有価証券報告書-第12期(2024/04/01-2025/03/31)
(1) 経営成績等の状況の概要
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産合計は12,308,184千円となり、前連結会計年度末に比べ2,214,033千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2024年4月におけるオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による新株式の発行及び2024年12月における金融機関からの借入の実行等により1,220,528千円増加したこと、デバイスや受託開発案件の納品があったことによる売掛金及び契約資産の増加689,983千円によります。固定資産合計は、1,077,945千円となり、前連結会計年度末に比べ275,291千円増加いたしました。これは主にソフトウェアなどの無形固定資産の増加271,281千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は13,403,349千円となり、前連結会計年度末に比べ2,485,973千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債合計は2,319,939千円となり、前連結会計年度末に比べ141,808千円減少いたしました。これは主にデバイス仕入により買掛金が235,017千円増加、1年以内返済予定の長期借入金が249,996千円増加した一方で、デバイス交換等により製品保証引当金が293,946千円減少、リカーリング収益の前受額を売上認識したことにより契約負債が135,641千円減少したことによるものであります。固定負債合計は728,389千円となり、前連結会計年度末に比べ677,203千円増加いたしました。これは主に長期借入金が687,505千円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、3,048,329千円となり、前連結会計年度末に比べ535,394千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は10,355,020千円となり、前連結会計年度末に比べ1,950,578千円増加いたしました。これは2024年4月におけるオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による新株式の発行やストックオプションの行使による資本金及び資本剰余金の増加それぞれ741,897千円、744,897千円、親会社株主に帰属する当期純利益352,716千円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は75.0%(前連結会計年度末は75.5%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の高収益と賃上げで緩やかに回復するも、物価高と海外での保護主義の台頭による不透明さが増しています。米国経済は堅調な労働市場に支えられていますが、政策とインフレ動向に注視が必要な状況にあります。欧州経済は持ち直し傾向にあるものの、高金利と地政学リスクが不確実要因となっている状況が継続しています。
このような状況の下、ITサービス分野において、IoT技術は、日本の喫緊の課題である少子高齢化や人口減少に伴う労働力不足、生産性向上といった社会課題の解決に貢献することが一層期待されています。また、企業における業務効率化ニーズの高まりを背景にICT(情報通信技術)の活用が加速する中、今後もIoTは社会インフラや産業高度化においてますます重要な役割を担っていくと予測され、当社が果たすべき役割はますます高まるものと認識しております。加えて、2024年以降、生成AIの社会実装と活用が急速に進んでおり、政府によるAI戦略の推進や、データ活用基盤の整備といった動きも活発化しています。当社グループにおいても、AIoT(AI of Things)として、顧客への新たな価値提供を目指し、生成AIを活用したサービスの高度化や新規事業の探索、技術研究開発を積極的に推進しております。
当連結会計年度の業績については、課金アカウント数(注1)(注3)やARPA(注2)(注3)が伸びたことにより、リカーリング収益(プラットフォーム利用料)による継続収入が6,562,193千円(前期比21.9%増)と好調に推移しました。課金アカウント数は継続的に伸びて8千8百となり、ARPAは前期比10.5%増加の760千円となりました。一方で、商品販売とその他の売上からなるインクリメンタル収益については、一部期ずれ案件もあり2,430,837千円(前期比4.5%減)となりました。
当社グループは日本発のグローバル企業として海外展開の取り組みを行って参りました。その結果、海外売上高の比率は、前期比5.4ポイント増加の41.8%となりました。
また、販売費及び一般管理費については、人材投資、イベント出展による広告宣伝など積極的な投資を行った結果、4,376,526千円(前期比16.2%増)、販管費率は47.5%から48.7%となりました。さらに営業外費用として、円安の影響による為替差損26,323千円、特別損失として、投資有価証券評価損198,302千円を計上しております。
この結果、当連結会計年度における売上高は8,993,031千円(前期比13.4%増)、営業利益は656,539千円(前期比9.7%減)、経常利益は619,617千円(前期比2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は352,716千円(前期比27.4%減)となっております。
なお、当社はIoTプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(注1)課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。同一の顧客企業等が部署や業務別に複数の口座を有する場合が含まれております。
(注2)Average Revenue Per Accountの略称。1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標を意味します。
(注3)株式会社キャリオットを除いております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)については、前連結会計年度末より1,220,528千円増加し、8,917,773千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、支出した資金は728,673千円(前連結会計年度は456,241千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を421,314千円計上したものの、デバイスや受託開発案件の納品があったことに伴う売上債権の増加683,729千円及びリカーリング収益の前受額を売上認識したことによる契約負債の減少257,639千円があったことによるものです。その他、デバイス仕入に伴う仕入債務の増加額223,704千円及びデバイス交換等による製品保証引当金の減少額293,946千円、投資有価証券評価損198,302千円を計上しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は474,993千円(前連結会計年度は170,572千円の支出)となりました。これは主にソフトウェアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出306,611千円及び投資有価証券の取得による支出161,600千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は2,451,930千円(前連結会計年度は3,791,479千円の収入)となりました。これは主にオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による新株式の発行による収入1,287,956千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入178,780千円、長期借入れによる収入1,000,000千円及び長期借入金の返済による支出62,499千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
a. 生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当社グループは、IoTプラットフォーム事業を単一セグメントとして展開しておりますが、第12期連結会計年度における品目別販売実績を示すと、次のとおりであります。
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
※ 株式会社エナジー宇宙は、ニチガスグループの組織再編後のガス導管事業等承継会社で、日本瓦斯株式会社の完全子会社であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性を判断した上で、回収可能性がないと見積られる金額を評価性引当額として控除しております。繰延税金資産の回収可能性を判断する際には、将来の課税所得に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の発生額は、取締役会によって承認された来年度予算を基礎としており、顧客との交渉状況を踏まえた新規受注の獲得見込み等を主要な仮定として見積っております。
ただし、当該見積りには不確実性を伴い、これに関する経営者による判断が繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
(製品保証引当金)
当社グループは、顧客に販売した一部デバイスについて、将来発生する交換に伴う作業費用に備えるため、その発生見込み額を製品保証引当金として計上しております。
将来発生するデバイスの交換に伴う作業費用は、対象となるデバイスの数量、デバイス1個当たりの交換対応費用等の予測に基づき合理的に見込まれる金額を算定しております。この見積りには不確実性が含まれており、前提条件の変化等により、実際の発生額と異なる場合があり、引当金の追加計上もしくは戻入が必要となる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの第12期における売上高は、リカーリング収益とインクリメンタル収益とが共に堅調に推移した結果、前期比13.4%の増収となりました。KDDI株式会社の新規事業開発に向けた取組みの継続により、業務受託(インクリメンタル収益)に関する売上が好調に推移するとともに、海外子会社による売上も貢献しました。販管費については、広告宣伝や事業投資に係る費用、外形標準課税の適用による租税公課の計上により、611,163千円増加しましたが、増収が寄与し、営業利益は70,796千円の減益となりました。
営業外収益としては、第12期においても、円安傾向の影響により、為替差損を26,323千円計上しております。
また、第12期においては、投資有価証券評価損を198,302千円計上いたしました。
財政状態においては、当社の第12期末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は、金融機関からの借入を行ったことから950,167千円となり、現金及び預金の残高は、2024年4月24日付でオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資及び金融機関からの借入を行ったことにより増加し、8,917,773千円となっております。当社の事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しており、今後は、これら資本を原資に、収益力とのバランスをみながら、マーケティング活動や優秀な人材の確保のための投資や事業投資を行い、国内売上の安定的な成長と海外売上の拡大を図ってまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給料手当のほか、販売費及び一般管理費の広告宣伝費であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金については自己資金により賄いますが、短期的な運転資金が必要となる場合には、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していく方針です。なお、これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。
④ 経営成績に重要な要因を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営成績を評価するために売上高、売上高総利益率及び営業利益率に加えて、リカーリング収益、課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAを重要な経営指標と考えております。
売上高の伸びは事業全体が安定的に成長している指標となっており、コストとのバランスが異常でないことを売上高総利益率及び営業利益率をモニタリングすることで測っております。売上高については、前期比113.4%の伸びでしたが、営業利益率については、生成AI関連の費用やM&Aに係る費用等を計上したことにより、営業利益率は7.3%(前期は9.2%)と鈍化いたしました。
ARPAの上昇は、既存顧客がプラットフォームの利用範囲を拡大していることを示すため、課金アカウント数の増加と併せて重要な指標として管理しております。課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAは、それぞれ前期比108.6%及び110.5%とともに増加し、顧客数の増加のみならず既存顧客の事業へのIoTの浸透が進んでいるものと評価しております。
加えて、グローバル回線の利用が増加した結果、海外子会社の国又は地域における売上高である海外売上高は第11期連結会計年度は2,887,912千円(海外売上高比率36.4%)、第12期連結会計年度は3,759,020千円(海外売上高比率41.8%)と増加しております。なお、海外売上高には、国内顧客向けグローバル回線にかかる売上高が含まれております。
売上高及び売上総利益の伸長の背景については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(単位:千円)
当社グループ(当社及び連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー(以下「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
① 財政状態の状況
(資産)
当連結会計年度末における流動資産合計は12,308,184千円となり、前連結会計年度末に比べ2,214,033千円増加いたしました。これは主に現金及び預金が2024年4月におけるオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による新株式の発行及び2024年12月における金融機関からの借入の実行等により1,220,528千円増加したこと、デバイスや受託開発案件の納品があったことによる売掛金及び契約資産の増加689,983千円によります。固定資産合計は、1,077,945千円となり、前連結会計年度末に比べ275,291千円増加いたしました。これは主にソフトウェアなどの無形固定資産の増加271,281千円によるものであります。
この結果、当連結会計年度末における資産合計は13,403,349千円となり、前連結会計年度末に比べ2,485,973千円増加いたしました。
(負債)
当連結会計年度末における流動負債合計は2,319,939千円となり、前連結会計年度末に比べ141,808千円減少いたしました。これは主にデバイス仕入により買掛金が235,017千円増加、1年以内返済予定の長期借入金が249,996千円増加した一方で、デバイス交換等により製品保証引当金が293,946千円減少、リカーリング収益の前受額を売上認識したことにより契約負債が135,641千円減少したことによるものであります。固定負債合計は728,389千円となり、前連結会計年度末に比べ677,203千円増加いたしました。これは主に長期借入金が687,505千円増加したことによるものであります。
この結果、当連結会計年度末における負債合計は、3,048,329千円となり、前連結会計年度末に比べ535,394千円増加いたしました。
(純資産)
当連結会計年度末における純資産合計は10,355,020千円となり、前連結会計年度末に比べ1,950,578千円増加いたしました。これは2024年4月におけるオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による新株式の発行やストックオプションの行使による資本金及び資本剰余金の増加それぞれ741,897千円、744,897千円、親会社株主に帰属する当期純利益352,716千円の計上による利益剰余金の増加によるものであります。
この結果、自己資本比率は75.0%(前連結会計年度末は75.5%)となりました。
② 経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、企業の高収益と賃上げで緩やかに回復するも、物価高と海外での保護主義の台頭による不透明さが増しています。米国経済は堅調な労働市場に支えられていますが、政策とインフレ動向に注視が必要な状況にあります。欧州経済は持ち直し傾向にあるものの、高金利と地政学リスクが不確実要因となっている状況が継続しています。
このような状況の下、ITサービス分野において、IoT技術は、日本の喫緊の課題である少子高齢化や人口減少に伴う労働力不足、生産性向上といった社会課題の解決に貢献することが一層期待されています。また、企業における業務効率化ニーズの高まりを背景にICT(情報通信技術)の活用が加速する中、今後もIoTは社会インフラや産業高度化においてますます重要な役割を担っていくと予測され、当社が果たすべき役割はますます高まるものと認識しております。加えて、2024年以降、生成AIの社会実装と活用が急速に進んでおり、政府によるAI戦略の推進や、データ活用基盤の整備といった動きも活発化しています。当社グループにおいても、AIoT(AI of Things)として、顧客への新たな価値提供を目指し、生成AIを活用したサービスの高度化や新規事業の探索、技術研究開発を積極的に推進しております。
当連結会計年度の業績については、課金アカウント数(注1)(注3)やARPA(注2)(注3)が伸びたことにより、リカーリング収益(プラットフォーム利用料)による継続収入が6,562,193千円(前期比21.9%増)と好調に推移しました。課金アカウント数は継続的に伸びて8千8百となり、ARPAは前期比10.5%増加の760千円となりました。一方で、商品販売とその他の売上からなるインクリメンタル収益については、一部期ずれ案件もあり2,430,837千円(前期比4.5%減)となりました。
当社グループは日本発のグローバル企業として海外展開の取り組みを行って参りました。その結果、海外売上高の比率は、前期比5.4ポイント増加の41.8%となりました。
また、販売費及び一般管理費については、人材投資、イベント出展による広告宣伝など積極的な投資を行った結果、4,376,526千円(前期比16.2%増)、販管費率は47.5%から48.7%となりました。さらに営業外費用として、円安の影響による為替差損26,323千円、特別損失として、投資有価証券評価損198,302千円を計上しております。
この結果、当連結会計年度における売上高は8,993,031千円(前期比13.4%増)、営業利益は656,539千円(前期比9.7%減)、経常利益は619,617千円(前期比2.9%減)、親会社株主に帰属する当期純利益は352,716千円(前期比27.4%減)となっております。
なお、当社はIoTプラットフォーム事業の単一セグメントであるため、セグメント情報は記載しておりません。
(注1)課金アカウント数は、1ヶ月の間にリカーリング収益が発生した口座数をいいます。同一の顧客企業等が部署や業務別に複数の口座を有する場合が含まれております。
(注2)Average Revenue Per Accountの略称。1アカウントあたりの平均売上金額を示す指標を意味します。
(注3)株式会社キャリオットを除いております。
③ キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)については、前連結会計年度末より1,220,528千円増加し、8,917,773千円となりました。当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりであります。
(営業活動によるキャッシュ・フロー)
営業活動の結果、支出した資金は728,673千円(前連結会計年度は456,241千円の収入)となりました。これは主に、税金等調整前当期純利益を421,314千円計上したものの、デバイスや受託開発案件の納品があったことに伴う売上債権の増加683,729千円及びリカーリング収益の前受額を売上認識したことによる契約負債の減少257,639千円があったことによるものです。その他、デバイス仕入に伴う仕入債務の増加額223,704千円及びデバイス交換等による製品保証引当金の減少額293,946千円、投資有価証券評価損198,302千円を計上しております。
(投資活動によるキャッシュ・フロー)
投資活動の結果、支出した資金は474,993千円(前連結会計年度は170,572千円の支出)となりました。これは主にソフトウェアの開発に伴う無形固定資産の取得による支出306,611千円及び投資有価証券の取得による支出161,600千円によるものです。
(財務活動によるキャッシュ・フロー)
財務活動の結果、増加した資金は2,451,930千円(前連結会計年度は3,791,479千円の収入)となりました。これは主にオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資による新株式の発行による収入1,287,956千円及び新株予約権の行使による株式の発行による収入178,780千円、長期借入れによる収入1,000,000千円及び長期借入金の返済による支出62,499千円によるものです。
④ 生産、受注及び販売の実績
当社グループは受注生産形態をとる事業を行っていないため、生産規模及び受注規模を金額及び数量で示す記載をしておりません。
a. 生産実績
当社グループが提供するサービスの性格上、生産実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
b. 受注実績
当社グループが提供するサービスの性格上、受注実績の記載に馴染まないため、当該記載を省略しております。
c. 販売実績
当社グループは、IoTプラットフォーム事業を単一セグメントとして展開しておりますが、第12期連結会計年度における品目別販売実績を示すと、次のとおりであります。
| 品目 | 販売高(千円) | 前期比(%) | |
| リカーリング収益 (プラットフォーム利用料) | 6,562,193 | 121.9 | |
| インクリメンタル収益 | 商品販売 | 1,715,493 | 103.0 |
| その他 | 715,343 | 81.2 | |
| 小計 | 2,430,837 | 95.5 | |
| IoTプラットフォーム事業合計 | 8,993,031 | 113.4 | |
(注) 最近2連結会計年度の主な相手先別の販売実績及び当該販売実績の総販売実績に対する割合は次のとおりであります。
| 相手先 | 第11期連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 第12期連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||
| 金額(千円) | 割合(%) | 金額(千円) | 割合(%) | |
| 日本瓦斯株式会社 | 1,878,130 | 23.7 | - | - |
| 株式会社エナジー宇宙 ※ | - | - | 963,959 | 10.7 |
| KDDI株式会社 | 1,008,772 | 12.7 | 955,591 | 10.6 |
※ 株式会社エナジー宇宙は、ニチガスグループの組織再編後のガス導管事業等承継会社で、日本瓦斯株式会社の完全子会社であります。
(2) 経営者の視点による経営成績等の状況に関する分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は、次のとおりであります。なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において判断したものであります。
① 重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されております。
この連結財務諸表を作成するにあたり重要となる会計方針については「第5 経理の状況 1連結財務諸表等 (1) 連結財務諸表 注記事項(連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項)」に記載のとおりであります。また、連結財務諸表の作成にあたっては、経営者による会計方針の選択・適用、資産・負債及び収益・費用の報告金額及び開示に影響を与える見積りを必要としております。経営者は、これらの見積りについて、当社の実態等を勘案して合理的に判断しておりますが、実際の結果は、見積りによる不確実性のため、これらの見積りと異なる場合があります。
(繰延税金資産)
当社グループは、将来減算一時差異及び税務上の繰越欠損金に係る繰延税金資産の回収可能性を判断した上で、回収可能性がないと見積られる金額を評価性引当額として控除しております。繰延税金資産の回収可能性を判断する際には、将来の課税所得に基づき、将来の税金負担額を軽減する効果を有すると考えられる範囲で繰延税金資産を計上しております。将来の課税所得の発生額は、取締役会によって承認された来年度予算を基礎としており、顧客との交渉状況を踏まえた新規受注の獲得見込み等を主要な仮定として見積っております。
ただし、当該見積りには不確実性を伴い、これに関する経営者による判断が繰延税金資産の計上額に影響を及ぼす可能性があります。
(製品保証引当金)
当社グループは、顧客に販売した一部デバイスについて、将来発生する交換に伴う作業費用に備えるため、その発生見込み額を製品保証引当金として計上しております。
将来発生するデバイスの交換に伴う作業費用は、対象となるデバイスの数量、デバイス1個当たりの交換対応費用等の予測に基づき合理的に見込まれる金額を算定しております。この見積りには不確実性が含まれており、前提条件の変化等により、実際の発生額と異なる場合があり、引当金の追加計上もしくは戻入が必要となる可能性があります。
② 経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの第12期における売上高は、リカーリング収益とインクリメンタル収益とが共に堅調に推移した結果、前期比13.4%の増収となりました。KDDI株式会社の新規事業開発に向けた取組みの継続により、業務受託(インクリメンタル収益)に関する売上が好調に推移するとともに、海外子会社による売上も貢献しました。販管費については、広告宣伝や事業投資に係る費用、外形標準課税の適用による租税公課の計上により、611,163千円増加しましたが、増収が寄与し、営業利益は70,796千円の減益となりました。
営業外収益としては、第12期においても、円安傾向の影響により、為替差損を26,323千円計上しております。
また、第12期においては、投資有価証券評価損を198,302千円計上いたしました。
財政状態においては、当社の第12期末におけるリース債務を含む有利子負債の残高は、金融機関からの借入を行ったことから950,167千円となり、現金及び預金の残高は、2024年4月24日付でオーバーアロットメントによる売出しに関連した第三者割当増資及び金融機関からの借入を行ったことにより増加し、8,917,773千円となっております。当社の事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しており、今後は、これら資本を原資に、収益力とのバランスをみながら、マーケティング活動や優秀な人材の確保のための投資や事業投資を行い、国内売上の安定的な成長と海外売上の拡大を図ってまいります。
③ 資本の財源及び資金の流動性
当社は、事業を推進していくうえで十分な流動性を確保しております。当社の運転資金需要のうち主なものは、従業員の給料手当のほか、販売費及び一般管理費の広告宣伝費であります。当社は、事業運営上必要な資金を安定的に確保するために、必要な資金については自己資金により賄いますが、短期的な運転資金が必要となる場合には、金融機関からの借入及びエクイティファイナンス等でバランスよく調達していく方針です。なお、これらの資金調達方法の優先順位については、調達時期における資金需要の額、用途、市場環境、調達コスト等を勘案し、最適な方法を選択する方針であります。
④ 経営成績に重要な要因を与える要因について
経営成績に重要な影響を与える要因については、「3 事業等のリスク」に記載のとおりであります。また、今後の経営成績に影響を与える課題については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑤ 経営者の問題意識と今後の方針について
経営者の問題意識と今後の方針については、「1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等」に記載のとおりであります。
⑥ 経営上の目標の達成状況を判断するための客観的な指標等
当社グループは、経営成績を評価するために売上高、売上高総利益率及び営業利益率に加えて、リカーリング収益、課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAを重要な経営指標と考えております。
売上高の伸びは事業全体が安定的に成長している指標となっており、コストとのバランスが異常でないことを売上高総利益率及び営業利益率をモニタリングすることで測っております。売上高については、前期比113.4%の伸びでしたが、営業利益率については、生成AI関連の費用やM&Aに係る費用等を計上したことにより、営業利益率は7.3%(前期は9.2%)と鈍化いたしました。
ARPAの上昇は、既存顧客がプラットフォームの利用範囲を拡大していることを示すため、課金アカウント数の増加と併せて重要な指標として管理しております。課金アカウント数及びリカーリング収益のARPAは、それぞれ前期比108.6%及び110.5%とともに増加し、顧客数の増加のみならず既存顧客の事業へのIoTの浸透が進んでいるものと評価しております。
加えて、グローバル回線の利用が増加した結果、海外子会社の国又は地域における売上高である海外売上高は第11期連結会計年度は2,887,912千円(海外売上高比率36.4%)、第12期連結会計年度は3,759,020千円(海外売上高比率41.8%)と増加しております。なお、海外売上高には、国内顧客向けグローバル回線にかかる売上高が含まれております。
売上高及び売上総利益の伸長の背景については「第2 事業の状況 4 経営者による財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析」をご参照ください。
(単位:千円)
| 第11期連結会計年度 (自 2023年4月1日 至 2024年3月31日) | 第12期連結会計年度 (自 2024年4月1日 至 2025年3月31日) | ||||
| 前期比 | |||||
| 売上高 | 7,928,778 | 8,993,031 | 113.4% | ||
| 売上高総利益率 | 56.7% | 56.0% | - | ||
| 営業利益率 | 9.2% | 7.3% | - | ||
| 課金アカウント数(千個) | 8.1 | 8.8 | 108.6% | ||
| リカーリング収益のARPA | 688 | 760 | 110.5% | ||