有価証券報告書-第9期(2024/03/01-2025/02/28)

【提出】
2025/05/29 14:37
【資料】
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【項目】
108項目
②戦略
(社会の持続的な発展に貢献するための取組み)
当社は、ミッションである「主食をイノベーションし、健康をあたりまえに。」を達成するため、「かんたん・おいしい・からだにいい」全てを叶える主食を開発・販売しており、当社の事業自体が持続可能な社会実現のための解決策になり得ると考えておりますが、特に以下の課題領域において当社が貢献し得るインパクトが大きいと推察しております。
1.温室効果ガス削減量への貢献
食産業が、温室効果ガス削減に貢献し得るインパクトは非常に大きく、具体的には「食料廃棄の削減」及び「植物性中心の食生活」はCO2削減量が大きい解決策のTOP5とされております(注1)。当社の商品は通常生産工程で廃棄されることの多い小麦ふすまや米糠、そして植物性タンパク質を豊富に含んだ豆類等を主原料としており、当社独自のノウハウやテクノロジーによって、素材の食感や風味を改善し、おいしく食べられるような技術を開発してまいりました。当社商品が普及することで、本来廃棄される原材料の再活用や、主食でタンパク質を補えることにより温室効果ガスを排出する動物性タンパク質の摂取量削減等に貢献し得ると考えております。
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2.健康格差の解消
現在はまだ限られた人口及び地域にしか完全栄養の主食を提供できておりませんが、更なるR&Dの推進により、より多くの“栄養バランスのよくない世帯・地域”への提供を可能とすることで、地域や社会経済状況の違いより生じる健康格差の是正に貢献し得ると考えております。
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3.災害食としての機能
当社のBASE BREADは、水やガスを必要としない即食性、栄養バランスのよさ、日持ちを兼ね備えた主食であり、避難生活における手軽な栄養摂取を可能にすると考えております。実際に、緊急災害対応アライアンス「SEMA(https://sema.yahoo.co.jp/)」に加盟しており、2024年1月に発生した「令和6年能登半島地震」 や同年9月の「令和6年能登半島大雨災害」 において、被災地の状況に応じた支援(当社製品の供給)を行いました。「かんたん・おいしい・からだにいい」を追求することで、災害時にも貢献することを目指しております。
4.イノベーション創出と食料安全保障への貢献(SBIR採択)
当社は、2024年10月に農林水産省「中小企業イノベーション創出推進事業(SBIR)」の第2回公募において、「穀物の新規需要を創出する製造技術の実証」をテーマとする補助事業として採択されました。本事業では、最大18.7億円の補助金交付を受け、2028年3月までの期間で、微生物工学や分子工学、デジタル技術等を活用し、玄米粉を高配合した栄養バランスの良いパンの基礎技術開発および応用技術開発に取り組み、風味食感および製造効率の更なる改良を目指しております。この研究開発を通じて、日本で生産された玄米等の栄養価の高い食材の活用を促進し、日本の食料安全保障にも貢献していくことを目指しております。
5.スポーツ・文化活動を通じた健康増進支援(BASE UP PROJECT)
2024年4月より、「栄養」「健康」という側面から、スポーツ、音楽、芸術、カルチャーなどのシーンで活躍する人たちや夢を追う人々を応援し、サステナブルな社会の実現に貢献することを目指す「BASE UP PROJECT」を開始しました。その第一弾として、「BASE UP SPORTS PROJECT」を展開しています。本プロジェクトでは、各種スポーツシーンやボディメイクにおいて、スマートフード完全栄養食「BASE FOOD」を日常的に取り入れていただくことで、健康的なカラダづくりやスポーツパフォーマンス向上の“ベースアップ”をサポートすることを目的としています。これまで数多くの選手やチーム・団体(2024年12月時点で29選手、26団体・チーム)とサプライヤー契約・プログラムを通じて連携し、「栄養とスポーツパフォーマンス」に関する啓蒙活動なども含め、幅広く活動を展開しています。また、2024年9月からは「BASE UP CULTURE PROJECT」としてアート・芸能・ファッションシーンで活躍するクリエイターやデザイナー、アーティストを支援する活動を開始しており、さらに2025年からは「BASE UP MUSIC PROJECT」として歌手、アイドル、演奏家、作曲家など、各種音楽シーンで活躍する人たちへのサポートも開始していきます。
6.食の安全・安心の確保
製品設計から流通に至る全てのプロセスにおいて、品質管理体制の強化に取り組んでおります。こうした取り組みをお客様に分かりやすく伝えるため、品質保証方針や食品安全衛生管理体制、各工程における品質管理の方針などをまとめた情報ページを当社ホームページ(https://basefood.co.jp/safety)に公開し、透明性の向上と信頼関係の構築に努めています。
注1.表はポール・ホーケン・編著「ドローダウン 地球温暖化を逆転する100の方法」より抜粋。CO2(二酸化炭素)という用語は、二酸化炭素だけでなく、地球温暖化係数(GWP)に基づいて二酸化炭素に換算した温室効果ガス全般を指す(メタン、亜酸化窒素、CFC-12、HCFC-22、その他影響の小さいガス)。
2.国際連合食糧農業機関(FAO).FAOSTAT:Suite of Food Security Indicators.
最終更新日:2023/08/23. https://www.fao.org/faostat/en/#data/FS
サステナビリティ関連のリスク及び機会に関する実績を長期的に評価、管理及び監視するために用いられる情報としての戦略、指標及び目標を現時点で具体的に定めておりませんが、今後の事業を進める中でその精緻化を図ってまいります。