有価証券報告書-第82期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/17 15:00
【資料】
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【項目】
183項目
(3)人的資本に係る戦略・指標及び目標
① 人的資本経営の推進体制
人的資本経営の取組みを戦略的に推進するために、「人的資本経営推進プロジェクト」を設置し、人的資本方針に基づき各施策の推進に向けた活動を行いました。2025年度は、経営戦略の実現に必要な人財要件の定義や組織能力強化に向けた準備を進め、中長期的な人的資本強化の基盤づくりに取り組みました。プロジェクトでの検討内容は、管掌役員によるステアリングコミッティでの審議を経て、経営会議に報告される体制のもと、全社的な人的資本経営の推進に取り組みました。現在は同プロジェクトでの検討成果をもとに、各施策の推進・進捗管理を行っております。
② 戦略
a.人的資本経営方針
(策定の背景)
2023年度に人的資本経営推進プロジェクトを始動し、企業価値の最大化を実現するための人的資本方針の策定に着手しました。経営・事業・従業員の三者の視点を整合させるため、人財像の明確化と人財ポートフォリオの可視化を進める中で、データの可視化及び部署長との対話を通じて複数の構造的課題が明らかになりました。これらの課題に対し、全体像を踏まえた一貫性のある施策を講じること、また会社が一方的に求める人財像だけでなく従業員の「ありたい姿」も取り入れることが必要であるとの認識のもと、従来の人的資本方針・企業理念・現状課題を踏まえ、人的資本経営方針を新たに策定いたしました。
(人的資本経営方針)
当社グループは、海を起点とした価値創造力で「食」を通じた社会課題を解決する「ソリューションカンパニー」への変革を目指しております。人財を「価値を生み出す資本」と捉え、中期経営計画「For the ocean, for life 2027」が示す経営戦略の実現と、働き方・価値観・キャリア観の多様化という労働環境の変化、その両面を踏まえ、以下の人的資本経営方針を定め、4つの戦略コンセプトに基づく人財マネジメント方針・社内環境整備方針を推進いたします。人的資本経営方針の詳細については、「第4 提出会社の状況 5 従業員の状況等」をご参照ください。
社会・環境・消費者・ともに働く仲間、そして自らに誠実に向き合い、
新たな価値創造に挑戦し続ける人財を育成する。
多様な視点を取り入れ、強みを磨くことで、自律的な個が活き、共創を通じて個の総和を超える価値を生み出し得る組織を実現する。

<人的資本モデルと、4つの戦略コンセプト>0102010_010.png企業価値向上の鍵は、人がそだち、つながり、ひろがり、ととのうことにあると考えます。個人が持つスキル・ノウハウ・能力等(=人的資本)を、個の総和を超える価値(=掛け算の価値)へと転換するため、4つの戦略コンセプトを策定しました。このコンセプトは、目指す組織を実現するための実践の枠組み(幹)として、以下の人財マネジメント方針・社内環境整備方針の根幹となります。
人的資本経営への取組みが評価され、2025年度に人的資本経営と開示に関する取組みの水準を定量的に評価する「人的資本経営品質2025」において、「人的資本経営品質2025シルバー」に選定されました。当社グループは今後も人的資本への投資を継続し、取組みの効果検証と改善を重ねながら、持続的な企業価値向上につなげてまいります。0102010_011.png

b.人財マネジメント方針
当社グループは、人的資本の強化を経営戦略上の重要課題と位置づけ、採用・配置・育成・評価/報酬という人財マネジメントプロセス全体を通じて、以下の取組みを推進しております。本マネジメント方針は人財育成・配置方針にとどまらず、「挑戦と共創」の文化を醸成し、従業員の成長実感とエンゲージメントの向上につなげるものです。
(ⅰ)人財育成プログラム……………………………………………………………………[そだつ・つなぐ・ひろがる]
当社は、ソリューションカンパニーへの変革を担う中核人財(経営リーダー人財・グローバル人財・DXリーダー人財・サステナビリティ人財)の育成プログラムを推進しております。グローカル展開・事業変革・サステナブル経営を推進する戦略実行人財の育成と、経営の継続性を確保する経営リーダー人財の育成を両輪として、各プログラムを展開しております。各人財カテゴリーにおいては2030年度KPIを設定し、計画的な人財育成と進捗管理を行います。各プログラムの指標・目標値については「③指標及び目標」をご参照ください。
ア)経営リーダー人財育成
「食」を通じた社会課題解決という長期ビジョンの実現には、バリューサイクルをグローカルに展開し、変革を継続的に推進できる経営リーダー層の育成が不可欠です。当社は、この認識のもと、2025年度より既存の「経営リーダー人財育成プログラム」と「サクセッションプログラム」を再構築した新サクセッションプログラムの運用を開始しております。
「経営に直結した後継者候補を意図的・意識的に輩出できている状態」を目指し、将来の経営人財を計画的に選抜・育成・抜擢する人財プール型運営の仕組みへと進化させました。新たに定義した人財要件に基づいて選抜した候補者について、指名・報酬委員会より任命された役員で構成される「人財投資会議」及び「人事委員会」にて育成方針の検討とモニタリングを継続的に行い、経営に直結した後継者候補を計画的に育成しております。人財プールを質・量ともに充実させることで、将来の経営体制における選択肢を広げる基盤を構築しております。
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イ)グローバル人財育成
「消費者起点のバリューサイクルをグローカルに展開する」長期ビジョンのもと、多様な文化や価値観に適応し、海外事業を牽引するグローバル人財の育成を最優先課題としております。海外市場への展開拡大や持続可能な資源アクセスの強化を重点テーマとして取り組む中、2024年度に社内に点在する育成施策を整理・体系化し、グローバル人財を計画的に育成・管理・活用していくスキームを確立いたしました。2025年度より、このスキームに基づく運用を開始しております。
<グローバル人財レベル>グローバル人財を、海外での実務経験や習熟度に応じた3段階のグレードに整理し、明確に定義しております。また、高度な専門性が求められるため、職種カテゴリーごとに具体的な要件を定義しております。
グローバル人財ビギナー海外での短期トレーニーを経験し、グローバル人財要件の基礎能力があると考えられる者
グローバル人財レベルⅠ海外での業務に必要な一定の経験を積み、グローバル人財要件の基礎能力を有する者
グローバル人財レベルⅡ海外実務に精通し、今すぐに海外で活躍できる人財及び海外で新しい事業を創出できるポテンシャルを持った人財

グローバル人財プールへの登録・キャリア支援・適所適材配置を実施しており、グローバル人財基礎プログラム(MGP)修了認定者には海外実務部署へのFA権を付与しております。本スキームにより、グローバル人財の可視化と戦略的配置が可能となり、長期ビジョンの実現に向けた人的基盤の強化を図っております。特に、グローバル人財レベルⅡには、複雑な状況判断や戦略的意思決定ができ、グローカル戦略に基づく新たな価値創造を担う人財として、計画的な育成とKPI管理を行っております。
ウ)DX人財育成
当社は、DXを「手段」ではなく「価値創造の変革」として捉え、デジタル技術(D)の活用にとどまらず事業・組織を変革する力(X)を発揮できる人財の育成を人的資本戦略の重要な柱と位置づけております。2023年度に実施した全従業員を対象とするIT・DXスキル可視化調査をもとに、階層や部門によるスキルの偏りを把握し、実態に即した育成施策を展開しております。
2024年度より事業戦略と連動した「DXリーダー」及び「デジタルアーキテクト」の育成を開始し、変革マインドの醸成を主眼とした「越境リーダーシップ研修」をスキル調査により選定した対象者に実施いたしました。2025年度は、新たな選定者及び役員・部署長層にも越境リーダーシップ研修を展開し、現場から経営層まで一体となったDX推進の土台を整えました。併せて、ロジカル思考研修・AI活用研修を実施し、変革を実行するための実践的スキルの習得を図っております。
2026年度は、業務課題の整理及び抽出した課題に対してAIエージェントを活用した業務改革を目標に、挙手制による社内プロジェクトを発足し、生産性向上を目指した自動化型、付加価値を創出するための価値創造型の2軸にて業務の見直しを実践する予定です。プロジェクトメンバーが成功体験を積める機会を提供しつづけ、挑戦と共創を推進してまいります。
また、DXリーダーの継続的な育成を推進するため第2期スキル調査を行い、育成カリキュラムの見直しを含め、研修を順次実施し、DXリーダー層のさらなる拡充を図ってまいります。
2030年度には組織や企業の壁を越えた事業戦略に基づく変革の実現を目指し、各人財カテゴリーのKPIに基づいて計画的な人財育成と進捗管理を行っております。
エ)サステナビリティ人財育成
当社は、2026年3月に社名を変更し、海を起点とした146年の歴史と強みを活かしながら、「食」を通じて社会課題を解決するソリューションカンパニーへの変革を新たなアイデンティティのもとで宣言いたしました。この変革の実現には、サステナビリティを事業の中核に据え、経済価値・社会価値・環境価値の創造を一体的に推進できる人財の育成が不可欠です。こうした認識のもと、2025年度にはサステナビリティ戦略部を新設し、サステナブル経営をグループ全体で推進する体制を整えてまいりました。
①環境、②サプライチェーンマネジメント及び人権、③水産資源、④ステークホルダーコミュニケーションの4分野において、各事業ユニットがサステナビリティ戦略を自律的に策定・推進できる組織体制の実現を2030年度のあるべき姿として掲げ、計画的な人財育成を推進しております。
目標達成に向けては、2025年度より育成を本格化させ、各分野における「社外で啓発活動を推進できるエキスパート人財」と「社内で啓発を主導できるエキスパート人財」の育成に関する定量的KPIを設定し計画的かつ戦略的に取り組んでまいります。また、ビギナー人財については、従業員が自ら手を挙げる公募制の社会貢献登録人財制度を通じた研修を展開し、4分野の基礎知識を持つ人財を育成することで、サステナビリティ推進の裾野を広げるとともに、学生向けのサステナビリティ講習等の社会貢献活動を通じて企業価値向上にも貢献してまいります。
(ⅱ)人的資本配置方針……………………………………………………………………………………[そだつ・つなぐ]
当社グループは、経営・事業・従業員の3つの視点のバランスを考慮した全体最適の人財配置及び人的資本を最大限活用する体制を企業価値創造の基盤と位置づけております。この実現に向け、採用と配置を一体的に改革することを方針とし、多様な人財が定着・活躍し、価値を創造できる組織の実現を目指しております。
価値創出の土台となる人財流動の仕掛けとして、採用においては、パーパス・ミッション・バリューズを体現できる人財であることを大前提としながら、異なる視点・経験・専門性を持つ異能異彩人財の採用比率を意識的に高めるとともに、職種・志向に応じた採用及び質重視の採用へと方針を段階的に転換してまいります。配置においては、人財ポートフォリオの可視化が完了し、今後は事業ポートフォリオに応じた適正配置への活用を進めてまいります。併せて、2026年度より、従業員一人ひとりが主体的にキャリアを切り拓くキャリアオーナーシップの取組みを推進いたします。
これらを起点に、共創が循環する組織への転換と当社グループ全体での最適な人財配置・人的資本活用を目指し、経営・現場・人財開発が連携し、社内環境整備方針とも連動しながら、組織変革を段階的に深化させてまいります。
キャリアオーナーシップの取組み
当社グループが目指す、全体最適の人財配置及び人的資本を最大限活用する体制を実現するうえでは、従業員一人ひとりが自らのキャリアを自律的に切り拓く「キャリアオーナーシップ」を実践できている状態が不可欠です。2026年度より「キャリアオーナーシップ」の支援強化を重点施策として推進するため、以下のとおり定義し、各種施策を実行してまいります。
<当社のキャリアオーナーシップ定義>・自らのありたい姿(将来像)と価値観を明確にする
自分がどんな人間でありたいか、どんな価値観を大切にしたいかを言語化し、キャリアの軸を定めること。
・キャリアを通じてそれを主体的に実現する
自らの意思でキャリアの選択・行動を行い、理想の姿に向かって継続的に歩み続けること。
・挑戦と共創を通じて、他者と共に成長していく
新たな挑戦や周囲との共創を通じて、自分と他者の成長を同時に実現する姿勢。
この定義のもと、「自分らしさを描ける」、「自分で選び挑戦できる」、「上司・組織が味方になる」というサイクルを通じて、従業員のモチベーションと成長が加速する環境の構築を目指しております。具体的には、本人の異動希望調査をもとにした主体的なキャリア形成支援に加え、FA制度・社内公募・副業制度等「挑戦と共創」を促す仕組みを整備しております。上司が部下個人の強み・志向を理解したうえで本音のキャリア対話ができる環境づくりを進めるとともに、従業員が自ら手を挙げて参画する社内プロジェクトを複数立ち上げ、志向や価値観に沿ったキャリア形成のための挑戦機会を提供しております。
また、2026年度より研修体系をリニューアルし、従来の会社主導による育成体系から、従業員一人ひとりが自らの意思で学びを選ぶ体系へ転換いたします。具体的には、これまで昇格後に必修としていた各階層の「階層別研修」を一部廃止し、従業員が自ら手を挙げて自らが目指すキャリアの実現に必要な役割を先んじて学ぶ申込制の仕組みとしました。研修修了が次の等級への昇格要件となることで、自律的な学びと成長によるキャリアオーナーシップの実現を促すことを目的としております。併せて、自己啓発としてeラーニングシステムを用意する等、会社は従業員の成長を後押しする「学びの場」と「機会」を提供する役割を担います。従業員が主体的かつ自律的にキャリアを切り拓いていける環境を整えてまいります。
c.社内環境整備方針
当社グループは、多様な人財が安心して挑戦できる職場環境の提供を重要な方針として推進しております。人財マネジメント方針が人財の成長と価値創造力の強化を目的とするのに対し、社内環境整備方針は多様な人財が安心して能力を発揮できる基盤の整備を目的としております。この両輪を一体的に推進することで、従業員の能力発揮を最大化します。各施策の指標・目標値については、「③指標及び目標」をご参照ください。
(ⅰ)ダイバーシティ&インクルージョンの推進……………………………………………………[ひろがる・つなぐ]
当社グループは、ジェンダー・国際性・価値観・年齢・ライフスタイル・障がいの有無等、お互いの違いを尊重し、一人ひとりの能力を最大限に発揮することが、持続的な企業成長に重要であると認識しております。こうした認識のもと「多様な人財が安心して活躍できる職場環境の構築」をマテリアリティとして特定し、「ダイバーシティ&インクルージョン宣言」のもと、多様な視点や発想の融合により「消費者起点のバリューサイクル」のグローカルな展開を加速し、「挑戦と共創」の文化を醸成することで持続的な企業価値の創造を目指しております。
ア)女性活躍推進
女性の活躍推進は、経営戦略実現のための重要な推進力と位置づけております。消費者視点のバリューサイクルやグローカル展開の実現には、同質的な視点や発想だけでは限界があり、多様なバックグラウンドを持つ人財、特に女性の視点や感性を積極的に取り入れることが不可欠です。職域の拡大や意思決定層の多様化促進は、従来にない発想や視点が生まれ、新たな価値創造につながると考えております。採用については男女比50:50を指標とし、母集団形成段階からバイアス排除に努めております。また、キャリア形成を支援する研修プログラムの提供や、ロールモデルとなる女性管理職の発信機会の創出等、成長機会の拡充と組織風土の醸成を同時に進めております。2030年度には女性従業員比率35%以上、女性管理職比率15%以上を目標に掲げ、新規管理職昇進者の女性比率向上に取り組んでおります。
イ)障がい者雇用の推進
多様な人財が挑戦と共創で価値を創造するためには、あらゆる個性や能力が活かされる職場環境が不可欠です。「障がいのある方たちと共に働く」の方針のもと、本社では障がいのある方が活躍できる専門部署を設置し、工場では定着支援のための「キーチーム」を設立するなど、障がいのある方々がより多くの職場で活躍できるよう取り組んでおります。この取組みは、職場の多様性を高めるだけでなく、業務プロセスの見直しや効率化にもつながり、組織全体の生産性向上にも寄与しております。
ウ)キャリア採用の強化
多様なバックグラウンドを持つ即戦力人財や高度専門職の採用を推進することで、組織全体での多様性向上を図り挑戦と共創による価値創造を推進しております。また、過去に退職した従業員が社外で得た知見・人脈・経験を活かして再び活躍できる「ジョブ・リターン制度」を導入しております。
(ⅱ)ウェル・ビーイング向上の取組み………………………………………………………………[ととのう・つなぐ]
当社グループでは、従業員一人ひとりのウェル・ビーイングを企業価値創造の基盤と位置づけております。ウェル・ビーイングは、身体的健康だけでなく、心理的充実・キャリア満足度・多様性の尊重等、多面的な要素から成ります。これらが調和し、個性や能力を最大限に発揮することで、従業員の創造性と生産性が最大化され、イノベーションの創出につながると考えております。この考えのもと、「カラダ」、「ココロ」、「エンゲージメント」の3つを柱とした健康経営戦略マップを策定し、多様な人財が安心して挑戦できる職場環境づくりに取り組んでおります。各施策の指標・目標値については、「③指標及び目標」をご参照ください。
ア)従業員エンゲージメント
当社グループは、従業員のエンゲージメント向上を、従業員一人ひとりのウェル・ビーイングを高めるとともに、企業価値を高める重要な要素と位置づけております。2023年度からエンゲージメントサーベイの対象範囲をグループ会社へ拡大し、2025年度は10,121名が対象となりました。なかでも「挑戦と共創の文化構築」という長期ビジョンの実現に向けて、以下3項目を重要指標として選定し、2030年度に向けた目標を設定しております。
これらの指標は「挑戦と共創の文化」の定着度を測る重要な尺度であり、その改善がウェル・ビーイングの向上と価値創造の基盤強化につながると考えております。
・「会社の方針や事業戦略への納得感」
・「挑戦する風土」(失敗以上に挑戦を称えられる組織文化)
・「発言・意見に対する承認」(周囲が自分の意見や発言を聞いてくれているか)
エンゲージメント向上に向けた具体的な取組みとして、サーベイ結果に基づく組織別の課題解決を推進しております。職場風土に課題がある職場においては、管理職層を対象とする360度サーベイの範囲を拡大し、現場社員まで含めた包括的な調査を実施し、その結果に基づくマネジメント研修や小集団活動を展開するなど、きめ細かな対応を行っております。また、1on1ミーティング「ブカシル」の活用や管理職向け教育を通じて、対話の質の向上に取り組んでおります。従業員が新たな挑戦に踏み出し、部門を越えた共創が活発に行われる組織文化を醸成することで、従業員の創造性と生産性を高め、持続的な企業価値創造につなげてまいります。
イ)健康経営の推進
当社グループは、従業員が心身ともに健康であることが、挑戦と共創を生み出す力の源泉であると考えております。「食」を通じて人々の健康に貢献する企業として、その知見と姿勢を従業員自身の健康づくりにも体現することが、私たちの健康経営の根幹と位置付けております。代表取締役社長を健康経営最高責任者とする推進体制のもと、専門組織のもと「カラダ」と「ココロ」の両面から包括的な施策を展開しております。
健康経営に関する取組みは、「well-Bチャレンジ」と総称し、バランスの良い食生活や運動習慣、メンタルヘルスケアを実践することにより健康(Wellness)を強化(Boost)し、一人ひとりが心・体・社会的に良好な状態(Well-being)であるための一助となることを目指しております。
各施策を「well-Bアクション」と位置づけ、健康ポイントプログラムと連動させ、従業員の健康課題解決や健康維持・向上に取り組んでおります。具体的には、水産物由来のDHAの研究開発で培った知見を従業員の健康づくりにも活かし、自社DHA含有商品の継続喫食と運動習慣を組み合わせた取組みを2019年度に開始した結果、定期健康診断での脂質及び血圧の異常所見者の割合は全国平均を下回りました。こうした「食の力で従業員の健康を守る」という独自の取組みは、当社グループならではの健康経営の姿です。
メンタルヘルス対策としては、臨床心理士への相談窓口「ココロバ」を整備し、メンタルヘルスリスクの低減に努めるほか外部機関でのカウンセリングサービスも導入しております。
これらの取組みが評価され、「健康経営銘柄2026」に2年連続3度目の選定、「健康経営優良法人~ホワイト500~」に9年連続で選定されました。今後も会社・健康保険組合・従業員が一体となり健康経営を推進し、心身ともに健康な従業員が挑戦と共創を実践することで、世界の人々の健康づくりへの貢献を目指してまいります。0102010_013.png

ウ)個の成長と自己実現の支援
挑戦と共創で新たな価値を創造し続ける力は、従業員一人ひとりが自分らしく成長し、働きがいを実感することで生まれます。2022年度より開催している「ゼンカツ(=全員活躍)オープン講座」では、多様性理解・メンタルヘルスケア等のテーマで講座を展開し、従業員が自分らしさを知り、充実した人生を実現するための機会を提供しております。また、育児休職後の従業員に対し、両立した働き方を考える「両立支援セミナー」を実施するなど、従業員の自己実現と成長実感を促進する取組みを推進しております。
エ)柔軟な働き方の実現と育児・介護両立支援
育児・介護等個人のライフステージや多様な価値観に対応した柔軟な働き方の実現もウェル・ビーイング推進の重要な柱です。そのために、コアタイムなしのフレックス制度・在宅勤務制度・週休3日制度等を整備し、個々のライフイベントとの両立を制度面から支援しております。また、育児や介護に関する専門の相談窓口「はぐサポ」を設置し、従業員の悩みに寄り添ったサポートを提供するとともに、両立支援をテーマとした研修を開催し、管理職を含めた組織全体の理解浸透に努めております。併せて男性の育児参画を積極的に推進しており、「男性育休100%宣言」への賛同及び「イクボス企業同盟」に加盟しております。2025年には厚生労働大臣による5つ目の「くるみん」認定を取得いたしました。
当社グループは、エンゲージメント・健康経営・自己実現支援・柔軟な働き方の各施策を相互に連携させながら推進することで、従業員一人ひとりのウェル・ビーイング向上と企業価値の持続的な創造を実現してまいります。健康状態・エンゲージメント・育児休業取得率等、各種指標を定期的に測定し、取組みの効果検証と継続的な改善を図っております。
d.挑戦と共創を促す風土醸成…………………………………………………………………………[そだつ・つなぐ]
当社では、次の100年、更にその先の未来に向かうための「社員が主役」のカルチャー改革を推進しております。このカルチャー改革を実現するためには、従業員一人ひとりが、現状にとらわれず挑戦し自由に社内外と共創する風土の醸成が不可欠です。従業員一人ひとりが働きがいを感じながら、個性や能力を最大限に発揮し挑戦できる環境を創出するため、本社を高輪ゲートウェイシティへ移転いたしました。新本社ビルを「自己変革と自己成長が起こりやすく、仕事がこれまで以上に面白くなる場所」と位置づけ、オフィス内の設計については従業員から広くアイデアを募集し、従業員とともに新本社を造りあげました。これにより、挑戦と共創を育む職場環境の整備は大きく前進したと捉えております。
また、2025年度より「挑戦」と「共創」を人事評価項目に組み込み、全従業員が挑戦と共創による価値創造を意識・実践できる仕組みとなるよう整備いたしました。この評価項目の変更により、自部署の予算達成や利益のみを優先する個別最適から脱却し、全社最適の視点を持たせるとともに、現状にとらわれない挑戦精神と多様なステークホルダーとの共創を重視する思考と行動への転換を促しております。更に、従業員が自ら手を挙げて参画する組織横断プロジェクト(公募制)を複数展開し、ワークプレイス改革やステークホルダーとの共創に取り組んでおります。その他、部署体験プログラムを実施する等、部門間の相互理解と共創の基盤づくりを推進しております。

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