有価証券報告書-第14期(2022/10/01-2023/09/30)

【提出】
2023/12/20 16:27
【資料】
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【項目】
107項目
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績、及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
イ.財政状態
(資産)
当事業年度末における流動資産は、前事業年度末に比べて87,538千円減少し、7,791,491千円となりました。主な減少要因は、投資有価証券及び投資不動産の購入により現金及び預金193,612千円が減少したことによるものです。
固定資産は、前事業年度末に比べ1,235,978千円増加し、3,214,213千円となりました。主な増加要因は、新規契約増加により付保も増加したことで長期前払費用が252,055千円、社債の購入により投資有価証券が224,029千円、また投資不動産の購入により投資不動産(純額)が761,893千円増加したことによるものです。この結果、当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べて1,148,439千円増加し、11,005,705千円となりました。
(負債)
当事業年度末における流動負債は、前事業年度末に比べて25,598千円増加し、1,765,212千円となりました。主な増加要因は、新規契約増加に伴い前受収益が145,542千円、信託型ストックオプションに係る預り金が32,041千円増加する一方、減少要因として消費税等の中間納付額の影響により未払消費税等が175,642千円減少したことによるものです。
固定負債は、前事業年度末に比べて568,476千円増加し、7,111,332千円となりました。これは主に、新規契約増加に伴い長期前受収益が566,594千円増加したことによるものです。
この結果、当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べて594,074千円増加し、8,876,544千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べて554,364千円増加し、2,129,160千円となりました。主な増加要因は、新株予約権の行使による新株の発行に伴い資本金及び資本剰余金がそれぞれ81,255千円、また当期純利益により利益剰余金が419,807千円増加する一方、減少要因として投資有価証券の時価下落に伴いその他有価証券評価差額金が42,064千円減少したことによるものです。
ロ.経営成績
当期におけるわが国経済は、新型コロナウイルス感染症が5類感染症へ移行したことを背景に、人流の拡大やインバウンド需要の増加等により、緩やかに回復しています。また、消費者物価は上昇基調にあるものの、雇用・所得環境の改善や各種政策の効果により、景気回復の継続が期待されています。しかしながら、ロシア・ウクライナ情勢を巡る地政学的リスクの長期化、外国為替市場における円安基調の強まりの影響等で資源価格・原材料価格の高騰が続き、依然として先行きは不透明な状況となっております。
この間、新設住宅着工戸数は、人口・世帯数の減少や住宅余りの状況等を理由に、漸減傾向で推移しています。その一方、既築住宅数の増加に加え、経年劣化に伴う修繕需要や住生活空間の充実を図るようなリフォーム需要が長期的にも底堅く推移することが見込まれ、新設住宅市場を事業の中心としてきた参入事業者は、これまで以上に新築市場から既築市場に移行すると考えられます。
このような事業環境の中、当社は主力商品である、新品住宅設備の延長保証サービス「あんしん修理サポート」の他、カギ・水回り・ガラスの緊急駆けつけサービス「あんしん住宅サポート24h」、中古住宅設備の保証サービス「リユース修理サポート」、住まいの長期保証バックアップサービス「スマイノミライ」、住宅の点検やリペアなど、住宅に関するアフターフォローをワンストップで対応する事業環境を整えました。また、太陽光発電や蓄電池、V2Hなどの再生可能エネルギー関連設備の延長保証の展開強化を進めております。その他、BPO事業の営業拡大、本格稼働を進め、更なる事業展開を行っております。
この結果、当事業年度の経営成績は、売上高1,664,148千円(前年同期比15.1%増)、営業利益618,592千円(同11.3%増)、経常利益668,063千円(同21.3%増)、当期純利益454,153千円(同26.7%増)となりました。
なお、当社は住宅設備機器の延長保証事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
②キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べて193,612千円減少し、6,729,907千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により獲得した資金は、771,571千円(前事業年度は1,109,518千円の獲得)となりました。主な増加要因は、税引前当期純利益668,063千円、前受収益の増加額145,542千円及び長期前受収益の増加額566,594千円によるものです。また、主な減少要因は、前払費用の増加額49,629千円、長期前払費用の増加額255,118千円、未払消費税等の減少額175,642千円及び法人税等の支払額204,515千円によるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、1,034,613千円(前事業年度は26,760千円の使用)となりました。主な減少要因は、投資有価証券の取得による支出301,132千円、投資不動産の取得による支出767,844千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により獲得した資金は、129,429千円(前事業年度は133,353千円の獲得)となりました。主な増加要因は、新株予約権の行使による株式の発行による収入161,504千円によるものです。また、主な減少要因は、配当金の支払額34,342千円によるものです。
③ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社の提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当社の提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。
セグメントの名称当事業年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
前年同期比(%)
住宅設備機器の延長保証事業(千円)1,664,148115.1

(注)1.当社は、住宅設備機器の延長保証事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載はしておりません。
2.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自 2021年10月1日
至 2022年9月30日)
当事業年度
(自 2022年10月1日
至 2023年9月30日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社ヤマダデンキ365,59525.3436,11026.2

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。その作成には、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し合理的に判断しておりますが、見積りによる不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りとは異なる場合があります。当社の財務諸表の作成にあたって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5 経理の状況 (1)財務諸表 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりであります。
② 財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.財政状態
財政状態の分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況」に記載のとおりであります。
b.経営成績の分析
(売上高)
当社は住宅設備機器の延長保証事業の単一セグメントであるため、売上高1,664,148千円(前年同期比15.1%増)はすべて同事業より獲得し、売上高の増加要因は新規契約の増加によるものであります。
また、当社は業務委託契約時に業務委託料を全額受領し、保証期間に応じて売上を按分計上しているため、安定的な売上の確保が可能ですが、事業の安定的な成長のため、新規の業務委託契約を継続的に獲得しております。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度において売上原価は564,151千円(前年同期比22.0%増)となりました。修理件数の増加に伴う外注費が増加し、また売上高増加に伴い支払保険料も増加したため、売上原価率は33.9%と前事業年度に比べ1.9ポイント悪化しました。その結果、売上総利益は1,099,996千円(前年同期比11.8%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は481,403千円(前年同期比12.5%増)となりました。主要な費目は役員報酬79,730千円、給料及び手当116,147千円、支払手数料41,162千円、支払報酬20,789千円であり、人員増加に係る人件費の増加が主な増加要因となっております。その結果、営業利益は618,592千円(前年同期比11.3%増)となりました。
(営業外損益、経常利益)
営業外収益は62,824千円(前年同期比555.4%増)となりました。主要な収益としては投資有価証券売却益37,326千円、投資不動産賃貸料12,928千円であります。営業外費用は13,353千円(前年同期比11.1%減)となりました。主要な費目は投資不動産賃貸費用11,595千円であります。その結果、経常利益は668,063千円(前年同期比21.3%増)となりました。
(税引前当期純利益、当期純利益)
税引前当期純利益は668,063千円(前年同期比21.4%増)となりました。法人税、住民税及び事業税に税効果会計適用に伴う法人税等調整額を合わせた税金費用は213,909千円となり、当期純利益は454,153千円(前年同期比26.7%増)となりました。
c.キャッシュ・フローの分析
キャッシュ・フローの分析につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
d.資本の財源及び資金の流動性
当社の運転資金需要のうち主なものは、長期保証における修理費用等の売上原価及び人件費等の営業費用であります。
当社は、運転資金につきましては内部資金により充当しております。今後、資金需要の必要性に応じて、外部も含めた資金調達等柔軟に対応する方針としております。
e.経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標は有効会員数であり、その進捗については下表のとおりであり、当事業年度において有効会員数約160万件を達成しております。今後も有効会員数を増加させることにより、売上高と営業利益の最大化を図って参ります。
(単位:万件)
決算年月2019年9月2020年9月2021年9月2022年9月2023年9月
有効会員数約76約93約113約135約160

(注)有効会員数については、普賢監査法人の監査を受けておりません。
f.経営成績に重要な影響を与える要因
「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。