少額327百万円、長期借入金の返済による支出626百万円、配当金の支払額539百万円であります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a. 生産実績
当連結会計年度における生産実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称金額(百万円)前期比(%)
リード端子事業6,743+15.1
光部品・デバイス事業2,231+19.9
合計8,975+16.3

(注) 金額は、製造原価によっております。
b. 受注実績
当連結会計年度における受注実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称受注高 (百万円)前期比 (%)受注残高 (百万円)前期比 (%)
リード端子事業8,403+13.6--
光部品・デバイス事業5,855△20.52,862△36.8
合計14,258△3.42,862△36.8

(注) リード端子事業については、受注から出荷(売上計上)までの期間が数日と非常に短いことから
受注残高の集計には含めず、販売実績をもって受注高としております。
c. 販売実績
当連結会計年度における販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
セグメントの名称販売高(百万円)前期比(%)
リード端子事業8,403+13.6
光部品・デバイス事業7,520+23.9
合計15,924+18.2

(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は、次のとおりであります。
相手先前連結会計年度
(自 2023年1月1日 至 2023年12月31日)
当連結会計年度
(自 2024年1月1日 至 2024年12月31日)
販売高(百万円)割合(%)販売高(百万円)割合(%)
SubCom,LLC2,34517.43,26820.5
Alcatel Submarine Networks UK Ltd.2,01014.92,79617.6

(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当連結会計年度における経営成績の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」に記載しております。また、当連結会計年度における財政状態の状況の分析につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載しております。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a. キャッシュ・フロー
当連結会計年度のキャッシュ・フローの詳細につきましては、「(1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載しております。
b. 資本の財源及び資金の流動性
当社グループの運転資金需要のうち主なものは、原材料等の仕入費用や生産子会社の製造費用、及び販売費及び一般管理費の営業費用であります。また、投資を目的とした資金需要は生産施設における機械装置等の充実のための事業投資であります。
当社グループは、事業運営上必要な運転資金及び設備投資資金については、自己資金にて賄うことを基本方針としております。また、一部はグループ会社間で融資を行っております。
③ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等の進捗について
当社グループでは、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標を事業別営業利益と設定しております。前連結会計年度及び当連結会計年度の数値については、次のとおりとなっております。
指標前連結会計年度
(自 2023年1月1日
至 2023年12月31日)
当連結会計年度
(自 2024年1月1日
至 2024年12月31日)
事業別営業利益
(リード端子事業) (百万円)
44403
事業別営業利益
(光部品・デバイス事業) (百万円)
2,7673,536


④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる企業会計の基準に準拠して作成しております。この連結財務諸表を作成するにあたって、資産、負債、収益及び費用の報告額に影響を及ぼす見積り及び仮定を用いておりますが、これらの見積り及び仮定に基づく数値は実際の結果と異なる可能性があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する会計上の見積りについては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因について
経営成績等に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」に記載しております。
⑥ 経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載しております。

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