半期報告書-第28期(2026/01/01-2026/12/31)
文中の将来に関する事項は、当中間連結会計期間の末日現在において当社が判断したものであります。
なお、2025年1月31日(みなし取得日 2025年3月31日)に行われた株式会社テクノスピーチとの企業結合について前中間連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前連結会計年度末に確定したため、前中間連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間の我が国経済は、賃上げや雇用環境の改善を背景に、緩やかな回復が続きました。一方で、物価上昇や為替変動の影響により、個人消費には慎重な動きもみられました。また、金利上昇、米国の通商政策、中国経済の停滞、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学リスクもあり、先行きは引き続き不透明な状況となっております。
このような環境下において、当社は「モバイル」「ソリューション」「AI歌声合成」の3つを事業セグメントとして、当社の強みである高度な技術力、スピーディな意思決定、AIを活用した業務効率の向上を軸に事業を推進いたしました。当社は、世界的なユーザー基盤を持つ自社プロダクト事業と、国内で安定した需要を持つソリューション事業、そしてAI技術を活かした新規領域の拡大を組み合わせることで、持続的な成長を目指しております。
「モバイルセグメント」では、モバイルペイントアプリ「ibisPaint」シリーズの開発・運営を進めました。同アプリは世界200以上の国と地域で利用され、MAUは4000万人、累計ダウンロード数は5.5億件を超えております。ユーザーの約9割が海外で、25歳未満の若年層が中心であることから、当社はAIを活用した描画支援機能や、使いやすさを高めるUI改善に継続して取り組みました。また、サブスクリプション課金への誘導、PC版を含むマルチデバイス展開、プロユーザー向け機能の拡充により、収益基盤の強化を進めました。
「ソリューションセグメント」では、国内企業向けにインターネット端末向けWebアプリケーションの開発やクラウド構築支援を行い、企業のDX需要の高まりに対応いたしました。当社は優秀なITエンジニアの採用・育成を継続し、AI駆動開発技術を活用した開発効率化にも取り組んでおります。また、2025年11月に完全子会社化した株式会社ゼロイチスタートについて、2026年4月1日付で当社が吸収合併し、国内市場における開発体制の強化と事業基盤の拡大を進めました。これにより、安定的かつ高再現性のある次世代のSIモデルの構築を目指しております。
「AI歌声合成セグメント」では、名古屋工業大学発ベンチャーである株式会社テクノスピーチの世界最先端の技術を活かし、AI歌声合成アプリ「VoiSona(ボイソナ)」を中心に事業を展開いたしました。国内外の著名アーティストによるボイスライブラリの拡充、モバイル領域への展開、アプリ課金型の収益モデル構築等、AI技術を活かした新しい音楽制作体験の提供に取り組みました。クリエイター層の拡大が続く中で、次世代の創作活動を支える基盤づくりを進めております。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高3,008,875千円(前年同期比26.5%増)、営業利益636,960千円(同11.1%増)、経常利益653,174千円(同14.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益456,491千円(同19.6%増)となり、売上高は20%を超える成長を継続し、各利益項目についても二桁増益となりました。なお、株式会社テクノスピーチは前中間連結会計期間の第2四半期より、株式会社ゼロイチスタートは当第1四半期連結累計期間より、それぞれ損益の連結を開始し、これらも寄与した結果、増収増益となりました。
事業セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
<モバイルセグメント>当中間連結会計期間において、主力製品であるモバイルペイントアプリ「ibisPaint」は、世界的な利用拡大が続きました。2025年9月10日に累計5億ダウンロードを突破し、2026年6月末時点では5億5438万ダウンロード(前年同期比14.0%増)に達しました。世界200以上の国と地域で利用され、MAU4000万人という大規模なユーザー基盤が、当社のモバイル事業の成長を支えております。
アプリは継続的な改善を進めており、Ver.13.1.18からVer.14.0.4まで複数のアップデートを実施し、ユーザーの創作活動を後押しする取り組みとして、季節やトレンドに合わせた素材コンテスト(第49回)を開催いたしました。2026年3月31日の大型アップデート「Ver.14.0.0」では、CMYK出力・モノクロ2階調出力等、印刷・出版やプロ制作に近いワークフローを支える機能を追加したほか、ブラシをカテゴリ別に整理して直感的に選べる「ブラシカテゴリ」、作品や用途ごとに複数のカラーパレットを管理できる「カラーパレットのグループ化」等、創作環境を大きく向上させる新機能を多数リリースいたしました。これらの一部はプレミアム会員向けの提供であり、サブスクリプション課金契約数の増加に寄与しております。また、開発におけるコーディングAIの活用を本格化させ、2026年中に導入予定の従量制課金モデル「スマートクレジット」を含めた新機能の開発を大きく前進させたほか、YouTube公式チャンネルでの新機能紹介動画配信をはじめとする宣伝コンテンツの強化を行い、ユーザーの継続利用を促進いたしました。
さらに、従来から実施している契約促進施策のほか、2025年12月下旬に導入した「ibisPaint」サブスクリプション課金契約数の増加を目的とした新しい広告投資モデルも奏功した結果、当中間連結会計期間の同アプリに係るサブスクリプション課金契約の純増数は8万6895件と、前中間連結会計期間における同契約の純増数の7万1736件を大きく上回って推移いたしました。
加えて、当社は創作領域以外にも技術活用を進めており、企業向けAIクラウドサービス「ibisWorks」を展開しております。その中核製品であるAI議事録サービス「ibisScribe」は、2026年2月4日に開催された「AI PRODUCTS NEXT AI TREND 2026」において「議事録作成AI部門」に選出・表彰され、当社の高いAI技術が外部からも評価されました。
以上の結果、モバイルセグメントの売上高は1,661,510千円(前年同期比21.9%増)となりました。売上区分別の国内売上高及び海外売上高は以下のとおりであります。
売上区分別では、以下の傾向が見られました。
・サブスクリプション課金
「ibisPaint」における新しい広告投資モデルや契約促進施策等が奏功し、売上高は874,538千円(前年同期比67.8%増)と大幅に伸長いたしました。国内売上は前年同期比で33.9%増、特に海外売上は81.4%の高い伸びを示しました。これにより、サブスクリプション課金契約数は48万4535人(前年同期比59.5%増)に達し、同課金が収益の主軸へ転換したことが鮮明となりました。
・売切型アプリ
サブスクリプション課金への移行が進んでいるものの、同課金に抵抗がある一定のユーザーのニーズを的確にとらえた結果、売上高は146,720千円(前年同期比13.7%増)となりました。国内売上は前年同期比で減収となった一方、海外売上が堅調に伸びたことで、売切型アプリ全体としては増収となりました。
・アプリ広告
無料ユーザー層の利用は引き続き堅調で、DAU(日次アクティブ・ユーザー)は高い水準を維持いたしました。しかし、広告市況の変動や配信アルゴリズムの調整によりeCPM(広告単価)が下振れし、売上高は616,581千円(前年同期比13.1%減)となりました。海外売上は前年同期比で小幅な減少にとどまったものの、国内売上がより大きく減少したことが影響し、アプリ広告全体としても減収となりました。
なお、2024年12月期からオーガニック成長へ転換して以来、効果的な広告投資を継続した結果、セグメント利益は806,429千円(前年同期比13.1%増)となりました。計画のとおり、当第1四半期連結累計期間から、サブスクリプション課金売上がアプリ広告売上を上回ったことで、収益構造はより安定的な形へと進化しております。
<ソリューションセグメント>当中間連結会計期間において、企業のWebアプリケーション開発を取り巻く環境は、生成AIの急速な普及を背景に大きな転換期を迎えております。そのような中、エンドユーザー企業との直接取引による受託開発案件の獲得を強化するとともに、新たな営業手法の検討に取り組みました。また、AI駆動開発による生産性向上を背景に、より高付加価値な案件への対応力強化を進めました。
受託開発事業では、上流工程や高付加価値案件への対応力の向上に取り組むとともに、ITエンジニアのスキル層に応じた適正配置や開発体制の整備を進めました。その結果、案件単価及び収益性の改善につながりました。また、当社はAIを活用した業務運営の高度化を継続して推進しており、社内勉強会やeラーニング研修を通じて、ITエンジニアのスキルアップと作業効率向上を両立させております。これにより、複数案件を並行して進められる体制が整い、生産性向上に寄与いたしました。さらに、AI駆動開発の活用による開発スピードの更なる向上にも取り組んでおり、開発工数と品質確保の両立を図っております。今後は、開発生産性の向上に見合う案件を確保するため、営業体制の強化を最優先課題の一つと位置付け、積極的な人員拡充・営業手法の多様化を進めてまいります。
IT技術者派遣事業では、当中間連結会計期間を通じて複数の法人顧客における安定的な受け入れが継続いたしました。ITエンジニアのAI活用も順調に進んでおり、開発リソースが安定化したことで、現場体制及び収益力の強化が一層進展いたしました。
さらに、完全子会社である株式会社ゼロイチスタートを2026年4月1日付で吸収合併いたしました。同社が有する事業コンサルティングの知見、SEOノウハウ等を取り込みながら、AI駆動開発体制の整備を急速に進めました。実案件を通じてAI駆動開発の運用ノウハウをさらに蓄積し、開発精度の向上を重ねることで、当社が目指す「次世代のSIer型事業モデル」への転換を加速し、より高い再現性と収益性を備えた事業基盤の構築を進めてまいります。
以上の結果、ソリューションセグメントの売上高は1,281,871千円(前年同期比29.9%増)となりました。なお、当第1四半期連結累計期間より株式会社ゼロイチスタートの損益を連結に取り込んでおります。売上区分別では、以下のとおりであります。
・受託開発
売上高は553,848千円(前年同期比130.3%増)となりました。上流工程や高付加価値案件にも対応できる体制整備を進めるとともに、Webアプリケーション領域を中心とした開発体制の強化が奏功し、半期として過去最高の売上を記録いたしました。AIツール活用による生産性向上も寄与し、受託開発が当セグメントの成長を力強く牽引いたしました。引き続き、今後の案件対応力と収益基盤の強化につながる体制を整えてまいります。
・IT技術者派遣
売上高は724,763千円(前年同期比2.9%減)となりました。受託比率増加施策の推進によりわずかに減収となったものの、複数の法人顧客における安定的な受け入れが継続いたしました。
のれん償却額は23,281千円を計上しており、償却期間は7年としております(なお、こののれんは、株式会社ゼロイチスタートのM&Aに伴い計上したものであり、現時点ではPPA(取得原価配分)前の暫定的な金額であります。今後、PPA手続きの完了に伴い、無形資産への配分額や償却スケジュールが確定する予定であり、確定後は適切に開示してまいります)。これらを踏まえた結果、セグメント利益は168,906千円(前年同期比20.3%増)となりました。
当中間連結会計期間において、株式会社テクノスピーチは、BtoC向けのVoiSona事業と、BtoB向けの受託開発事業を中心にAI音声合成・AI歌声合成技術を活用した事業活動を推進いたしました。AI歌声合成市場は、クリエイター層の拡大や動画プラットフォームの成長を背景に、国内外において今後も成長が期待されており、同社は技術力と開発スピードを強みに事業拡大を進めました。
VoiSona事業では、新たに「ナースロボ_タイプT」(トーク)、「ふたばこみなと」(ソング)、「一花」(ソング)、「ray」(ソング・トーク)及び「樋辻澪」(ソング)をリリースいたしました。中でも「ray」については東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校の学生による声(複数)とキャラクターイラストを用いた製品となっており、全8校舎へのVoiSona導入等、産学連携が進展いたしました。また、これまで有償で提供していたクロスリンガル版ソングボイス「Chis-A」の無償化を実施し、海外ユーザー層の拡大を図りました。加えて、ユーザー体験の向上を目的に、アプリの駆動効率化やメモリ削減、PC版ソングアプリへの「多言語表示機能(6言語)」の追加、iOS版への「10秒お試し機能」や「サンプル付きスタート画面」の導入、開発効率化に向けたソングエディタのソース統合(ワンソース化)等、継続的な機能改善を行いました。これらの改善により、国内外のユーザーが利用しやすい環境を整備し、VoiSona事業の基盤強化を図りました。
受託開発事業では、前連結会計年度から継続していた開発案件が完了した一方、各種ソフト・サービス・ゲーム等へのライセンス提供が継続し、収益を計上いたしました。また、歌声合成の精度向上に関する研究開発を進め、将来的な製品競争力の向上に向けた技術基盤の強化を図りました。両事業とも新規顧客獲得を目的とした販売促進活動を強化し、事業拡大に向けた取り組みを継続しております。
以上の結果、AI歌声合成セグメントの売上高は65,493千円となりました。売上区分別では、以下のとおりであります。
・VoiSona(BtoC)
売上高は51,159千円となりました。新規ライブラリのリリースや先行受注販売、アプリ機能の改善が寄与し、ユーザー基盤の拡大と収益基盤の強化が進みました。
・受託開発(BtoB)
売上高は14,334千円となりました。前期からの案件完了により一部減少したものの、ライセンス提供による安定した収益を維持し、研究開発を継続いたしました。
技術関連資産償却額及びのれん償却額として30,221千円を計上し、当セグメントの損失は△39,291千円となりました。
なお、前年第1四半期は同社の損益が連結に含まれていないため、前年同期比は記載しておりません。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は4,620,619千円(前期末比10.3%増)となりました。これは主に、現金及び預金が2,461,600千円(前期末比18.2%増)、売掛金及び契約資産が650,656千円(前期末比2.9%増)であったこと等によるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は1,452,380千円(前期末比12.7%増)となりました。これは主に、未払法人税等が247,511千円(前期末比7.0%増)、賞与引当金が138,948千円(前期末比7.0%増)であったこと等によるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は3,168,239千円(前期末比9.3%増)となりました。これは主に、利益剰余金が2,291,245千円(前期末比13.5%増)、資本金が417,340千円(前期末比1.5%増)であったこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ378,412千円増加し、2,461,600千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は742,847千円(前年同期は329,089千円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益675,114千円の計上及び法人税等の支払額217,685千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は144,086千円(前年同期は516,339千円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出22,725千円、無形固定資産の取得による支出98,474千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は226,095千円(前年同期は160,750千円の資金の減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出54,422千円、配当金の支払額184,028千円等があったことによるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は22,310千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 従業員数
当中間連結会計期間において、ソリューションセグメントの従業員数は19名増加しております。このうち、株式会社ゼロイチスタートを完全子会社化したことによる増加が11名、業容の拡大に伴う増加が8名であります。また、モバイルセグメントにおいては、業容の拡大に伴い6名増加しております。なお、従業員数には臨時雇用者数を含めておりません。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、当社の経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。
なお、2025年1月31日(みなし取得日 2025年3月31日)に行われた株式会社テクノスピーチとの企業結合について前中間連結会計期間に暫定的な会計処理を行っておりましたが、前連結会計年度末に確定したため、前中間連結会計期間との比較・分析にあたっては、暫定的な会計処理の確定による見直し後の金額を用いております。
(1) 経営成績の状況
当中間連結会計期間の我が国経済は、賃上げや雇用環境の改善を背景に、緩やかな回復が続きました。一方で、物価上昇や為替変動の影響により、個人消費には慎重な動きもみられました。また、金利上昇、米国の通商政策、中国経済の停滞、ロシア・ウクライナ情勢や中東情勢等の地政学リスクもあり、先行きは引き続き不透明な状況となっております。
このような環境下において、当社は「モバイル」「ソリューション」「AI歌声合成」の3つを事業セグメントとして、当社の強みである高度な技術力、スピーディな意思決定、AIを活用した業務効率の向上を軸に事業を推進いたしました。当社は、世界的なユーザー基盤を持つ自社プロダクト事業と、国内で安定した需要を持つソリューション事業、そしてAI技術を活かした新規領域の拡大を組み合わせることで、持続的な成長を目指しております。
「モバイルセグメント」では、モバイルペイントアプリ「ibisPaint」シリーズの開発・運営を進めました。同アプリは世界200以上の国と地域で利用され、MAUは4000万人、累計ダウンロード数は5.5億件を超えております。ユーザーの約9割が海外で、25歳未満の若年層が中心であることから、当社はAIを活用した描画支援機能や、使いやすさを高めるUI改善に継続して取り組みました。また、サブスクリプション課金への誘導、PC版を含むマルチデバイス展開、プロユーザー向け機能の拡充により、収益基盤の強化を進めました。
「ソリューションセグメント」では、国内企業向けにインターネット端末向けWebアプリケーションの開発やクラウド構築支援を行い、企業のDX需要の高まりに対応いたしました。当社は優秀なITエンジニアの採用・育成を継続し、AI駆動開発技術を活用した開発効率化にも取り組んでおります。また、2025年11月に完全子会社化した株式会社ゼロイチスタートについて、2026年4月1日付で当社が吸収合併し、国内市場における開発体制の強化と事業基盤の拡大を進めました。これにより、安定的かつ高再現性のある次世代のSIモデルの構築を目指しております。
「AI歌声合成セグメント」では、名古屋工業大学発ベンチャーである株式会社テクノスピーチの世界最先端の技術を活かし、AI歌声合成アプリ「VoiSona(ボイソナ)」を中心に事業を展開いたしました。国内外の著名アーティストによるボイスライブラリの拡充、モバイル領域への展開、アプリ課金型の収益モデル構築等、AI技術を活かした新しい音楽制作体験の提供に取り組みました。クリエイター層の拡大が続く中で、次世代の創作活動を支える基盤づくりを進めております。
以上の結果、当中間連結会計期間の業績は、売上高3,008,875千円(前年同期比26.5%増)、営業利益636,960千円(同11.1%増)、経常利益653,174千円(同14.3%増)、親会社株主に帰属する中間純利益456,491千円(同19.6%増)となり、売上高は20%を超える成長を継続し、各利益項目についても二桁増益となりました。なお、株式会社テクノスピーチは前中間連結会計期間の第2四半期より、株式会社ゼロイチスタートは当第1四半期連結累計期間より、それぞれ損益の連結を開始し、これらも寄与した結果、増収増益となりました。
事業セグメント別の状況は、以下のとおりであります。
<モバイルセグメント>当中間連結会計期間において、主力製品であるモバイルペイントアプリ「ibisPaint」は、世界的な利用拡大が続きました。2025年9月10日に累計5億ダウンロードを突破し、2026年6月末時点では5億5438万ダウンロード(前年同期比14.0%増)に達しました。世界200以上の国と地域で利用され、MAU4000万人という大規模なユーザー基盤が、当社のモバイル事業の成長を支えております。
アプリは継続的な改善を進めており、Ver.13.1.18からVer.14.0.4まで複数のアップデートを実施し、ユーザーの創作活動を後押しする取り組みとして、季節やトレンドに合わせた素材コンテスト(第49回)を開催いたしました。2026年3月31日の大型アップデート「Ver.14.0.0」では、CMYK出力・モノクロ2階調出力等、印刷・出版やプロ制作に近いワークフローを支える機能を追加したほか、ブラシをカテゴリ別に整理して直感的に選べる「ブラシカテゴリ」、作品や用途ごとに複数のカラーパレットを管理できる「カラーパレットのグループ化」等、創作環境を大きく向上させる新機能を多数リリースいたしました。これらの一部はプレミアム会員向けの提供であり、サブスクリプション課金契約数の増加に寄与しております。また、開発におけるコーディングAIの活用を本格化させ、2026年中に導入予定の従量制課金モデル「スマートクレジット」を含めた新機能の開発を大きく前進させたほか、YouTube公式チャンネルでの新機能紹介動画配信をはじめとする宣伝コンテンツの強化を行い、ユーザーの継続利用を促進いたしました。
さらに、従来から実施している契約促進施策のほか、2025年12月下旬に導入した「ibisPaint」サブスクリプション課金契約数の増加を目的とした新しい広告投資モデルも奏功した結果、当中間連結会計期間の同アプリに係るサブスクリプション課金契約の純増数は8万6895件と、前中間連結会計期間における同契約の純増数の7万1736件を大きく上回って推移いたしました。
加えて、当社は創作領域以外にも技術活用を進めており、企業向けAIクラウドサービス「ibisWorks」を展開しております。その中核製品であるAI議事録サービス「ibisScribe」は、2026年2月4日に開催された「AI PRODUCTS NEXT AI TREND 2026」において「議事録作成AI部門」に選出・表彰され、当社の高いAI技術が外部からも評価されました。
以上の結果、モバイルセグメントの売上高は1,661,510千円(前年同期比21.9%増)となりました。売上区分別の国内売上高及び海外売上高は以下のとおりであります。
| 前中間連結会計期間 (自 2025年1月1日 至 2025年6月30日) | 当中間連結会計期間 (自 2026年1月1日 至 2026年6月30日) | |||||
| 金額 (千円) | 構成比 (%) | 金額 (千円) | 構成比 (%) | 増減率 (%) | ||
| サブスクリプション課金 | 国内売上高 | 149,492 | 28.7 | 200,140 | 22.9 | 33.9 |
| 海外売上高 | 371,744 | 71.3 | 674,398 | 77.1 | 81.4 | |
| 計 | 521,237 | 100.0 | 874,538 | 100.0 | 67.8 | |
| 売切型アプリ | 国内売上高 | 32,093 | 24.9 | 29,917 | 20.4 | △6.8 |
| 海外売上高 | 96,969 | 75.1 | 116,802 | 79.6 | 20.5 | |
| 計 | 129,063 | 100.0 | 146,720 | 100.0 | 13.7 | |
| アプリ広告 | 国内売上高 | 156,425 | 22.1 | 112,772 | 18.3 | △27.9 |
| 海外売上高 | 552,838 | 77.9 | 503,809 | 81.7 | △8.9 | |
| 計 | 709,263 | 100.0 | 616,581 | 100.0 | △13.1 | |
| 合計(その他含む) | 国内売上高 | 340,359 | 25.0 | 348,923 | 21.0 | 2.5 |
| 海外売上高 | 1,022,096 | 75.0 | 1,312,587 | 79.0 | 28.4 | |
| 計 | 1,362,456 | 100.0 | 1,661,510 | 100.0 | 21.9 | |
売上区分別では、以下の傾向が見られました。
・サブスクリプション課金
「ibisPaint」における新しい広告投資モデルや契約促進施策等が奏功し、売上高は874,538千円(前年同期比67.8%増)と大幅に伸長いたしました。国内売上は前年同期比で33.9%増、特に海外売上は81.4%の高い伸びを示しました。これにより、サブスクリプション課金契約数は48万4535人(前年同期比59.5%増)に達し、同課金が収益の主軸へ転換したことが鮮明となりました。
・売切型アプリ
サブスクリプション課金への移行が進んでいるものの、同課金に抵抗がある一定のユーザーのニーズを的確にとらえた結果、売上高は146,720千円(前年同期比13.7%増)となりました。国内売上は前年同期比で減収となった一方、海外売上が堅調に伸びたことで、売切型アプリ全体としては増収となりました。
・アプリ広告
無料ユーザー層の利用は引き続き堅調で、DAU(日次アクティブ・ユーザー)は高い水準を維持いたしました。しかし、広告市況の変動や配信アルゴリズムの調整によりeCPM(広告単価)が下振れし、売上高は616,581千円(前年同期比13.1%減)となりました。海外売上は前年同期比で小幅な減少にとどまったものの、国内売上がより大きく減少したことが影響し、アプリ広告全体としても減収となりました。
なお、2024年12月期からオーガニック成長へ転換して以来、効果的な広告投資を継続した結果、セグメント利益は806,429千円(前年同期比13.1%増)となりました。計画のとおり、当第1四半期連結累計期間から、サブスクリプション課金売上がアプリ広告売上を上回ったことで、収益構造はより安定的な形へと進化しております。
<ソリューションセグメント>当中間連結会計期間において、企業のWebアプリケーション開発を取り巻く環境は、生成AIの急速な普及を背景に大きな転換期を迎えております。そのような中、エンドユーザー企業との直接取引による受託開発案件の獲得を強化するとともに、新たな営業手法の検討に取り組みました。また、AI駆動開発による生産性向上を背景に、より高付加価値な案件への対応力強化を進めました。
受託開発事業では、上流工程や高付加価値案件への対応力の向上に取り組むとともに、ITエンジニアのスキル層に応じた適正配置や開発体制の整備を進めました。その結果、案件単価及び収益性の改善につながりました。また、当社はAIを活用した業務運営の高度化を継続して推進しており、社内勉強会やeラーニング研修を通じて、ITエンジニアのスキルアップと作業効率向上を両立させております。これにより、複数案件を並行して進められる体制が整い、生産性向上に寄与いたしました。さらに、AI駆動開発の活用による開発スピードの更なる向上にも取り組んでおり、開発工数と品質確保の両立を図っております。今後は、開発生産性の向上に見合う案件を確保するため、営業体制の強化を最優先課題の一つと位置付け、積極的な人員拡充・営業手法の多様化を進めてまいります。
IT技術者派遣事業では、当中間連結会計期間を通じて複数の法人顧客における安定的な受け入れが継続いたしました。ITエンジニアのAI活用も順調に進んでおり、開発リソースが安定化したことで、現場体制及び収益力の強化が一層進展いたしました。
さらに、完全子会社である株式会社ゼロイチスタートを2026年4月1日付で吸収合併いたしました。同社が有する事業コンサルティングの知見、SEOノウハウ等を取り込みながら、AI駆動開発体制の整備を急速に進めました。実案件を通じてAI駆動開発の運用ノウハウをさらに蓄積し、開発精度の向上を重ねることで、当社が目指す「次世代のSIer型事業モデル」への転換を加速し、より高い再現性と収益性を備えた事業基盤の構築を進めてまいります。
以上の結果、ソリューションセグメントの売上高は1,281,871千円(前年同期比29.9%増)となりました。なお、当第1四半期連結累計期間より株式会社ゼロイチスタートの損益を連結に取り込んでおります。売上区分別では、以下のとおりであります。
・受託開発
売上高は553,848千円(前年同期比130.3%増)となりました。上流工程や高付加価値案件にも対応できる体制整備を進めるとともに、Webアプリケーション領域を中心とした開発体制の強化が奏功し、半期として過去最高の売上を記録いたしました。AIツール活用による生産性向上も寄与し、受託開発が当セグメントの成長を力強く牽引いたしました。引き続き、今後の案件対応力と収益基盤の強化につながる体制を整えてまいります。
・IT技術者派遣
売上高は724,763千円(前年同期比2.9%減)となりました。受託比率増加施策の推進によりわずかに減収となったものの、複数の法人顧客における安定的な受け入れが継続いたしました。
のれん償却額は23,281千円を計上しており、償却期間は7年としております(なお、こののれんは、株式会社ゼロイチスタートのM&Aに伴い計上したものであり、現時点ではPPA(取得原価配分)前の暫定的な金額であります。今後、PPA手続きの完了に伴い、無形資産への配分額や償却スケジュールが確定する予定であり、確定後は適切に開示してまいります)。これらを踏まえた結果、セグメント利益は168,906千円(前年同期比20.3%増)となりました。
VoiSona事業では、新たに「ナースロボ_タイプT」(トーク)、「ふたばこみなと」(ソング)、「一花」(ソング)、「ray」(ソング・トーク)及び「樋辻澪」(ソング)をリリースいたしました。中でも「ray」については東京スクールオブミュージック&ダンス専門学校の学生による声(複数)とキャラクターイラストを用いた製品となっており、全8校舎へのVoiSona導入等、産学連携が進展いたしました。また、これまで有償で提供していたクロスリンガル版ソングボイス「Chis-A」の無償化を実施し、海外ユーザー層の拡大を図りました。加えて、ユーザー体験の向上を目的に、アプリの駆動効率化やメモリ削減、PC版ソングアプリへの「多言語表示機能(6言語)」の追加、iOS版への「10秒お試し機能」や「サンプル付きスタート画面」の導入、開発効率化に向けたソングエディタのソース統合(ワンソース化)等、継続的な機能改善を行いました。これらの改善により、国内外のユーザーが利用しやすい環境を整備し、VoiSona事業の基盤強化を図りました。
受託開発事業では、前連結会計年度から継続していた開発案件が完了した一方、各種ソフト・サービス・ゲーム等へのライセンス提供が継続し、収益を計上いたしました。また、歌声合成の精度向上に関する研究開発を進め、将来的な製品競争力の向上に向けた技術基盤の強化を図りました。両事業とも新規顧客獲得を目的とした販売促進活動を強化し、事業拡大に向けた取り組みを継続しております。
以上の結果、AI歌声合成セグメントの売上高は65,493千円となりました。売上区分別では、以下のとおりであります。
・VoiSona(BtoC)
売上高は51,159千円となりました。新規ライブラリのリリースや先行受注販売、アプリ機能の改善が寄与し、ユーザー基盤の拡大と収益基盤の強化が進みました。
・受託開発(BtoB)
売上高は14,334千円となりました。前期からの案件完了により一部減少したものの、ライセンス提供による安定した収益を維持し、研究開発を継続いたしました。
技術関連資産償却額及びのれん償却額として30,221千円を計上し、当セグメントの損失は△39,291千円となりました。
なお、前年第1四半期は同社の損益が連結に含まれていないため、前年同期比は記載しておりません。
(2) 財政状態の状況
(資産)
当中間連結会計期間末の資産合計は4,620,619千円(前期末比10.3%増)となりました。これは主に、現金及び預金が2,461,600千円(前期末比18.2%増)、売掛金及び契約資産が650,656千円(前期末比2.9%増)であったこと等によるものであります。
(負債)
当中間連結会計期間末の負債合計は1,452,380千円(前期末比12.7%増)となりました。これは主に、未払法人税等が247,511千円(前期末比7.0%増)、賞与引当金が138,948千円(前期末比7.0%増)であったこと等によるものであります。
(純資産)
当中間連結会計期間末の純資産合計は3,168,239千円(前期末比9.3%増)となりました。これは主に、利益剰余金が2,291,245千円(前期末比13.5%増)、資本金が417,340千円(前期末比1.5%増)であったこと等によるものであります。
(3) キャッシュ・フローの状況
当中間連結会計期間における現金及び現金同等物(以下、「資金」という)の残高は、前連結会計年度末に比べ378,412千円増加し、2,461,600千円となりました。
当中間連結会計期間における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における営業活動による資金の増加は742,847千円(前年同期は329,089千円の資金の増加)となりました。これは主に、税金等調整前中間純利益675,114千円の計上及び法人税等の支払額217,685千円等があったことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における投資活動による資金の減少は144,086千円(前年同期は516,339千円の資金の減少)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出22,725千円、無形固定資産の取得による支出98,474千円等があったことによるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当中間連結会計期間における財務活動による資金の減少は226,095千円(前年同期は160,750千円の資金の減少)となりました。これは、長期借入金の返済による支出54,422千円、配当金の支払額184,028千円等があったことによるものであります。
(4) 経営方針・経営戦略等
当中間連結会計期間において、経営方針・経営戦略等について重要な変更はありません。
(5) 優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
当中間連結会計期間において、優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題に重要な変更及び新たに生じた課題はありません。
(6) 研究開発活動
当中間連結会計期間の研究開発費の総額は22,310千円であります。
なお、当中間連結会計期間において、当社グループの研究開発活動の状況に重要な変更はありません。
(7) 従業員数
当中間連結会計期間において、ソリューションセグメントの従業員数は19名増加しております。このうち、株式会社ゼロイチスタートを完全子会社化したことによる増加が11名、業容の拡大に伴う増加が8名であります。また、モバイルセグメントにおいては、業容の拡大に伴い6名増加しております。なお、従業員数には臨時雇用者数を含めておりません。
(8) 経営成績に重要な影響を与える要因
当中間連結会計期間において、当社の経営成績に重要な影響を与える要因に重要な変更はありません。