有価証券報告書-第11期(2023/04/01-2024/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産合計は10,094,150千円となり、前連結会計年度末に比べ5,019,561千円増加いたしました。これは主に新規上場に伴う公募増資等により現金及び預金が4,164,741千円増加したこと、デバイスや業務受託案件の納品があったことによる売掛金の増加848,317千円によります。固定資産合計は、802,654千円となり、前連結会計年度末に比べ213,959千円増加いたしました。これは主にソフトウェアなどの無形固定資産の増加95,631千円、繰延税金資産を新たに計上したことによる投資その他の資産の増加116,280千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は10,917,376千円となり、前連結会計年度末に比べ5,254,091千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債合計は2,461,748千円となり、前連結会計年度末に比べ812,498千円増加いたしました。これは主にデバイス仕入により買掛金が382,831千円増加するとともに、将来の一部デバイスの交換に伴う作業費用に備えるため製品保証引当金を320,149千円計上した一方、リカーリング収益の前受額を売上認識したことにより契約負債が162,796千円減少したことによるものであります。固定負債合計は、51,185千円となり、前連結会計年度末に比べ759千円減少いたしました。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、2,512,934千円となり、前連結会計年度末に比べ811,739千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,404,441千円となり、前連結会計年度末に比べ4,442,351千円増加いたしました。これは上場に伴う公募増資等による資本金の増加1,904,762千円及び資本剰余金の増加1,904,762千円、親会社株主に帰属する当期純利益485,565千円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は75.5%(前連結会計年度末は67.5%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の業績が回復傾向にありながらも、消費者物価の上昇がみられ内需は横ばいの状況にありました。一方、米国においては、雇用情勢が回復し、個人所得についても堅調に伸びました。欧州においては、企業景況感に改善がみられるものの賃金上昇率が高いなど不確実性を内在しています。
このような状況の下、ITサービス分野において、IoT技術は、日本の少子高齢化や人口減少に伴う社会課題の解決に貢献することが期待されています。さらに、政府や民間によるICT (情報通信技術) の推進が加速する中、今後もIoTはますます重要な役割を担っていくと予測され、当社が果たすべき役割はますます高まるものと認識しております。また、生成AIを活用する動きが各処でみられ、当社グループにおいても生成AIを活用したサービスの機能強化や研究を継続しております。
当連結会計年度の業績については、課金アカウント数(注1)やARPA(注2)が伸びたことにより、リカーリング収益(プラットフォーム利用料)による継続収入が5,382,778千円と、前期と比べ1,057,116千円(24.4%)の増加と好調に推移し、サービス開始から8年で課金アカウント数は8,000を上回り、ARPAは前期比16.9%増加の688千円となりました。また、商品販売とその他の売上からなるインクリメンタル収益についても、業務受託案件の増加もあり2,545,999千円と前年と比べ572,259千円(29.0%)増加いたしました。
当社グループは日本発のグローバルプラットフォーマーを目指しており、海外売上高の比率は、前期比2.2ポイント増加の36.4%となりました。
また、販売費及び一般管理費については、人員採用を継続的に行ったほか、当社が主催するIoTカンファレンスの開催をオフラインで実施したことや上場関連の広告宣伝費等の計上、外形標準課税の適用による租税公課の増加があったものの、売上が堅調に推移したことから販管費率は50.3%から47.5%となりました。さらに営業外費用として、円安の影響による為替差損58,645千円、上場関連費用23,949千円を計上いたしましたが、売上の伸びがこれら一時的費用を吸収する形となりました。この結果、当連結会計年度における売上高は7,928,778千円と前期と比べ1,629,375千円(25.9%)の増収、営業利益は727,336千円と前期と比べ625,959千円(617.5%)の増益、経常利益は638,408千円と前期と比べ525,608千円(466.0%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は485,565千円と前期と比べ414,691千円(585.1%)の増益となっております。
なお、当社はIoTプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(注1)課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。同一の顧客企業等が部署や業務別に複数の口座を有する場合が含まれております。
(注2)Average Revenue Per Accountの略称。1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標を意味します。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)については、前連結会計年度末より4,164,741千円増加し、7,697,244千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フロー状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は456,241千円(前連結会計年度は222,685千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を638,408千円計上したほか、デバイス仕入に伴う仕入債務の増加額370,193千円及び将来の一部デバイスの交換に伴う作業費用に備えるための製品保証引当金の増加額320,149千円があった一方で、デバイスや業務受託案件の納品があったことに伴う売上債権の増加814,662千円及びリカーリング収益の前受額を売上認識したことによる契約負債の減少229,850千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は170,572千円(前連結会計年度は2,007,150千円の収入)となりました。これは主にソフトウェアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出154,725千円によるものであります。なお、前期はKDDIグループが運営するキャッシュ・マネジメント・システムによる資金の貸付を解消したことによる貸付金の回収による収入2,140,659千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は3,791,479千円(前連結会計年度は29,883千円の収入)となりました。これは主に新規上場に伴う公募増資等に伴う新株の発行による収入3,803,692千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
a. 生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当社グループは、IoTプラットフォーム事業を単一セグメントとして展開しておりますが、第11期連結会計年度における品目別販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性を判断した上で、回収可能性がないと見積られる金額を評価性引当額として控除しております。繰延税金資産の回収可能性を判断する際には、将来の課税所得に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の発生額は、取締役会によって承認された来年度予算を基礎としており、顧客との交渉状況を踏まえた新規受注の獲得見込み等を主要な仮定として見積っております。
ただし、当該見積りには不確実性を伴い、これに関する経営者による判断が繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
(製品保証引当金)
当社グループは、顧客に販売した一部デバイスについて、将来発生する交換に伴う作業費用に備えるため、その発生見込み額を製品保証引当金として計上しております。
将来発生するデバイスの交換に伴う作業費用は、対象となるデバイスの数量、デバイス1個当たりの交換対応費用等の予測に基づき合理的に見込まれる金額を算定しております。この見積りには不確実性が含まれており、前提条件の変化等により、実際の発生額と異なる場合があり、引当金の追加計上もしくは戻入が必要となる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの第11期における売上高は、リカーリング収益とインクリメンタル収益とが共に堅調に推移した結果、前期比25.9%の増収となりました。特に、KDDI株式会社の新規事業開発に向けた取組みが加速し、業務受託(インクリメンタル収益)に関する売上が好調に推移しました。販管費については、IoTカンファレンスのオフライン開催や上場関連の広告宣伝費、外形標準課税の適用による租税公課の計上により、596,408千円増加しましたが、増収が寄与し、営業利益は625,959千円の増益となりました。
営業外収益としては、第11期においては、急激に円安が進み、為替差損を58,645千円計上しております。
また、第10期においては、子会社の清算に伴い関係会社清算益を52,831千円計上しておりますが、当社グループの再編が完了し、第11期においては、このような特別損益は計上しておりません。
財政状態においては、当社の第11期末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は25,173千円、現金及び預金の残高は、2024年3月26日付で東京証券取引所グロース市場に株式上場し、公募増資を行ったことにより増加し、7,697,244千円となっております。当社の事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しており、今後は、これら資本を原資に、収益力とのバランスをみながら、マーケティング活動や優秀な人材の確保に投資を行い、国内売上の安定的な成長と海外売上の拡大を図ってまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給料手当のほか、販売費及び一般管理費の広告宣伝費であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金については自己資金により賄いますが、短期的な運転資金が必要となる場合には、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していく方針です。なお、これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。
④ 経営成績に重要な要因を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営成績を評価するために売上高、売上高総利益率及び営業利益率に加えて、リカーリング収益、課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAを重要な経営指標と考えております。
売上高の伸びは事業全体が安定的に成長している指標となっており、コストとのバランスが異常でないことを売上高総利益率及び営業利益率をモニタリングすることで測っております。売上高については、前期比25.9%の伸びであり、営業利益率については、前連結会計年度において人材投資により一時的に低下しましたが、投資成果により売上高が伸長し、当連結会計年度においては、上場に係る一時的な費用や外形標準課税の適用による租税公課を計上したものの、営業利益率は9.2%(前期は1.6%)と改善しております。
また、売上高の内訳としては、インクリメンタル収益だけではなく、プラットフォーム利用の拡大を示すリカーリング収益の増加を経営上の目標としております。リカーリング収益は、前期比24.4%と安定的に成長し、規模拡大に伴うコストメリットも貢献して、売上高総利益率も当連結会計年度においては56.7%と良好な水準となっております。
さらに、ARPAの上昇は、既存顧客がプラットフォームの利用範囲を拡大していることを示すため、課金アカウント数の増加と併せて重要な指標として管理しております。課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAは、それぞれ前期比6.2%及び16.9%とともに増加し、顧客数の増加のみならず既存顧客の事業へのIoTの浸透が進んでいるものと評価しております。
加えて、グローバル回線の利用が増加した結果、海外子会社の国又は地域における売上高である海外売上高は2023年3月期は2,153,764千円(海外売上高比率34.2%)、2024年3月期は2,887,912千円(海外売上高比率36.4%)と増加しております。なお、海外売上高には、国内顧客向けグローバル回線にかかる売上高が含まれております。
売上高及び売上総利益の伸長の背景については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(単位:千円)
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産合計は10,094,150千円となり、前連結会計年度末に比べ5,019,561千円増加いたしました。これは主に新規上場に伴う公募増資等により現金及び預金が4,164,741千円増加したこと、デバイスや業務受託案件の納品があったことによる売掛金の増加848,317千円によります。固定資産合計は、802,654千円となり、前連結会計年度末に比べ213,959千円増加いたしました。これは主にソフトウェアなどの無形固定資産の増加95,631千円、繰延税金資産を新たに計上したことによる投資その他の資産の増加116,280千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は10,917,376千円となり、前連結会計年度末に比べ5,254,091千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債合計は2,461,748千円となり、前連結会計年度末に比べ812,498千円増加いたしました。これは主にデバイス仕入により買掛金が382,831千円増加するとともに、将来の一部デバイスの交換に伴う作業費用に備えるため製品保証引当金を320,149千円計上した一方、リカーリング収益の前受額を売上認識したことにより契約負債が162,796千円減少したことによるものであります。固定負債合計は、51,185千円となり、前連結会計年度末に比べ759千円減少いたしました。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、2,512,934千円となり、前連結会計年度末に比べ811,739千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は8,404,441千円となり、前連結会計年度末に比べ4,442,351千円増加いたしました。これは上場に伴う公募増資等による資本金の増加1,904,762千円及び資本剰余金の増加1,904,762千円、親会社株主に帰属する当期純利益485,565千円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は75.5%(前連結会計年度末は67.5%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の業績が回復傾向にありながらも、消費者物価の上昇がみられ内需は横ばいの状況にありました。一方、米国においては、雇用情勢が回復し、個人所得についても堅調に伸びました。欧州においては、企業景況感に改善がみられるものの賃金上昇率が高いなど不確実性を内在しています。
このような状況の下、ITサービス分野において、IoT技術は、日本の少子高齢化や人口減少に伴う社会課題の解決に貢献することが期待されています。さらに、政府や民間によるICT (情報通信技術) の推進が加速する中、今後もIoTはますます重要な役割を担っていくと予測され、当社が果たすべき役割はますます高まるものと認識しております。また、生成AIを活用する動きが各処でみられ、当社グループにおいても生成AIを活用したサービスの機能強化や研究を継続しております。
当連結会計年度の業績については、課金アカウント数(注1)やARPA(注2)が伸びたことにより、リカーリング収益(プラットフォーム利用料)による継続収入が5,382,778千円と、前期と比べ1,057,116千円(24.4%)の増加と好調に推移し、サービス開始から8年で課金アカウント数は8,000を上回り、ARPAは前期比16.9%増加の688千円となりました。また、商品販売とその他の売上からなるインクリメンタル収益についても、業務受託案件の増加もあり2,545,999千円と前年と比べ572,259千円(29.0%)増加いたしました。
当社グループは日本発のグローバルプラットフォーマーを目指しており、海外売上高の比率は、前期比2.2ポイント増加の36.4%となりました。
また、販売費及び一般管理費については、人員採用を継続的に行ったほか、当社が主催するIoTカンファレンスの開催をオフラインで実施したことや上場関連の広告宣伝費等の計上、外形標準課税の適用による租税公課の増加があったものの、売上が堅調に推移したことから販管費率は50.3%から47.5%となりました。さらに営業外費用として、円安の影響による為替差損58,645千円、上場関連費用23,949千円を計上いたしましたが、売上の伸びがこれら一時的費用を吸収する形となりました。この結果、当連結会計年度における売上高は7,928,778千円と前期と比べ1,629,375千円(25.9%)の増収、営業利益は727,336千円と前期と比べ625,959千円(617.5%)の増益、経常利益は638,408千円と前期と比べ525,608千円(466.0%)の増益、親会社株主に帰属する当期純利益は485,565千円と前期と比べ414,691千円(585.1%)の増益となっております。
なお、当社はIoTプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(注1)課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。同一の顧客企業等が部署や業務別に複数の口座を有する場合が含まれております。
(注2)Average Revenue Per Accountの略称。1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標を意味します。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)については、前連結会計年度末より4,164,741千円増加し、7,697,244千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フロー状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、増加した資金は456,241千円(前連結会計年度は222,685千円の支出)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を638,408千円計上したほか、デバイス仕入に伴う仕入債務の増加額370,193千円及び将来の一部デバイスの交換に伴う作業費用に備えるための製品保証引当金の増加額320,149千円があった一方で、デバイスや業務受託案件の納品があったことに伴う売上債権の増加814,662千円及びリカーリング収益の前受額を売上認識したことによる契約負債の減少229,850千円があったことによるものです。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は170,572千円(前連結会計年度は2,007,150千円の収入)となりました。これは主にソフトウェアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出154,725千円によるものであります。なお、前期はKDDIグループが運営するキャッシュ・マネジメント・システムによる資金の貸付を解消したことによる貸付金の回収による収入2,140,659千円によるものであります。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は3,791,479千円(前連結会計年度は29,883千円の収入)となりました。これは主に新規上場に伴う公募増資等に伴う新株の発行による収入3,803,692千円によるものであります。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
a. 生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当社グループは、IoTプラットフォーム事業を単一セグメントとして展開しておりますが、第11期連結会計年度における品目別販売実績を示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 販売高(千円) | 前期比(%) | |
| リカーリング収益 (プラットフォーム利用料) | 5,382,778 | 124.4 | |
| インクリメンタル収益 | 商品販売 | 1,664,756 | 95.3 |
| その他 | 881,242 | 389.3 | |
| 小計 | 2,545,999 | 129.0 | |
| IoTプラットフォーム事業合計 | 7,928,778 | 125.9 | |
(注) 1.最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 第10期連結会計年度 (自 2022年4月1日 至 2023年3月31日) | 第11期連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 日本瓦斯株式会社 | 1,640,944 | 26.0 | 1,878,130 | 23.7 |
| KDDI株式会社 | 444,574 | 7.1 | 1,008,772 | 12.7 |
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性を判断した上で、回収可能性がないと見積られる金額を評価性引当額として控除しております。繰延税金資産の回収可能性を判断する際には、将来の課税所得に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の発生額は、取締役会によって承認された来年度予算を基礎としており、顧客との交渉状況を踏まえた新規受注の獲得見込み等を主要な仮定として見積っております。
ただし、当該見積りには不確実性を伴い、これに関する経営者による判断が繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
(製品保証引当金)
当社グループは、顧客に販売した一部デバイスについて、将来発生する交換に伴う作業費用に備えるため、その発生見込み額を製品保証引当金として計上しております。
将来発生するデバイスの交換に伴う作業費用は、対象となるデバイスの数量、デバイス1個当たりの交換対応費用等の予測に基づき合理的に見込まれる金額を算定しております。この見積りには不確実性が含まれており、前提条件の変化等により、実際の発生額と異なる場合があり、引当金の追加計上もしくは戻入が必要となる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの第11期における売上高は、リカーリング収益とインクリメンタル収益とが共に堅調に推移した結果、前期比25.9%の増収となりました。特に、KDDI株式会社の新規事業開発に向けた取組みが加速し、業務受託(インクリメンタル収益)に関する売上が好調に推移しました。販管費については、IoTカンファレンスのオフライン開催や上場関連の広告宣伝費、外形標準課税の適用による租税公課の計上により、596,408千円増加しましたが、増収が寄与し、営業利益は625,959千円の増益となりました。
営業外収益としては、第11期においては、急激に円安が進み、為替差損を58,645千円計上しております。
また、第10期においては、子会社の清算に伴い関係会社清算益を52,831千円計上しておりますが、当社グループの再編が完了し、第11期においては、このような特別損益は計上しておりません。
財政状態においては、当社の第11期末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は25,173千円、現金及び預金の残高は、2024年3月26日付で東京証券取引所グロース市場に株式上場し、公募増資を行ったことにより増加し、7,697,244千円となっております。当社の事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しており、今後は、これら資本を原資に、収益力とのバランスをみながら、マーケティング活動や優秀な人材の確保に投資を行い、国内売上の安定的な成長と海外売上の拡大を図ってまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給料手当のほか、販売費及び一般管理費の広告宣伝費であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金については自己資金により賄いますが、短期的な運転資金が必要となる場合には、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していく方針です。なお、これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。
④ 経営成績に重要な要因を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営成績を評価するために売上高、売上高総利益率及び営業利益率に加えて、リカーリング収益、課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAを重要な経営指標と考えております。
売上高の伸びは事業全体が安定的に成長している指標となっており、コストとのバランスが異常でないことを売上高総利益率及び営業利益率をモニタリングすることで測っております。売上高については、前期比25.9%の伸びであり、営業利益率については、前連結会計年度において人材投資により一時的に低下しましたが、投資成果により売上高が伸長し、当連結会計年度においては、上場に係る一時的な費用や外形標準課税の適用による租税公課を計上したものの、営業利益率は9.2%(前期は1.6%)と改善しております。
また、売上高の内訳としては、インクリメンタル収益だけではなく、プラットフォーム利用の拡大を示すリカーリング収益の増加を経営上の目標としております。リカーリング収益は、前期比24.4%と安定的に成長し、規模拡大に伴うコストメリットも貢献して、売上高総利益率も当連結会計年度においては56.7%と良好な水準となっております。
さらに、ARPAの上昇は、既存顧客がプラットフォームの利用範囲を拡大していることを示すため、課金アカウント数の増加と併せて重要な指標として管理しております。課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAは、それぞれ前期比6.2%及び16.9%とともに増加し、顧客数の増加のみならず既存顧客の事業へのIoTの浸透が進んでいるものと評価しております。
加えて、グローバル回線の利用が増加した結果、海外子会社の国又は地域における売上高である海外売上高は2023年3月期は2,153,764千円(海外売上高比率34.2%)、2024年3月期は2,887,912千円(海外売上高比率36.4%)と増加しております。なお、海外売上高には、国内顧客向けグローバル回線にかかる売上高が含まれております。
売上高及び売上総利益の伸長の背景については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(単位:千円)
| 2023年3月期 | 2024年3月期 | ||||
| 前期比 | |||||
| 売上高 | 6,299,403 | 7,928,778 | 125.9% | ||
| 売上高総利益率 | 51.9% | 56.7% | - | ||
| 営業利益率 | 1.6% | 9.2% | - | ||
| (収益モデル別) | リカーリング収益 | リカーリング収益 | 4,325,662 | 5,382,778 | 124.4% |
| 売上高割合 | 68.7% | 67.9% | - | ||
| インクリメンタル収益※ | インクリメンタル収益 | 1,973,740 | 2,545,999 | 129.0% | |
| 売上高割合 | 31.3% | 32.1% | - | ||
| 課金アカウント数(千個) | 7.6 | 8.1 | 106.6% | ||
| リカーリング収益のARPA | 589 | 688 | 116.9% | ||
| ※ 商品販売とその他の売上高を合計した金額 | |||||