有価証券届出書(新規公開時)
事業等のリスク
本書に記載した事業の状況、経理の状況等に関する事項のうち、経営者が提出会社の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況に重要な影響を与える可能性があると認識している主要なリスクは、以下のとおりであります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
各リスクについて、発生可能性、発生可能性のある時期、影響度は以下のとおりとなっております。
(1) 事業環境に関するリスク
① 障害者関連市場と関連法令の動向について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、「障害者基本法」の理念に則り、関連する「障害者差別解消法」「障害者の雇用の促進等に関する法律」「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」等の目的の達成に向けて、法規制の対象となる事業者や自治体、教育機関に対して様々なソリューションの提供を行っております。これらの法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更等がなされた場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ミライロIDに競合する企業の参入について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が運営するデジタル障害者手帳「ミライロID」においては、政府が提供する「マイナポータルAPI」の民間活用の第1号として、マイナポータルと連携しております。「ミライロID」は、自治体が管理する障害者手帳の情報をマイナポータル経由で取得できることから、当該連携を行った利用者は信頼性の高い情報として事業者に提示が可能です。現在、当社と同様に障害者手帳の代替を行うことが可能な類似アプリは存在せず、ビジネスモデル特許の取得など開発した技術・ノウハウなどの保護・保全に努めておりますが、競合企業によるサービスの模倣等により、当社の事業展開に支障が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 収益事業に競合する企業の参入について(発生可能性:高、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社のバリアバリューソリューションは許認可制度がないことに加え、事業の開始にあたって大規模な設備投資も不要であることから、相対的に参入障壁が低い事業であります。デジタル障害者手帳「ミライロID」を活かしたソリューションの提供や、手話通訳士等の有資格者をはじめとした多様な専門人材の採用や育成をすることにより、事業の付加価値の向上や差別化を図っておりますが、新規参入企業が増加する可能性は否定できず、競合企業の増加により競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスク
① 経営成績の変動について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、顧客からの障害者に対する幅広い課題やニーズに対して、多様なソリューションを保有している強みを活かすことによって、1社あたりの売上高や継続取引先を増やし、経営の安定と持続的成長を可能とすることを目指しております。しかしながら、各ソリューションが単発での受注に留まるなど、顧客あたりの売上の最大化や継続的な取り組みが出来なかった場合には、想定どおりの成長が見込めず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② システム障害について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の提供するサービスやそれを支える社内業務は、コンピューター及びインターネット技術を高度に活用しており、通信事業者が運営する通信ネットワークサービスへの依存度が高いと言えます。したがって、予期せぬトラブル等によって通信ネットワークやサーバーが利用できなくなった場合、当社のサービス提供が不可能となる可能性があります。このような事態が発生した場合には、顧客等から損害賠償の請求や当社の社会的信用を失う可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ セキュリティについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社はハッカーやコンピューターウイルス等に備えるためのセキュリティ対策を施しておりますが、外部からの不正な手段によるサーバー内への侵入等の犯罪や従業員の過誤等により顧客の個人情報等重要なデータが消去または不正に取得される可能性は否定できません。このような事態が発生した場合には、損害賠償の請求や当社の社会的信用を失う可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ ブランド、風評等について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業は、障害者やその家族、事業者や行政、教育機関等との連携の元に成り立つものであると認識しております。そのため、当社の従業員には、企業理念・ビジョン等を浸透させ、コンプライアンスを遵守する意識を高く保つように社員教育を徹底しております。しかしながら、従業員の不祥事等の発生や、当社に対して不利益な情報や風評が流れた場合には、当社及び当社サービスのブランド価値が棄損し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報管理について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社はその事業運営の性質上、個人情報及び機密情報を保有しており、当社の個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用されております。そのため、適切に個人情報を取り扱う体制を整備していることの証として、プライバシーマークを取得しております。
第三者によるセキュリティ侵害、ハッキング、従業員等による故意または過失などによって、当社が保有する個人情報や機密情報の外部流出または不正使用などが発生した場合、当社は顧客などに対する損害賠償責任を負うとともに、社会的信用に重大な影響を与え、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 知的財産権の侵害について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の事業においては、「ミライロID」や「ユニバーサルマナー」など、オリジナルのサービスやコンテンツの展開を強みとしている関係上、著作権、商標権、ビジネスモデル特許等の知的財産権の確保が重要だと認識しております。当社は、商標権やビジネスモデル特許の取得、さらには開発した技術・ノウハウ等の保護・保全に努めておりますが、第三者によるサービスの模倣等により、当社の営業展開に支障が生じ、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。また、第三者に帰属する著作権、商標権、ビジネスモデル特許等の知的財産権、肖像権等を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権、肖像権等を侵害した場合、当社の社会的信用を失うとともに、損害賠償による損失が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ミライロIDの不正利用に関するリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
デジタル障害者手帳「ミライロID」は、ユーザーからの画像データの申請に基づき、障害者手帳の登録を行っております。各自治体の障害者手帳のフォーマットに基づき、システムによって照合した上で、目視による確認も行っております。また、ユーザーの同意を前提にマイナポータル経由で自治体サーバーから障害者手帳の情報を取得し、登録された情報が一致しているか否かの照合も行っております。しかしながら、精緻に偽装された手帳情報が誤って登録される可能性は否定できず、不正利用などが横行した場合には、当社及び当社サービスの社会的信用力が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、当該偽装については、紙の障害者手帳にも同様のことが生じると言えます。したがって、「ミライロID」に限って不正利用が横行するものではないと思料いたします。
(3) 組織体制に関するリスク
① 小規模組織体制及び人材の確保・育成について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の従業員数は、最近日(2024年12月31日)現在50名の小規模組織であり、内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。現時点においては、当社の規模に対して適切な人員体制が構築出来ているものと認識しておりますが、今後の業容拡大に応じて、採用活動及び人材育成により組織強化を図る必要性が生じることが想定されます。しかしながら、当社が優秀な人材をタイムリーに採用・育成できる保証はなく、人材確保に成功しなかった場合には、当社の事業の成長及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定の経営者への依存について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の創業者であり大株主である代表取締役社長垣内俊哉及び取締役副社長民野剛郎は、当社の経営方針や事業戦略、人的ネットワークの構築等において重要な役割を果たしております。当社は、事業拡大に伴い両者に依存しない経営体制の強化を進めておりますが、現状において何らかの理由により、両者が退任する事態が生じた場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制に関するリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の提供する「ミライロID」の個人情報に関しては、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。加えて、「特定商取引に関する法律」「不当景品類及び不当表示防止法」等により、一部の広告に際し、法定事項の表示義務を負う場合があります。
当社は、上記法的規制等について適切な対応をしておりますが、不測の事態により、当該法令等に抵触しているとして何らかの行政処分を受けた場合、また、今後これらの法令等が強化され、若しくは新たな法令等が定められ当社の事業が制約を受ける場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他のリスク
① 配当政策について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しておりますが、設立以来、将来の事業展開と財務体質強化のための必要な内部留保の確保を優先し、配当は実施しておりません。
今後につきましては、配当可能利益の状況、経営成績、財政状態及び事業投資の必要性を総合的に勘案のうえ、配当の実施を検討する方針としておりますが、現時点において、配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク(発生可能性:高、発生可能性のある時期:新株予約権行使時、影響度:小)
当社は、役員、従業員及び外部協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しており、これらの新株予約権が権利行使された場合には、既存株主の保有株式の価値及び議決権割合が希薄化される可能性があります。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は403,500株であり、発行済株式数9,225,000株の4.37%に相当しております。なお、新株予約権の詳細は、後記「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご参照ください。
③ 訴訟等について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
現在、当社の事業に影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来、訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合は、事業活動における制限を受け、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 資金使途について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
今回、当社が計画している公募増資による調達資金につきましては、ソフトウエア開発、人材採用、借入金返済等に充当する予定であります。しかしながら、資金使途につきましては、急激な経営環境の変化が生じ、その変化に対応するため変更する可能性があり、また、計画どおりに使用された場合であっても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。また、当社の属する業界の環境変化や、これに伴う今後の事業計画の見直し等により、調達資金の使途が変更になった場合には、速やかに開示する方針でありますが、このような場合、当社の業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害、感染症等に関するリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の事業拠点は、大阪市淀川区、東京都品川区に主要拠点があります。過去においては、地震、津波、洪水、火災等の災害によって、当社の事業活動に大きな影響を受けたことはありませんが、これらの地域において大規模な自然災害、テロ等が発生した場合や、感染症が想定を大きく上回る規模で発生あるいは流行した場合、事業活動全般に影響を及ぼす可能性があり、当社の経営成績及び財政状態等にも影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 株式の流動性について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、株式会社東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において26.1%となる見込みです。今後は、公募増資による当社の事業計画に沿った成長資金の調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。
なお、文中の将来に関する事項は、本書提出日現在において当社が判断したものであり、不確実性を内在しているため、実際の結果とは異なる可能性があります。
各リスクについて、発生可能性、発生可能性のある時期、影響度は以下のとおりとなっております。
分類 | リスク | 発生可能性 | 発生可能性のある時期 | 影響度 |
(1) 事業環境に関する リスク | ① 障害者関連市場と関連法令の動向について | 低 | 特定時期なし | 大 |
② ミライロIDに競合する企業の参入について | 中 | 特定時期なし | 中 | |
③ 収益事業に競合する企業の参入について | 高 | 特定時期なし | 中 | |
(2) 事業内容に関する リスク | ① 経営成績の変動について | 中 | 特定時期なし | 中 |
② システム障害について | 低 | 特定時期なし | 中 | |
③ セキュリティについて | 低 | 特定時期なし | 中 | |
④ ブランド、風評等について | 中 | 特定時期なし | 中 | |
⑤ 情報管理について | 低 | 特定時期なし | 大 | |
⑥ 知的財産権の侵害について | 中 | 特定時期なし | 小 | |
⑦ ミライロIDの不正利用に関するリスク | 低 | 特定時期なし | 小 | |
(3) 組織体制に関する リスク | ① 小規模組織体制及び人材の確保・育成について | 中 | 特定時期なし | 小 |
② 特定の経営者への依存について | 低 | 特定時期なし | 中 | |
③ 内部管理体制について | 低 | 特定時期なし | 中 | |
(4) 法的規制に関するリスク | 低 | 特定時期なし | 中 | |
(5) その他のリスク | ① 配当政策について | 中 | 特定時期なし | 中 |
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に 関するリスク | 高 | 新株予約権 行使時 | 小 | |
③ 訴訟等について | 低 | 特定時期なし | 中 | |
④ 資金使途について | 中 | 特定時期なし | 小 | |
⑤ 自然災害、感染症等に関するリスク | 低 | 特定時期なし | 大 | |
⑥ 株式の流動性について | 中 | 特定時期なし | 中 |
(1) 事業環境に関するリスク
① 障害者関連市場と関連法令の動向について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社は、「障害者基本法」の理念に則り、関連する「障害者差別解消法」「障害者の雇用の促進等に関する法律」「高齢者、障害者等の移動等の円滑化の促進に関する法律」「聴覚障害者等による電話の利用の円滑化に関する法律」等の目的の達成に向けて、法規制の対象となる事業者や自治体、教育機関に対して様々なソリューションの提供を行っております。これらの法律の改廃、法的規制の新設、適用基準の変更等がなされた場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
② ミライロIDに競合する企業の参入について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社が運営するデジタル障害者手帳「ミライロID」においては、政府が提供する「マイナポータルAPI」の民間活用の第1号として、マイナポータルと連携しております。「ミライロID」は、自治体が管理する障害者手帳の情報をマイナポータル経由で取得できることから、当該連携を行った利用者は信頼性の高い情報として事業者に提示が可能です。現在、当社と同様に障害者手帳の代替を行うことが可能な類似アプリは存在せず、ビジネスモデル特許の取得など開発した技術・ノウハウなどの保護・保全に努めておりますが、競合企業によるサービスの模倣等により、当社の事業展開に支障が生じた場合、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ 収益事業に競合する企業の参入について(発生可能性:高、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社のバリアバリューソリューションは許認可制度がないことに加え、事業の開始にあたって大規模な設備投資も不要であることから、相対的に参入障壁が低い事業であります。デジタル障害者手帳「ミライロID」を活かしたソリューションの提供や、手話通訳士等の有資格者をはじめとした多様な専門人材の採用や育成をすることにより、事業の付加価値の向上や差別化を図っておりますが、新規参入企業が増加する可能性は否定できず、競合企業の増加により競争が激化した場合には、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
(2) 事業内容に関するリスク
① 経営成績の変動について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、顧客からの障害者に対する幅広い課題やニーズに対して、多様なソリューションを保有している強みを活かすことによって、1社あたりの売上高や継続取引先を増やし、経営の安定と持続的成長を可能とすることを目指しております。しかしながら、各ソリューションが単発での受注に留まるなど、顧客あたりの売上の最大化や継続的な取り組みが出来なかった場合には、想定どおりの成長が見込めず、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
② システム障害について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の提供するサービスやそれを支える社内業務は、コンピューター及びインターネット技術を高度に活用しており、通信事業者が運営する通信ネットワークサービスへの依存度が高いと言えます。したがって、予期せぬトラブル等によって通信ネットワークやサーバーが利用できなくなった場合、当社のサービス提供が不可能となる可能性があります。このような事態が発生した場合には、顧客等から損害賠償の請求や当社の社会的信用を失う可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
③ セキュリティについて(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社はハッカーやコンピューターウイルス等に備えるためのセキュリティ対策を施しておりますが、外部からの不正な手段によるサーバー内への侵入等の犯罪や従業員の過誤等により顧客の個人情報等重要なデータが消去または不正に取得される可能性は否定できません。このような事態が発生した場合には、損害賠償の請求や当社の社会的信用を失う可能性があり、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
④ ブランド、風評等について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の事業は、障害者やその家族、事業者や行政、教育機関等との連携の元に成り立つものであると認識しております。そのため、当社の従業員には、企業理念・ビジョン等を浸透させ、コンプライアンスを遵守する意識を高く保つように社員教育を徹底しております。しかしながら、従業員の不祥事等の発生や、当社に対して不利益な情報や風評が流れた場合には、当社及び当社サービスのブランド価値が棄損し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 情報管理について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社はその事業運営の性質上、個人情報及び機密情報を保有しており、当社の個人情報の取り扱いについては、「個人情報の保護に関する法律」が適用されております。そのため、適切に個人情報を取り扱う体制を整備していることの証として、プライバシーマークを取得しております。
第三者によるセキュリティ侵害、ハッキング、従業員等による故意または過失などによって、当社が保有する個人情報や機密情報の外部流出または不正使用などが発生した場合、当社は顧客などに対する損害賠償責任を負うとともに、社会的信用に重大な影響を与え、当社の事業及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 知的財産権の侵害について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の事業においては、「ミライロID」や「ユニバーサルマナー」など、オリジナルのサービスやコンテンツの展開を強みとしている関係上、著作権、商標権、ビジネスモデル特許等の知的財産権の確保が重要だと認識しております。当社は、商標権やビジネスモデル特許の取得、さらには開発した技術・ノウハウ等の保護・保全に努めておりますが、第三者によるサービスの模倣等により、当社の営業展開に支障が生じ、当社の経営成績に影響を与える可能性があります。また、第三者に帰属する著作権、商標権、ビジネスモデル特許等の知的財産権、肖像権等を侵害しないよう細心の注意を払っておりますが、万が一、第三者の知的財産権、肖像権等を侵害した場合、当社の社会的信用を失うとともに、損害賠償による損失が生じた場合、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。
⑦ ミライロIDの不正利用に関するリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
デジタル障害者手帳「ミライロID」は、ユーザーからの画像データの申請に基づき、障害者手帳の登録を行っております。各自治体の障害者手帳のフォーマットに基づき、システムによって照合した上で、目視による確認も行っております。また、ユーザーの同意を前提にマイナポータル経由で自治体サーバーから障害者手帳の情報を取得し、登録された情報が一致しているか否かの照合も行っております。しかしながら、精緻に偽装された手帳情報が誤って登録される可能性は否定できず、不正利用などが横行した場合には、当社及び当社サービスの社会的信用力が低下し、当社の業績に影響を及ぼす可能性があります。ただし、当該偽装については、紙の障害者手帳にも同様のことが生じると言えます。したがって、「ミライロID」に限って不正利用が横行するものではないと思料いたします。
(3) 組織体制に関するリスク
① 小規模組織体制及び人材の確保・育成について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
当社の従業員数は、最近日(2024年12月31日)現在50名の小規模組織であり、内部管理体制もこの規模に応じたものとなっております。現時点においては、当社の規模に対して適切な人員体制が構築出来ているものと認識しておりますが、今後の業容拡大に応じて、採用活動及び人材育成により組織強化を図る必要性が生じることが想定されます。しかしながら、当社が優秀な人材をタイムリーに採用・育成できる保証はなく、人材確保に成功しなかった場合には、当社の事業の成長及び事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
② 特定の経営者への依存について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の創業者であり大株主である代表取締役社長垣内俊哉及び取締役副社長民野剛郎は、当社の経営方針や事業戦略、人的ネットワークの構築等において重要な役割を果たしております。当社は、事業拡大に伴い両者に依存しない経営体制の強化を進めておりますが、現状において何らかの理由により、両者が退任する事態が生じた場合には、当社の事業運営に影響を及ぼす可能性があります。
③ 内部管理体制について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、企業価値を最大化すべく、コーポレート・ガバナンスの充実を図る施策を実施しております。また、業務の適正性及び財務報告の信頼性を確保するため、これらに係る内部統制が有効に機能する体制を構築、整備、運用しております。しかしながら、事業の急速な拡大等により、十分な内部管理体制の構築が追いつかないという状況が生じる場合には、適切な業務運営が困難となり、当社の事業展開、財政状態及び経営成績に影響を及ぼす可能性があります。
(4) 法的規制に関するリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社の提供する「ミライロID」の個人情報に関しては、「個人情報の保護に関する法律」の適用を受けております。加えて、「特定商取引に関する法律」「不当景品類及び不当表示防止法」等により、一部の広告に際し、法定事項の表示義務を負う場合があります。
当社は、上記法的規制等について適切な対応をしておりますが、不測の事態により、当該法令等に抵触しているとして何らかの行政処分を受けた場合、また、今後これらの法令等が強化され、若しくは新たな法令等が定められ当社の事業が制約を受ける場合、当社の事業展開及び業績に影響を及ぼす可能性があります。
(5) その他のリスク
① 配当政策について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、株主に対する利益還元を重要な経営課題であると認識しておりますが、設立以来、将来の事業展開と財務体質強化のための必要な内部留保の確保を優先し、配当は実施しておりません。
今後につきましては、配当可能利益の状況、経営成績、財政状態及び事業投資の必要性を総合的に勘案のうえ、配当の実施を検討する方針としておりますが、現時点において、配当実施の可能性及び実施時期については未定であります。
② 新株予約権の行使による株式価値の希薄化に関するリスク(発生可能性:高、発生可能性のある時期:新株予約権行使時、影響度:小)
当社は、役員、従業員及び外部協力者に対するインセンティブを目的として、新株予約権を付与しており、これらの新株予約権が権利行使された場合には、既存株主の保有株式の価値及び議決権割合が希薄化される可能性があります。本書提出日現在、新株予約権による潜在株式数は403,500株であり、発行済株式数9,225,000株の4.37%に相当しております。なお、新株予約権の詳細は、後記「第4 提出会社の状況 1 株式等の状況 (2) 新株予約権等の状況」をご参照ください。
③ 訴訟等について(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
現在、当社の事業に影響を及ぼす訴訟等は提起されておりませんが、将来、訴訟等が発生し、当社に不利な判断がなされた場合は、事業活動における制限を受け、当社の経営成績に悪影響を及ぼす可能性があります。
④ 資金使途について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:小)
今回、当社が計画している公募増資による調達資金につきましては、ソフトウエア開発、人材採用、借入金返済等に充当する予定であります。しかしながら、資金使途につきましては、急激な経営環境の変化が生じ、その変化に対応するため変更する可能性があり、また、計画どおりに使用された場合であっても、想定どおりの投資効果を得られない可能性があります。また、当社の属する業界の環境変化や、これに伴う今後の事業計画の見直し等により、調達資金の使途が変更になった場合には、速やかに開示する方針でありますが、このような場合、当社の業績及び今後の事業展開に影響を及ぼす可能性があります。
⑤ 自然災害、感染症等に関するリスク(発生可能性:低、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:大)
当社の事業拠点は、大阪市淀川区、東京都品川区に主要拠点があります。過去においては、地震、津波、洪水、火災等の災害によって、当社の事業活動に大きな影響を受けたことはありませんが、これらの地域において大規模な自然災害、テロ等が発生した場合や、感染症が想定を大きく上回る規模で発生あるいは流行した場合、事業活動全般に影響を及ぼす可能性があり、当社の経営成績及び財政状態等にも影響を及ぼす可能性があります。
⑥ 株式の流動性について(発生可能性:中、発生可能性のある時期:特定時期なし、影響度:中)
当社は、株式会社東京証券取引所グロース市場への上場を予定しており、上場に際しては、公募増資及び売出しによって当社株式の流動性の確保に努めることとしておりますが、株式会社東京証券取引所の定める流通株式比率は新規上場時において26.1%となる見込みです。今後は、公募増資による当社の事業計画に沿った成長資金の調達、ストック・オプションの行使による流通株式数の増加分を勘案し、これらの組み合わせにより、流動性の向上を図っていく方針ではありますが、何らかの事情により上場時よりも流動性が低下する場合には、当社株式の市場における売買が停滞する可能性があり、それにより当社株式の需給関係にも悪影響を及ぼす可能性があります。