有価証券報告書-第3期(2024/04/01-2025/03/31)

【提出】
2025/06/26 10:00
【資料】
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【項目】
181項目
(3)リスク管理
①気候変動への対応
<気候変動のリスク管理プロセス>当社グループの直面するリスクに関しては、リスクの種類毎に評価したリスクを総体的に当社グループの経営体力と比較・対照していく自己管理型のリスク管理である「統合的リスク管理」を行うことで、経営の健全性を確保しております。
気候変動リスク及び機会は、事業活動や財務内容に影響を及ぼす可能性があることを認識のうえ管理してまいります。具体的には、気候変動がもたらす当社グループ取引先の事業活動への影響および業況の変化などによる信用リスクや当社グループ営業拠点の被災などによるオペレーショナルリスクを中心に管理し、必要に応じて各種対策を講じてまいります。
<気候変動に関連するリスク>当社グループでは、気候変動に関するリスクを「信用リスク」、「市場リスク」、「流動性リスク」、「オペレーショナルリスク」の4つに整理しております。気候変動により生じる可能性のある移行リスクおよび物理的リスクの事例は以下の通りとなります。
リスク分類定義移行リスクの事例物理的リスクの事例時間軸
短期:2028年
中期:2030年
長期:2050年
信用リスク信用供与先の財務状況の悪化などにより、資産の価値が減少ないし消失し、当社グループが損失を被るリスク政策、規制、顧客の要請、技術開発の変化に対応できないことによる取引先の事業活動や財務への影響異常気象による顧客資産への直接的な損害や、サプライチェーンへの間接的な影響に伴う、顧客の事業や財務への波及短期~長期
市場リスク金利、有価証券などの価格、為替などの様々な市場のリスク・ファクターの変動により、保有する資産・負債の価値が変動し当社グループが損失を被るリスク、および資産・負債から生み出される収益が変動し当社グループが損失を被るリスク脱炭素社会への移行の影響を受ける産業に関連する保有有価証券の価値の変動異常気象の影響による市場の混乱、それに伴う保有有価証券の価値の変動短期~長期
流動性リスク運用と調達の期間のミスマッチや予期せぬ資金の流出により、必要な資金確保が困難になる、また通常よりも著しく高い金利での資金調達を余儀なくされることにより損失を被るリスク、市場の混乱などにより市場において取引ができなかったり、通常よりも著しく不利な価格での取引が余儀なくされることにより損失を被るリスク脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの低下による市場調達環境の悪化異常気象で被災した取引先の復旧・復興に向けた預金引出に伴う資金流出の増加短期~長期
オペレーショナルリスク内部プロセス、役職員の行動が不適切であること、もしくはシステムが正しく機能しないこと、または外生的事象により、直接的または間接的に当社グループが損失を被るリスク脱炭素社会への移行への対応の遅れに伴うレピュテーションの悪化異常気象による被災に伴う営業拠点やデータセンターにおける業務の中断短期~長期

<持続可能な社会の実現に向けた投融資方針>当社グループは、環境・社会に影響を与える可能性のある特定の事業・セクターへの投融資に関し、以下の取組方針に基づき、適切に対応することで持続可能な社会の実現に貢献してまいります。
・環境・社会にポジティブな影響を与える事業などに対する取組方針
(イ)脱炭素化社会への移行・省エネルギー・再生可能エネルギーに係る事業活動を積極的に支援します。
(ロ)高齢化・少子化などの課題に対応する医療・福祉・教育の充実に係る事業活動を積極的に支援します。
(ハ)事業承継、地域社会の発展に寄与する創業、イノベーション創業など持続的な社会形成にポジティブな影響を与える事業活動を積極的に支援します。
(ニ)社会インフラの維持・発展、地域の防災・減災に資する事業活動を積極的に支援します。
・環境・社会にネガティブな影響を与える可能性が高い特定の事業・セクターに対する取組方針
[セクター横断的]
(イ)児童労働・強制労働・人身取引などに関する事業
当社グループ人権方針や国際的な人権基準(世界人権宣言、ビジネスと人権に関する指導原則など)の主旨に反する児童労働や強制労働・人身取引など、人権侵害が行われている事業への投融資は取り組みません。
(ロ)紛争地域における人権侵害に関する事業
紛争地域においては、人権に関する重大な負の影響を及ぼす可能性があることを認識しています。紛争地域における人権侵害を引き起こす、または助長する事業、あるいは人権侵害と直接的に結びついている事業について、十分注意したうえで慎重に対応します。
(ハ)その他の事業
違法または違法目的の事業、公序良俗に反する事業、ワシントン条約に違反する事業、ラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業への投融資は取り組みません。
[特定セクター]
(イ)石炭火力発電事業
石炭火力発電所の新規建設資金および温室効果ガスの増加に繋がる拡張案件の投融資は取り組みません。ただし、災害時対応や日本政府のエネルギー政策に沿った案件などを例外的に検討する場合は、慎重に対応します。
(ロ)非人道兵器製造・開発事業
クラスター弾、核兵器、生物・化学兵器、対人地雷の製造・開発を行う企業への投融資は取り組みません。
(ハ)森林伐採事業・パーム油農園開発事業
木材、パーム油などは日常生活や社会の維持に欠かせない重要な原料である一方、違法伐採などの大規模な森林破壊は気候変動や生態系へ重大な負の影響を及ぼす可能性を認識しています。環境および社会配慮の状況に十分注意したうえで慎重に対応します。
■2025年度の変更点
当社グループは2024年5月にTNFDフォーラムに参画しており、自然資本・生物多様性の適切な保全に関する取組みを推進しております。当社グループが営業基盤とする愛知県には、藤前干潟や東海丘陵湧水湿地群といったラムサール条約に登録されている湿地が存在しており、これらの自然の保全を図るため、投融資の禁止事業としてラムサール条約指定湿地へ負の影響を与える事業を追加いたしました。
■投融資方針の準拠状況の確認プロセスについて
あいち銀行では、融資取り上げ時に「持続可能な社会の実現に向けた投融資方針」に則していることを確認するプロセスを導入しております。この確認プロセスの適切な運用により、地域の持続可能な社会の実現を目指してまいります。
<炭素関連資産>TCFD提言が開示を推奨する炭素関連資産について、セクター毎の融資残高および全セクターに占める割合は、以下の通りであります。
(単位:百万円、%)

セクター融資残高シェア
エネルギー石油・ガス28,7241.002.82
石炭2240.01
電力・ユーティリティ51,9021.81
運輸航空貨物2,5050.099.48
旅客運輸7990.03
海上輸送3,8640.13
鉄道輸送38,1071.33
トラックサービス109,5813.83
自動車及び部品116,4764.07
素材・建築物金属・鉱業47,9301.6742.23
化学65,6832.29
建設資材38,9451.36
資本財555,84819.42
不動産管理・開発500,68017.49
農業・食料・林産物飲料20,4060.713.22
農業3,1410.11
加工食品・加工肉44,0501.54
製紙・林業製品24,4430.85
合計1,653,30957.75

*対象アセット:法人・個人事業主向け一般事業性融資
(リパッケージローンなどの政策的貸出除く)
*対象残高:2025年3月末時点の融資残高
*セクター分類方法:当社グループにおける業種分類を環境省が公表している日本標準産業分類とTCFD18分類の紐づけ表により、TCFDが定義するセクター分類へ割り振り
②人権尊重の取組み
当社グループでは、事業活動に関わる人権リスクを特定・評価し、重要な課題に優先的に対応することで人権尊重の取組みをより効果的かつ持続的に推進するため、人権課題マップを作成いたしました。なお、作成した人権課題マップは、内外の事業環境の変化を踏まえて今後、継続的に見直してまいります。
<人権課題マップ>0102010_003.png
[作成プロセス]
1.人権課題の抽出国際的な人権基準であるILO宣言・国際人権章典等における人権課題を参考に、当社グループにとって顕著な人権課題を抽出。
2.ステークホルダー別(自社・投融資先・サプライヤー)に想定される人権課題の整理ステークホルダー別に抽出した人権侵害リスクが発生し得るか整理。
3.人権侵害リスクの発生過程の特定(具体的な人権侵害例)整理した人権侵害リスクの具体的な事例を特定。
4.抽出した人権課題を深刻度と発生可能性の2軸で評価整理した人権課題・人権侵害リスクについて、負の影響の規模(影響がどれくらい重大あるいは深刻であるか)、負の影響の及ぶ範囲(影響を受けた人々の数)、是正不能性(影響を受けた人々について負の影響を受ける前の状況と少なくとも同一または同等の状況に回復させることができる限界)の3つの基準で各人権課題の深刻度を評価するとともに、当社グループが関与した人権侵害の発生可能性の評価を実施。

<人権尊重に関する取組内容>当社グループの人権尊重に関する主な取組みは、以下の通りであります。今後、人権課題マップの結果を踏まえて、優先的に対応すべき人権課題への対応強化を検討してまいります。
・お客さまに対する取組み
高齢者や障がいのあるお客さまへの取組みあいち銀行では、「認知症サポーターの配置」や「筆談対応窓口の設置」などにより、高齢者や障がいのあるお客さまが安心・安全に来店いただけるようにしております。
「成年後見制度」や「日常生活自立支援事業」を利用されていないお客さまが、預金取引行為が困難となった場合に備え、日常生活資金の出金などの預金取引について、お客さまが指定した代理人による手続きが可能です。
ジェンダー平等に関する取組みあいち銀行では、働きやすい社会づくりの一環として、希望されるお客さまに旧姓による預金口座の開設を行っております。
LGBTQに対する取組みあいち銀行では、住宅ローンにおける配偶者の定義に「同性パートナー」を追加し、同性パートナーとのペアローンや収入合算による申込が可能となっております。
融資取引先に対する取組みあいち銀行では、融資取上げ時にお客さまの「あいちフィナンシャルグループ人権方針」の準拠状況を確認するプロセスを導入しております。確認の結果、準拠していないことが判明した場合には、当社グループとして適切に対応し、お客さまとの対話を通じて、適切な対応をとるよう働きかけてまいります。また、愛銀リースでもリース取組み時に同様の確認プロセスを導入しております。

・役職員に対する取組み
長時間労働防止の取組み役職員の長時間労働を防止する取組みとして、36協定違反の有無や、時間外労働時間のモニタリングにより労働時間の管理と改善に努めております。
結社の自由・団体交渉権の尊重についてあいち銀行では従業員組合が組織されております。銀行と組合がお互いの立場を考え、尊重しながら、さまざまなテーマについて定期的に協議しております。

・救済窓口の設置
役職員向けのハラスメント相談窓口の設置あいち銀行では、セクシャルハラスメントやパワーハラスメントなどの相談窓口を設け、メールや電話など、さまざまな手段を通じて相談に対応し、働きやすい職場づくりに取り組んでおります
お客さま・サプライヤー向けの人権相談窓口の設置あいち銀行では、「お客さま相談窓口」において、お客さま・サプライヤーからの人権侵害に関する相談を受付しております。

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