有価証券報告書-第9期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 10:30
【資料】
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【項目】
161項目

有報資料

当社グループの経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社グループが判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社グループは、投資家、パートナー、借り手(レッシー)のみなさまへ、航空機・船舶等の価値ある優良資産を対象とした、魅力ある商品の組成、販売を行い、「100年企業への挑戦」の経営理念のもと、みなさまの持続的な成長に貢献できるよう事業に取り組んでおります。
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当社グループは、上記の経営理念の下、安定・継続的事業成長を目指し、2027年3月期から2029年3月期までを対象期間とする中期経営計画において、以下の3つを事業の基本運営方針としております。
① 平均10%+αの安定・継続的な経常利益成長
お客さま本位の販売、お客さまのニーズに応える商品組成、安定した商品残高を支える財務力を向上させ、安定・継続的な利益成長を目指す
② インテグリティ重視・安心安全・高度な専門性発揮
インテグリティ(注)重視の行動を基礎に、働く人・ステークホルダーにとって安心安全な、そしてお客さまに対して高度なソリューション提供力を発揮する会社を目指す
③ ステークホルダーから選ばれる企業へ
お客さま・パートナー・株主・投資家それぞれの満足度向上を目指す
(注)インテグリティ(integrity)とは、誠実、真摯、高潔などの概念を意味し、組織を率いるリーダーやマネジメントに求められる最も重要な資質とされています。
(2) 市場動向
わが国経済は、デフレ経済脱却に向けた経済対策の進捗により、雇用・所得環境の改善を背景に個人消費が持ち直し、設備投資も緩やかな増加傾向で推移するなど、総じて緩やかな回復基調で推移いたしました。一方で、輸出や生産は一進一退の動きとなり、米国の関税政策や中東情勢など海外要因による不確実性が引き続き景気の下押しリスクとして意識される状況となりました。
海外経済におきましては、米国の関税政策の動向やロシア・ウクライナ戦争や中東地域における地政学リスクの影響を受けつつも、全体としてはプラス成長を維持いたしました。各国における政策対応や民間需要の底堅さが景気を下支えする一方で、保護主義的な動きや金融市場の変動等により、先行き不透明な状況が継続いたしました。
このような経済環境のもと、当社グループの主要事業領域である航空業界におきましては、国際線を中心に旅客需要が引き続き高水準で推移し、総じて堅調な事業環境となりました。一方で、機材供給の遅延、部材不足、整備・人員面を含むサプライチェーン上の制約が継続しており、これらは航空会社各社の運航能力拡大や事業成長の制約要因となっています。また、2026年2月以降の中東情勢の緊迫化を背景とした燃油価格の高騰は、航空会社の収益性に影響を及ぼす可能性があり、今後の動向を注視していく必要があります。加えて、脱炭素化対応をはじめとする中長期的な経営課題への取り組みも引き続き求められております。
また、海運業界におきましては、中東地域を中心とした地政学リスクの深刻化、とりわけイラン情勢の緊迫化が主要な海上輸送路に大きな影響を及ぼしております。多くの船舶が遠回りの航路を選択せざるを得ず、輸送距離の延長と航海日数の長期化が生じていることで、市場全体で船舶の供給が絞られることとなり、運賃市況は高止まりしております。一方で、原油・エネルギー価格の高騰による燃料コストの上昇、紛争を契機とする保険料の上昇等が、海運各社の収益を圧迫する要因となりつつあり、今後の動向について注視していく必要があります。
0102010_002.jpg<航空旅客需要の推移>* 出所:一般財団法人 日本航空機開発協会「令和6年度版 民間航空機関連データ集」より
<海運需要の推移>* 出所:公益財団法人 日本海事広報協会「日本の海運 SHIPPING NOW 2025-2026」より
日本型オペレーティング・リース(JOL及びJOLCO)の市場規模は、2019年度において約6,200億円であったものが、新型コロナウイルス感染症に関する行動規制から航空機案件への投資家心理の冷え込みや、リース会社各社が新規の商品組成・販売に慎重になったこと等から、大きく縮小したものの、経済活動の再開等を受け回復・拡大し、2024年度は約8,500億円となり、コロナ禍前の市場規模を超えました。
2025年度には市場規模は1兆円を超え、2026年度以降の市場規模も順調に拡大していくとの予測もあります。
このような市場環境の中、2026年3月期の当社の組成金額は前年度比28.2%増の4,071億円、商品出資金等販売金額は前年度比で22.5%増の1,269億円と伸長いたしました。
0102010_003.png* 出所:アンクパートナーズ合同会社 「マーケットニュース(ミニレポート)
2026年 JOLCOマーケットの動向調査「JOLCO+JOLの出資金額」」より当社作成
(3) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当社グループは、中長期的な企業価値の向上に向け、主に以下の課題に重点的に取り組んでまいります。
①商品戦略
当社グループが安定・継続的な成長を実現するためには、国内外の経済・金融情勢、為替動向、地政学リスク等を踏まえつつ、多様なお客さまニーズに対応した付加価値及び競争力の高いオペレーティング・リース商品を提供していくことが重要であると認識しております。
JOLCO商品については、航空機、船舶・コンテナ等の対象資産に加え、通貨やリース期間等を組み合わせることで、多種多様な商品組成に取り組んでおります。今後も、強力なパートナーシップ及びグローバルネットワークを活用し、商品ラインナップの更なる拡充並びに市場環境の変化に対応した柔軟な商品提供体制の構築を進めてまいります。
JOL商品については、リース料収入による安定的な収益機会が得られる実物資産への事業投資であり、タックスマネジメント需要に加え、事業投資ニーズの取り込みを通じて事業基盤の拡大に注力してまいります。
②営業基盤の拡大
当社グループでは、地域金融機関、証券会社、税理士及び会計士等のパートナーとの間で顧客紹介に係るビジネスマッチング契約を締結し、販売網の拡大に取り組んでおります。
当社グループの安定・継続的な成長のためには、有力パートナーとの提携拡大及びパートナーからの顧客紹介件数の増加が重要であると認識しております。
引き続き、新規パートナーとの提携拡大に加え、既存パートナーとの関係深化を図ることで、大口顧客へのアプローチを強化し、更なる営業基盤の拡大に努めてまいります。
③資金調達手段の多様化及び安定化
当社グループの事業では、航空機・船舶等を中心としたJOLCO商品の組成における立替出資や、JOL商品の組成における航空機等の仕入に多額の資金を必要とします。そのため、資金調達の多様化及び安定化は、複数案件の同時組成や大型案件の組成を可能とし、当社グループの事業成長において重要な要素であると認識しております。
当社グループは立替出資及び仕入時に必要な資金の大半を金融機関からの借入により調達しております。このため、取引金融機関との取引枠拡大や新規金融機関との取引開始を通じて、資金調達の安定化を進めております。
また、金融機関借入に加えて、コマーシャル・ペーパー及び社債の発行等を通じた直接金融にも取り組み、資金調達手段の多様化も推進してまいります。
④プロフェッショナル人材の確保及び育成
優秀な人材の確保は、当社グループにとりまして最も重要な課題の一つであると認識しております。安定・継続的な事業成長の実現には、高度な専門知識及び法人ビジネスの経験を有する人材の確保が必要不可欠となります。このため、オペレーティング・リース業界経験者や金融業界において法人ビジネス経験を有する人材等の積極的な採用を進めてまいります。
また、継続的な教育研修制度の充実や働きやすい業務環境の整備を通じて、従業員エンゲージメントの向上及び人材の長期定着を図ってまいります。
⑤業務運営の安定化に向けたデジタルトランスフォーメーション(DX)等への取り組み
当社グループの取り扱う商品は、組合契約満了までの期間が概ね10年程度に及ぶものが多く、新規商品の組成及び販売拡大に伴い、期中管理等の業務量は累積的に増加します。このため、業務の効率化及び業務品質の更なる向上を図り、安定的な業務運営を持続させることを目的として、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進に取り組んでまいります。
加えて、お客さまへの付加価値の高いソリューション提供を実現するため、AIの活用による業務の高度化及び効率化も推進してまいります。
⑥コーポレート・ガバナンス・内部管理体制の強化
当社グループは、安定・継続的な事業成長に応じたコーポレート・ガバナンスの強化及び内部管理体制の充実が重要であると認識しております。内部統制システムの適切な運用及び継続的な改善を通じて、内部管理体制の更なる強化に努めてまいります。
(4) 成長戦略
当社グループは、安定・継続的事業成長を目指すにあたり、以下の基本方針のもと、成長戦略に取り組んでまいります。
①お客さまニーズに対応できる事業基盤の拡充
日本型オペレーティング・リースに対するお客さまのニーズは、事業投資・純投資・タックスマネジメント等多種多様です。当社は、安定・継続的事業成長に向け、こうしたお客さまニーズに対応できる商品組成力の強化・営業基盤の拡大・提案力の充実に取り組んでおります。
お客さまニーズに的確に対応し、課題解決に貢献できるようソリューション力の強化に取り組みながら、事業基盤を拡充しつつ、安定・継続的に事業成長を目指してまいります。
②多様な商品戦略・商品提供体制の充実
ファンド事業の商品組成においては、船舶ファイナンス世界大手のBNPパリバ銀行をはじめとする有力アレンジャーやパートナーとの協業により、お客さまにとって魅力ある商品の組成・提供に取り組んでいます。
JOLCO商品の組成においては、優良海運会社向け船舶JOLCO商品やエミレーツ航空向けの航空機JOLCO商品、JOL商品の組成においてはエールフランス航空向けJOL商品等、クレジットリスクを中心とした投資リスクを極力抑え、お客さまにとって魅力ある商品の拡充に注力しております。引き続き、JOLCO商品・JOL商品、航空機・船舶、円建て・ドル建て、リース期間の長・短等を組み合わせた多様な商品を取り揃え、1年を通じて安定した商品提供体制の充実に取り組んでまいります。
今後も、多様なお客さまニーズに対応するため、商品残高を適切に確保しながら、市況に合わせた柔軟な商品提供を行うとともに、クレジットモニタリング等のリスク管理体制も強化し、良質かつバランスの取れた商品の提供を目指してまいります。
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③パートナー及びSBIグループとの連携の深化
当社グループの事業基盤の拡大には、お客さまをご紹介いただく有力パートナーとのリレーションの構築が極めて重要となります。2026年3月期末時点において、445社の地域金融機関、証券会社、税理士・会計士事務所等のパートナーとビジネスマッチング契約を締結しております。引き続き、お客さまニーズに対応した多様かつ魅力ある商品の提供を通じて強固なリレーションの構築・拡大に取り組んでまいります。
また、SBIグループ各社との連携も、今後の当社グループの事業の強化において重要であり、案件組成における協業やSBIグループ各社との間における投資家の紹介等を推進し、その連携の深化に取り組んでおります。これらのネットワークを活用することで、効率性の高い事業運営体制を実現し、今後もこの水準を高位に保つべく事業運営に取り組んでまいります。
(5) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループの経営目標の達成状況を判断するための客観的な指標は、経常利益であります。2027年3月期の経常利益額は8,900百万円を予想しております。また、これに関連する商品出資金等販売金額及び商品組成金額も指標として重視しており、今後も安定・継続的に成長させるよう努めてまいります。

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