有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/12/28 15:00
【資料】
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【項目】
161項目
3.重要な会計方針
連結財務諸表の作成にあたって採用した主要な会計方針は、以下のとおりであります。これらの方針は特に断りのない限り、表示されている全期間に一貫して採用されております。
(1)連結の基礎
子会社とは、当社グループにより支配されている企業をいいます。当社グループがある企業への関与により生じる変動リターンに対するエクスポージャー又は権利を有し、かつ、当該企業に対するパワーにより当該リターンに影響を及ぼす能力を有している場合に、当社グループは当該企業を支配していると判断しております。
子会社の財務諸表は、当社グループが支配を獲得した日から支配を喪失する日まで、連結の対象に含めております。
子会社が適用する会計方針が当社グループの適用する会計方針と異なる場合には、必要に応じて当該子会社の財務諸表に調整を加えております。当社グループ間の債権債務残高及び内部取引高、並びに当社グループ間の取引から発生した未実現損益は、連結財務諸表の作成に際して消去しております。
子会社の包括利益については、非支配持分が負の残高となる場合であっても、親会社の所有者と非支配持分に帰属させております。
子会社持分を一部処分した際、支配が継続する場合には、資本取引として会計処理しております。非支配持分の調整額と対価の公正価値との差額は、親会社の所有者に帰属する持分として資本に直接認識されております。
支配を喪失した場合には、支配の喪失から生じた利得又は損失は純損益で認識しております。
(2)企業結合
企業結合は取得法を用いて会計処理しております。取得日とは、支配が取得企業に移転した日をいい、取得対価は、被取得企業の支配と交換に譲渡した資産、引き受けた負債及び当社が発行する持分金融商品の取得日の公正価値の合計として測定されます。取得対価が識別可能な資産及び負債の公正価値を超過する場合は、連結財政状態計算書においてのれんとして計上しております。反対に下回る場合には、直ちに連結損益計算書において純損益として計上しております。
非支配持分を公正価値で測定するか、又は識別可能な純資産の認識金額の比例持分で測定するかについては、企業結合ごとに選択しております。
仲介手数料、弁護士費用、デュー・デリジェンス費用等の、企業結合に関連して発生する取引費用は、発生時に費用処理しております。
企業結合の当初の会計処理が、企業結合が発生した連結会計年度末までに完了していない場合は、完了していない項目を暫定的な金額で報告しております。取得日時点に存在していた事実と状況を、取得日当初に把握していたとしたら認識される金額の測定に影響を与えていたと判断される期間(以下「測定期間」という。)に入手した場合、その情報を反映して、取得日に認識した暫定的な金額を遡及的に修正しております。新たに得た情報が、資産と負債の新たな認識をもたらす場合には、追加の資産と負債を認識しております。測定期間は最長で1年間であります。
なお、支配獲得後の非支配持分の追加取得については、資本取引として会計処理しているため、当該取引からのれんは認識しておりません。
被取得企業における識別可能な資産及び負債は、以下を除いて、取得日の公正価値で測定しております。
・繰延税金資産・負債及び従業員給付契約に関連する資産・負債
・被取得企業の株式に基づく報酬契約
・IFRS第5号「売却目的で保有する非流動資産及び非継続事業」に従って売却目的に分類される資産又は処分グループ
段階的に達成される企業結合の場合、当社グループが以前保有していた被取得企業の持分は支配獲得日の公正価値で再測定し、発生した利得又は損失は純損益として認識しております。
また、共通支配下の企業又は事業が関わる企業結合(全ての結合企業又は結合事業が最終的に企業結合の前後で同じ当事者によって支配され、その支配が一時的でない企業結合)については、帳簿価額に基づき会計処理しております。
(3)外貨換算
① 外貨建取引
外貨建取引は、取引日の為替レートで当社グループの各社の機能通貨に換算しております。
期末日における外貨建貨幣性資産及び負債は、期末日の為替レートで機能通貨に換算しております。
公正価値で測定される外貨建非貨幣性資産及び負債は、当該公正価値の算定日における為替レートで機能通貨に換算しております。
換算又は決済により生じる換算差額は、純損益として認識しております。
② 在外営業活動体の財務諸表
在外営業活動体の資産及び負債については期末日の為替レート、収益及び費用については為替レートが著しく変動している場合を除き、期中平均為替レートを用いて日本円に換算しております。在外営業活動体の財務諸表の換算から生じる換算差額は、その他の包括利益として認識しております。在外営業活動体の換算差額は、在外営業活動体が処分された期間に純損益として認識されます。
(4)金融商品
① 金融資産
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融資産について、純損益又はその他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産、償却原価で測定する金融資産に分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、金融資産に関する契約の当事者となった取引日に当該金融商品を認識しております。
全ての金融資産は、純損益を通じて公正価値で測定される区分に分類される場合を除き、公正価値に取引費用を加算した金額で測定しております。
金融資産は、以下の要件をともに満たす場合には、償却原価で測定する金融資産に分類しております。
・契約上のキャッシュ・フローを回収するために資産を保有することを目的とする事業モデルに基づいて、資産が保有されている。
・金融資産の契約条件により、元本及び元本残高に対する利息の支払のみであるキャッシュ・フローが特定の日に生じる。
償却原価で測定する金融資産以外の金融資産は、公正価値で測定する金融資産に分類しております。
公正価値で測定する資本性金融資産については、純損益を通じて公正価値で測定しなければならない売買目的で保有される資本性金融資産を除き、個々の資本性金融資産ごとに、純損益を通じて公正価値で測定するか、その他の包括利益を通じて公正価値で測定するかを指定し、当該指定を継続的に適用しております。
(ⅱ)事後測定
金融資産の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)償却原価で測定する金融資産
償却原価で測定する金融資産については、実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
(b)公正価値で測定する金融資産
公正価値で測定する金融資産の公正価値の変動額は純損益として認識しております。
ただし、資本性金融資産のうち、その他の包括利益を通じて公正価値で測定すると指定したものについては、公正価値の変動額はその他の包括利益として認識しております。なお、当該金融資産からの配当金については、金融収益の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融資産の認識の中止
当社グループは、金融資産からのキャッシュ・フローに対する契約上の権利が消滅する、又は当社グループが金融資産の所有のリスクと経済価値のほとんど全てを移転する場合において、金融資産の認識を中止しております。当社グループが、移転した当該金融資産に対する支配を継続している場合には、継続的関与を有している範囲において、資産と関連する負債を認識いたします。
(ⅳ)金融資産の減損
償却原価で測定する金融資産については、予想信用損失に対する貸倒引当金を認識しております。
当社グループは、期末日ごとに各金融資産に係る信用リスクが当初認識時点から著しく増加しているかどうかを評価しており、当初認識時点から信用リスクが著しく増加していない場合には、12か月の予想信用損失を貸倒引当金として認識しております。一方で、当初認識時点から信用リスクが著しく増加している場合には、全期間の予想信用損失と等しい金額を貸倒引当金として認識しております。
契約上の支払の期日経過が30日超である場合には、原則として信用リスクの著しい増大があったものとしておりますが、信用リスクが著しく増加しているか否かの評価を行う際には、期日経過情報のほか、当社グループが合理的に利用可能かつ裏付け可能な情報(内部格付、外部格付等)を考慮しております。
なお、金融資産に係る信用リスクが期末日現在で低いと判断される場合には、当該金融資産に係る信用リスクが当初認識以降に著しく増大していないと評価しております。
ただし、重大な金融要素を含んでいない営業債権及び契約資産については、信用リスクの当初認識時点からの著しい増加の有無にかかわらず、常に全期間の予想信用損失と等しい金額で貸倒引当金を認識しております。
予想信用損失は、契約に従って当社グループに支払われるべき全ての契約上のキャッシュ・フローと、当社グループが受け取ると見込んでいる全てのキャッシュ・フローとの差額の現在価値として測定しております。
当社グループは、金融資産の予想信用損失を、以下のものを反映する方法で見積っております。
・一定範囲の生じ得る結果を評価することにより算定される、偏りのない確率加重金額
・貨幣の時間価値
・過去の事象、現在の状況及び将来の経済状況の予測についての、報告日において過大なコストや労力を掛けずに利用可能な合理的で裏付け可能な情報
著しい景気変動等の影響を受ける場合には、上記により測定された予想信用損失に、必要な調整を行うこととしております。
当社グループは、ある金融資産の全体又は一部分を回収するという合理的な予想を有していない場合には、金融資産の総額での帳簿価額を直接減額しております。
金融資産に係る貸倒引当金の繰入額は、純損益で認識しております。貸倒引当金を減額する事象が生じた場合は、貸倒引当金戻入額を純損益で認識しております。
② 金融負債
(ⅰ)当初認識及び測定
当社グループは、金融負債について、純損益を通じて公正価値で測定する金融負債と償却原価で測定する金融負債のいずれかに分類しております。この分類は、当初認識時に決定しております。
当社グループは、発行した負債証券を、その発行日に当初認識しております。その他の金融負債は、全て、当該金融商品の契約の当事者になる取引日に当初認識しております。
全ての金融負債は公正価値で当初測定しておりますが、償却原価で測定する金融負債については、直接帰属する取引費用を控除した金額で測定しております。
(ⅱ)事後測定
金融負債の当初認識後の測定は、その分類に応じて以下のとおり測定しております。
(a)純損益を通じて公正価値で測定する金融負債
純損益を通じて公正価値で測定する金融負債については、売買目的保有の金融負債と当初認識時に純損益を通じて公正価値で測定すると指定した金融負債を含んでおり、当初認識後公正価値で測定し、その変動については当期の純損益として認識しております。
(b)償却原価で測定する金融負債
償却原価で測定する金融負債については、当初認識後実効金利法による償却原価で測定しております。
実効金利法による償却及び認識が中止された場合の利得及び損失については、金融費用の一部として当期の純損益として認識しております。
(ⅲ)金融負債の認識の中止
当社グループは、金融負債が消滅したとき、すなわち、契約中に特定された債務が免責、取消し、又は失効となった時に、金融負債の認識を中止しております。
③ 金融資産及び金融負債の表示
金融資産及び金融負債は、当社グループが残高を相殺する法的権利を有し、かつ純額で決済するか又は資産の実現と負債の決済を同時に行う意図を有する場合にのみ、連結財政状態計算書上で相殺し、純額で表示しております。
(5)現金及び現金同等物
現金及び現金同等物は、手許現金、随時引き出し可能な預金及び容易に換金可能であり、かつ、価値の変動について僅少なリスクしか負わない取得日から3か月以内に償還期限の到来する短期投資から構成されております。
(6)棚卸資産
棚卸資産は、取得原価と正味実現可能価額のいずれか低い価額で測定しております。正味実現可能価額は、通常の事業過程における見積売価から、完成までに要する見積原価及び見積販売費用を控除した額であります。原価は、主として個別法に基づいて算定しており、労務費、外注費及び現在の場所及び状態に至るまでに要した全ての費用を含んでおります。
(7)有形固定資産
有形固定資産については、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
取得原価には、資産の取得に直接関連する費用、解体・除去の原状回復費が含まれております。
土地及び建設仮勘定以外の各資産の減価償却費は、それぞれの見積耐用年数にわたり、定額法で計上されております。主要な資産項目ごとの見積耐用年数は以下のとおりであります。
・建物及び構築物 4-15年
・工具、器具及び備品 2-4年
なお、見積耐用年数、残存価額及び減価償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(8)のれん
当社グループは、のれんを連結財政状態計算書において、取得原価から減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
のれんの償却は行わず、毎期又は減損の兆候が存在する場合にはその都度、減損テストを実施しております。
なお、のれんの当初認識時における測定については、注記「3.重要な会計方針(2)企業結合」に記載しております。
(9)無形資産
個別に取得した無形資産は、当初認識時に取得原価で測定しております。企業結合で取得した無形資産は、取得日現在における公正価値で測定しております。当初認識後は、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。
無形資産は、当初認識後、耐用年数を確定できない無形資産を除いて、それぞれの見積耐用年数にわたって定額法で償却され、取得原価から償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で表示しております。主要な無形資産の見積耐用年数は以下のとおりであります。
・ソフトウェア 5年
なお、見積耐用年数、残存価額及び償却方法は、各年度末に見直しを行い、変更があった場合は、会計上の見積りの変更として将来に向かって適用しております。
(10)リース
当社は、一定の有形固定資産のリースを受けております。
使用権資産の取得原価は、リース開始日におけるリースの解約不能期間に合理的に確実な延長オプション等を加えた期間(以下「リース期間」という。)におけるリース料の現在価値に、リース開始日以前に支払った前払いリース料、当初直接コスト、解体・除去及び原状回復費用等の当初見積額を加え、受け取ったリースインセンティブを控除した金額で当初測定を行っております。リース負債はリース期間におけるリース料の現在価値で当初測定を行っております。現在価値の測定に使用する割引率は、リースの計算利子率が容易に算定できないため、当社グループの追加借入利子率を用いております。当初測定後、リース期間もしくはリース料に変動があった場合は、リース負債の再測定を行い、使用権資産の取得原価及びリース負債の調整を行っております。
使用権資産は、原価モデルを採用し、取得原価から減価償却累計額及び減損損失累計額を控除した価額で計上し、リース負債は当初測定額及び再測定による調整額からリース料の支払いを控除し、利息の調整を行った価額を計上しております。
また、使用権資産の減価償却費は、耐用年数とリース期間のいずれか短い年数にわたり定額法で計上しております。リース負債に係る金利費用は、使用権資産に係る減価償却費と区分して、金融費用に含めております。
ただし、リース期間が12か月以内の短期リース及び原資産が少額のリースについては、使用権資産及びリース負債を認識せず、リース料総額をリース期間にわたって、定額法又は他の規則的な基礎のいずれかにより認識しております。
契約がリースであるか否か、又は契約にリースが含まれているか否かについては、法的にはリースの形態を取らないものであっても、契約の実質に基づき判断しております。
当社グループは、IFRS第16号「リース」が認めている実務上の便法として、原資産のクラスごとに、非リース構成部分をリース構成部分と区別せずに、各リース構成部分及び関連する非リース構成部分を単一のリース構成部分として会計処理することを選択しております。
なお、当社グループは、IFRS第1号の免除規定を適用し、IFRS移行日前にオペレーティング・リースに分類していたリースはIFRS移行日時点でリース負債と同額で計上しております。
(11)非金融資産の減損
棚卸資産及び繰延税金資産を除く当社グループの非金融資産の帳簿価額は、期末日ごとに減損の兆候の有無を判断しております。減損の兆候が存在する場合は、当該資産の回収可能価額を見積っております。のれん及び耐用年数を確定できない、又は未だ使用可能ではない無形資産については、減損の兆候の有無にかかわらず回収可能価額を毎年同じ時期に見積っております。
資産又は資金生成単位の回収可能価額は、使用価値と処分コスト控除後の公正価値のうちいずれか高い方の金額としております。使用価値の算定において、見積将来キャッシュ・フローは、貨幣の時間的価値及び当該資産に固有のリスクを反映した税引前割引率を用いて現在価値に割引いております。減損テストにおいて個別にテストされない資産は、継続的な使用により他の資産又は資産グループのキャッシュ・インフローから、概ね独立したキャッシュ・インフローを生成する最小の資金生成単位に統合しております。のれんの減損テストを行う際には、のれんが配分される資金生成単位を、のれんが関連する最小の単位を反映して減損がテストされるように統合しております。企業結合により取得したのれんは、結合のシナジーが得られると期待される資金生成単位に配分しております。
当社グループの全社資産は、独立したキャッシュ・インフローを生成いたしません。全社資産に減損の兆候がある場合、全社資産が帰属する資金生成単位の回収可能価額を決定しております。
減損損失は、資産又は資金生成単位の帳簿価額が見積回収可能価額を超過する場合に純損益として認識しております。資金生成単位に関連して認識した減損損失は、まずその単位に配分されたのれんの帳簿価額を減額するように配分し、次に資金生成単位内のその他の資産の帳簿価額を比例的に減額しております。
のれんに関連する減損損失は戻入れておりません。その他の資産については、過去に認識した減損損失は、毎期末日において損失の減少又は消滅を示す兆候の有無を評価しております。回収可能価額の決定に使用した見積りが変化した場合は、減損損失を戻入れます。減損損失は、減損損失を認識しなかった場合の帳簿価額から必要な減価償却費及び償却額を控除した後の帳簿価額を上限として戻入れを行っております。
(12)従業員給付
当社グループは、従業員の退職給付制度として確定給付制度を採用しております。
確定給付制度は、複数事業主制度による企業年金基金に加入しております。ただし、当該制度について、確定給付型退職後給付制度に係る会計処理を行うために十分な情報を入手できないため、確定拠出型退職後給付制度に係る会計処理を適用しており、複数事業主制度への拠出時に費用として認識しております。
(13)株式に基づく報酬
当社は、持分決済型の株式に基づく報酬制度として、ストック・オプション制度を採用しております。ストック・オプションは、付与日における公正価値によって見積り、最終的に権利確定すると予想されるストック・オプションの数を考慮した上で、権利確定期間にわたって費用として連結損益計算書において認識し、同額を連結財政状態計算書において資本の増加として認識しております。付与されたオプションの公正価値は、オプションの諸条件を考慮し、二項モデル等を用いて算定しております。また、条件については定期的に見直し、必要に応じて権利確定数の見積りを修正しております。
(14)引当金
引当金は、過去の事象の結果として、当社グループが、現在の法的又は推定的債務を有しており、当該債務を決済するために経済的資源の流出が生じる可能性が高く、当該債務の金額について信頼性のある見積りができる場合に認識しております。貨幣の時間的価値が重要な場合には、見積将来キャッシュ・フローを貨幣の時間的価値及び当該負債に特有のリスクを反映した税引前の利率を用いて現在価値に割引いております。時の経過に伴う割引額の割戻しは金融費用として認識しております。
(15)収益
当社グループでは、IFRS第9号「金融商品」に基づく利息及び配当収益等を除く顧客との契約について、以下のステップを適用することにより、収益を認識しております。
ステップ1:顧客との契約を識別する。
ステップ2:契約における履行義務を識別する。
ステップ3:取引価格を算定する。
ステップ4:取引価格を契約における履行義務に配分する。
ステップ5:履行義務の充足時に(又は充足するにつれて)収益を認識する。
(16)契約残高
契約資産
請負契約による収益については、対価の受領が請負作業の完了を条件とすることから、当初、契約資産を認識しております。請負作業が完了し、顧客が検収を行った時点で、契約資産に認識された金額が営業債権に振替えられます。契約資産は減損テストの対象となります。「(4)金融商品-当初認識及び測定」の金融資産の減損に関する会計方針をご参照ください。
営業債権
無条件の対価を顧客から受け取ることになっている場合(すなわち、当該対価の支払いの期限が到来する前に時の経過だけが要求される場合)、債権を認識しております。「(4)金融商品-当初認識及び測定」の金融資産に関する会計方針をご参照ください。
契約負債
当社グループが財又はサービスを移転する前に、顧客から対価を受け取った時点又は支払期限が到来した時点のいずれか早い時点で、契約負債を認識しております。契約負債は、当社グループが契約に基づき履行した(すなわち、関連する財又はサービスの支配が顧客に移転される)時点で収益として認識されます。
(17)金融収益及び金融費用
金融収益は、主として受取利息等から構成されております。受取利息は、実効金利法により発生時に認識しております。
金融費用は、主として支払利息から構成されております。支払利息は、実効金利法により発生時に認識しております。
(18)政府補助金
政府補助金は、補助金交付のための付帯条件を満たし、かつ補助金を受領することについて合理的な保証が得られた場合に、補助金収入を公正価値で測定し、認識しております。
発生した費用に対する補助金は、費用の発生と同じ連結会計年度に収益として計上しております。
(19)法人所得税
法人所得税費用は、当期税金及び繰延税金から構成されております。これらは、その他の包括利益又は資本に直接認識される項目から生じる場合、及び企業結合から生じる場合を除き、純損益として認識しております。
当期税金は、税務当局に対する納付又は税務当局からの還付が予想される金額で測定しております。税額の算定に使用する税率及び税法は、期末日までに制定又は実質的に制定されているものであります。
繰延税金は、期末日における資産及び負債の税務基準額と会計上の帳簿価額との差額である一時差異、繰越欠損金及び繰越税額控除に対して認識しております。
なお、以下の一時差異に対しては、繰延税金資産及び負債を計上しておりません。
・のれんの当初認識から生じる一時差異
・企業結合取引を除く、会計上の利益にも税務上の課税所得(欠損金)にも影響を与えない取引によって発生する資産及び負債の当初認識により生じる一時差異
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来減算一時差異に関しては、予測可能な将来に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合、又は当該一時差異の使用対象となる課税所得が稼得される可能性が低い場合
・子会社、関連会社に対する投資及び共同支配の取決めに対する持分に係る将来加算一時差異に関しては、一時差異の解消する時期をコントロールすることができ、予測可能な期間内に当該一時差異が解消しない可能性が高い場合
繰延税金負債は原則として全ての将来加算一時差異について認識され、繰延税金資産は将来減算一時差異を使用できるだけの課税所得が稼得される可能性が高い範囲内で、全ての将来減算一時差異について認識しております。
繰延税金資産の帳簿価額は毎期見直され、繰延税金資産の全額又は一部が使用できるだけの十分な課税所得が稼得されない可能性が高い部分については、帳簿価額を減額しております。未認識の繰延税金資産は毎期見直され、将来の課税所得により繰延税金資産が回収される可能性が高くなった範囲内で認識しております。
繰延税金資産及び負債は、期末日において制定されている、又は実質的に制定されている税率及び税法に基づいて、資産が実現する期間又は負債が決済される期間に適用されると予想される税率及び税法によって測定しております。
繰延税金資産及び負債は、当期税金資産と当期税金負債を相殺する法律上強制力のある権利を有しており、かつ同一の税務当局によって同一の納税主体に課されている場合又は別々の納税主体であるものの当期税金負債と当期税金資産とを純額で決済するか、あるいは資産の実現と負債の決済を同時に行うことを意図している場合に相殺しております。
(20)1株当たり利益
基本的1株当たり当期利益は、親会社の普通株主に帰属する当期損益を、その期間の自己株式を調整した発行済普通株式の加重平均株式数で除して計算しております。希薄化後1株当たり当期利益は、希薄化効果を有する全ての潜在株式の影響を調整して計算しております。
  • 有価証券届出書(新規公開時)