有価証券報告書-第10期(2024/01/01-2024/12/31)

【提出】
2025/03/31 16:20
【資料】
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【項目】
105項目
(1)経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当事業年度末における流動資産合計は1,827,983千円となり、前事業年度末に比べ798,954千円増加いたしました。これは主に、東京証券取引所グロース市場に上場した際の増資等による現金及び預金が778,402千円増加したこと等によるものであります。
当事業年度末における固定資産合計は196,073千円となり、前事業年度末に比べ46,404千円増加いたしました。これは主に、繰延税金資産が47,925千円増加したこと等によるものであります。
この結果、当事業年度末における資産合計は2,024,057千円となり、前事業年度末に比べ845,359千円増加いたしました。
(負債)
当事業年度末における流動負債合計は608,520千円となり、前事業年度末に比べ131,479千円増加いたしました。これは主に、短期借入金が51,000千円減少した一方、一年内返済長期借入金が150,000千円増加したこと等によるものであります。
当事業年度末における固定負債合計は100,000千円となり、前事業年度末に比べ150,000千円減少いたしました。これは主に、長期借入金が150,000千円減少したことによるものであります。
この結果、当事業年度末における負債合計は708,520千円となり、前事業年度末に比べ18,520千円減少いたしました。
(純資産)
当事業年度末における純資産合計は1,315,537千円となり、前事業年度末に比べ863,879千円増加いたしました。これは、東京証券取引所グロース市場に上場した際の増資等により資本金及び資本剰余金がそれぞれ293,790千円増加したこと、当期純利益の計上により利益剰余金が276,298千円増加したことによるものであります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境が改善するとともにインバウンド需要の回復などから緩やかな回復基調となりました。さらには、日本銀行のゼロ金利政策の解除もあり、長期間続いたデフレ局面からインフレ局面への転換期を迎えております。一方、国際情勢等の地政学的な不安要素に起因する物価上昇等によるコスト高や為替相場の変動などにより、依然として先行きは不透明な状況となっております。
国内の情報セキュリティ市場においては、電子商取引の規模拡大に伴い決済のキャッシュレス化が進み、キャッシュレス決済が拡大することでクレジットカード等の不正利用が増加し、その被害抑制対策強化の流れが加速すると見込まれます。なお、2023年の消費者向け電子商取引は前年比9.2%増の24兆8,435億円(注1)となり、2023年の国内のキャッシュレス決済比率は39.3%(注2)まで到達するなど、いずれも順調に推移しております。
マネー・ローンダリング市場においては、2021年8月30日にFATF(金融活動作業部会)(注3)による第4次対日相互審査報告書が公表され、わが国は、審査対象である有効性と法令遵守状況の双方で、マネー・ローンダリング及びテロ資金供与対策における合格基準を下回り、「重点フォローアップ」に分類されました。特殊詐欺やSNS型投資・ロマンス詐欺及びフィッシングに伴う犯罪等の被害額が2023年には約1,630億円(注4)と前年から倍増し加速度的に拡大しております。これらの結果を受け、今後法改正等の動きが見込まれると同時に、より一層マネー・ローンダリング対策市場の拡大が進むと考えられます。
このような状況のもと当事業年度においては、当社は主に「Fraud Alert」の導入社数拡大とアップセルに取り組んでまいりました。8月に金融庁と警察庁が連名で金融機関に向けた要請(注5)を出したことを受けて、マネー・ローンダリング対策における取引モニタリングの導入需要が高まり、商談の引き合いが増加いたしました。開発においては、不正送金検知サービス導入のためのシステム構築が完了し、12月27日に入出金のモニタリングを行うサービス「Fraud Alert 入出金検知」を正式にリリースいたしました。金融機関等向け電力契約情報を活用したサービス(一般送配電事業者が保有する電力設備情報の一部を不正口座開設の抑止、継続的顧客管理に活用するサービス)に関する取り組みにおいては、申請中であったグレーゾーン解消についての回答(注6)が4月に経済産業省のホームページで公表されました。これにより一般送配電事業者の保有する契約者情報を当社が提供するサービスに活用することが適法であると認められ、このサービスにおける実証実験を金融機関と行いました。また、今後のサービス展開の拡充や顧客増に備えるためセキュリティレベルの強化を図っており、第一フェーズが完了し次の工程へ向けて準備をしております。
なお、当事業年度末時点のMRR(注7)は105,590千円(前年同期比19.5%増)、ARR(注8)は1,267,083千円(同19.5%増)、契約社数は47社(同20.5%増)(注9)、ARPU(注10)は2,246千円(同0.8%減)、契約残高(注11)は664,083千円(同49.7%増)、直近12ヶ月の平均月次契約解約率(グロスレベニューチャーンレート)は0.6%(同1.4Pt減)(注12)となりました。
この結果、当事業年度における経営成績は、売上高1,225,271千円(前年同期比23.1%増)、営業利益412,666千円(同39.5%増)、経常利益388,328千円(同32.1%増)、当期純利益276,298千円(同6.1%増)となりました。
なお、当社はマネー・ローンダリング及びサイバーセキュリティ対策事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は省略しております。
(注1)出典:経済産業省「令和5年度 電子商取引に関する市場調査 報告書(2024年9月)」
(注2)出典:経済産業省「2023年度のキャッシュレス決済比率」(2024年3月)
(注3)FATF(金融活動作業部会):マネー・ローンダリング・テロ資金供与対策の国際基準(FATF勧告)を策定し、その履行状況について相互審査を行う多国間の枠組み。1989年のアルシュ・サミット経済宣言を受けて設立された。現在、G7を含む38カ国・2地域機関が加盟しており、その他9つのFATF型地域体を加えると、FATF勧告は、世界200以上の国・地域に適用されている。
(注4)出典:内閣官房犯罪対策閣僚会議「国民を詐欺から守るための総合対策」(2024年6月)
(注5)出典:金融庁・警察庁連名「法人口座を含む預貯金口座の不正利用等防止に向けた対策の一層の強化について」(2024年8月)
(注6)出典:経済産業省「グレーゾーン解消制度への申請案件」「不正口座開設防止サービス及び継続的顧客管理サービスについて」(2024年4月)
(注7)MRR:Monthly Recurring Revenueの略称。MRRは対象月末時点における継続課金となる契約に基づく当月分の料金の合計額。
(注8)ARR:Annual Recurring Revenueの略称。該当月のMRRを12倍して算出。
(注9)契約社数は、前期末から8社増加しております。その内訳は新規顧客10社、解約2社となっております。
(注10)ARPU:Average Recurring Revenue per Userの略称。該当月のMRRを契約社数で除して算出。
(注11)契約残高は、前期獲得した全契約金額のうち翌期に売上高を繰り越した金額に当期獲得した全契約金額を加算し、当期に売上高として計上したものを控除した残額。
(注12)第9期有価証券報告書にて記載していたグロスレベニューチャーンレートは直近3ヶ月の平均月次解約率として計算しておりましたが、直近12ヶ月の平均月次解約率のほうが当社の状況を正しく表現できるため、当事業年度の期首より計算方法を変更しております。計算式は、「月中に解約及びダウンセルとなったサブスクリプション額÷前月末時点でのMRR」の対象期間12か月の平均。なお、変更後の推移は下記の通りとなります。
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③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)の残高は1,733,104千円となり、前事業年度末に比べ778,402千円増加いたしました。
当事業年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動により得られた資金は、266,220千円(前年同期は306,545千円の収入)となりました。これは主に、法人税等の支払181,416千円等により資金が減少した一方で、税引前当期純利益388,328千円、契約負債の増加34,198千円等により資金が増加したことによるものであります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動により使用した資金は、322千円(前年同期は6,950千円の支出)となりました。これは、有形固定資産の取得による支出322千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動により得られた資金は、512,504千円(前年同期は51,000千円の収入)となりました。これは主に、短期借入金の返済による支出51,000千円等により資金が減少した一方で、株式の発行による収入579,900千円により資金が増加したことによるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
a.生産実績
当社は生産活動を行っておりませんので、該当事項はありません。
b.受注実績
当社が行う事業は、提供するサービスの性格上、受注実績の記載になじまないため、当該記載を省略しております。
c.販売実績
当事業年度の販売実績は次のとおりであります。なお、当社はマネー・ローンダリング及びサイバーセキュリティ対策事業の単一セグメントのため、セグメント別の記載は省略しております。
セグメント名称当事業年度
(自2024年1月1日
至2024年12月31日)
金額(千円)前年同期比(%)
マネー・ローンダリング及び
サイバーセキュリティ対策事業
1,225,271123.1
合計1,225,271123.1

(注)最近2事業年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
相手先前事業年度
(自2023年1月1日
至2023年12月31日)
当事業年度
(自2024年1月1日
至2024年12月31日)
金額(千円)割合(%)金額(千円)割合(%)
株式会社三井住友銀行116,37111.7136,92311.2
楽天証券株式会社103,10010.497,4007.9

(2)経営者の視点による経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、当事業年度末現在において判断したものであります。
①重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、見積り特有の不確実性があるため、実際の結果は、これらの見積りと異なる可能性があります。
なお、当事業年度において、記載すべき重要な会計上の見積りはありません。
②財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要①財政状態の状況 ②経営成績の状況」をご参照ください。
当社の経営成績に重要な影響を与える要因につきましては、「3 事業等のリスク」をご参照ください。
③キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「(1)経営成績等の状況の概要 ③キャッシュ・フローの状況」をご参照ください。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、次のとおりであります。
当社の資本の財源及び資金の流動性につきましては、事業運営上必要な流動性と資金の源泉を安定的に確保することを基本方針としております。運転資金需要のうち主なものは、当社サービスを拡大していくための開発人員及び営業人員の人件費、また研究開発に係る費用であります。これらの資金については自己資金にて充当する方針です。今後の更なる業容拡大に対応するための資金に関しては、自己資金に加えて、株式上場時の調達資金を用いて、成長投資の実行とともに財務基盤の強化を図ってまいります。
④経営方針、経営戦略、経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社は、持続的な成長と企業価値の向上を目指しており、主な経営指標として月次経常収益(MRR)を特に重視しております。今後もこの指標を目標として経営を行うことにより、企業の成長性及び効率性の確保を図る所存であります。
当事業年度においては、導入企業数が増加し、その結果月次経常収益は増加しております。
重視する指標の推移
期間前事業年度末時点
(2023年12月)
当事業年度末時点
(2024年12月)
月次経常収益(MRR)88,367千円105,590千円

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