有価証券報告書-第11期(2024/04/01-2025/03/31)
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社の収益構造は、求人広告掲載を希望する企業に当社サービスを紹介し、対価として、「ジョブドラフトNavi」掲載料を中心に、付随するオプションサービス料金を受領しております。「ジョブドラフトNavi」及び「ジョブドラフトNext」については、それぞれ、自社保有マッチングプラットフォームであり、人材紹介サービスであるため仕入原価が発生しませんが、付随オプションサービスについては役務提供に関する仕入原価が発生する収益構造となっております。
掲載料収益は新規及びリピート申込数の影響を受け、新規申込数は新規商談数×新規受注率、リピート申込数は対象顧客数×リピート率で表されます。それぞれの変数に対する当社の対応としては以下のとおりです。
(商談数)
・広告宣伝費を投下し、Web上でのインバウンド商談獲得(※)を促進しています。
・全国の都市銀行・地方銀行・信用金庫と連携し、高卒人材採用を希望する企業紹介を促進しています。
(※)web上でのインバウンド商談とは、web上でのサービス問い合わせから商談に至ったものを指します。
(受注率)
・金融機関からの紹介商談は、企業のサービスへの期待も高く、受注率が高いため、全国の都市銀行・地方銀行・信用金庫と連携し、高卒人材採用を希望する企業紹介を促進しています。
(リピート率)
・「ジョブドラフトNavi」の掲載企業の内サポートプランでの掲載企業においては、カスタマーサポート部門による顧客フォローアップを行っております。採用アクションの進捗確認を目的とした定期ミーティングの開催や、時期別アクションや高校・高校生の対応方法などの高校新卒採用ノウハウの提供、高校別の就職関連情報の提供、企業求人票の添削アドバイス、高校教員を招いたカンファレンスセミナー等の開催等を通じて、高校新卒採用の可能性を高めるためのサービス提供を行っておりますが、常に顧客の要望する点についてのサポート内容の改善を行っております。
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などを背景に、景気は緩やかな回復傾向を維持いたしました。一方で、原材料価格の上昇や円安の継続、金利上昇、物価高の影響により、個人消費には節約志向が強まるなど、力強さに欠ける状況が続きました。また、米国の政策動向や中国経済の減速、地政学的リスクの高まりなど、海外経済の不透明感もわが国経済の先行きに影響を与えており、依然として不透明な環境が続いております。
そのような下で、当社が属する新卒就職支援市場においては、わが国の大卒求人倍率(2026年3月卒業者)は1.66倍(出典:㈱リクルート「第42回ワークス大卒求人倍率調査」)と2025年卒の1.75倍より0.09ポイント低下いたしましたが、依然人員不足が深刻であり、高い水準で推移しております。反面、300名未満の従業員規模の企業においては8.98倍(出典:㈱リクルート「第42回ワークス大卒求人倍率調査」)とコロナ禍前のピークである2019年卒の9.91倍に次ぐ高い水準となりました。
また、2025年卒の高卒求人倍率も4.10倍(出典:厚生労働省発表「令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(令和7年3月末現在)」)とついに4倍を突破し、非常に高い水準となっております。特に若年層の人員不足は多くの企業の共通課題となっていることから、総じて若手人材を中心とした企業の採用意欲は高止まりを続けています。産業別には、恒常的に若手の人員不足が顕著な建設業や製造業、本年4月から開催された大阪関西万博のインバウンド需要等を見込んだ小売業・卸売業、昨年4月の労働基準法改正による残業時間規制の影響で人員不足が喫緊の問題となっている運輸業・郵便業において、求人数が高い状態が続いております。
近年、少子化の影響により若手人材の数が減少し、新卒採用の難易度が一層高まっております。これに伴い、第二新卒などを対象とした通年採用を導入する企業が増加し、その動きが加速しております。
この流れは、人材不足が深刻な中小企業にも波及するものと思われ、当社の若手人材の採用サービス需要が一層高まると考えております。
このような環境の下、当社は、パーパスに「これからを生きる人の夢を増やす」、ビジョンに「若者に希望を与えるNo.1企業」を掲げ、これらを実現するため、高校生及び高卒第二新卒(18歳~25歳の高卒社会人及び離職者)を価値提供のターゲットとした、以下のサービスを展開しております。
<採用支援サービス>・高校生の就職を支援する就職求人サイト「ジョブドラフトNavi」
・ジョブドラフトNaviと連動した教員のための求人管理システム「ジョブドラフトTeacher」
・高校生のための職業体験・就職イベント運営「おしごとフェア/ジョブドラフトFes/先生Fes」
・入社後のミスマッチ防止をサポートする適性検査アプリ「ジョブドラフトSurvey」
<企画制作サービス>・企業の高校新卒採用における求人ナビ原稿作成
・DTP制作(採用パンフレット制作・イベントブース装飾制作)
・Web制作(企業紹介動画制作・採用ホームページ制作)
<代行支援サービス>・求人票発送代行サービス
・TikTok等SNS運用代行サービス
・人事部パックサービス(※1)
(※1 採用、定着、評価、教育の人事機能を担う人事部パックサービスを昨年9月より開始)
・その他採用業務代行支援サービス
<教育研修サービス>・高校向けキャリア教育支援「ジョブドラフトCareer」
・企業向け新人育成定着支援研修「ROOKIE’S CLUB」
・社会人向けデジタルマーケティング人材育成研修「DMU」
<その他サービス>・高卒第二新卒(※2)の就転職を支援する「ジョブドラフトNext」
(※2 高卒第二新卒とは、18~25歳程度までを対象とした高卒社会人全般を指します。)
上記の通り、採用分野だけに限らない研修や採用、定着診断などのサービスを実現しております。
当事業年度においても引き続き、当社主軸サービスである「ジョブドラフトサービス」の地方深耕・付加価値向上・商談獲得ルートの新規開拓を進め、特に金融機関等からの見込顧客紹介や広告からの資料問合せ等のインバウンド商談などを主軸として進めてまいりました。
当事業年度上期においては、提携済金融機関等の深耕が進まず、金融機関等からの顧客紹介数が想定を下回ったこと及び中長期的な事業成長に向けて積極的な人員採用を継続して行っていたものの、組織の拡大に応じた社員育成体制の整備が遅れ、新規受注率が低下いたしました。そのため、受注金額及び受注案件の役務提供に伴う売上高は伸び悩みました。
当事業年度下期においては、上期までの社員育成の効果も少しずつ出始め、同時に営業体制の見直し、金融機関対応の変更の結果、新規受注率及びリピート受注率が上向きになったことで受注状況は改善されております。
また、当事業年度下期は、提携済金融機関等に対して持続可能な顧客紹介数の増加の実現に向け、一行一行との対話を増やし、金融機関側のニーズヒアリングや各行のキーマンの把握、紹介促進計画のテストマーケティング等を実行したことにより、顧客紹介数増加の兆しも見えてまいりました。
さらに、下期から主にグループ会社を多く抱える大手企業や全国にFC・販売代理店を多く抱える企業への提案強化を行い、新たな高校生の選択肢となり得る新規顧客の獲得が実現できています。
そのような中、掲載売上については、掲載数の伸長に伴い前年同期と比較して増加、掲載売上以外のオプション売上につきましては、特に企業の採用を目的としたSNS運用代行、高校生向け大規模合同企業説明会が好調に推移しております。加えて、オプション商品の納品が予定通り進捗したため、結果として、当事業年度の売上高については、下方修正後の売上計画と同水準で着地いたしました。
また、人事部パックにおいては、ローンチ初年度として当事業年度末で46社と契約に至るなど、想定に近しい結果となっております。
売上原価については、オプション商品の制作を一部内製化すること等の施策により、原価の削減効果を発揮し、粗利益が計画84.1%に対し85.3%で着地、利益の確保を実現いたしました。
販売管理費については、金融機関経由の受注強化に伴い成約時の紹介手数料が増加している一方で、「生産性向上」の方針の下、全社にてコスト削減に取り組みました。その結果、広告宣伝費などのプロフィットコストについては投資を継続した上で、販売管理費計画2,000百万円に対し1,984百万円の消化となり、結果的に利益確保を実現しております。
以上、事業進捗が復調していること及び全体経費の削減から、売上高については下方修正後の計画と同水準で、営業利益・経常利益及び税引前当期純利益については下方修正後の計画を大きく上回る結果となっております。
一方で、税金費用については、当事業年度において監査法人との協議により将来の課税所得の見通しを慎重に再評価した結果、繰延税金資産の回収可能性が低下したとの判断に至ったことで、繰延税金資産236,485千円を取崩すこととなりました。具体的には、繰延税金資産の回収可能性検討にあたり、現在の分類の変更を行っております。この「分類」とは、繰延税金資産の回収可能性を判断するための基準であり、過去の利益実績や将来の利益見込みに応じて、分類1から分類5の5段階に分けて判定するものです。
当社は、将来の利益計画に基づく分類4に認められる取扱いから、繰越欠損金に関する繰延税金資産の回収可能性について、課税所得として見積可能な期間を3年としておりましたが、前提となる事業計画の再検討により、課税所得として見積可能な期間を1年といたしました。
これにより繰延税金資産を取崩す影響から法人税等調整額が多額に計上され、結果的に当期純利益が想定を大きく下回る結果となりました。なお、当事業年度及び今後の中期経営計画の期間において、分類の変更の結果繰延税金資産を積み増すことによる収益の計上(税金費用のマイナス)がある可能性はありますが、今回同様の多額の費用計上がなされる可能性はないものと見込んでおります。
これらの結果、当事業年度の売上高は2,400,260千円(前年同期比15.2%増)、営業利益は62,545千円(前年同期比77.0%減)、経常利益は58,884千円(前年同期比76.8%減)、当期純損失は184,425千円(前年同期は当期純利益141,803千円)となりました。
なお、当社は、高卒人材採用支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(資産の部)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ88,609千円減少し、2,090,700千円となりました。これは主に、現金及び預金が39,328千円増加、前払費用が73,131千円増加、敷金及び保証金が54,156千円増加した一方、繰延税金資産が236,485千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べ7,610千円増加し、1,700,829千円となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が50,022千円増加、短期借入金が102,494千円増加した一方、未払法人税等が42,424千円減少、契約負債が84,448千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ96,220千円減少し、389,870千円となりました。第三者割当増資等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ44,102千円増加した一方、当期純損失の計上により利益剰余金が184,425千円減少したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ39,328千円増加し、1,593,893千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、128,391千円となりました。これは、主に税引前当期純利益62,998千円、契約負債の減少額84,448千円、前払費用の増加額73,131千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、72,390千円となりました。これは、主に敷金及び保証金の差入による支出54,732千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、240,110千円となりました。これは、主に第三者割当増資等による収入88,205千円、長期借入れによる収入170,000千円、短期借入金の純増額102,494千円、長期借入金の返済による支出119,978千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当事業年度の受注実績は次のとおりであります。なお、当社は高卒人材採用支援事業の単一のセグメントであるため、サービス領域別に記載しております。
(注)受注高は当該期間における顧客からの受注の総額であり、受注残高は過去受注済のもののうち期間末
日時点において役務未提供のため売上高に未計上である金額を指します。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は高卒人材採用支援事業の単一のセグメントであるため、サービス領域別に記載しております。
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対す
る割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 (1)財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
②財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の状況
当事業年度の財政状態の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績の状況
(売上高)
当事業年度の売上高は前事業年度と比較して、317,266千円増加し、2,400,260千円(前年同期比15.2%増)となりました。売上高の分析・検討内容につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は30,806千円増加し、353,320千円(前年同期比9.6%増)となりました。これは主に、オプション商材の販売が好調に推移したことによるパートナー支払の増加によるものであります。この結果、売上総利益は286,459千円増加し、2,046,940千円(前年同期比16.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は496,325千円増加し、1,984,394千円(前年同期比33.4%増)となりました。これは主に、業容拡大に伴う新規採用による人件費の増加、及び金融機関への支払紹介手数料(金融機関から紹介頂いた企業との成約に伴う紹介手数料)の増加によるものであります。この結果、営業利益は209,865千円減少し、62,545千円(前年同期比77.0%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度は、営業外収入として主に助成金収入等により3,981千円を計上しました。また、営業外費用として主に支払利息により7,642千円を計上しました。この結果、経常利益は195,064千円減少し、58,884千円(前年同期比76.8%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度は、特別利益として助成金収入を11,555千円計上し、特別損失として固定資産除却損を7,441千円計上しました。また、繰延税金資産の取崩により、法人税等調整額として236,485千円計上したため、法人税等が136,870千円増加し247,423千円(前年同期比123.8%増)となりました。これらの結果、当期純利益は326,228千円減少し、当期純損失184,425千円(前年同期は当期純利益141,803千円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要のうち主なものは、人件費や広告宣伝投資、システム開発、事務所移転経費等が中心となりますが、これらの資金に関する財源は、自己資金及び金融機関からの借入により対応しております。
なお、当事業年度末の現金及び現金同等物残高は前事業年度末に比べ39,328千円増加し、1,593,893千円となりました。有利子負債(借入金)残高は514,605千円(前事業年度末362,089千円)となっております。
今後の更なる業容拡大に対応するための資金に関しては、自己資金を主として、場合に応じて金融機関からの借入資金を用いて、成長投資の実行とともに財務基盤の強化を図ってまいります。
④経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等
当社は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標」に記載の指標を重視しており、過年度からの推移は以下のとおりです。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①経営成績の状況
当社の収益構造は、求人広告掲載を希望する企業に当社サービスを紹介し、対価として、「ジョブドラフトNavi」掲載料を中心に、付随するオプションサービス料金を受領しております。「ジョブドラフトNavi」及び「ジョブドラフトNext」については、それぞれ、自社保有マッチングプラットフォームであり、人材紹介サービスであるため仕入原価が発生しませんが、付随オプションサービスについては役務提供に関する仕入原価が発生する収益構造となっております。
掲載料収益は新規及びリピート申込数の影響を受け、新規申込数は新規商談数×新規受注率、リピート申込数は対象顧客数×リピート率で表されます。それぞれの変数に対する当社の対応としては以下のとおりです。(商談数)
・広告宣伝費を投下し、Web上でのインバウンド商談獲得(※)を促進しています。
・全国の都市銀行・地方銀行・信用金庫と連携し、高卒人材採用を希望する企業紹介を促進しています。
(※)web上でのインバウンド商談とは、web上でのサービス問い合わせから商談に至ったものを指します。
(受注率)
・金融機関からの紹介商談は、企業のサービスへの期待も高く、受注率が高いため、全国の都市銀行・地方銀行・信用金庫と連携し、高卒人材採用を希望する企業紹介を促進しています。
(リピート率)
・「ジョブドラフトNavi」の掲載企業の内サポートプランでの掲載企業においては、カスタマーサポート部門による顧客フォローアップを行っております。採用アクションの進捗確認を目的とした定期ミーティングの開催や、時期別アクションや高校・高校生の対応方法などの高校新卒採用ノウハウの提供、高校別の就職関連情報の提供、企業求人票の添削アドバイス、高校教員を招いたカンファレンスセミナー等の開催等を通じて、高校新卒採用の可能性を高めるためのサービス提供を行っておりますが、常に顧客の要望する点についてのサポート内容の改善を行っております。
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善やインバウンド需要の増加などを背景に、景気は緩やかな回復傾向を維持いたしました。一方で、原材料価格の上昇や円安の継続、金利上昇、物価高の影響により、個人消費には節約志向が強まるなど、力強さに欠ける状況が続きました。また、米国の政策動向や中国経済の減速、地政学的リスクの高まりなど、海外経済の不透明感もわが国経済の先行きに影響を与えており、依然として不透明な環境が続いております。
そのような下で、当社が属する新卒就職支援市場においては、わが国の大卒求人倍率(2026年3月卒業者)は1.66倍(出典:㈱リクルート「第42回ワークス大卒求人倍率調査」)と2025年卒の1.75倍より0.09ポイント低下いたしましたが、依然人員不足が深刻であり、高い水準で推移しております。反面、300名未満の従業員規模の企業においては8.98倍(出典:㈱リクルート「第42回ワークス大卒求人倍率調査」)とコロナ禍前のピークである2019年卒の9.91倍に次ぐ高い水準となりました。
また、2025年卒の高卒求人倍率も4.10倍(出典:厚生労働省発表「令和6年度「高校・中学新卒者のハローワーク求人に係る求人・求職状況」取りまとめ(令和7年3月末現在)」)とついに4倍を突破し、非常に高い水準となっております。特に若年層の人員不足は多くの企業の共通課題となっていることから、総じて若手人材を中心とした企業の採用意欲は高止まりを続けています。産業別には、恒常的に若手の人員不足が顕著な建設業や製造業、本年4月から開催された大阪関西万博のインバウンド需要等を見込んだ小売業・卸売業、昨年4月の労働基準法改正による残業時間規制の影響で人員不足が喫緊の問題となっている運輸業・郵便業において、求人数が高い状態が続いております。
近年、少子化の影響により若手人材の数が減少し、新卒採用の難易度が一層高まっております。これに伴い、第二新卒などを対象とした通年採用を導入する企業が増加し、その動きが加速しております。
この流れは、人材不足が深刻な中小企業にも波及するものと思われ、当社の若手人材の採用サービス需要が一層高まると考えております。
このような環境の下、当社は、パーパスに「これからを生きる人の夢を増やす」、ビジョンに「若者に希望を与えるNo.1企業」を掲げ、これらを実現するため、高校生及び高卒第二新卒(18歳~25歳の高卒社会人及び離職者)を価値提供のターゲットとした、以下のサービスを展開しております。
<採用支援サービス>・高校生の就職を支援する就職求人サイト「ジョブドラフトNavi」
・ジョブドラフトNaviと連動した教員のための求人管理システム「ジョブドラフトTeacher」
・高校生のための職業体験・就職イベント運営「おしごとフェア/ジョブドラフトFes/先生Fes」
・入社後のミスマッチ防止をサポートする適性検査アプリ「ジョブドラフトSurvey」
<企画制作サービス>・企業の高校新卒採用における求人ナビ原稿作成
・DTP制作(採用パンフレット制作・イベントブース装飾制作)
・Web制作(企業紹介動画制作・採用ホームページ制作)
<代行支援サービス>・求人票発送代行サービス
・TikTok等SNS運用代行サービス
・人事部パックサービス(※1)
(※1 採用、定着、評価、教育の人事機能を担う人事部パックサービスを昨年9月より開始)
・その他採用業務代行支援サービス
<教育研修サービス>・高校向けキャリア教育支援「ジョブドラフトCareer」
・企業向け新人育成定着支援研修「ROOKIE’S CLUB」
・社会人向けデジタルマーケティング人材育成研修「DMU」
<その他サービス>・高卒第二新卒(※2)の就転職を支援する「ジョブドラフトNext」
(※2 高卒第二新卒とは、18~25歳程度までを対象とした高卒社会人全般を指します。)
上記の通り、採用分野だけに限らない研修や採用、定着診断などのサービスを実現しております。
当事業年度においても引き続き、当社主軸サービスである「ジョブドラフトサービス」の地方深耕・付加価値向上・商談獲得ルートの新規開拓を進め、特に金融機関等からの見込顧客紹介や広告からの資料問合せ等のインバウンド商談などを主軸として進めてまいりました。
当事業年度上期においては、提携済金融機関等の深耕が進まず、金融機関等からの顧客紹介数が想定を下回ったこと及び中長期的な事業成長に向けて積極的な人員採用を継続して行っていたものの、組織の拡大に応じた社員育成体制の整備が遅れ、新規受注率が低下いたしました。そのため、受注金額及び受注案件の役務提供に伴う売上高は伸び悩みました。
当事業年度下期においては、上期までの社員育成の効果も少しずつ出始め、同時に営業体制の見直し、金融機関対応の変更の結果、新規受注率及びリピート受注率が上向きになったことで受注状況は改善されております。
また、当事業年度下期は、提携済金融機関等に対して持続可能な顧客紹介数の増加の実現に向け、一行一行との対話を増やし、金融機関側のニーズヒアリングや各行のキーマンの把握、紹介促進計画のテストマーケティング等を実行したことにより、顧客紹介数増加の兆しも見えてまいりました。
さらに、下期から主にグループ会社を多く抱える大手企業や全国にFC・販売代理店を多く抱える企業への提案強化を行い、新たな高校生の選択肢となり得る新規顧客の獲得が実現できています。
そのような中、掲載売上については、掲載数の伸長に伴い前年同期と比較して増加、掲載売上以外のオプション売上につきましては、特に企業の採用を目的としたSNS運用代行、高校生向け大規模合同企業説明会が好調に推移しております。加えて、オプション商品の納品が予定通り進捗したため、結果として、当事業年度の売上高については、下方修正後の売上計画と同水準で着地いたしました。
また、人事部パックにおいては、ローンチ初年度として当事業年度末で46社と契約に至るなど、想定に近しい結果となっております。
売上原価については、オプション商品の制作を一部内製化すること等の施策により、原価の削減効果を発揮し、粗利益が計画84.1%に対し85.3%で着地、利益の確保を実現いたしました。
販売管理費については、金融機関経由の受注強化に伴い成約時の紹介手数料が増加している一方で、「生産性向上」の方針の下、全社にてコスト削減に取り組みました。その結果、広告宣伝費などのプロフィットコストについては投資を継続した上で、販売管理費計画2,000百万円に対し1,984百万円の消化となり、結果的に利益確保を実現しております。
以上、事業進捗が復調していること及び全体経費の削減から、売上高については下方修正後の計画と同水準で、営業利益・経常利益及び税引前当期純利益については下方修正後の計画を大きく上回る結果となっております。
一方で、税金費用については、当事業年度において監査法人との協議により将来の課税所得の見通しを慎重に再評価した結果、繰延税金資産の回収可能性が低下したとの判断に至ったことで、繰延税金資産236,485千円を取崩すこととなりました。具体的には、繰延税金資産の回収可能性検討にあたり、現在の分類の変更を行っております。この「分類」とは、繰延税金資産の回収可能性を判断するための基準であり、過去の利益実績や将来の利益見込みに応じて、分類1から分類5の5段階に分けて判定するものです。
当社は、将来の利益計画に基づく分類4に認められる取扱いから、繰越欠損金に関する繰延税金資産の回収可能性について、課税所得として見積可能な期間を3年としておりましたが、前提となる事業計画の再検討により、課税所得として見積可能な期間を1年といたしました。
これにより繰延税金資産を取崩す影響から法人税等調整額が多額に計上され、結果的に当期純利益が想定を大きく下回る結果となりました。なお、当事業年度及び今後の中期経営計画の期間において、分類の変更の結果繰延税金資産を積み増すことによる収益の計上(税金費用のマイナス)がある可能性はありますが、今回同様の多額の費用計上がなされる可能性はないものと見込んでおります。
これらの結果、当事業年度の売上高は2,400,260千円(前年同期比15.2%増)、営業利益は62,545千円(前年同期比77.0%減)、経常利益は58,884千円(前年同期比76.8%減)、当期純損失は184,425千円(前年同期は当期純利益141,803千円)となりました。
なお、当社は、高卒人材採用支援事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載を省略しております。
②財政状態の状況
(資産の部)
当事業年度末における総資産は、前事業年度末に比べ88,609千円減少し、2,090,700千円となりました。これは主に、現金及び預金が39,328千円増加、前払費用が73,131千円増加、敷金及び保証金が54,156千円増加した一方、繰延税金資産が236,485千円減少したことによるものであります。
(負債の部)
当事業年度末における負債は、前事業年度末に比べ7,610千円増加し、1,700,829千円となりました。これは主に、長期借入金(1年内返済予定の長期借入金含む)が50,022千円増加、短期借入金が102,494千円増加した一方、未払法人税等が42,424千円減少、契約負債が84,448千円減少したことによるものであります。
(純資産の部)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ96,220千円減少し、389,870千円となりました。第三者割当増資等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ44,102千円増加した一方、当期純損失の計上により利益剰余金が184,425千円減少したことによるものであります。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前事業年度末に比べ39,328千円増加し、1,593,893千円となりました。各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は、以下のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果使用した資金は、128,391千円となりました。これは、主に税引前当期純利益62,998千円、契約負債の減少額84,448千円、前払費用の増加額73,131千円によるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果使用した資金は、72,390千円となりました。これは、主に敷金及び保証金の差入による支出54,732千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果得られた資金は、240,110千円となりました。これは、主に第三者割当増資等による収入88,205千円、長期借入れによる収入170,000千円、短期借入金の純増額102,494千円、長期借入金の返済による支出119,978千円によるものであります。
④生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社が提供するサービスの性格上、生産実績の記載になじまないため、記載を省略しております。
b.受注実績
当事業年度の受注実績は次のとおりであります。なお、当社は高卒人材採用支援事業の単一のセグメントであるため、サービス領域別に記載しております。
| サービス領域の名称 | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |||
| 受注高 | 受注残高 | |||
| 金額(千円) | 前期比(%) | 金額(千円) | 前期比(%) | |
| 採用領域 | 2,232,123 | 97.1 | 1,131,817 | 95.8 |
| 教育領域 | 136,856 | 126.6 | 61,106 | 107.5 |
| その他 | - | - | - | - |
| 合計 | 2,368,980 | 98.4 | 1,192,924 | 96.4 |
(注)受注高は当該期間における顧客からの受注の総額であり、受注残高は過去受注済のもののうち期間末
日時点において役務未提供のため売上高に未計上である金額を指します。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社は高卒人材採用支援事業の単一のセグメントであるため、サービス領域別に記載しております。
| サービス領域の名称 | 当事業年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | |
| 販売高(千円) | 前期比(%) | |
| 採用領域 | 2,248,312 | 113.6 |
| 教育領域 | 132,651 | 153.7 |
| その他 | 19,296 | 110.0 |
| 合計 | 2,400,260 | 115.2 |
(注)主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合については、総販売実績に対す
る割合が10%以上の相手先がいないため記載を省略しております。
(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析、検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項については、有価証券報告書提出日現在において当社が判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択、適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額並びに開示に影響を与える見積りを必要とします。これらの見積りについては過去の実績等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
財務諸表の作成に当たって用いた会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定のうち、重要なものについては、「第5経理の状況 (1)財務諸表等 注記事項(重要な会計上の見積り)」に記載のとおりです。
②財政状態及び経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a 財政状態の状況
当事業年度の財政状態の状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ② 財政状態の状況」に記載のとおりであります。
b 経営成績の状況
(売上高)
当事業年度の売上高は前事業年度と比較して、317,266千円増加し、2,400,260千円(前年同期比15.2%増)となりました。売上高の分析・検討内容につきましては「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ①経営成績の状況」に記載のとおりです。
(売上原価、売上総利益)
当事業年度の売上原価は30,806千円増加し、353,320千円(前年同期比9.6%増)となりました。これは主に、オプション商材の販売が好調に推移したことによるパートナー支払の増加によるものであります。この結果、売上総利益は286,459千円増加し、2,046,940千円(前年同期比16.3%増)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
当事業年度の販売費及び一般管理費は496,325千円増加し、1,984,394千円(前年同期比33.4%増)となりました。これは主に、業容拡大に伴う新規採用による人件費の増加、及び金融機関への支払紹介手数料(金融機関から紹介頂いた企業との成約に伴う紹介手数料)の増加によるものであります。この結果、営業利益は209,865千円減少し、62,545千円(前年同期比77.0%減)となりました。
(営業外損益、経常利益)
当事業年度は、営業外収入として主に助成金収入等により3,981千円を計上しました。また、営業外費用として主に支払利息により7,642千円を計上しました。この結果、経常利益は195,064千円減少し、58,884千円(前年同期比76.8%減)となりました。
(特別損益、当期純利益)
当事業年度は、特別利益として助成金収入を11,555千円計上し、特別損失として固定資産除却損を7,441千円計上しました。また、繰延税金資産の取崩により、法人税等調整額として236,485千円計上したため、法人税等が136,870千円増加し247,423千円(前年同期比123.8%増)となりました。これらの結果、当期純利益は326,228千円減少し、当期純損失184,425千円(前年同期は当期純利益141,803千円)となりました。
③キャッシュ・フローの状況
当事業年度のキャッシュ・フローの状況については、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1)経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりであります。
当社の資金需要のうち主なものは、人件費や広告宣伝投資、システム開発、事務所移転経費等が中心となりますが、これらの資金に関する財源は、自己資金及び金融機関からの借入により対応しております。
なお、当事業年度末の現金及び現金同等物残高は前事業年度末に比べ39,328千円増加し、1,593,893千円となりました。有利子負債(借入金)残高は514,605千円(前事業年度末362,089千円)となっております。
今後の更なる業容拡大に対応するための資金に関しては、自己資金を主として、場合に応じて金融機関からの借入資金を用いて、成長投資の実行とともに財務基盤の強化を図ってまいります。
④経営方針・経営戦略等又は経営上の目標達成状況を判断するための客観的指標等
当社は「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するための客観的指標」に記載の指標を重視しており、過年度からの推移は以下のとおりです。
| 第10期事業年度 (2024年3月期) | 第11期事業年度 (2025年3月期) | |
| 売上高(千円) | 2,082,994 | 2,400,260 |
| 営業利益(千円) | 272,411 | 62,545 |
| 採用領域に関する受注高(千円) | 2,298,957 | 2,232,123 |
| ジョブドラフトNavi掲載企業数(社) | 1,784 | 2,056 |