有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2021/12/28 15:00
【資料】
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【項目】
161項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
① コーポレート・ガバナンスに関する基本的な考え方
当社グループは「提供価値の最大化」「開発の高度化・効率化・安定化」「全社基盤の強化」を経営テーマとしており、なかでも「全社基盤の強化」はコーポレート・ガバナンスとコンプライアンス体制を強化することを目的としております。当社グループは長期的な企業価値向上のためには、経営の効率化と同時に経営の健全性、透明性、コンプライアンス向上が必要であり、その結果として株主をはじめとするステークホルダーへの利益還元ができると認識しております。
そのため当社グループは、コーポレート・ガバナンスの充実を図りながら、経営環境の変化に迅速かつ柔軟に対応できる組織体制の構築を重要課題と位置づけ、株主の視点を踏まえた透明で効率的な経営に取り組んでまいります。
② 企業統治の体制の概要及び当該体制を採用する理由
当社は、会社法上の機関として取締役会と監査役会を設置しております。
当該機関設計を採用する理由としては、業務執行に対し取締役会による監督と監査役による適法性監査の二重のチェック機能を持つ監査役会設置会社の体制を採ることが、効率的な経営の追求と同時に経営監視機能が適切に働く体制として最適と判断したためです。
a 取締役会
当社の取締役会は、代表取締役社長杉山健を議長に、取締役5名(うち社外取締役3名)で構成されております。取締役会は、原則月1回の定例取締役会を開催する他、必要に応じて臨時取締役会を開催し、迅速な経営上の意思決定を行える体制としております。取締役会では、法令、定款で定められた事項及び「取締役会規程」に基づき、経営に関する重要事項を決定するとともに各取締役の業務進捗報告等を行っております。
また、取締役会の議案については事前に全取締役・監査役に連絡し、議事の充実に努めております。
なお、取締役会にはすべての監査役が出席し、取締役の業務執行の状況を監視できる体制となっております。
b 監査役会
当社の監査役会は、常勤監査役村田徹明を議長に、常勤監査役1名、非常勤監査役2名の3名体制(全員が社外監査役)となっており、全監査役が専門領域における豊富な知識と経験を有する監査役となっております。監査役会は原則月1回の定例監査役会を開催する他、必要に応じて臨時監査役会を開催し、監査計画の策定、監査実施状況等の情報共有を図っております。
また、取締役会等の重要な会議への出席、実地監査を行う他、効率的な監査を実施するため、適宜、内部監査担当者及び監査法人等と積極的な連携、意見交換を行っております。
c 内部監査室
内部監査担当者1名が内部監査計画に基づき監査を実施しております。内部監査は当社全部署及び子会社に対して原則として年1回以上の業務監査を実施し、内部監査結果について代表取締役社長及び監査役へ適宜報告を行っております。代表取締役は、監査結果に基づき、被監査部門に対して改善を指示し、指示された改善状況を内部監査担当者によるフォローアップ監査にて確認することで内部統制の維持改善を図っております。また、効率的な監査を実施するため、適宜、監査役及び監査法人等と積極的な連携意見交換を行っております。
d 会計監査人
当社はEY新日本有限責任監査法人と監査契約を締結しており、決算内容について監査を受けております。なお、同監査法人と当社との間には、特別の利害関係はありません。
e リスク・コンプライアンス委員会
当社では、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、適切なリスク管理、ハラスメントの予防・対応、コンプライアンス違反の予防・対応を、経営陣の役割と責任として推進しております。リスク・コンプライアンス委員会は管理本部長を委員長としており、毎月開催し、コンプライアンスに係る取組みの推進、クレーム、コンプライアンス違反事項の定期報告の実施等を行っております。
本書提出日現在、当社の企業統治の体制の模式図は以下のとおりであります。
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③ 企業統治に関するその他の事項
当社は、業務の適正性を確保するための体制として、2021年9月28日開催の取締役会にて「内部統制システムに関する基本方針」を定めており、当該基本方針に基づき内部統制システムの運用を行っております。
その態様は以下のとおりであります。
(内部統制システムの整備の状況)
a 取締役・使用人の職務の執行が法令・定款に適合することを確保するための体制
(a)コンプライアンスに関する体制を整備・運用するために、社内諸規程を整備し、当社の取締役及び使用人が法令・定款及び社会規範を遵守した行動をとるための行動規範としております。
(b)取締役のほか管理本部は、全社的なコンプライアンス体制の整備及び問題点の把握に努め、コンプライアンス上の問題を発見した場合には速やかに是正措置を講ずることができるようにします。また、コンプライアンスの状況について取締役及び監査役に適宜報告しております。
(c)直接、取締役、監査役が報告・通報を受ける、あるいは、匿名で社外の弁護士が報告・通報を受けることができる仕組を用意し情報の確保に努めております。報告・通報を受けた場合、管理本部がその内容を調査し、再発防止策を担当部門と協議のうえ、決定し、全社的に再発防止策を実施させます。特に、取締役又は監査役自身のコンプライアンスに関する事由等重要な問題は直ちに取締役、監査役に報告するとともに取締役会に付議し、審議を求めております。
(d)管理本部及び監査役は、日頃から連携のうえ、全社のコンプライアンス体制及びコンプライアンス上の問題の有無の調査に努め、これに基づき管理本部が、社内の啓発活動を実施しております。
(e)使用人の法令・定款違反については取締役に報告のうえ処分を求め、役員の法令・定款違反については監査役に報告のうえ、取締役会に具体的な措置等を答申しております。
b 取締役の職務の執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
(a)「文書管理規程」を定め、株主総会議事録、取締役会議事録及び稟議書等の当社の重要な意思決定にかかる文書、会計帳簿及び計算書類等の業務執行に係る記録文書の保存期間、保存場所を定めたうえで保管し、いつでも取締役、監査役が閲覧できるようにしております。
(b)「職務権限規程」を定め、決裁事項、決裁者及び必要証憑等が明確化されております。また、「稟議規程」では稟議に関するルールを明確にし、取締役が十分な情報をもとに適切な判断を行えるような記述を行うようにしております。
c 損失の危険の管理に関する規程及びその他の体制
(a)社内諸規程に基づき、業務運営を行う体制を整備し、取締役及び使用人が自己の業務分掌及び職務権限に応じた業務運営を行うことによりリスク管理を行う体制を構築しております。
(b)リスク管理を円滑にするために、リスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスクのモニタリングを行い、不測の事態が発生した場合には、代表取締役指揮下の対策本部を設置と迅速な対応による、損害の拡大を防止する体制を整えております。
(c)取締役は、事業上の重要なリスクを把握し、適宜会議等においてこれを共有、対応策を判断し管理を行っております。
(d)取締役は、管理体制及びその方法について、チェック及び改善を行っております。
(e)取締役は、内部統制に係る重要な不備がある場合のみならず、企業外部からの情報についても適切に利用し、取締役会等を通じ、監査役及びその他の関係者に対し、適切に伝達・共有しております。
d 取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
(a)「職務権限規程」に基づく、職務権限及び意思決定ルールにより、業務遂行に必要な職務の範囲及び権限と責任を明確にするとともに、「取締役会規程」「稟議規程」等の機関決定に関する規程を定め、決裁権限及び手続を明確にしております。
(b)取締役、執行役員、室長、事業部長及びチームリーダー等で構成される会議を開催し、重要事項について協議・検討を経たうえで適切な意思決定がなされる仕組としております。また、必要に応じて各種会議を開催し、協議、検討や情報共有を行っております。
(c)管理本部は、職務の執行の効率性、有効性に関する全社的評価や改善活動を継続的に実施しております。
e 当社及び子会社からなる企業集団における業務の適正を確保するための体制
(a)子会社の取締役の職務の執行に係る事項の当社への報告に関する体制
イ 子会社の事業規模等を考慮のうえ、原則として、子会社ごとに、当社の事前承認を要する事項や当社への報告を要する事項を取り決める。承認を要する事項や当社への報告を要する事項を取り決める。
ロ 各子会社には原則として当社役職員を派遣し、前項の報告すべき事項がすべて報告されていることを確認する。
(b)子会社の損失の危機の管理に関する規程、その他の体制子会社の損失の危機の管理に関する規程及びその他の体制
イ グループ全体のリスクについては各子会社へ派遣した当社役職員及び当社の管理グループが中心となりリスクを管理し、当社代表取締役社長が統括する。
ロ 不測の事態が発生した場合の対策責任者については、各子会社の事業規模等を考慮のうえ、子会社ごとに取り決める。
(c)子会社の取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
イ 各子会社には原則として当社役職員を派遣し、経営指導を通じ職務の執行が効率的に行われるよう指導する。
(d)子会社の取締役及び使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
イ 各子会社には原則として当社役職員を派遣し、取締役会への出席を通じて職務の執行が法令及び定款に適合していることを確認する。
ロ 各子会社も原則として当社の内部監査を実施し、職務の執行が法令及び定款に適合していることを確認する。
f 監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する体制及び当該使用人の取締役からの独立性に関する事項
監査役が希望する場合には、監査役自ら直接監査役の職務を補助する者を雇用等できる体制とし、監査役の職務を補助する使用人を設置する場合には、当該補助者への指揮・命令は監査役が行うものとし、補助者の人事異動・人事評価・懲戒処分は監査役の同意を要するものとしております。
g 取締役及び使用人が監査役に報告をするための体制
取締役及び使用人は、監査役に対して次の事項を報告しております。
(a)当社に関する重要事項
(b)内部統制の状況
(c)当社に著しい損害、影響を及ぼす恐れのある事項
(d)法令・定款違反事項
(e)コンプライアンス体制の運用状況
(f)内部監査結果
(g)上記のほか、監査役がその職務遂行上報告を受ける必要があると判断した事項
h 子会社の取締役及び使用人又はこれらの者から報告を受けた者が当社の監査役に報告するための体制
(a)子会社の取締役及び使用人は、当社監査役から業務執行に関する事項について報告を求められたときは、速やかに適切な報告を行っております。
(b)子会社の取締役及び使用人は、法令等の違反行為等、当社又は当社の子会社に重大な影響を及ぼすおそれのある事項については、これを発見次第、遅滞なく監査役に報告しております。
i 監査役等に報告をした者が当該報告をしたことを理由として不利な取り扱いを受けないことを確保するための体制
当社は、当該報告を行ったことを理由として報告者に対する不利な取り扱いを禁止しております。
j 監査役の職務の執行について生ずる費用等の処理に関わる方針
監査役の職務執行について生ずる費用の前払又は償還の手続き等の処理については、監査役の請求等に従い円滑に行っております。
k その他監査役の監査が実効的に行われる事を確保するための体制
(a)監査役は、重要な意思決定の過程及び業務執行の状況を把握するために、取締役会等の会議に出席しております。
(b)監査役と内部監査人は、適宜に会合を持ち、相互補完体制として、年度活動方針の事前調整、報告会など、効果的な監査を実施する。また、監査役と会計監査人は、適時会合を持ち、会計監査及び業務監査結果を共有し、積極的な連携により、監査の品質向上及び効率化に努めております。
l 財務報告の信頼性を確保するための体制
(a)適正な会計処理を確保し、財務報告の信頼性を維持するため、経理業務に関する諸規程を定め、継続的に必要な是正を行っております。
(b)財務報告の信頼性を確保するため、金融商品取引法その他の関連法令に従い、財務報告に係る内部統制の整備及び運用を行っております。
m 反社会的勢力に向けた基本的な考え方とその整備に関する体制
(a)「反社会的勢力排除に関する規程」及び「反社会的勢力対応マニュアル」を制定し、反社会的勢力とは、業務上の取引関係を含めて、一切の関係を持つことのないよう努めております。また、反社会的勢力等からの不当要求等は拒絶しております。
(b)反社会的勢力からの不当要求等に対しては、担当者や担当部署だけに任せず、会社組織全体として対応しております。また、反社会的勢力からの不当要求等に対応する役職員の安全を確保しております。
④ リスク管理体制の整備の状況
当社は、市場、情報セキュリティ、環境、労務、製品の品質安全等あらゆる事業運営上のリスクに加え、災害・事故に適切に対処できるよう、リスク・コンプライアンス委員会において、リスク対応計画やその実施状況などを含めてリスクマネジメント活動全般を管理しております。
各部門の担当者は、日常の業務を通じて管理を行うとともに、不測の事態が発生した場合には、速やかに委員会に報告することとなっております。また、内部監査担当者は内部監査業務を通じ、リスクマネジメント活動の実施状況について監査を行い、その結果を代表取締役社長に報告しております。
当社グループ全体のリスクマネジメント、企業倫理及び法令遵守の観点からリスク・コンプライアンス委員会を設置し、リスク管理体制の整備を推進しております。違反が発生した場合の迅速かつ適切な対応処理方針を定め、またコンプライアンスに関する社内研修を企画・実施し、社内啓発を推進しております。
個人情報を始めとする情報セキュリティに関するリスクについては、情報セキュリティ委員会を設置し、情報セキュリティリスクを管理し、継続的にリスクの回避や軽減を実施し、情報セキュリティの維持、向上を図っております。
また、必要に応じて、弁護士、公認会計士、税理士、社会保険労務士等の外部専門家の助言を受けられる体制を整えており、リスクの未然防止と早期発見に努めております。
⑤ 責任限定契約の内容の概要
当社は、会社法第427条第1項の規定に基づき、取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び社外監査役との間において、会社法第423条第1項の規定に基づく損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任限度額は、同法第425条第1項に規定する額としております。
⑥ 取締役の定数
当社の取締役の定数は3名以上10名以内とする旨、定款で定めております。
⑦ 取締役の選任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の過半数をもって行う旨を定款に定めております。また、累積投票によらない旨を定款に定めております。
⑧ 株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨を定款で定めております。
⑨ 剰余金の配当等の決定機関
当社は、剰余金の配当等、会社法459条第1項各号に定める事項について、法令に別段の定めがある場合を除き、株主総会の決議によらず取締役会の決議により定める旨を定款に定めております。これは、剰余金の配当等を取締役会の権限とすることにより、株主への機動的な利益還元を行うことを目的とするものであります。
⑩ 中間配当
当社は、会社法第454条第5項の規定により、取締役会の決議によって、毎年6月末日を基準日として中間配当を行うことができる旨を定款に定めております。これは、株主への機動的な利益還元を可能にするためであります。
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