有価証券報告書-第8期(2022/07/01-2023/06/30)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続したものの、行動制限の緩和等による社会経済活動の正常化の動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢を始めとする地政学リスクや原材料価格の上昇、インフレリスクなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような中でドル円為替相場は、前事業年度と比較して円安水準で推移しました。
航空業界では、国内線需要の回復に加え、国際線需要についても各国の移動制限の緩和や撤廃などにより、回復の兆しが出ております。その結果、エアラインでは航空旅客需要の回復に伴う機体発注などの動きが見られるとともに、航空機メーカーにおいては、中小型航空機を中心とした一部機種の受注が増加しました。
当社の主力製品であるLEAPエンジン向けチタンアルミブレードが採用されている、中小型航空機である仏Airbus社製A320neoファミリー機、並びに米Boeing社製737MAX機は、高い燃費効率等を背景に新型コロナウイルス禍前から多くの受注残を抱えておりましたが、新型コロナウイルス禍からの回復に伴う急速な需要増加に対応するため、サプライチェーンにおける課題等を抱えながらも生産量を拡大し、その結果、当社のチタンアルミブレードの受注も増加することとなりました。
一方で、チタンアルミブレード生産に関して、材料供給元の1社依存を発端としたサプライチェーンリスクも顕在化しました。チタンアルミブレードの材料は、顧客である仏SAFRAN社からの無償支給となっており、直接的に当該材料のインフレリスクが当社の業績に影響を与えることはありませんが、その特殊性から供給元が1社となっております。当事業年度においては供給元における新型コロナウイルス等に起因する人材不足や設備故障の発生等により、材料供給の遅延が発生しました。
そのような状況下ではありましたが、チタンアルミブレードの受注拡大により、販売数量は前事業年度から大きく増加し、当社のチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数(チタンアルミブレード販売枚数÷LEAPエンジン1基当たりのチタンアルミブレード搭載枚数)は563基(前期比36.7%増)となるとともに、円安の影響もあり、当社の売上高は大きく増加いたしました。
当社は、今後の更なるチタンアルミブレードの受注拡大に備えるため、引き続き、業務効率化に向けた改善活動を継続し、生産性・収益性の向上に向けた取り組みを強化してまいります。その一方で、チタンアルミブレードへの事業依存度を引き下げるための新規量産案件の獲得・拡大に向けた体制強化、並びに材料供給元1社依存からの脱却に向けた新材料の開発にも注力してまいります。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,920,991千円(前期比48.7%増)、営業利益479,468千円(前期は、営業損失124,236千円)、経常利益は598,189千円(前期は、経常利益10,764千円)、当期純利益は673,039千円(前期は、当期純利益7,321千円)となりました。
なお、当社は、単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産の残高は、5,788,236千円であり、前事業年度末に比べ430,139千円増加いたしました。この主な要因は、有形固定資産の償却等による減少363,781千円があった一方で、現金及び預金の増加609,130千円、売掛金の増加33,138千円、仕掛品の増加74,415千円があったことによるものであります。
現金及び預金が増加した主な要因は、利益の計上、並びに新規に300,000千円の長期借入を実施したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債の残高は、4,166,158千円であり、前事業年度末に比べ236,931千円減少いたしました。この主な要因は、新規借入300,000千円があったものの、リース債務(1年内返済予定分含む)の返済による減少177,002千円、長期借入金(1年内返済予定分含む)の返済による減少460,380千円があったことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、1,622,077千円であり、前事業年度末に比べ667,071千円増加いたしました。この主な要因は、欠損填補による資本剰余金の減少1,783,069千円があった一方で、当期純利益の計上及び欠損填補による利益剰余金の増加2,456,108千円があったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,728,427千円と前事業年度と比べ609,130千円の増加となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は、1,077,424千円(前事業年度は38,837千円の増加)となりました。資金の主な増加要因は、税引前当期純利益599,559千円、減価償却費438,859千円及び補助金の受取額154,865千円であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加49,788千円及び利息の支払額41,770千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は、137,360千円(前事業年度は794,897千円の減少)となりました。資金の主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出118,906千円及び無形固定資産の取得による支出20,146千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は、337,382千円(前事業年度は53,371千円の増加)となりました。資金の主な増加要因は、長期借入れによる収入300,000千円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出460,380千円及びリース債務の返済による支出177,002千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。なお、当社は「加工事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注) 金額は、製造原価によります。
b.受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、当社は「加工事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は「加工事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況の分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、2,920,991千円となり、前事業年度に比べ956,297千円増加(前期比148.7%)となりました。これは主に、航空需要の回復に伴いチタンアルミブレードの販売が堅調に拡大したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、1,716,450千円となり、前事業年度に比べ312,313千円増加(前期比122.2%)となりました。これは主に、売上高の増加に伴う変動費等の増加によるものです。
この結果、売上総利益は1,204,541千円となり、前事業年度に比べ643,983千円増加(前期比214.9%)となりました。また、売上総利益率は、当事業年度で41.2%となり、前事業年度と比べて大幅に向上しました。これは主に、チタンアルミブレードの販売増加に伴う貢献利益の増加、改善活動に伴う原価低減、並びに前事業年度と比較して円安が進行したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、725,072千円となり、前事業年度に比べ40,279千円増加(前期比105.9%)となりました。これは主に、人件費の増加20,124千円によるものであります。
この結果、営業利益は479,468千円となり、前事業年度に比べ大幅に改善(前事業年度は営業損失124,236千円)しました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、受取保険金等の一過性収入があった一方で、為替差益等の減少により、前事業年度に比べ24,462千円減少し、167,077千円(前期比87.2%)となりました。営業外費用は、支払利息等の減少により、前事業年度に比べ8,182千円減少し、48,356千円(同85.5%)となりました。
この結果、経常利益は598,189千円となり、前事業年度に比べ587,424千円増加(前事業年度は経常利益10,764千円)となりました。また、経常利益率は20.5%となり、前事業年度から大幅に向上しました。
(当期純利益)
繰越欠損金の活用等に伴い法人税、住民税及び事業税の負担が少ないことや、繰延税金資産の計上に伴いマイナス(利益側)の法人税等調整額を計上したことにより、当事業年度の当期純利益は、673,039千円となり、前事業年度の当期純利益7,321千円から大幅な増加となりました。
② 財政状態の状況の分析・検討内容
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
b.資金需要の主な内容
当社の運転資金需要のうち、主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。主要事業であるチタンアルミブレードの生産においては、材料が顧客からの無償支給であるため、当社において材料購入に関わる運転資金負担はありません。
また、投資を目的とした資金需要のうち、主なものは、チタンアルミブレードの内製化推進や自動化投資、並びに新規案件に対応した設備投資等によるものであります。成長の原資たる設備投資については今後も継続してまいります。
c.資本の財源
当社は、運転資金及び設備投資資金の原資につきましては、当社の財務状況を勘案して、手許現金の使用・銀行借入・リースの利用等の中から最もふさわしい方法を採ることとしております。また一方で、先行投資的な資金も必要となることから、事業運営上必要な資金は、手元流動性の高い現金及び現金同等物として保持していく方針であります。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,728,427千円であります。
また、金融機関と借入コミットメントライン契約を締結しており、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。今後も引き続き各金融機関からの資金調達、借入コミットメントライン契約の設定、リース等様々な資金調達を検討・実施し、継続的な財務基盤の強化に努めてまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたっては、資産・負債や収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績等を勘案し合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
⑤ 経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、売上高、営業利益、EBITDAを重要な経営指標として管理しております。売上高及び営業利益を重視する理由は、企業として一定程度の売上高規模を確立することで、事業基盤の安定性を確保するとともに、安定した利益の成長を継続させることで、新規案件への投資を継続的に行うことが可能であると考えているためであります。また、当社は、設立時に主要事業であるチタンアルミブレードの増産に対応できる水準の生産キャパシティを考慮した設備投資を実施していることから、チタンアルミブレードの今後の増産に対応するための大規模設備投資は今後も限定され、現時点において、既に将来の増産に対応する水準の減価償却費が会計上計上されていると考えております。そのため、当社の収益性や現金創出力をより適切に把握するために、減価償却費の影響を排除した指標であるEBITDAを重要な経営指標として管理しております。
また、これらの源泉となる指標として、販売されたチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数、並びにエンジン1基当たりの営業利益をKPIとして選択しております。その理由として、当社は、チタンアルミブレード販売への依存度が現時点においては高いことから、チタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数、並びにその収益性が、当社全体の収益力に直結すると判断しているためであります。
各指標の推移は以下のとおりであります。
※1 営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)
※2 チタンアルミブレード販売枚数÷LEAPエンジン1基当たりのチタンアルミブレード搭載枚数
(販売されたチタンアルミブレードは全て新造エンジンに搭載されたと仮定しております)
※3 営業利益÷販売されたチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 経営成績の状況
当事業年度における世界経済は、新型コロナウイルス感染症の影響が継続したものの、行動制限の緩和等による社会経済活動の正常化の動きが見られました。一方で、ウクライナ情勢を始めとする地政学リスクや原材料価格の上昇、インフレリスクなど、依然として先行き不透明な状況が続いております。このような中でドル円為替相場は、前事業年度と比較して円安水準で推移しました。
航空業界では、国内線需要の回復に加え、国際線需要についても各国の移動制限の緩和や撤廃などにより、回復の兆しが出ております。その結果、エアラインでは航空旅客需要の回復に伴う機体発注などの動きが見られるとともに、航空機メーカーにおいては、中小型航空機を中心とした一部機種の受注が増加しました。
当社の主力製品であるLEAPエンジン向けチタンアルミブレードが採用されている、中小型航空機である仏Airbus社製A320neoファミリー機、並びに米Boeing社製737MAX機は、高い燃費効率等を背景に新型コロナウイルス禍前から多くの受注残を抱えておりましたが、新型コロナウイルス禍からの回復に伴う急速な需要増加に対応するため、サプライチェーンにおける課題等を抱えながらも生産量を拡大し、その結果、当社のチタンアルミブレードの受注も増加することとなりました。
一方で、チタンアルミブレード生産に関して、材料供給元の1社依存を発端としたサプライチェーンリスクも顕在化しました。チタンアルミブレードの材料は、顧客である仏SAFRAN社からの無償支給となっており、直接的に当該材料のインフレリスクが当社の業績に影響を与えることはありませんが、その特殊性から供給元が1社となっております。当事業年度においては供給元における新型コロナウイルス等に起因する人材不足や設備故障の発生等により、材料供給の遅延が発生しました。
そのような状況下ではありましたが、チタンアルミブレードの受注拡大により、販売数量は前事業年度から大きく増加し、当社のチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数(チタンアルミブレード販売枚数÷LEAPエンジン1基当たりのチタンアルミブレード搭載枚数)は563基(前期比36.7%増)となるとともに、円安の影響もあり、当社の売上高は大きく増加いたしました。
当社は、今後の更なるチタンアルミブレードの受注拡大に備えるため、引き続き、業務効率化に向けた改善活動を継続し、生産性・収益性の向上に向けた取り組みを強化してまいります。その一方で、チタンアルミブレードへの事業依存度を引き下げるための新規量産案件の獲得・拡大に向けた体制強化、並びに材料供給元1社依存からの脱却に向けた新材料の開発にも注力してまいります。
以上の結果、当事業年度の経営成績は、売上高2,920,991千円(前期比48.7%増)、営業利益479,468千円(前期は、営業損失124,236千円)、経常利益は598,189千円(前期は、経常利益10,764千円)、当期純利益は673,039千円(前期は、当期純利益7,321千円)となりました。
なお、当社は、単一セグメントのため、セグメントごとの記載を省略しております。
② 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における資産の残高は、5,788,236千円であり、前事業年度末に比べ430,139千円増加いたしました。この主な要因は、有形固定資産の償却等による減少363,781千円があった一方で、現金及び預金の増加609,130千円、売掛金の増加33,138千円、仕掛品の増加74,415千円があったことによるものであります。
現金及び預金が増加した主な要因は、利益の計上、並びに新規に300,000千円の長期借入を実施したことによるものであります。
(負債)
当事業年度末における負債の残高は、4,166,158千円であり、前事業年度末に比べ236,931千円減少いたしました。この主な要因は、新規借入300,000千円があったものの、リース債務(1年内返済予定分含む)の返済による減少177,002千円、長期借入金(1年内返済予定分含む)の返済による減少460,380千円があったことによるものであります。
(純資産)
当事業年度末における純資産の残高は、1,622,077千円であり、前事業年度末に比べ667,071千円増加いたしました。この主な要因は、欠損填補による資本剰余金の減少1,783,069千円があった一方で、当期純利益の計上及び欠損填補による利益剰余金の増加2,456,108千円があったことによるものであります。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度における現金及び現金同等物(以下、「資金」という。)は、1,728,427千円と前事業年度と比べ609,130千円の増加となりました。当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における営業活動による資金の増加は、1,077,424千円(前事業年度は38,837千円の増加)となりました。資金の主な増加要因は、税引前当期純利益599,559千円、減価償却費438,859千円及び補助金の受取額154,865千円であり、主な減少要因は、棚卸資産の増加49,788千円及び利息の支払額41,770千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における投資活動による資金の減少は、137,360千円(前事業年度は794,897千円の減少)となりました。資金の主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出118,906千円及び無形固定資産の取得による支出20,146千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
当事業年度における財務活動による資金の減少は、337,382千円(前事業年度は53,371千円の増加)となりました。資金の主な増加要因は、長期借入れによる収入300,000千円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出460,380千円及びリース債務の返済による支出177,002千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当事業年度の生産実績は、次のとおりであります。なお、当社は「加工事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
| セグメントの名称 | 生産高(千円) | 前期比(%) |
| 加工事業 | 1,682,792 | 119.3 |
| 合計 | 1,682,792 | 119.3 |
(注) 金額は、製造原価によります。
b.受注実績
当事業年度の受注実績は、次のとおりであります。なお、当社は「加工事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
| セグメントの名称 | 受注高(千円) | 前期比(%) | 受注残高(千円) | 前期比(%) |
| 加工事業 | 3,500,935 | 191.7 | 801,595 | 361.7 |
| 合計 | 3,500,935 | 191.7 | 801,595 | 361.7 |
c.販売実績
当事業年度の販売実績は、次のとおりであります。なお、当社は「加工事業」の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
| セグメントの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| 加工事業 | 2,920,991 | 148.7 |
| 合計 | 2,920,991 | 148.7 |
(注)1.最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 前事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) | 当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | ||
| 販売高(千円) | 割合(%) | 販売高(千円) | 割合(%) | |
| Safran Aircraft Engines | 1,824,854 | 92.9 | 2,819,328 | 96.5 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 経営成績の状況の分析・検討内容
(売上高)
当事業年度の売上高は、2,920,991千円となり、前事業年度に比べ956,297千円増加(前期比148.7%)となりました。これは主に、航空需要の回復に伴いチタンアルミブレードの販売が堅調に拡大したことによるものであります。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は、1,716,450千円となり、前事業年度に比べ312,313千円増加(前期比122.2%)となりました。これは主に、売上高の増加に伴う変動費等の増加によるものです。
この結果、売上総利益は1,204,541千円となり、前事業年度に比べ643,983千円増加(前期比214.9%)となりました。また、売上総利益率は、当事業年度で41.2%となり、前事業年度と比べて大幅に向上しました。これは主に、チタンアルミブレードの販売増加に伴う貢献利益の増加、改善活動に伴う原価低減、並びに前事業年度と比較して円安が進行したことによるものであります。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は、725,072千円となり、前事業年度に比べ40,279千円増加(前期比105.9%)となりました。これは主に、人件費の増加20,124千円によるものであります。
この結果、営業利益は479,468千円となり、前事業年度に比べ大幅に改善(前事業年度は営業損失124,236千円)しました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度の営業外収益は、受取保険金等の一過性収入があった一方で、為替差益等の減少により、前事業年度に比べ24,462千円減少し、167,077千円(前期比87.2%)となりました。営業外費用は、支払利息等の減少により、前事業年度に比べ8,182千円減少し、48,356千円(同85.5%)となりました。
この結果、経常利益は598,189千円となり、前事業年度に比べ587,424千円増加(前事業年度は経常利益10,764千円)となりました。また、経常利益率は20.5%となり、前事業年度から大幅に向上しました。
(当期純利益)
繰越欠損金の活用等に伴い法人税、住民税及び事業税の負担が少ないことや、繰延税金資産の計上に伴いマイナス(利益側)の法人税等調整額を計上したことにより、当事業年度の当期純利益は、673,039千円となり、前事業年度の当期純利益7,321千円から大幅な増加となりました。
② 財政状態の状況の分析・検討内容
財政状態の状況に関する認識及び分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に含めて記載しております。
③ キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に含めて記載しております。
b.資金需要の主な内容
当社の運転資金需要のうち、主なものは、製造費、販売費及び一般管理費等の営業費用であります。主要事業であるチタンアルミブレードの生産においては、材料が顧客からの無償支給であるため、当社において材料購入に関わる運転資金負担はありません。
また、投資を目的とした資金需要のうち、主なものは、チタンアルミブレードの内製化推進や自動化投資、並びに新規案件に対応した設備投資等によるものであります。成長の原資たる設備投資については今後も継続してまいります。
c.資本の財源
当社は、運転資金及び設備投資資金の原資につきましては、当社の財務状況を勘案して、手許現金の使用・銀行借入・リースの利用等の中から最もふさわしい方法を採ることとしております。また一方で、先行投資的な資金も必要となることから、事業運営上必要な資金は、手元流動性の高い現金及び現金同等物として保持していく方針であります。なお、当事業年度末における現金及び現金同等物の残高は1,728,427千円であります。
また、金融機関と借入コミットメントライン契約を締結しており、安定的な事業資金の確保に取り組んでおります。今後も引き続き各金融機関からの資金調達、借入コミットメントライン契約の設定、リース等様々な資金調達を検討・実施し、継続的な財務基盤の強化に努めてまいります。
④ 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成しております。この財務諸表の作成にあたっては、資産・負債や収益・費用の報告数値に影響を与える見積りを行わなければなりません。これらの見積り及び判断・評価は、過去の実績等を勘案し合理的と考えられる要因等に基づき行っておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は異なる場合があります。
当社の財務諸表で採用する重要な会計方針及び当該見積りに用いた仮定は、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 重要な会計上の見積り」に記載のとおりであります。
⑤ 経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社では、売上高、営業利益、EBITDAを重要な経営指標として管理しております。売上高及び営業利益を重視する理由は、企業として一定程度の売上高規模を確立することで、事業基盤の安定性を確保するとともに、安定した利益の成長を継続させることで、新規案件への投資を継続的に行うことが可能であると考えているためであります。また、当社は、設立時に主要事業であるチタンアルミブレードの増産に対応できる水準の生産キャパシティを考慮した設備投資を実施していることから、チタンアルミブレードの今後の増産に対応するための大規模設備投資は今後も限定され、現時点において、既に将来の増産に対応する水準の減価償却費が会計上計上されていると考えております。そのため、当社の収益性や現金創出力をより適切に把握するために、減価償却費の影響を排除した指標であるEBITDAを重要な経営指標として管理しております。
また、これらの源泉となる指標として、販売されたチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数、並びにエンジン1基当たりの営業利益をKPIとして選択しております。その理由として、当社は、チタンアルミブレード販売への依存度が現時点においては高いことから、チタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数、並びにその収益性が、当社全体の収益力に直結すると判断しているためであります。
各指標の推移は以下のとおりであります。
| 前事業年度 (自 2021年7月1日 至 2022年6月30日) | 当事業年度 (自 2022年7月1日 至 2023年6月30日) | |
| 売上高(千円) | 1,964,694 | 2,920,991 |
| 営業利益又は営業損失(△)(千円) | △124,236 | 479,468 |
| EBITDA(千円)※1 | 343,783 | 918,328 |
| 販売されたチタンアルミブレードが搭載されるエンジン数(基)※2 | 412 | 563 |
| 販売されたチタンアルミブレードが搭載されるエンジン1基当たり営業利益(千円)※3 | △301 | 851 |
※1 営業利益+減価償却費(有形・無形固定資産)
※2 チタンアルミブレード販売枚数÷LEAPエンジン1基当たりのチタンアルミブレード搭載枚数
(販売されたチタンアルミブレードは全て新造エンジンに搭載されたと仮定しております)
※3 営業利益÷販売されたチタンアルミブレードが搭載されるエンジン基数