有価証券報告書-第16期(2025/01/01-2025/12/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年1月1日~2025年12月31日)におけるわが国経済は、米国の関税政策の影響が日本の基幹産業である自動車産業を含む輸出産業全般に悪影響を与え、それが様々な産業の投資行動や、個人の消費行動に波及しました。一方、国内個人消費に占める比率が上昇している訪日外国人の動向は、中国団体客の減少があったものの全体としては過去最大の訪日人数となり、宿泊、飲食、娯楽サービスなどのインバウンド関連施設の集客は好調で、サービス業や日用品を扱う商業施設は堅調でした。
このような経済状況の下、当社グループの事業セグメントの一つであるMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業における工具、消耗品、修繕部品、文具等の間接材の市場では、上半期は前年度からの好調を継続し順調に売上が拡大しました。しかしながら、第4四半期には当社の重要顧客であり、かつ重要なサプライヤー(商品供給業者)であるアスクルへのランサムウェア攻撃の影響で、同四半期の売上が前年割れとなった結果、通期の売上も伸び悩む結果となりました。一方、セグメント利益については、当社の電子カタログに新しく導入したMRO購入選択品の自動置き換え推奨機能により粗利率が改善し、粗利額が増加した結果、年間を通じて大きく拡大しました。
もう一つの事業セグメントであるFM(Facility Management)事業における国内商業施設向けサービス市場では、インバウンド需要等により顧客の集客や業績は好調だったものの、需要の強さから店舗や施設の営業を止める必要がある改装工事を後ろ倒しにする傾向が生じ、第3四半期までの売上は前年割れが続きました。第4四半期には後ろ倒しとなっていた改装工事が集中的に実施され、店舗改装用資材の売上が急拡大しましたが、通期ではFM事業の売上は前年並みにとどまりました。セグメント利益については、店舗改装用資材販売に関する第3四半期までの商品・配送手配等の人員の稼働損や、第4四半期の想定以上の出荷集中による緊急調達・配送等に関する売上原価の増加により、第4四半期および通期を通じ、前年同期比で大幅な減益となりました。
販売費および一般管理費(販管費)については、IT投資・経費の増やMRO事業の売上増に伴う物流関係費の増があったことに加え、人材派遣費用を含む人件費の増により大きく増加しました。
以上のような環境の下、当社グループの業況は増収増益を継続し、売上高は58,922百万円(前期比5.3%増)、売上総利益(粗利額)は6,105百万円(前期比10.5%増)、販売費及び一般管理費は4,636百万円(前期比8.3%増)、営業利益は1,468百万円(前期比18.2%増)となりました。経常利益は、為替差損の減少や受取利息の増加により、営業利益を上回る1,483百万円(前期比20.8%増)となり、営業利益および経常利益は11期連続の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策減税適用額の減少等により、若干、税負担率が上昇し、1,031百万円(前期比19.1%増)となりました。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
間接材購買のためのシステム提供と物品販売を行うMRO事業において、米国関税政策の重要なターゲットとなってきた自動車産業向けを含め、主力の大企業向け販売については、前年度からの好調が上半期は継続しました。ただし、第4四半期には、アスクルへのランサムウェア攻撃の影響により、アスクル経由の中小事業所向けの販売が10月19日から11月中旬まで停止し、再開も緩やかなペースにとどまった上、アスクル物流センターから当社顧客への出荷再開は2026年1月中旬までずれこんだため、大企業顧客向けの売上も低調でした。これらの特殊要因により、第4四半期のMRO事業の売上は前年割れとなり、通期においてもMRO事業の売上高は44,321百万円(前期比7.5%増)と一桁の成長率にとどまりました。一方、当社が「無限カタログ」と命名した電子カタログにおいて、2024年度末に新規に導入したMRO購入選択品の自動置き換え推奨機能の活用が進み、同機能の効果による顧客の購入単価減による売上伸長率の下押しが見られたものの、顧客の購買行動の売れ筋商品への集中による当社粗利率の改善により、粗利額が大きく拡大しました。その結果、セグメント利益は1,186百万円(前期比54.2%増)と大幅に増加しました。
商業施設向けにサービスの提供を行うFM事業においては、インバウンド需要の増加や顧客のプロモーション施策の効果により当社グループの顧客の集客と業績は好調であったため、その好調な需要を背景に、第3四半期までは店舗や施設の営業休止を伴う改装工事の実施先送りや規模縮小の傾向がありました。顧客のチェーン店本部では年間改装計画の遅れを取り戻すべく、第4四半期において一気に改装件数を増やし、当社グループの売上も同四半期には急回復したものの、結局、通期の売上は前年比ほぼ横ばいにとどまりました。一方、利益面では、第4四半期において急増した材工分離型の店舗改装用資材の需要急増に追随しきれず、必要な商品の緊急輸入や工事日程にあわせたチャーター便配送等の費用急増があり、売上増を利益増につなげることができず、第4四半期および年間のセグメント利益は前年同期比で大幅減となりました。
これらの結果、FM事業の売上高は14,578百万円(前期比0.6%減)と前年比ほぼ横ばいでしたが、セグメント利益は203百万円(前期比47.7%減)と大幅に減少する結果となりました。
<その他>セグメント区分の「その他」の売上は、当社の子会社であるATC株式会社のソフトウエア事業の外販売上(連結内部控除される「当社向けのITサービス事業売上」を除く売上)が計上されていますが、当社向けITサービスへの集中に伴い、当連結会計年度の売上は21百万円(前期比66.6%減)にとどまりました。一方、「その他」の営業利益には、ATC株式会社の当社向けサービス事業の利益等が含まれるため、セグメント利益は78百万円(前期比6.4%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は17,144百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,218百万円増加いたしました。売掛金及び契約資産が1,124百万円、棚卸資産が368百万円増加し、現金及び預金が391百万円減少したことが主な要因です。固定資産は2,709百万円となり、前連結会計年度末に比べ254百万円増加しました。無形固定資産が234百万円、投資その他の資産が43百万円増加し、有形固定資産が24百万円減少したことが主な要因です。これらの結果、総資産は、19,854百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,473百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は13,039百万円となり、前連結会計年度末に比べ764百万円増加しました。これは1年内返済予定の長期借入金が16百万円、未払消費税等が35百万円減少しましたが、買掛金が664百万円、未払法人税等が119百万円増加したことなどによるものです。固定負債は72百万円となり、前連結会計年度末に比べ37百万円増加しました。これは主に役員株式給付引当金が43百万円増加したことによるものです。これらの結果、負債合計は、13,111百万円となり、前連結会計年度末に比べ802百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は6,742百万円となり、前連結会計年度末に比べ671百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益1,031百万円の計上、新株予約権行使に伴う株式発行127百万円による増加、剰余金の配当261百万円、役員株式給付信託開始のための自己株式取得225百万円による減少が主な要因です。これらの結果、自己資本比率は34.0%(前連結会計年度末は33.0%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,360百万円となり、前連結会計年度末に比べ398百万円減少いたしました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、903百万円の収入超過となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益1,483百万円、仕入債務の増加664百万円、減価償却費686百万円の収入要因があった一方、売上債権の増加1,249百万円、棚卸資産の増加368百万円、法人税等の支払額396百万円の支出要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、923百万円の支出超過となりました。その主な要因は、当社グループの内製ソフトウエア開発増加に伴う無形固定資産の取得による支出884百万円、差入保証金の増加43百万円の支出要因があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、380百万円の支出超過となりました。その主な要因は、株式の発行による収入127百万円の収入要因があった一方、配当金の支払額261百万円、株式給付信託開始に伴う自己株式取得による支出225百万円の支出要因があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。
b 受注実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
(注)1.その他セグメントはITシステム開発運用部門であり、MRO事業、FM事業とセグメント間の取引がありますが、全額内部消去されるため、ITシステムの外販事業のみの金額を表示しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 「経営成績等」及び「財政状態」並びに「セグメントごとの経営成績の状況」に関する分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、58,922百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、売上の増加に伴い52,817百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
この結果、売上総利益は、6,105百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、4,636百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
主な要因は、物流費の増加、ソフトウエア減価償却費の増加、役員株式給付信託制度の導入に伴う費用増です。
この結果、営業利益は、1,468百万円(前年同期比18.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益は17百万円(前年同期比157.6%増)、営業外費用は2百万円(前年同期比87.4%減)発生しました。
この結果、経常利益は、1,483百万円(前年同期比20.8%増)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、税金等調整前当期純利益は、1,483百万円(前年同期比20.8%増)となり、税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を452百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,031百万円(前年同期比19.1%増)となりました。
なお、財政状態の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、休前日を除く通常月においては、近年、売掛金と買掛・未払金の残高が、ほぼ拮抗していることから、運転資金需要のうち主なものは、人件費や賃借料といった営業固定費と業務委託費からなるITシステムに係る保守運用費用であり、費目としては販売費及び一般管理費となります。一方、投資を目的とした資金需要は、事業基盤を形成するITシステム、ソフトウエアへの投資であり、費目としては無形固定資産の取得となります。運転資金は、主として自己資金で調達することとしておりますが、投資については、一部は銀行等からの長期借入金により賄っております。
前連結会計年度末における有利子負債残高は23百万円で、全額が長期借入金ですが、返済により当連結会計年度末の有利子負債残高は3百万円となりました。当連結会計年度末における現金及び預金の残高は5,367百万円と余裕がありますが、今後も資金残高及び各キャッシュ・フローの状況を常時もモニタリングし、資本の財源及び資金の流動性の確保に努めてまいります。
③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、当社グループのサービスの普及状況を示す連結売上高及び、付加価値提供の成果を示す連結営業利益額を重視しております。
連結売上高に関しては、MRO事業は、上半期は前年度からの好調を継続し順調に売上が拡大しましたが、第4四半期には当社の重要顧客であり、かつ重要なサプライヤーであるアスクルへのランサムウェア攻撃の影響で、同四半期の売上が前年割れとなった結果、通期の売上も伸び悩む結果となりました。またFM事業は、インバウンド需要等により顧客の集客や業績は好調だったものの、需要の強さから店舗や施設の営業を止める必要がある改装工事を後ろ倒しにする傾向が生じ、第3四半期までの売上は前年割れが続きました。第4四半期には後ろ倒しとなっていた改装工事が集中的に実施され、店舗改装用資材の売上が急拡大しましたが、通期ではFM事業の売上は前年並みにとどまりました。全体として前年比105.3%となりました。
また、連結営業利益額に関しては、MRO事業は当社の電子カタログに新しく導入したMRO購入選択品の自動置き換え推奨機能により粗利率が改善し、粗利額が増加した結果、年間を通じて大きく拡大しました。一方、FM事業は店舗改装用資材販売に関する第3四半期までの商品・配送手配等の人員の稼働損や、第4四半期の想定以上の出荷集中による緊急調達・配送等に関する売上原価の増加により、第4四半期および通期を通じ、前年同期比で大幅な減益となりました。全体として前年比118.2%となりました。当社グループでは、人件費やIT関係費等の営業固定費の増加率以上の伸長率で、連結売上高を伸長させることにより、連結営業利益額を増加させることができると考えており、その達成状況を判断するために連結営業利益額を経営指標としています。
連結売上高と連結営業利益の推移及び前年比伸長率
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社及び連結子会社は、グループ通算制度を採用しております。繰延税金資産の回収可能性は、グループ通算制度の適用対象会社の事業計画に基づく課税所得を基準として見積っております。繰延税金資産の計上にあたっては、その回収可能性について、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金の解消スケジュール及び将来課税所得の見積り等に基づき判断しております。また、将来課税所得の見積りは将来の事業計画を基礎として、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。
課税所得の見積りの基礎となる翌期以降の事業計画における主要な仮定は、事業セグメントごとかつ得意先別に集計した売上高と売上総利益率の予測であります。
売上高の予測は、過去の売上実績や新規顧客との商談状況、顧客の出店・改装計画などを基とし算出しております。また、売上総利益率の予測は、売上高の予測と過去の仕入実績などに基づいて売上原価を予測し算出しております。
なお、課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度において認識する繰延税金資産の金額に重要な変動を与えるリスクがあります。
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当連結会計年度(2025年1月1日~2025年12月31日)におけるわが国経済は、米国の関税政策の影響が日本の基幹産業である自動車産業を含む輸出産業全般に悪影響を与え、それが様々な産業の投資行動や、個人の消費行動に波及しました。一方、国内個人消費に占める比率が上昇している訪日外国人の動向は、中国団体客の減少があったものの全体としては過去最大の訪日人数となり、宿泊、飲食、娯楽サービスなどのインバウンド関連施設の集客は好調で、サービス業や日用品を扱う商業施設は堅調でした。
このような経済状況の下、当社グループの事業セグメントの一つであるMRO(Maintenance, Repair & Operations)事業における工具、消耗品、修繕部品、文具等の間接材の市場では、上半期は前年度からの好調を継続し順調に売上が拡大しました。しかしながら、第4四半期には当社の重要顧客であり、かつ重要なサプライヤー(商品供給業者)であるアスクルへのランサムウェア攻撃の影響で、同四半期の売上が前年割れとなった結果、通期の売上も伸び悩む結果となりました。一方、セグメント利益については、当社の電子カタログに新しく導入したMRO購入選択品の自動置き換え推奨機能により粗利率が改善し、粗利額が増加した結果、年間を通じて大きく拡大しました。
もう一つの事業セグメントであるFM(Facility Management)事業における国内商業施設向けサービス市場では、インバウンド需要等により顧客の集客や業績は好調だったものの、需要の強さから店舗や施設の営業を止める必要がある改装工事を後ろ倒しにする傾向が生じ、第3四半期までの売上は前年割れが続きました。第4四半期には後ろ倒しとなっていた改装工事が集中的に実施され、店舗改装用資材の売上が急拡大しましたが、通期ではFM事業の売上は前年並みにとどまりました。セグメント利益については、店舗改装用資材販売に関する第3四半期までの商品・配送手配等の人員の稼働損や、第4四半期の想定以上の出荷集中による緊急調達・配送等に関する売上原価の増加により、第4四半期および通期を通じ、前年同期比で大幅な減益となりました。
販売費および一般管理費(販管費)については、IT投資・経費の増やMRO事業の売上増に伴う物流関係費の増があったことに加え、人材派遣費用を含む人件費の増により大きく増加しました。
以上のような環境の下、当社グループの業況は増収増益を継続し、売上高は58,922百万円(前期比5.3%増)、売上総利益(粗利額)は6,105百万円(前期比10.5%増)、販売費及び一般管理費は4,636百万円(前期比8.3%増)、営業利益は1,468百万円(前期比18.2%増)となりました。経常利益は、為替差損の減少や受取利息の増加により、営業利益を上回る1,483百万円(前期比20.8%増)となり、営業利益および経常利益は11期連続の増益となりました。親会社株主に帰属する当期純利益は、政策減税適用額の減少等により、若干、税負担率が上昇し、1,031百万円(前期比19.1%増)となりました。
各セグメントの業績は、次のとおりであります。
これらの結果、FM事業の売上高は14,578百万円(前期比0.6%減)と前年比ほぼ横ばいでしたが、セグメント利益は203百万円(前期比47.7%減)と大幅に減少する結果となりました。
<その他>セグメント区分の「その他」の売上は、当社の子会社であるATC株式会社のソフトウエア事業の外販売上(連結内部控除される「当社向けのITサービス事業売上」を除く売上)が計上されていますが、当社向けITサービスへの集中に伴い、当連結会計年度の売上は21百万円(前期比66.6%減)にとどまりました。一方、「その他」の営業利益には、ATC株式会社の当社向けサービス事業の利益等が含まれるため、セグメント利益は78百万円(前期比6.4%減)となりました。
② 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産は17,144百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,218百万円増加いたしました。売掛金及び契約資産が1,124百万円、棚卸資産が368百万円増加し、現金及び預金が391百万円減少したことが主な要因です。固定資産は2,709百万円となり、前連結会計年度末に比べ254百万円増加しました。無形固定資産が234百万円、投資その他の資産が43百万円増加し、有形固定資産が24百万円減少したことが主な要因です。これらの結果、総資産は、19,854百万円となり、前連結会計年度末に比べ1,473百万円増加しました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債は13,039百万円となり、前連結会計年度末に比べ764百万円増加しました。これは1年内返済予定の長期借入金が16百万円、未払消費税等が35百万円減少しましたが、買掛金が664百万円、未払法人税等が119百万円増加したことなどによるものです。固定負債は72百万円となり、前連結会計年度末に比べ37百万円増加しました。これは主に役員株式給付引当金が43百万円増加したことによるものです。これらの結果、負債合計は、13,111百万円となり、前連結会計年度末に比べ802百万円増加しました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は6,742百万円となり、前連結会計年度末に比べ671百万円増加しました。親会社株主に帰属する当期純利益1,031百万円の計上、新株予約権行使に伴う株式発行127百万円による増加、剰余金の配当261百万円、役員株式給付信託開始のための自己株式取得225百万円による減少が主な要因です。これらの結果、自己資本比率は34.0%(前連結会計年度末は33.0%)となりました。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物は5,360百万円となり、前連結会計年度末に比べ398百万円減少いたしました。なお、当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動によるキャッシュ・フローは、903百万円の収入超過となりました。その主な要因は、税金等調整前当期純利益1,483百万円、仕入債務の増加664百万円、減価償却費686百万円の収入要因があった一方、売上債権の増加1,249百万円、棚卸資産の増加368百万円、法人税等の支払額396百万円の支出要因があったこと等によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動によるキャッシュ・フローは、923百万円の支出超過となりました。その主な要因は、当社グループの内製ソフトウエア開発増加に伴う無形固定資産の取得による支出884百万円、差入保証金の増加43百万円の支出要因があったこと等によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動によるキャッシュ・フローは、380百万円の支出超過となりました。その主な要因は、株式の発行による収入127百万円の収入要因があった一方、配当金の支払額261百万円、株式給付信託開始に伴う自己株式取得による支出225百万円の支出要因があったこと等によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a 生産実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。
b 受注実績
当社グループの事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、記載をしておりません。
c 販売実績
当連結会計年度の販売実績をセグメントごとに示すと、次のとおりであります。
| セグメントの名称 | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | |
| 販売高(百万円) | 前年同期比(%) | |
| MRO事業 | 44,321 | 7.5 |
| FM事業 | 14,578 | △0.6 |
| 報告セグメント計 | 58,900 | 5.4 |
| その他 | 21 | △66.6 |
| 合計 | 58,922 | 5.3 |
(注)1.その他セグメントはITシステム開発運用部門であり、MRO事業、FM事業とセグメント間の取引がありますが、全額内部消去されるため、ITシステムの外販事業のみの金額を表示しております。
2.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前連結会計年度 (自 2024年1月1日 至 2024年12月31日) | 当連結会計年度 (自 2025年1月1日 至 2025年12月31日) | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| アスクル株式会社 | 6,841 | 12.2 | 6,403 | 10.9 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりでありま
す。なお、文中の将来に関する事項は、提出日現在において判断したものであります。
① 財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 「経営成績等」及び「財政状態」並びに「セグメントごとの経営成績の状況」に関する分析・検討内容
(売上高)
当連結会計年度の売上高は、58,922百万円(前年同期比5.3%増)となりました。
売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要① 経営成績の状況」に記載のとおりであります。
(売上原価、売上総利益)
当連結会計年度の売上原価は、売上の増加に伴い52,817百万円(前年同期比4.7%増)となりました。
この結果、売上総利益は、6,105百万円(前年同期比10.5%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当連結会計年度の販売費及び一般管理費は、4,636百万円(前年同期比8.3%増)となりました。
主な要因は、物流費の増加、ソフトウエア減価償却費の増加、役員株式給付信託制度の導入に伴う費用増です。
この結果、営業利益は、1,468百万円(前年同期比18.2%増)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
当連結会計年度において、営業外収益は17百万円(前年同期比157.6%増)、営業外費用は2百万円(前年同期比87.4%減)発生しました。
この結果、経常利益は、1,483百万円(前年同期比20.8%増)となりました。
(法人税等、親会社株主に帰属する当期純利益)
上記の結果、税金等調整前当期純利益は、1,483百万円(前年同期比20.8%増)となり、税金費用(法人税、住民税及び事業税並びに法人税等調整額)を452百万円計上した結果、親会社株主に帰属する当期純利益は、1,031百万円(前年同期比19.1%増)となりました。
なお、財政状態の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ②財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績に重要な影響を与える要因
経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。
② キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
b 資本の財源及び資金の流動性
当社グループでは、休前日を除く通常月においては、近年、売掛金と買掛・未払金の残高が、ほぼ拮抗していることから、運転資金需要のうち主なものは、人件費や賃借料といった営業固定費と業務委託費からなるITシステムに係る保守運用費用であり、費目としては販売費及び一般管理費となります。一方、投資を目的とした資金需要は、事業基盤を形成するITシステム、ソフトウエアへの投資であり、費目としては無形固定資産の取得となります。運転資金は、主として自己資金で調達することとしておりますが、投資については、一部は銀行等からの長期借入金により賄っております。
前連結会計年度末における有利子負債残高は23百万円で、全額が長期借入金ですが、返済により当連結会計年度末の有利子負債残高は3百万円となりました。当連結会計年度末における現金及び預金の残高は5,367百万円と余裕がありますが、今後も資金残高及び各キャッシュ・フローの状況を常時もモニタリングし、資本の財源及び資金の流動性の確保に努めてまいります。
③ 経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
経営方針・経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等」に記載の通り、当社グループのサービスの普及状況を示す連結売上高及び、付加価値提供の成果を示す連結営業利益額を重視しております。
連結売上高に関しては、MRO事業は、上半期は前年度からの好調を継続し順調に売上が拡大しましたが、第4四半期には当社の重要顧客であり、かつ重要なサプライヤーであるアスクルへのランサムウェア攻撃の影響で、同四半期の売上が前年割れとなった結果、通期の売上も伸び悩む結果となりました。またFM事業は、インバウンド需要等により顧客の集客や業績は好調だったものの、需要の強さから店舗や施設の営業を止める必要がある改装工事を後ろ倒しにする傾向が生じ、第3四半期までの売上は前年割れが続きました。第4四半期には後ろ倒しとなっていた改装工事が集中的に実施され、店舗改装用資材の売上が急拡大しましたが、通期ではFM事業の売上は前年並みにとどまりました。全体として前年比105.3%となりました。
また、連結営業利益額に関しては、MRO事業は当社の電子カタログに新しく導入したMRO購入選択品の自動置き換え推奨機能により粗利率が改善し、粗利額が増加した結果、年間を通じて大きく拡大しました。一方、FM事業は店舗改装用資材販売に関する第3四半期までの商品・配送手配等の人員の稼働損や、第4四半期の想定以上の出荷集中による緊急調達・配送等に関する売上原価の増加により、第4四半期および通期を通じ、前年同期比で大幅な減益となりました。全体として前年比118.2%となりました。当社グループでは、人件費やIT関係費等の営業固定費の増加率以上の伸長率で、連結売上高を伸長させることにより、連結営業利益額を増加させることができると考えており、その達成状況を判断するために連結営業利益額を経営指標としています。
連結売上高と連結営業利益の推移及び前年比伸長率
| 2023年12月期 通期 | 2024年12月期通期 | 2025年12月期通期 | |
| 連結売上高(百万円) | 51,951 | 55,952 | 58,922 |
| 前年比(%) | 117.1 | 107.7 | 105.3 |
| 連結営業利益(百万円) | 1,188 | 1,242 | 1,468 |
| 前年比(%) | 114.0 | 104.6 | 118.2 |
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されております。この連結財務諸表の作成にあたり、資産及び負債又は損益の状況に影響を与える会計上の見積りは、過去の実績等連結財務諸表作成時に入手可能な情報に基づき合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。会計上の見積りおよび当該見積りに用いた仮定につきましては、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 重要な会計上の見積り」に記載しておりますが、重要なものは以下のとおりであります。
(繰延税金資産の回収可能性)
当社及び連結子会社は、グループ通算制度を採用しております。繰延税金資産の回収可能性は、グループ通算制度の適用対象会社の事業計画に基づく課税所得を基準として見積っております。繰延税金資産の計上にあたっては、その回収可能性について、将来減算一時差異、税務上の繰越欠損金の解消スケジュール及び将来課税所得の見積り等に基づき判断しております。また、将来課税所得の見積りは将来の事業計画を基礎として、将来獲得しうる課税所得の時期及び金額を合理的に見積り、金額を算定しております。
課税所得の見積りの基礎となる翌期以降の事業計画における主要な仮定は、事業セグメントごとかつ得意先別に集計した売上高と売上総利益率の予測であります。
売上高の予測は、過去の売上実績や新規顧客との商談状況、顧客の出店・改装計画などを基とし算出しております。また、売上総利益率の予測は、売上高の予測と過去の仕入実績などに基づいて売上原価を予測し算出しております。
なお、課税所得が生じる時期及び金額は、将来の不確実な経済条件の変動によって影響を受ける可能性があり、実際に生じた時期及び金額が見積りと異なった場合、翌連結会計年度において認識する繰延税金資産の金額に重要な変動を与えるリスクがあります。