有価証券届出書(新規公開時)

【提出】
2022/10/20 15:00
【資料】
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【項目】
128項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであります。
(1) 経営の基本方針
当社は、ミッションとして、「Delight customers with innovation イノベーションで顧客を感動させる」を掲げております。当社は、宿泊施設に対し、「tripla Book」を基本とし、様々なサービスを提供しております。宿泊施設が、自社予約を増やすことで収益を増加させ、費用を削減し、生産性を高めるよう、宿泊業界のDX(デジタルトランスフォーメーション)を支える総合的なエコシステムを提供して参ります。
また、当社のCore Value(行動指針)として、7つを掲げております。特に、「Market-In for Customer Satisfaction」については、顧客にとって必要なものを開発するという思想を徹底し、新しいサービス・プロダクトの開発を進めております。世界15ケ国から集まった多様性が高い企業文化、多言語でのコミュニケーションを行いながら、ミッションの達成を追求いたします。

Core Value(行動指針)
・Market-In for Customer Satisfaction(顧客満足実現へのマーケットイン)
マーケットイン思考を徹底し、顧客満足を常に追い求めます。市場が真に望むものを私達は提供します。
・Ownership(オーナーシップ)
自らの担当領域は当然に自らが責任を持ちつつ、会社全体のために当事者意識を持って行動します。
・Actions with Results(結果に拘るアクション)
行動し、行動により結果を出します。求められる結果は何かを常に考え行動します。
・Challenge for Innovation(イノベーションへの挑戦)
常に革新と改善を続けます。環境は変わり続けます。現時点における最善が今後も最善であるとは考えません。
・Stretch the Team & Yourself(チームと自信の成長)
常に学び、自分自身を成長させ続けます。チームに良い影響を与えることを約束し、チームも成長させ続けます。
・More with Less(生産性の追求)
効率よく、より少ないリソースでより多くのことを実現するチームを作ります。
・Humility, Respect & Trust(謙虚、尊敬、信頼)
謙虚、尊敬、信頼をバランスよく持ち、他者と接し、強いチームを作ることに貢献します。
(2) 経営環境
①市場環境について
当社ホスピタリティソリューション事業と関連性がある宿泊旅行業界においては、コロナ禍による大きな打撃を受けて参りました。2020年10月期の延べ宿泊者数については、2019年の同月対比において、日本人宿泊者数は67.4%となり、インバウンドは32.5%となりました。また、2021年10月期の延べ宿泊者数については、2019年の同月対比において、日本人宿泊者数は63.3%となり、インバウンドは4.0%となりました。オミクロン株のまん延後、2022年3月から日本人宿泊者数は戻り、2022年4月以降はいずれも、2019年対比で80%を超えております。一方、インバウンドに関しては2022年10月期第3四半期累計期間においても2019年同月対比で4.5%と依然として低い状態が継続しておりますが、海外からの入国者数の上限を撤廃する等の政府の方針も踏まえ、徐々に宿泊需要が高まることを予想しております。これらの回復基調である経営環境、予想を踏まえて経営計画を立てておりますが、当該環境が変化した場合には、経営計画に影響を及ぼす可能性があります。当該リスクについては、「2 [事業等のリスク] 10 新型コロナウイルス感染症について」に記載のとおりです。
上記の宿泊者数の数値及び下図は、国土交通省観光庁「宿泊旅行統計調査」に基づいて記載しております。

②新型コロナウイルス感染症が当社の業績に与える影響について
Deloitteトーマツ「国内主要都市宿泊市場動向シリーズ 第一回」によると、客室稼働率は、コロナ禍前の2019年1月から4月に掛けて80%前後でしたが、これに対し、2022年1月~4月に掛けては40%~60%となっております。また、客室平均単価はコロナ禍前の2019年1月から6月に掛けて15千円前後でしたが、これに対し、2022年1月~4月に掛けては10千円前後となっております。
当社の取扱高/GMVは、宿泊部屋数と客室平均単価(ADR)の積により構成されております。また、宿泊部屋数は、販売可能客室数(注1)と客室稼働率(OCC: Occupancy Ratio)の積により構成されております。このうち、宿泊市場における客室稼働率と、客室平均単価が大きな影響を受けております。
なお、「tripla Book」は2019年7月に開始したサービスであり、コロナ禍の前は十分な導入施設数がなかったため、実績値による影響額の算定は困難です。2022年1月~4月の宿泊部屋数は67.4万部屋泊、客室平均単価は11千円、取扱高/GMVは7,650百万円です。
③市場規模について
コロナ禍の前である2019年の日本の宿泊市場の規模としては、6.5兆円です(e-Stat 政府統計の総合窓口よりデータ抽出)。また、同じく2019年の世界の宿泊市場の規模としては、166兆円です(statistaよりデータ抽出。2019年の1.52兆USDを為替レート109.05として算出いたしました。)。
④競争優位性について
当社が提供する「tripla Book」は類似サービスを提供する事業者が複数存在する業界であります。その中の当社の優位性としましては、拡張性の高さ、多機能であることにあると考えております。
(拡張性の高さ)
当社の「tripla Book」はクラウド型で提供しており、機能を開発後、速やかにローンチすることが可能です。開発速度としては平均30機能を月間でリリースしております。今後も、当社のCore Value(行動指針)である「Market-In for Customer Satisfaction」に基づき、当社の顧客、もしくは潜在的な顧客に対して徹底したヒアリングを行い、優先順位を付けた上で、求める機能の開発を進めて参ります。汎用的に使える機能の開発についてはすべて内製で開発する方針であります。
また、「tripla Bot」、「tripla Connect」等と連携しており、現在開発中の「tripla Page」、「tripla Analytics」等とも連携することにより、拡張性を高め、当社のミッションである「Delight customers with innovation イノベーションで顧客を感動させる」を実現して参ります。
(多機能)
単に予約をするのみでなく、「3 [事業の内容] (2) サービス概要」に記載のとおり、複数の機能があります。
⑤主要製品・サービスの内容について
当社の主要なサービスの内容につきましては、「第1 [企業の概況] 3 事業の内容 (2)サービスの内容」に記載しております。
⑥顧客基盤及び販売網について
当社は主に、宿泊施設向けにサービスを提供しており、宿泊施設からの問い合わせや当社からの提案等により、受注しております。
⑦新型コロナウイルス感染症における対応について
当社では、新型コロナウイルス感染症の感染拡大防止の取り組みとして、当社従業員を対象に、テレワーク(在宅勤務)制度を用意し、多くの従業員が利用しております。ビデオ会議ツールやチャットツールを利用することで、業務に支障は発生しておりません。また、出張を控えリモート会議を活用し、事業活動を継続しております。これらはコロナ禍が終了後も継続していく方針です。加えて、感染防止に関しての注意喚起を行うとともに、リスク発生時には迅速な判断・対応ができるような体制を整備しております。
(注)1.tripla Bookを導入している全施設において販売可能客な客室数合計を言います。
(3) 中期的な経営戦略
当社の営業収益は、2020年10月期から2021年10月期にかけて71.5%の成長率となっております。今後の成長戦略としては、現状提供している「tripla Book」、「tripla Bot」、「tripla Connect」、「tripla Pay」の導入施設数の拡大、取扱高/GMVの増加を行うことによる単価の向上を継続的に成長させることを重視して参ります。取扱高/GMVの増加については、経営環境にて記載しましたとおり、今後のコロナ禍からの回復も想定しております。導入施設数の拡大、取扱高/GMVと並行し、ミッションである「Delight customers with innovation イノベーションで顧客を感動させる」の実現のため、「tripla Book」、「tripla Bot」、「tripla Connect」、「tripla Pay」に加えて「tripla Page」、「tripla Analytics」、「tripla Channel」等の新サービスの開発も進めております。個々のサービスが収益を上げることはもちろんですが、tripla Pageを活用し、tripla Bookの契約施設数を増加する、tripla Connectやtripla Analyticsを用いて、顧客である宿泊施設の自社予約を増加させtripla Bookの収益を増加する等、tripla Bookを中心に各サービスが連携することで、顧客である宿泊施設の自社予約増加、収益最大化を図り、宿泊施設、当社の収益がともに最大化するWin-winのビジネスモデルを目指します。そのためにCore Value(行動指針)の体現に必要なエンジニア等を積極的に採用して参ります。
また、現在、台湾にて「tripla Book」、「tripla Bot」を提供しておりますが、中長期的にはAPAC(アジア太平洋地域)へ販路拡大を想定しております。このために、下記の対応を取って参ります。
・決済連携
PaypalやStripeといったグローバル決済の仕組みとの連携を行います。進出する地域にてグローバル決済事業者が事業展開していない場合には、ローカル決済の仕組みと連携を行う予定です。
・現地対応
決済通貨の設定や時差を踏まえた現地時間の対応が必要となり、開発して参ります。
・多言語対応
顧客予約画面、管理画面等の多言語対応が必要であり、開発して参ります。
・宿泊システム(PMS)連携
国ごとに異なる宿泊システムが存在しております。当該宿泊システムと空室在庫、料金等の連携を進めて参ります。
(4) 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
2022年10月期第3四半期累計期間において、当社の営業収益の98.8%以上は、「tripla Book」、「tripla Bot」により構成されており、毎月経常的に得られる基本料収入が発生いたします。「tripla Book」、「tripla Bot」による基本料収入を「固定収益」として分類しております。また、tripla Bookは宿泊による取扱高/GMV(Gross Merchandise Value)、tripla Botはチャットの回答数(以下、「リクエスト数」)によって従量収入が発生いたします。tripla Bookの宿泊による取扱高/GMV(Gross Merchandise Value)による営業収益を「従量収益」、tripla Botのリクエスト数によって発生する営業収益を「変動収益」、その他の営業収益を「その他収益」として分類しております。
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標として、営業収益、営業利益を重視しております。当該指標を採用した理由は、投資家が当社の経営方針・経営戦略等を理解する上で重要な指標であり、当社の成果を端的に表すことができるためです。
また、営業収益の達成状況を判断する上で、導入契約施設数、取扱高/GMV、リクエスト数を重要な指標としております。導入施設数を増加させることで固定収益を増加させ、取扱高/GMVを増加させることで従量収益を増加させることで、当社の目標である営業収益を達成いたします。ただし、取扱高/GMVが低い場合には、当社の目標である営業収益を達成しない可能性があります。導入契約施設数を増やすのみならず、取扱高/GMVも増やすことが重要となるビジネスモデルです。当該指標を拡大させることで、営業収益の継続的かつ累積的な増加を実現して参ります。
なお、各指標については「3 [事業の内容] (2) サービス概要」に記載しております。
(5) 経営環境並びに事業上及び財務上の対処すべき課題
当社が事業を行っているホスピタリティソリューション事業の関連する市場は、宿泊市場です。
当該市場に対しては、新型コロナウイルス感染症が非常に大きな影響を与えていますが、当該影響は短期的な影響であると考えており、理由は下記のとおりです。
当該市場においては、国内宿泊者数が重要な指標となります。国内宿泊者数としては、新型コロナウイルス感染症のまん延が始まった2020年から大きく落ち込みました。具体的には、新型コロナウイルス感染症のまん延前である2019年との対比で、2020年10月期は60.6%(日本人宿泊者数は67.4%、外国人宿泊者数は32.5%)、2021年10月期は51.8%(日本人宿泊者数は63.3%、外国人宿泊者数は4.0%)でした(観光庁の統計データより算出)。緊急事態宣言やまん延防止等重点措置等が発令された際には、宿泊者数の落ち込みは激しいものでありました。しかし、ワクチン接種等が進み、新規感染者数が減少し始めた2021年10月からは回復傾向となり、オミクロン株のまん延により一時的に落ち込んだものの、2022年3月のまん延防止等重点措置が解除されてからは回復に向かっております。また、海外の多くの地域では、段階的に規制が撤廃されつつあり、日本においてもインバウンドを受け入れる報道もされており、出口が見え始めていると考えております。また、新型コロナウイルス感染症拡大の影響を受ける2020年1月以前においてはインバウンド需要の拡大により宿泊業界全体が盛況な状態にありました。新型コロナウイルスのまん延により一時的に落ち込んではおりますが、インバウンドの増加は安倍自民党政権時には国の成長の柱として掲げられており、新型コロナウイルスのまん延から回復した後は、インバウンドの増加が再び起こる可能性があると考えております。
中長期的な経営環境としては、オンラインによる旅行宿泊予約の伸びがあります。従来は、旅行会社の店舗予約中心でしたが、年々、オンラインによる宿泊予約比率が増加しており、2013年に34%であったオンライン販売比率はコロナ禍前の2017年には46%となりました(日本のオンライン旅行市場調査 第4版より)。一方、オンライン宿泊予約市場は、コアな特許等による参入障壁が存在しない業界であるため、当該市場には競合他社が複数存在しております。
このような環境の下、当社としては、対処すべき課題として以下の点に取り組んでおります。
1 サービス・プロダクトの強化
当社は、さらなる事業成長のためには、サービス・プロダクトの強化が必要であると認識しております。
2021年10月期以前より提供している「tripla Book」、「tripla Bot」については、その契約施設数を順調に伸ばしており、2021年10月期の月次解約率(注1)はそれぞれ0.7%と、1.3%に留まっております。さらなる契約の増加、既存契約の解約抑止のため、競合を意識しながら継続的に機能強化をしていくことが必要であると考えております。
2022年10月期に販売を開始した「tripla Connect」、「tripla Pay」については、販売のための開発が完了し、販売を開始したものの、「tripla Book」、「tripla Bot」のように契約施設数拡大のため、さらなる機能強化を進めて参ります。また、2022年10月期第3四半期末現在、開発中である「tripla Page」、「tripla Analytics」等については、販売開始のための開発を進めております。
・tripla Connect
現在、販促のアクションとしては、メールマガジンの配信、tripla Bot上での表示ですが、今後は、LINEやFacebookメッセンジャー等のSNSによるメッセージ、ショートメッセージ、tripla Bot上での表示、プランレコメンド機能、DSP広告(注2)との連携等を予定しており、現在、開発中です。
・tripla Page(仮称)
tripla Pageは、公式ウェブサイトを簡単に作成することができるサービスです。小規模な宿泊施設の中には、公式ウェブサイトを開設していない施設、多額の外注費を掛けて開設している宿泊施設もあります。そのような施設に対し、複数のテンプレートから選択していくだけで、簡単に公式ウェブサイトを作成することができるサービスです。公式ウェブサイトを構築する場合、外注した場合、1施設100万円程度掛かる場合があります。また、更新も外注する場合、都度、費用と時間が発生いたします。小規模な施設であれば、自社内で行うことが困難な場合もあり、簡単かつ安価にウェブサイトを構築・運用したいという課題があり、そのような課題に対応するものです。
・tripla Analytics(仮称)
tripla Analyticsは、当社、及び各宿泊施設が持つデータを活用したBIツール(注3)です。宿泊施設の中には、ユーザー(宿泊客)の分析、レベニューマネジメント(注4)を積極的に行っていない施設もあります。tripla Analyticsにより、tripla BookやOTA等のユーザー(宿泊客)のデータが、ダッシュボード(図やグラフ等の簡単な作成が可能)、レポート等により可視化され、分析が容易に行えるようになることを予定しております。当該分析に基づき、その時々に応じた最適な宿泊代金を設定し、各宿泊施設の収益の最大化を図るレベニューマネジメントが可能です。また、顧客である宿泊施設のレベニューマネジメントにより自社予約の収益を増加させることにより、当社のtripla Bookの収益も増加いたします。
・tripla Channel(仮称)
tripla Channelは、チャネルマネージャー(注5)です。日本の宿泊市場においては、チャネルマネージャーの大手が複数社存在し、宿泊施設は、自社の有するPMS(注6)とOTA、各予約システム等を連携する場合、チャネルマネージャーを通して連携するため、比較的容易に、かつ早期に連携を行うことができます。一方、海外においては、チャネルマネージャーと連携していない施設も散見されます。その場合、宿泊施設のPMSと予約システム等を直接連携する必要があり、専門的な技術、工数が必要となることから、tripla Book導入のハードルとなるリスクがあります。当該リスクを排除するとともに、チャネルマネージャーとしての収益機会を掴むものとなります。
上記のとおり、既存サービス・プロダクトの機能向上のための開発、新サービス・プロダクトの開発のどちらも重要であり、双方をスピード感を持って行うためには、優秀なエンジニア、プロダクトマネージャーの確保が対処すべき課題となります。当該課題への対処のため、人材の獲得・維持に努めて参りたいと考えております。
2 内部管理体制の強化
当社が安定してサービスを提供し、継続的に成長し続けるためには、コンプライアンスを重視した内部管理体制の強化や、コーポレート・ガバナンスの充実に向けた取り組みが重要だと考えております。今後も事業規模の拡大に合わせ、管理部門の一層の強化による体制強化を図り、企業価値の最大化に努めてまいります。
3 顧客基盤の拡大
当社は、事業成長のためには、契約施設数の増加が必要であると認識しております。顧客基盤の拡大を行うためには、プロダクトの強化を行うとともに、営業等の人材の確保と在籍する人材の継続的な強化が必要であり、努めて参りたいと考えております。
4 利益及びキャッシュ・フローの創出
有価証券報告書提出日現在、当社の営業収益の大部分は、tripla Book、tripla Botによって構成されております。tripla Connect、tripla Payについては、2022年10月期より販売開始したプロダクトであり、今後の拡販とともに収益貢献を進めて参ります。tripla Book、tripla Botの収益構造としては、ユーザーの利用の多寡にかかわらず発生する定額の基本料金とユーザーの利用の多寡(tripla Bookの取扱高/GMV、tripla Botのリクエスト数等)によって発生する従量料金の段階的な収益構造となっております。基本料金については、契約施設数を増加させることにより、毎月の収益が積み上がる構造であり、従量料金については、契約施設数の拡大とユーザーの利用の双方を促進することで当該収益が増加いたします。当社においては、プロダクト開発やユーザーの獲得に関する投資を先行して行い、事業拡大を行ったことから、2020年10月期、2021年10月期は営業損失を計上しております。
当社では、事業の拡大に伴い、契約施設数が順調に積み上がり、ユーザーの利用を促進することで、先行投資として計上される開発費用やユーザーの獲得費用を含む営業費用が営業収益に占める割合は低下傾向にあり、営業損失は減少し、2022年10月期第3四半期では黒字となりました。今後も、利益及びキャッシュ・フローの改善に努めてまいります。
5 財務上の課題
当社は2022年10月期は黒字の予定であるものの、2021年10月期までは営業赤字が継続しておりました。また、tripla Bookによる宿泊予約についてのユーザーからの預り金の増加を除くと、営業活動によるキャッシュ・フローの赤字が継続しておりました。今後、計画している十分な営業収益が獲得できない場合には営業赤字、営業活動によるキャッシュ・フローの赤字となる可能性があります。そのような場合に備え、常に一定水準の手元流動性を確保し、信用獲得に努めてまいります。手元流動性確保のため、金融機関との良好な取引関係の継続や内部留保の確保を継続的に行い、財務基盤の更なる強化を図ってまいります。また、2023年10月期において、新規株式公開に伴う資金調達を実施する予定であり、財務基盤の拡充を図ってまいります。
(注) 1.月次解約率:契約施設における直近12ケ月の月次平均解約率です。
2.DSP:Demand Side Platformの略称です。デジタル広告について、広告枠の買い付けや配信、分析等を一元的に管理し、広告効果の最適化を図るプラットフォームです。
3.BIツール:Business Inteligenceツールの略称。組織が持つ様々なデータを分析・見える化して、経営や業務に役立てるソフトウェアのことです。
4.レベニューマネジメント:需要と供給に応じて価格を変動させ、収益を最大化させるための販売管理を行うことです。
5.チャネルマネージャー:OTAや予約システム等の複数の宿泊予約情報とPMSを連携することで、在庫、プラン、価格等をまとめて管理するシステムのことを言います。
6.PMS:Property Management Systemの略称です。宿泊施設が、部屋在庫、予約情報、請求情報等の情報を管理し、売上情報を連携する基幹システムのことを言います。