有価証券報告書-第12期(2025/04/01-2026/03/31)

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2026/06/18 13:01
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139項目

有報資料

当社の経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において当社が判断したものであり、実際には今後の様々な要因によって予測と異なる結果となる可能性があります。
(1)企業理念、行動基準/行動指針
当社は、「わたしたちはお客様を念(おも)い、仲間を想(おも)い、社会を憶(おも)い、高度情報通信ネットワーク社会のラストワンマイルである人と人との接点に新たな価値を創造していきます。」を企業理念として掲げております。
当社の活動する現場は、人と人との接点の場であり、お客様、仲間、社会それぞれへの思いを大切に活動してまいります。
◆お客様 = 最も大切な存在 『念う(一心に思う)』
◆仲間 = お互いに尊敬しあい、大切にする存在 『想う(感情をこめて思う)』
◆社会 = 深い問題意識を持ちつつ貢献していく 『憶う(深く思う)』
当社の保守サービス事業、ソリューション事業、人材サービス事業の現場は、人と人との接点にこそあります。
医療機関に導入されている電子カルテシステムやレセプトコンピュータ等の機器、あるいは企業に導入されているパソコン、サーバー等のIT機器の設置や保守といった業務は、実際に病院やクリニック、企業に当社の社員が出向いて作業を行います。そこで機器を利用する方々の使用状況を伺いながら、エンジニアの視点からの機器使用についてのアドバイスを行うこと、顧客の要望に応えるべく現場ごとに適切な作業を行うこと、それが高度情報通信ネットワーク社会のラストワンマイルを担う当社に求められた使命であると考えております。
上記企業理念に加えて、以下6項目を行動基準/行動指針として掲げております。
わたしたちは、お客様第一で行動します。
そのために、お客様の期待を超えるサービスを提供します。
わたしたちは、プロフェッショナルとして行動します。
そのために、日々の研鑽を怠らず、スキルの習得に努めます。
わたしたちは、チャレンジ精神で行動します。
そのために、前向きに努力し、常に挑戦し続けます。
わたしたちは、コンプライアンス意識をもって行動します。
そのために、ルールを正しく理解し厳守します。
わたしたちは、チームワークを大切に行動します。
そのために、仲間の個性と価値観を尊重します。
わたしたちは、社会貢献を喜びとして行動します。
そのために、社会の一員として責任を果たします。
これらを実現することにより、法令を遵守した継続的かつ安定的な企業成長を目指し、社会的責任を果たしてまいります。
(2)経営環境
2027年3月期のわが国経済は、中東情勢の企業活動への影響が懸念されます。また、AIデータセンターにおけるHBM(高帯域幅メモリ)の需要が高まり、パソコン向けメモリの生産能力が奪われ、品薄の状況が発生し、それによりパソコンやサーバーの供給が需要を下回る傾向が出始めております。IT機器の供給状況は当社の全ての事業に影響を及ぼす可能性があるため、状況を注視していく必要があると認識しております。
2026年の国内IT市場規模については、IDCのプレスリリースによると、2025年10月の「Windows10」のサポート終了に伴うPC駆け込み需要が収束したことから大幅なマイナス成長を要因として、前年比で2.3%増の28兆1,074億円と小幅のプラス成長にとどまり、2024年~2029年の年間平均成長率(CAGR)は5.9%と予測されております。一方で、企業や官公庁におけるIT支出は引き続き好調であり、IaaS、ソフトウエア、ITサービス等の各分野は2026年も堅調に拡大を維持し、生産性向上、収益拡大を目的としたデジタル化、既存システムのマイグレーション等を目的としたIT支出は拡大すると予測しています。
(出典:IDC Japanプレスリリース「国内IT市場産業分野別/従業員規模別/地域別2026年最新予測を発表~2026年も大企業中心にIT支出は堅調に拡大~」(2026年1月14日))
このようなIT市場において、当社の需要は今後も高まっていくと考えております。2026年3月期にソリューション事業の売上高拡大の要因となった、政府が推進するガバメントソリューションサービスやガバメントクラウド関連の作業については、デジタル庁の令和8年度の予算において情報システムの整備・運用費用の拡大が計画されており、引き続き需要があると考えております。当社では当事業年度において整備した体制及び蓄積したナレッジを活かし、業務効率の向上を図りながら引き続き取り組んでまいりたいと考えております。
また、医療DXの一環として介護情報基盤を活用した情報共有のための機器導入といったIT投資も拡大することが予測されますので、関連する案件を積極的に獲得し、さらなる事業基盤拡大を図ってまいります。
(3)経営戦略
当社は、2024年7月に新中期経営計画を発表いたしました。DX改革の一翼を担い、事業の成長を継続し、ステークホルダーの期待に応えていくことを目標と定め、総合ITソリューション企業を目指し、ITネットワーク技術と全国ネットワークの強みを活かし、DXを推進する医療機関、企業を全面的にサポートすることを宣言しております。
新中期経営計画2年目となる2026年3月期は、Windows10のサポート終了、「NEXT GIGA」やガバメントソリューション等、政府による大規模な投資が行われた一年間で、当社も様々な需要に対応し、増収増益での着地、売上高、段階利益全てが過去最高を記録し、「成長と収益力向上」、そして事業基盤の拡大が着実に進展した1年間となりました。2026年4月より、新中期経営計画の最終年度がスタートしました。最終年度においてもこれらの目標を達成し、営業利益は10億円突破を目指してまいります。
国内IT市場において、DXが推進される中、経営環境は極めて良好であると考えております。今後も引き続き、取引先企業の成長をさらに支援し、新たな付加価値を提供できる会社であり続けるため、一層の変革を進めるべく、事業セグメントごとに戦略を立てております。
保守サービス事業は、ソリューション事業で機器の販売や設置をした取引先から引き続き保守を受託する、シナジー効果による拡大を今後も図ってまいります。当事業年度において対応した、官公庁施設や小売店のネットワーク工事は、引き続き保守を受託いたしました。また、取引先の合併等により電子カルテの保守及びコールセンター業務の受託件数も増加する計画となっております。3つの事業のうち、最も利益率の高い保守サービス事業を伸ばしていくことは、全社の利益率向上にも繋がるため、保守、コールセンター案件の獲得に加えて、当事業年度より本格的に開始したLCM案件の拡大に取り組んでまいります。
ソリューション事業は、Windows10サポート終了に伴うパソコン需要の反動が予測される一方、政府のガバメントソリューションサービスやガバメントクラウドへの投資が引き続き拡大していくことから、当事業年度から続く工事案件への対応と並行して新規案件の獲得を目指してまいります。
また、介護情報基盤を活用した情報共有のためのカードリーダー等の導入やWebサービスのアカウント設定等の対応が、2028年4月の本格運用開始に向けて動きだし、当社は導入支援事業者としての活動をスタートしております。ここから2年をかけて、各自治体や介護事業所等の導入を支援してまいります。
その他、ヘルスケア分野へのさらなる積極的な参入を目指し、2026年4月1日より組織再編を致しましたので、今後その効果が発揮できるように努めてまいります。
人材サービス事業においては、既存取引先のみならず、空港や医療機器等メーカーからのエンジニアの派遣要請が引き続き増加傾向にあります。エンジニアの採用、育成に引き続き注力し、機会損失の無いよう絶えず予備人材を確保することにより、需要に応えてまいりたいと考えております。
(4)優先的に対処すべき事業上及び財務上の課題
①収益率向上のための取組(適切な外注費コントロール)
ソリューション事業では自社内で対応できない工事案件が増加傾向にあり、それに伴い外注費が増加したことから、当初想定していた利益率には及びませんでした。今後も同様の電気通信工事に係る案件は増加していくことが期待されることから、2026年4月以降、社内に施工管理部門を新たに新設いたしました。今後、工事案件の内製化及び外注費のコントロールに取り組んでまいります。
②生産性向上のためのシステムの最適化
当社が今後生産性の向上を図るには、業務の効率化が必要であると考えております。現在、営業支援システムを利用して日々の営業活動、案件の管理を行っておりますが、さらなる効率化を目指し、IT戦略を策定し、ITインフラやシステムの管理、データの活用の推進、AIの業務実装等に取り組むべく検討を進めてまいります。
特に基幹システムは更新のタイミングを迎えるため、社内システムの最適化も含めて慎重に検討してまいります。
③優秀な人材の採用と育成、従業員エンゲージメントの向上
企業が直面する課題として人材不足があり、近年では企業倒産の大きな要因にもなっております。特にIT人材不足はDX需要の拡大の一方労働人口の減少により深刻化しております。
このような環境において、当社の人材サービス事業にはSE、CE派遣の要請が増加傾向にありますが、速やかに適切な人員をアサインできないケースがあります。人材サービス事業の安定的な成長のためにも、事業の要となる人材の採用と育成が重要な課題と認識し、採用活動を強化しております。近年は業界職種研修、企業面接対策、ビジネスマナー講座や、就職に有利な技術スキル習得のためのITパスポート、Microsoft Office Word Specialist、Microsoft Office Excel Specialist等の資格の研修を、要請のあった大学の学生に対して提供する取組をしており、受講した学生からは非常に高い満足度評価を得ており、研修を実施した大学からの新卒応募が増加しております。また、当事業年度よりオープン・カンパニーも開始しました。この結果、2026年4月には74名の新卒社員が入社し、昨年に続き70名を超える人材を確保することができております。
当社入社後、社員にはビジネスマナー等の基礎教育からスタートし、IT基礎教育、派遣予定先企業での業務を踏まえての取扱機器の実機研修やネットワーク構築基礎教育、公的資格取得研修等、入社後約3か月でエンジニアとして活躍できるITエンジニア育成プログラムを用意しております。
また、全国に拠点があることを活かし、Uターン、Iターン、Jターン希望にジョブローテーションを活用して応えていくことで、従業員がライフスタイルに合わせて長く働ける環境を作っていきたいと考えております。
当社にとって人材は事業の維持、拡大の基盤であるため、人材の採用はもちろん、従業員エンゲージメントの向上が全社的な課題であると考えております。
当事業年度においては、定期昇給とベースアップに加えて賞与支給額を3か月から4か月に増加しました。2026年4月以降は、夜間出動手当を創設し、エンジニアの処遇改善を図っております。
また、企業認知度向上と併せて、インナーモチベーションの向上を目的として全国の主要駅に企業広告を掲出する取組を行い、これにより従業員からは「公共の場に当社のプロモーションが掲出されたこと、過去に例がなく非常に嬉しく思いました。」といった声が聞かれましたので、今後も継続してまいりたいと考えております。
④エンジニアのスキルアップと活用
ソリューション事業の成長、特に利益率の向上には、より高度なスキルを必要とする案件に対応できるよう、エンジニアのスキルアップが必要と考えております。当社のエンジニアは、多種多様な現場作業案件に携わることで、機器の保守から導入設計、設置展開等マルチなスキルや対応力を身に付けておりますが、今後はネットワークやサーバーの設計、開発、提案等といった分野にも業務を拡大できるよう、テクニカルセンターを中心にSEの専門部隊を設置し、経験豊富なSEを中心としてOJTを兼ねた高レベルな案件対応や技術支援を行い、スキルアップを図っております。また、定期的にネットワークスキル資格取得のための教育研修を実施しており、これにより全世界共通のネットワークスキルを証明するシスコ技術者認定CCNA、CCNP Enterpriseや、IT運用スキルを証明するCompTIA A+等の資格を取得するエンジニアが増えております。
下記は当社従業員が保有する資格の一例とその保有人数です。(2026年4月30日時点)
IPA ネットワークスペシャリスト試験(NW)9名
IPA 応用情報技術者試験(AP)16名
CompTIA Project+3名
CCNP Enterprise3名
CCNA81名
CompTIA A+17名
CompTIA CySA1名

人材サービス事業において、派遣に際して上記資格を有することがエンジニアの条件として求められることが多々あるため、今後も求められる必要な技術の教育及び資格取得促進に向けた制度の確立を行ってまいります。
⑤医療機器修理業受託のための体制整備
医療機器修理の分野に進出することで、既存のレセプトコンピュータや電子カルテだけではなく、その他病院、診療所内のネットワークに繋がる全ての機器やシステムの保守を当社が一括して受託することが可能となり、結果として全導入機器のヘルスチェックや予防的対策も可能となります。この実現には社内体制の強化も必要であり、医療機器修理業の全国エリアでの許可取得と、エンジニアのスキルアップを図ってまいります。
⑥リソースコントロール
当社の経営資源は「人」であります。当社では利益拡大のために人的リソースの有効活用に取り組んでおります。当社が受託する全国規模の大型案件は本社及びテクニカルセンターを中心に全拠点のリソースを管理しながら対応しております。特にソリューション事業では、年度末に案件が集中する傾向があり、全国規模の案件と各拠点で受託した個別案件と通常業務が重複することにより人員不足となり、急遽外注によりリソースを確保せざるを得ない状況が発生する場合があります。テクニカルセンターが中心となり、案件管理及び支店間の支援体制を組み、リソースコントロールを実施することで、内製化を進め、それにより業務効率化を図ってまいります。
⑦パートナー企業とのグリップ強化
KDDI株式会社、日本電気株式会社をはじめとする、継続的に取引のある企業からの受注拡大のため、機会損失の無い営業体制を構築、強化してまいります。
⑧品質の向上、効率化の実現
サービス品質の向上は、顧客の当社に対する信頼性を高めることに繋がります。品質管理システムを活用し、全社的なサービスレベルの底上げとさらなる業務効率化を目指してまいります。
⑨財務上の課題
現在、運転資金は自己資金で賄えておりますが、大規模なシステム投資等を行った場合や大型案件に伴って調達が先行した場合、運転資金が不足する可能性があります。その手当として金融機関からの借入を想定しております。
(5)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社の経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標としては、売上高、セグメント利益及び営業利益率を設定し、企業規模の拡大、企業価値の向上を目指しております。
項目前事業年度
(自 2024年4月1日
至 2025年3月31日)
当事業年度
(自 2025年4月1日
至 2026年3月31日)
売上高全社16,904,47619,383,783
(千円)保守サービス事業4,923,5935,140,314
ソリューション事業9,815,78511,973,870
人材サービス事業2,165,0972,269,598
セグメント利益保守サービス事業873,0141,017,902
ソリューション事業789,532938,125
(千円)人材サービス事業304,061315,622
調整額※1△1,278,916△1,358,248
営業利益687,690913,401
営業利益率4.1%4.7%

※1 セグメント利益の調整額は、報告セグメントに配賦していない本社費用であり、本社管理部門に係る人件費、
不動産賃借料等の販売費及び一般管理費です。

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