有価証券報告書-第31期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ464,604千円増加し、3,885,001千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加525,660千円であります。
固定資産は、前事業年度末に比べ100,520千円増加し、2,251,087千円となりました。主な要因は、新製品の開発等に伴うソフトウェアの増加413,443千円、ソフトウェア仮勘定の減少293,590千円であります。
この結果、総資産は、前事業年度に比べ565,125千円増加、6,136,089千円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末に比べ84,487千円減少し、2,259,606千円となりました。主な要因は、中間納付額増加及び当期純利益の減少に伴う未払法人税等の減少176,039千円、契約負債の増加85,911千円であります。
固定負債は、前事業年度末に比べ84,209千円増加し、1,150,348千円となりました。主な要因は、長期契約負債の増加79,280千円であります。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ278千円減少、3,409,955千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ565,402千円増加し、2,726,134千円となりました。主な要因は、上場時の増資による資本金の増加47,380千円及び資本準備金の増加47,380千円、繰越利益剰余金の増加493,398千円であります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続きましたが、物価上昇、米国の政策動向、中東地域をめぐる情勢等の影響により、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)という概念が浸透し、中堅中小企業においてもDX化が進んできております。そのような状況の中、労働人口の減少に伴い、ITによる業務の効率化、自動化による生産性向上のニーズは一層高まっております。また、テレワークの拡大により働き方も大きく変わり、商談も対面からオンラインへ移行するなど新しいビジネス形態へと移り変わり、セキュリティ対策などの信頼性向上のニーズも高まっております。
これらの環境変化などを背景に、当社の各ソリューションが属する市場は今後も以下の通り、成長することが見込まれております。
(単位:億円)
(注)CRM(営業系)、メール配信プラットフォームマーケティング、マーケティングオートメーションの合計で
算定しております。
このような市場環境の中、「テクノロジーの力で、未来をつくる新しい体験を提供し、ひとりひとりが輝く社会へ」というパーパスのもと、顧客の企業価値向上に資するべく、ITで経営課題を解決し、業務の生産性向上・信頼性向上を図るために、IT資産管理やセキュリティ対策等に対するソリューションを提供する「ネットワークソリューション」、名刺管理、SFA/CRM、MA、新規顧客開拓等の営業支援に対するソリューションを提供する「セールスDXソリューション」、AIOCR等によるデータエントリーに対するソリューションを提供する「AIデータエントリーソリューション」の3つのソリューションにおいて、ソフトウェアの開発及び販売を行っております。
その結果、当事業年度における業績は、売上高4,707,880千円(前期比109.9%)、営業利益791,514千円(前期比118.1%)、経常利益828,838千円(前期比106.4%)、当期純利益618,078千円(前期比95.3%)となりました。
(売上高)
当社はソリューション提供事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりませんが、各ソリューションにおける状況は以下のとおりです。
[ネットワークソリューション]
ネットワークソリューションでは、企業のPC及びPCネットワーク等のIT資産管理、セキュリティ対策、情報漏洩対策などの面から統合的に管理するソフトウェアを「AssetView」シリーズとして開発・販売しております。IT資産管理を取り巻く様々な課題を統合的に解決するためのソリューションサービスや運用支援サービスを「AssetView」と合わせて提供しております。
テレワークが多様な働き方の一つの形として定着しつつあり、社外にパソコン等のIT資産が存在する状態が定常化しています。これら社外のIT資産の管理の為に、IT資産管理ツールをクラウド環境で導入したいというニーズが増加しており、クラウドサービスの売上が大きく増加しております。クラウドサービスの新ブランドである「AssetView Cloud +」は、新プランの「情報漏洩対策」をリリースし、また、ヒトを軸とした対策が取れるように機能強化をはかりました。また、SaaS管理機能の強化や、長期ログ保存を可能にするアーカイブの整備等を実施しました。これによりクラウドサービスによる新規顧客の獲得を加速させるとともに、既存顧客のクラウドサービスへの移行も進んでおります。
当ソリューションの売上に占めるクラウドサービスの割合は、前期から増加し37.7%となりました。また、オンプレミス環境で導入頂いている既存顧客の保守契約も堅調に推移いたしました。
クラウドサービスのARRとチャーンレートの推移は以下の通りであり、チャーンレートは低い水準で推移しております。
(注)1.ARR :Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益を指す。各四半期末時点のMRR(Monthly
Recurring Revenue=月次経常収益)に12を乗じた数値
2.チャーンレート:解約率を意味し、既存契約の月次経常収益のうち解約に伴い減少した月次経常収益
の割合の直近12カ月平均
当該割合は「当月に失った月次経常収益÷前月末の月次経常収益×100(%)で算定」
その結果、当ソリューションの売上は2,867,473千円(前期比107.9%)となりました。
[セールスDXソリューション]
セールスDXソリューションでは、「営業を強くし、売上を上げる」をコンセプトに、法人営業の生産性向上・業務効率化を図り、企業の売上拡大を支援する「ホットプロファイル」及び「ホットアプローチ」の開発・販売・運用支援サービスを行っております。
「法人営業になくてはならない製品」を目指し、「名刺管理」「SFA/CRM」※「MA」※の機能を一気通貫で兼ね備えていることが大きな強みであり、これに加え、「新規顧客開拓」機能も有しております。
営業の活動状況を可視化し、売上・生産性向上を可能とするSFAの利用など、営業のDX化のニーズが中堅・中小企業においても拡大している中、非対面営業へのシフトが進む金融機関などへの導入も好調で、新規売上が堅調に推移致しました。また、他社製品とのAPI連携による協業を加速させました。
企業同士の対面コミュニケーションの機会が増加し、名刺交換の機会が増加することによる名刺データ化の需要の拡大やプラン変更などによるアップセルも堅調に推移いたしました。さらに、既存顧客の契約更新も順調に推移いたしました。
OEM製品を除くARRとチャーンレートの推移は以下の通りであります。
(注)1.ARR :Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益を指す。各四半期末時点のMRR(Monthly
Recurring Revenue=月次経常収益)に12を乗じた数値(OEM製品を除く)
2.チャーンレート:解約率を意味し、既存契約の月次経常収益のうち解約に伴い減少した月次経常収益
の割合の直近12カ月平均
当該割合は「当月に失った月次経常収益÷前月末の月次経常収益×100(%)で算定」(OEM製品を除く)
その結果、当ソリューションの売上は1,360,623千円(前期比112.7%)となりました。
※SFA:セールスフォースオートメーションの略で、営業支援システムであり、営業業務の見える化、効率化を図る仕組み、システムのことを意味します。
※CRM:カスタマーリレーションシップマネージメントの略で、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を管理し、顧客との良好な関係を構築・促進することを意味します。
※MA:マーケティングオートメーションの略で、マーケティング業務を自動化、効率化する仕組み、システムのことを意味します。
[AIデータエントリーソリューション]
AIデータエントリーソリューションでは、AIOCR※技術をベースとしたデータ入力業務効率化のソリューションを提供しています。
多くの企業や公共団体では、業務に用いられる帳票のうち、データ化されていない様々な帳票が残っており、その帳票を処理するための入力業務に多くの時間と労力を費やしております。労働人口の減少に伴い、バックオフィス業務のDX化を図り単純作業であるデータ入力業務における人手不足を解消し、入力ミスも削減するために、当社のOCR製品のようなシステムやサービスを利用する企業等が増えております。
OCRはAI技術の躍進とともに文字認識精度が高まり、対応可能なデータ入力業務の領域が拡大しております。これらにより、AIデータエントリーソリューションの領域は大きく成長する市場であると考えられます。当社においても継続してOCR技術の向上を図っております。
当社では、ダブルAI OCRと当社の在宅ワーカーによるOCR結果の確認作業を組み合わせることで、顧客の作業を限りなくゼロに近づけたクラウドサービスである「WOZE」を提供しており、「WOZE」の処理枚数の増加により売上は堅調に推移しております。また、2024年10月、帳票設計が不要なクラウドサービスである「DX OCR」をリリースすることで、対応できる業務がさらに広がり、事業領域が拡大しております。
その結果、当ソリューションの売上は479,783千円(前期比115.2%)となりました。
※OCR:オプティカルキャラクターリーダーの略で、手書きや印刷された文字をスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術を意味します。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ525,659千円増加し、3,165,984千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は923,334千円(前期は1,064,473千円の資金の収入)となりました。主な要因は、税引前当期純利益887,202千円(前期比25,162千円減少)、減価償却費469,702千円(前期比219,607千円増加)、法人税等の支払478,520千円(前期比529,011千円増加)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は366,648千円(前期は404,047千円の資金の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の償還による収入217,664千円(前期比28,330千円増加)、無形固定資産の取得による支出560,733千円(前期比11,331千円減少)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は37,381千円(前期は76,808千円の資金の支出)となりました。主な要因は、株式の発行による収入93,696千円(前期はなし)、配当金の支払額による支出124,680千円(前期比49,872千円増加)であります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社はソリューション提供事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載は行っておりませんので、ソリューション別に記載を行っております。
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当するものがないため記載を省略しております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績は次のとおりであります。
c.販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況の分析
(売上高)
売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりです。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は2,644,780千円(前期比115.8%)となりました。これは主に事業拡大に伴う人件費の増加及びソフトウェアの減価償却費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は2,063,100千円(前期比103.2%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は1,271,586千円(前期比95.7%)となりました。これは主に役員退職慰労金制度の廃止に伴う役員退職慰労引当金繰入額の減少、採用の時期ズレに伴う採用費の減少によるものであります。この結果、営業利益は791,514千円(前年比118.1%)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は45,180千円(前期比39.7%)となりました。これは主に為替予約残高減少による為替差益の減少によるものであります。営業外費用は7,855千円(前期比156.5%)となりました。これは主に上場関連費用の増加によるものであります。この結果、経常利益は828,838千円(前期比106.4%)となりました。
(特別損益、当期純利益)
投資有価証券償還益の計上により特別利益は58,363千円(前期比43.7%)となった結果、税引前当期純利益は887,202千円(前期比97.2%)となりました。また、法人税等を計上した結果、当期純利益は618,078千円(前期比95.3%)となりました。
b.財政状態の分析
財政状態の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要として主なものは、事業の拡大に伴う人件費及び外注費、顧客獲得や認知度向上のための広告宣伝費等です。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。また、流動性確保のため、250,000千円の当座貸越契約を締結しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。
当社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況は以下のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
流動資産は、前事業年度末に比べ464,604千円増加し、3,885,001千円となりました。主な要因は、現金及び預金の増加525,660千円であります。
固定資産は、前事業年度末に比べ100,520千円増加し、2,251,087千円となりました。主な要因は、新製品の開発等に伴うソフトウェアの増加413,443千円、ソフトウェア仮勘定の減少293,590千円であります。
この結果、総資産は、前事業年度に比べ565,125千円増加、6,136,089千円となりました。
(負債)
流動負債は、前事業年度末に比べ84,487千円減少し、2,259,606千円となりました。主な要因は、中間納付額増加及び当期純利益の減少に伴う未払法人税等の減少176,039千円、契約負債の増加85,911千円であります。
固定負債は、前事業年度末に比べ84,209千円増加し、1,150,348千円となりました。主な要因は、長期契約負債の増加79,280千円であります。
この結果、負債合計は、前事業年度末に比べ278千円減少、3,409,955千円となりました。
(純資産)
当事業年度末における純資産は、前事業年度末に比べ565,402千円増加し、2,726,134千円となりました。主な要因は、上場時の増資による資本金の増加47,380千円及び資本準備金の増加47,380千円、繰越利益剰余金の増加493,398千円であります。
② 経営成績の状況
当事業年度におけるわが国の経済は、雇用・所得環境の改善を背景に緩やかな回復基調が続きましたが、物価上昇、米国の政策動向、中東地域をめぐる情勢等の影響により、依然として先行きが不透明な状況が続いております。
一方、デジタルトランスフォーメーション(DX)という概念が浸透し、中堅中小企業においてもDX化が進んできております。そのような状況の中、労働人口の減少に伴い、ITによる業務の効率化、自動化による生産性向上のニーズは一層高まっております。また、テレワークの拡大により働き方も大きく変わり、商談も対面からオンラインへ移行するなど新しいビジネス形態へと移り変わり、セキュリティ対策などの信頼性向上のニーズも高まっております。
これらの環境変化などを背景に、当社の各ソリューションが属する市場は今後も以下の通り、成長することが見込まれております。
(単位:億円)
| ソリューション | 市場 | 2022年度 (実績) | 2026年度 (予測) | 出典 |
| ネットワークソリューション | 端末管理・セキュリティ管理ツール市場 | 321 | 443 | 株式会社富士キメラ総研「2023 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」「2024 ネットワークセキュリティビジネス調査総覧」 |
| セールスDXソリューション | CX/デジタルマーケティング(注) | 1,046 | 1,413 | 株式会社富士キメラ総研「ソフトウェアビジネス新市場 2023年版」「ソフトウェアビジネス新市場 2024年版」 |
| AIデータエントリーソリューション | OCRソリューション | 542 | 690 | デロイトトーマツミック経済研究所株式会社「OCRソリューション市場動向 2024年度版」 |
(注)CRM(営業系)、メール配信プラットフォームマーケティング、マーケティングオートメーションの合計で
算定しております。
このような市場環境の中、「テクノロジーの力で、未来をつくる新しい体験を提供し、ひとりひとりが輝く社会へ」というパーパスのもと、顧客の企業価値向上に資するべく、ITで経営課題を解決し、業務の生産性向上・信頼性向上を図るために、IT資産管理やセキュリティ対策等に対するソリューションを提供する「ネットワークソリューション」、名刺管理、SFA/CRM、MA、新規顧客開拓等の営業支援に対するソリューションを提供する「セールスDXソリューション」、AIOCR等によるデータエントリーに対するソリューションを提供する「AIデータエントリーソリューション」の3つのソリューションにおいて、ソフトウェアの開発及び販売を行っております。
その結果、当事業年度における業績は、売上高4,707,880千円(前期比109.9%)、営業利益791,514千円(前期比118.1%)、経常利益828,838千円(前期比106.4%)、当期純利益618,078千円(前期比95.3%)となりました。
(売上高)
当社はソリューション提供事業の単一セグメントであるため、セグメント別の記載は行っておりませんが、各ソリューションにおける状況は以下のとおりです。
[ネットワークソリューション]
ネットワークソリューションでは、企業のPC及びPCネットワーク等のIT資産管理、セキュリティ対策、情報漏洩対策などの面から統合的に管理するソフトウェアを「AssetView」シリーズとして開発・販売しております。IT資産管理を取り巻く様々な課題を統合的に解決するためのソリューションサービスや運用支援サービスを「AssetView」と合わせて提供しております。
テレワークが多様な働き方の一つの形として定着しつつあり、社外にパソコン等のIT資産が存在する状態が定常化しています。これら社外のIT資産の管理の為に、IT資産管理ツールをクラウド環境で導入したいというニーズが増加しており、クラウドサービスの売上が大きく増加しております。クラウドサービスの新ブランドである「AssetView Cloud +」は、新プランの「情報漏洩対策」をリリースし、また、ヒトを軸とした対策が取れるように機能強化をはかりました。また、SaaS管理機能の強化や、長期ログ保存を可能にするアーカイブの整備等を実施しました。これによりクラウドサービスによる新規顧客の獲得を加速させるとともに、既存顧客のクラウドサービスへの移行も進んでおります。
当ソリューションの売上に占めるクラウドサービスの割合は、前期から増加し37.7%となりました。また、オンプレミス環境で導入頂いている既存顧客の保守契約も堅調に推移いたしました。
クラウドサービスのARRとチャーンレートの推移は以下の通りであり、チャーンレートは低い水準で推移しております。
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | |||||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
| ARR(百万円) | 801 | 820 | 853 | 946 | 1,011 | 1,069 | 1,123 | 1,157 |
| チャーンレート(%) | 0.28 | 0.24 | 0.31 | 0.32 | 0.31 | 0.32 | 0.30 | 0.31 |
(注)1.ARR :Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益を指す。各四半期末時点のMRR(Monthly
Recurring Revenue=月次経常収益)に12を乗じた数値
2.チャーンレート:解約率を意味し、既存契約の月次経常収益のうち解約に伴い減少した月次経常収益
の割合の直近12カ月平均
当該割合は「当月に失った月次経常収益÷前月末の月次経常収益×100(%)で算定」
その結果、当ソリューションの売上は2,867,473千円(前期比107.9%)となりました。
[セールスDXソリューション]
セールスDXソリューションでは、「営業を強くし、売上を上げる」をコンセプトに、法人営業の生産性向上・業務効率化を図り、企業の売上拡大を支援する「ホットプロファイル」及び「ホットアプローチ」の開発・販売・運用支援サービスを行っております。
「法人営業になくてはならない製品」を目指し、「名刺管理」「SFA/CRM」※「MA」※の機能を一気通貫で兼ね備えていることが大きな強みであり、これに加え、「新規顧客開拓」機能も有しております。
営業の活動状況を可視化し、売上・生産性向上を可能とするSFAの利用など、営業のDX化のニーズが中堅・中小企業においても拡大している中、非対面営業へのシフトが進む金融機関などへの導入も好調で、新規売上が堅調に推移致しました。また、他社製品とのAPI連携による協業を加速させました。
企業同士の対面コミュニケーションの機会が増加し、名刺交換の機会が増加することによる名刺データ化の需要の拡大やプラン変更などによるアップセルも堅調に推移いたしました。さらに、既存顧客の契約更新も順調に推移いたしました。
OEM製品を除くARRとチャーンレートの推移は以下の通りであります。
| 2024年3月期 | 2025年3月期 | |||||||
| 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | 第1四半期 | 第2四半期 | 第3四半期 | 第4四半期 | |
| ARR(百万円) | 879 | 907 | 917 | 925 | 956 | 977 | 1,037 | 1,071 |
| チャーンレート(%) | 0.93 | 0.81 | 0.76 | 0.89 | 0.92 | 0.95 | 0.81 | 0.65 |
(注)1.ARR :Annual Recurring Revenueの略。年間経常収益を指す。各四半期末時点のMRR(Monthly
Recurring Revenue=月次経常収益)に12を乗じた数値(OEM製品を除く)
2.チャーンレート:解約率を意味し、既存契約の月次経常収益のうち解約に伴い減少した月次経常収益
の割合の直近12カ月平均
当該割合は「当月に失った月次経常収益÷前月末の月次経常収益×100(%)で算定」(OEM製品を除く)
その結果、当ソリューションの売上は1,360,623千円(前期比112.7%)となりました。
※SFA:セールスフォースオートメーションの略で、営業支援システムであり、営業業務の見える化、効率化を図る仕組み、システムのことを意味します。
※CRM:カスタマーリレーションシップマネージメントの略で、顧客情報や行動履歴、顧客との関係性を管理し、顧客との良好な関係を構築・促進することを意味します。
※MA:マーケティングオートメーションの略で、マーケティング業務を自動化、効率化する仕組み、システムのことを意味します。
[AIデータエントリーソリューション]
AIデータエントリーソリューションでは、AIOCR※技術をベースとしたデータ入力業務効率化のソリューションを提供しています。
多くの企業や公共団体では、業務に用いられる帳票のうち、データ化されていない様々な帳票が残っており、その帳票を処理するための入力業務に多くの時間と労力を費やしております。労働人口の減少に伴い、バックオフィス業務のDX化を図り単純作業であるデータ入力業務における人手不足を解消し、入力ミスも削減するために、当社のOCR製品のようなシステムやサービスを利用する企業等が増えております。
OCRはAI技術の躍進とともに文字認識精度が高まり、対応可能なデータ入力業務の領域が拡大しております。これらにより、AIデータエントリーソリューションの領域は大きく成長する市場であると考えられます。当社においても継続してOCR技術の向上を図っております。
当社では、ダブルAI OCRと当社の在宅ワーカーによるOCR結果の確認作業を組み合わせることで、顧客の作業を限りなくゼロに近づけたクラウドサービスである「WOZE」を提供しており、「WOZE」の処理枚数の増加により売上は堅調に推移しております。また、2024年10月、帳票設計が不要なクラウドサービスである「DX OCR」をリリースすることで、対応できる業務がさらに広がり、事業領域が拡大しております。
その結果、当ソリューションの売上は479,783千円(前期比115.2%)となりました。
※OCR:オプティカルキャラクターリーダーの略で、手書きや印刷された文字をスキャナやデジタルカメラによって読みとり、コンピュータが利用できるデジタルの文字コードに変換する技術を意味します。
③ キャッシュ・フローの状況
当事業年度末における現金及び現金同等物は、前事業年度末に比べ525,659千円増加し、3,165,984千円となりました。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果獲得した資金は923,334千円(前期は1,064,473千円の資金の収入)となりました。主な要因は、税引前当期純利益887,202千円(前期比25,162千円減少)、減価償却費469,702千円(前期比219,607千円増加)、法人税等の支払478,520千円(前期比529,011千円増加)であります。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果支出した資金は366,648千円(前期は404,047千円の資金の支出)となりました。主な要因は、投資有価証券の償還による収入217,664千円(前期比28,330千円増加)、無形固定資産の取得による支出560,733千円(前期比11,331千円減少)であります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果支出した資金は37,381千円(前期は76,808千円の資金の支出)となりました。主な要因は、株式の発行による収入93,696千円(前期はなし)、配当金の支払額による支出124,680千円(前期比49,872千円増加)であります。
④ 生産、受注及び販売の状況
当社はソリューション提供事業の単一セグメントであり、セグメント別の記載は行っておりませんので、ソリューション別に記載を行っております。
a.生産実績
当社で行う事業は、提供するサービスの性格上、生産に該当するものがないため記載を省略しております。
b.受注実績
当事業年度における受注実績は次のとおりであります。
| ソリューションの名称 | 受注高 (千円) | 前期比 (%) | 受注残高 (千円) | 前期比 (%) |
| ネットワークソリューション | 3,353,068 | 110.2 | 3,471,576 | 116.3 |
| セールスDXソリューション | 1,430,878 | 106.6 | 1,082,720 | 106.9 |
| AIデータエントリーソリューション | 457,901 | 111.6 | 150,048 | 87.3 |
| 合計 | 5,241,848 | 109.3 | 4,704,345 | 112.8 |
c.販売実績
当事業年度における販売実績は次のとおりであります。
| ソリューションの名称 | 販売高(千円) | 前期比(%) |
| ネットワークソリューション | 2,867,473 | 107.9 |
| セールスDXソリューション | 1,360,623 | 112.7 |
| AIデータエントリーソリューション | 479,783 | 115.2 |
| 合計 | 4,707,880 | 109.9 |
(注) 主な相手先別の販売実績及び総販売実績に対する割合
| 相手先 | 前事業年度 | 当事業年度 | ||
| 金額(百万円) | 割合(%) | 金額(百万円) | 割合(%) | |
| 株式会社大塚商会 | 427 | 9.9 | 482 | 10.2 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社の経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものです。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社の財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められる会計基準に基づき作成されております。この財務諸表の作成にあたって、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額ならびに開示に影響を与える見積りを必要としております。これらの見積りについては過去の実績や現状等を勘案し、合理的に判断しておりますが、実際の結果は見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる可能性があります。
当社の財務諸表を作成するにあたって用いた会計上の見積り及び仮定のうち、重要なものは、「第5 経理の状況 1 財務諸表等 (1) 財務諸表 注記事項 (重要な会計上の見積り)」に記載しております。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績の状況の分析
(売上高)
売上高の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ② 経営成績の状況」に記載のとおりです。
(売上原価、売上総利益)
売上原価は2,644,780千円(前期比115.8%)となりました。これは主に事業拡大に伴う人件費の増加及びソフトウェアの減価償却費の増加によるものであります。この結果、売上総利益は2,063,100千円(前期比103.2%)となりました。
(販売費及び一般管理費、営業利益)
販売費及び一般管理費は1,271,586千円(前期比95.7%)となりました。これは主に役員退職慰労金制度の廃止に伴う役員退職慰労引当金繰入額の減少、採用の時期ズレに伴う採用費の減少によるものであります。この結果、営業利益は791,514千円(前年比118.1%)となりました。
(営業外収益、営業外費用、経常利益)
営業外収益は45,180千円(前期比39.7%)となりました。これは主に為替予約残高減少による為替差益の減少によるものであります。営業外費用は7,855千円(前期比156.5%)となりました。これは主に上場関連費用の増加によるものであります。この結果、経常利益は828,838千円(前期比106.4%)となりました。
(特別損益、当期純利益)
投資有価証券償還益の計上により特別利益は58,363千円(前期比43.7%)となった結果、税引前当期純利益は887,202千円(前期比97.2%)となりました。また、法人税等を計上した結果、当期純利益は618,078千円(前期比95.3%)となりました。
b.財政状態の分析
財政状態の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ① 財政状態の状況」に記載のとおりです。
③ キャッシュ・フローの状況の分析
キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容につきましては、「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析 (1) 経営成績等の状況の概要 ③ キャッシュ・フローの状況」に記載のとおりです。
④ 資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社の資金需要として主なものは、事業の拡大に伴う人件費及び外注費、顧客獲得や認知度向上のための広告宣伝費等です。財政状態等や資金使途を勘案しながら、必要な資金は自己資金及びエクイティファイナンス等で資金調達していくことを基本方針としております。なお、これらの資金調達方法の優先順位等は、資金需要の額や用途に合わせて柔軟に検討を行う予定です。また、流動性確保のため、250,000千円の当座貸越契約を締結しております。
⑤ 経営成績に重要な影響を与える要因
当社の事業に重要な影響を与える要因の詳細につきましては、「第2 事業の状況 3 事業等のリスク」に記載のとおりです。
⑥ 経営者の問題意識と今後の方針
経営者の問題意識と今後の方針につきましては、「第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりです。