訂正有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/03/01 10:00
【資料】
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【項目】
123項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の経営成績、財政状態及びキャッシュ・フロー(「以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度のわが国経済は、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)による影響が長期化する中、政府による経済対策等により生産や個人消費に一時的な回復の動きが見られましたが、再び感染が拡がり、先行き不透明感は一層強まりました。
医薬品業界においても、緊急事態宣言発令等に伴い、いくつかの事業案件について計画の見直しを余儀なくされる企業が見られました。一方で、大手製薬企業のみならずバイオベンチャーからもCOVID-19のワクチンや治療薬の開発に着手する企業が現れ、国の予算の後押しも受けながら、日本発のワクチンや治療薬の実現を目指して開発が進められております。
一方、従来からの課題である「一人一人の患者さんにより適した医療」の提供に向けて、技術革新や産学官連携による革新的な診断薬や治療法の開発が期待されており、日本の医薬品業界は、技術力や生産性の向上を通じて国際競争力のある産業構造へ転換することが求められております。
当社事業と関連する次世代シーケンス関連技術においても一層の大規模化と高速化のみならず、機械学習などの新たなテクノロジーを活用した多種多様な新しい解析手法が開発されております。中でも当社が注力するT細胞受容体及びB細胞受容体レパトア解析とネオエピトープ解析は、近年製薬企業が競って開発するがん免疫療法や自己免疫疾患、感染症などの分野での注目が高まっております。
また、国立研究開発法人科学技術振興機構(JST)による日本の研究開発戦略への提言の中で、レパトア解析技術が次世代の医薬基盤技術に位置付けられ、今後は細胞を用いた治療が世界的な潮流となることを見据えるなど、当社の方向性と国の方向性の一致も見られる中、今後国内外での市場規模の拡大と共に、競争が激しくなることが予想されるため一層の事業の加速化が望まれているところです。
このような状況の中、当事業年度の当社事業につきましては、大学等の研究機関からの解析サービスの受注が4月までは好調に推移したものの、全世界的なCOVID-19の感染拡大の影響により、当社顧客の研究活動に遅延が生じるなど、5月以降は売上高が対前年比で減少となる月が見られました。
製薬企業との提携につきましては、2019年2月28日に当社とノーベルファーマ株式会社との間で共同事業に関する契約を締結いたしました。
また、当社が広島大学とともに開発を進めるTCR-T細胞治療法の実用化に不可欠なゲノム編集技術に関して、Cellectis SA(本社:フランス・パリ)と、コラボレーション並びに日本を対象とした非独占ライセンスオプション契約を2020年3月31日に締結いたしました。TCR-T細胞治療法の実用化については、国立研究開発法人日本医療研究開発機構(以下「AMED」という。)の医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)の研究開発課題として「NY-ESO-1特異的高機能ゲノム編集T細胞の製造基盤技術の確立」が採択されており、今後も産学官の力を結集して日本発の細胞治療法の開発を進めてまいります。
さらに、2019年9月30日に全薬工業株式会社(以下「全薬工業」という。)と締結した共同研究開発契約に基づき、同社とともに複数の研究プロジェクトを強力に推進いたしました。全薬工業との共同研究開発契約では、全薬工業が保有する薬剤、臨床開発ノウハウ及び研究ネットワークと、当社が保有するTCR/BCRレパトア解析及びネオエピトープ解析をはじめとする免疫多様性解析技術・知的財産権・ノウハウ並びに研究ネットワークを連携させ、免疫系と様々な疾患の関与を詳細に解明し、共同で最先端の診断法/治療法を開発し実用化していくことで、世界の人々の健康に貢献することを目的としております。
今後も当社は、新たな製薬企業との共同研究案件の獲得に向けた活動を継続してまいります。
なお、2020年5月には、ネオエピトープ解析に関する基本特許が日本国内で成立(特許第6710004号)いたしました。
これらの結果、当事業年度の経営成績の状況は以下のとおりであります。
なお、当社は、免疫系を応用した新規医療開発支援事業の単一セグメントであるため、セグメント情報に関連付けた記載を行っておりません。
(売上高)
当事業年度の売上高は416,653千円(前事業年度比91.4%増)となりました。これは、主に全薬工業からの売上を含む臨床開発支援の売上が順調に推移したことによるものであります。
(営業損益)
当事業年度の営業利益は20,795千円(前事業年度は営業損失125,496千円)となりました。これは、売上高の増加に伴い売上総利益が199,632千円増加したものの、販売費及び一般管理費が53,339千円増加したことによるものであります。
当事業年度の販売費及び一般管理費は345,605千円(前事業年度比18.3%増)となりました。このうち研究開発費は135,225千円(前事業年度比85.9%増)となりました。これは主にAMEDとの委託研究開発契約に基づく研究開発をはじめとした研究開発活動を積極的に進めたことによる研究開発費の増加によるものであります。
(経常損益)
当事業年度の経常利益は19,898千円(前事業年度は経常損失126,065千円)となりました。これは営業利益の増加によるものであります。
(当期純損益)
当事業年度の当期純利益は17,168千円(前事業年度は当期純損失128,374千円)となりました。これは経常利益の増加によるものであります。
第8期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
当第3四半期累計期間の当社事業につきましては、大学等の研究機関への研究開発支援、及び製薬企業への臨床開発支援がともに、第2四半期累計期間に引き続き順調に推移しました。新たな臨床開発支援案件も複数受注することが出来ました。
全薬工業との複数の研究プロジェクトについては、当第3四半期累計期間においても継続して推進しました。さらに、ノーベルファーマ株式会社との共同事業に関する契約書に基づき、同社からの共同事業運営費を収益として計上しております。
また、AMEDの医療研究開発革新基盤創成事業(CiCLE)の研究開発課題として採択された研究課題「NY-ESO-1特異的高機能ゲノム編集T細胞の製造基盤技術の確立」については、研究計画に基づき非臨床試験を進めております。本研究課題に共同で取り組むバイオメディカ・ソリューション株式会社においては、高機能ゲノム編集T細胞を製造するための細胞培養加工設備の整備が完了しており、引き続き産官学連携による、革新的な細胞免疫療法に向けた研究開発に注力してまいります。
なお、当社は免疫系を応用した新規医療開発支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(売上高)
当第3四半期累計期間の売上高は369,269千円となりました。これは、主に全薬工業からの売上を含む臨床開発支援の売上が順調に推移したことによるものであります。
(営業損益)
当第3四半期累計期間の営業損失は92,935千円となりました。
販売費及び一般管理費は415,674千円となりました。これは、主にAMEDとの委託研究開発契約に基づく研究開発や知的財産強化のための研究開発投資による研究開発費251,813千円を計上し、また、株式公開に向けたコーポレートガバナンスの強化や経営管理体制の構築及び維持、株式公開に向けての準備費用の発生などによるものであります。
(経常損益)
当第3四半期累計期間の経常損失は90,692千円となりました。これは、主に業務受託料1,200千円を計上したことによるものであります。
(四半期純損益)
当第3四半期累計期間の四半期純損失は92,284千円となりました。これは、主に法人税、住民税及び事業税1,830千円を計上したことによるものであります。
② 財政状態の状況
第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
(資産)
当事業年度末の総資産は1,472,244千円となり、前事業年度末に比べて372,191千円の増加となりました。流動資産は1,397,796千円となり、前事業年度末に比べて357,193千円の増加となりました。固定資産は74,448千円となり前事業年度末に比べて14,998千円の増加となりました。
流動資産増加の主な要因は、現金及び預金が175,027千円、研究開発のための前払金が180,343千円増加したことによるものであります。固定資産増加の主な要因は、解析能力増強のための取得により機械及び装置が17,742千円増加したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末の負債合計は302,823千円となり、前事業年度末に比べて257,023千円の増加となりました。流動負債は70,572千円となり、前事業年度末に比べて31,828千円の増加となりました。固定負債は232,251千円となり、前事業年度末に比べて225,194千円の増加となりました。
流動負債増加の主な要因は、未払消費税等が16,607千円増加したことによるものであります。固定負債増加の主な要因は、長期借入金が225,258千円増加したことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末の純資産合計は1,169,421千円となり、前事業年度末に比べて115,168千円の増加となりました。
純資産増加の主な要因は、資本準備金の増加49,000千円及びその他資本剰余金の増加49,000千円並びに利益剰余金の増加17,168千円によるものであります。
第8期第3四半期累計期間(自 2021年1月1日 至 2021年9月30日)
(資産)
当第3四半期会計期間末の総資産は、前事業年度末に比べ191,914千円増加し、1,664,159千円となりました。これは、現金及び預金が253,513千円増加したことが主な要因であります。
(負債)
当第3四半期会計期間末における負債合計は、前事業年度末に比べ284,198千円増加し、587,022千円となりました。これは、前受金が92,047千円、長期借入金が200,761千円増加したことが主な要因であります。
(純資産)
当第3四半期会計期間末における純資産合計は、前事業年度末に比べ92,284千円減少し、1,077,136千円となりました。これは、四半期純損失の計上により利益剰余金が92,284千円減少したことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
第7期事業年度(自 2020年1月1日 至 2020年12月31日)
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ248,080千円減少し、745,465千円となりました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により使用した資金は、117,538千円(前事業年度は129,283千円の資金を使用)となりました。
これは主に、税引前当期純利益を19,523千円、減価償却費を16,903千円計上したこと、前払金の増加額180,343千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は452,298千円(前事業年度は890千円の資金を使用)となりました。
これは、定期預金の預入による支出423,108千円、有形固定資産の取得による支出29,097千円、差入保証金の差入による支出93千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は322,915千円(前事業年度は795,207千円の資金を獲得)となりました。
これは、長期借入れによる収入225,258千円、株式の発行による収入97,657千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の状況
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
b.受注実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当社は、免疫系を応用した新規医療開発支援事業の単一セグメントであり、第7期事業年度及び第8期第3四半期累計期間の販売実績は次のとおりであります。
セグメントの名称第7期事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第8期第3四半期累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年9月30日)
金額(千円)前年同期比(%)金額(千円)
免疫系を応用した新規医療開発支援事業416,653191.4369,269

(注)1.最近2事業年度及び第8期第3四半期累計期間の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先第6期事業年度
(自 2019年1月1日
至 2019年12月31日)
第7期事業年度
(自 2020年1月1日
至 2020年12月31日)
第8期第3四半期累計期間
(自 2021年1月1日
至 2021年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
全薬工業株式会社68,79431.6276,50066.4228,05061.8
富士フイルム和光純薬株式会社53,77424.771,49217.283,61422.6
小野薬品工業株式会社35,10016.1----

2.上記の金額には、消費税等は含まれておりません。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成に当たり重要となる会計方針については、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1)財務諸表 注記事項 (重要な会計方針)」に記載のとおりであります。
その作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者はこれらの見積りについて、過去の実績等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積り特有の不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
② 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社の経営成績及び財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ① 経営成績の状況」及び「② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
また、当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「2 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
当事業年度のキャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の主要な資金需要は、運転資金及び免疫多様性解析技術群の開発・改良及びこれを活用した新しい治療薬や新しい治療法・診断の研究開発のための資金になります。特に、免疫多様性解析技術群の開発・改良及びこれを活用した新しい治療薬や新しい治療法・診断の研究開発には、長期間を要するため、資金需要の発生時に機動的に対応できるよう資金の流動性を確保しつつ、研究開発支援の提供に基づく収入、臨床開発支援における製薬企業等との提携に基づく収入及び金融・資本市場から得た資金を財源に、資金需要を満たしております。

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