有価証券報告書-第79期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
(1)経営成績等の状況の概要
当連結会計年度における当社グループ(当社、連結子会社)の財政状態、経営成績及びキャッシュ・フロー
(以下、「経営成績等」という。)の状況の概要は次のとおりであります。
①財政状態及び経営成績の状況
当連結会計年度におけるわが国経済は、雇用・所得環境の改善が続くなか景気は緩やかに回復していました
が、当連結会計年度末に向かい新型コロナウイルス感染症の影響による個人消費の低下、企業収益の悪化など厳
しい状況となり、感染症が内外経済をさらに下振れさせるリスクや金融市場の変動の影響が懸念されます。
建設業界におきましては、公共投資は底堅く推移し、民間投資については、住宅建設が弱含んでいるものの、企業の設備投資はおおむね横ばいで推移しています。一方で、建設労働者の需給状況や資機材価格の動向などに
ついては、引き続き留意する必要があります。
このような状況のなか、当社におきましては、「中期経営計画2018〜2020」の2年目にあたり、目に見える成
果を挙げるべく様々な経営課題の解決に取り組んだ結果、社員及び協力会社に対する安全、品質などの研修の強
化、働き方改革の推進による労働時間の削減や健康経営の推進、新規子会社を設立し新たな事業創造への挑戦に
よるグループ体制の強化など多くの成果を挙げ、中期経営計画の最終年度を見据え取り組んでまいりました。
当連結会計年度の財政状態及び経営成績に与える新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であるものとして連
結財務諸表を作成しており、この結果は以下のとおりとなりました。
a.財政状態 当連結会計年度末における資産合計は、前連結会計年度末に比べ6,460百万円増加(3.3%増)し200,137百万円
となりました。主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等の増加9,066百万円、流動資産のその他の増加4,811
百万円、投資有価証券の減少7,980百万円です。負債合計は、前連結会計年度末に比べ9,172百万円増加(7.0%
増)し140,401百万円となりました。主な要因は、支払手形・工事未払金等の増加7,355百万円、預り金の増加
2,956百万円、長期借入金の減少3,442百万円です。純資産合計は、前連結会計年度末に比べ2,711百万円減少
(4.3%減)し59,735百万円となりました。主な要因は、その他有価証券評価差額金の減少6,245百万円、利益剰
余金の増加3,748百万円です。
以上の結果、自己資本比率は前連結会計年度末の32.0%に対して2.4%減少し29.6%となりました。
b.経営成績
当連結会計年度の経営成績は、前連結会計年度と比較すると、売上高は18,171百万円増加(10.4%増)し192,842
百万円となりました。売上高の増加は、主に完成工事高の増加によるもので、土木工事が7,562百万円(7.7%
増)、建築工事が9,993百万円(13.4%増)、いずれも工事施工高の増加等に伴い増加しています。
売上総利益は、完成工事高の増加などの増益要因があったものの、一部海外工事の採算悪化などの減益要因が
あり、前連結会計年度比1,319百万円減少(7.8%減)し15,595百万円となりました。従業員給料手当の増加等によ
り、販売費及び一般管理費が前連結会計年度比437百万円増加(4.7%増)し、営業利益は前連結会計年度比1,757
百万円減少(23.2%減)の5,815百万円となりました。営業外収支が為替差損の減少等により前連結会計年度比
960百万円改善し、経常利益は前連結会計年度比796百万円減少(11.6%減)の6,053百万円となりました。
投資有価証券売却益1,495百万円など合計1,581百万円の特別利益が計上された一方で、固定資産撤去費用93百
万円など合計159百万円の特別損失が計上され、税金等調整前当期純利益は前連結会計年度比929百万円増加
(14.2%増)の7,476百万円となりました。
前連結会計年度に有税償却済の債権処分に伴う課税所得の低減等があった反動増もあり、税金費用が前連結会
計年度比1,598百万円増加(175.4%増)の2,509百万円となり、親会社株主に帰属する当期純利益は、前連結会計
年度比627百万円減少(11.2%減)の4,960百万円となりました。
セグメントの業績は次のとおりです。(セグメントごとの業績については、セグメント間の内部売上高等を含
めて記載しています。)
(土木工事)
土木工事については、売上高105,642百万円(前連結会計年度比7.7%増)、セグメント利益3,172百万円(前
連結会計年度比45.2%減)となりました。
(建築工事)
建築工事については、売上高84,582百万円(前連結会計年度比13.4%増)、セグメント利益2,163百万円(前
連結会計年度比63.9%増)となりました。
(不動産事業) 不動産事業については、売上高1,484百万円(前連結会計年度比42.3%増)、セグメント利益163百万円(前
連結会計年度比29.8%減)となりました。
(付帯事業) 付帯事業については、売上高28,841百万円(前連結会計年度比13.7%増)、セグメント利益206百万円(前連
結会計年度比47.7%増)となりました。
(その他) その他については、売上高319百万円(前連結会計年度比9.6%増)、セグメント利益112百万円(前連結会計
年度比26.4%増)となりました。
②キャッシュ・フローの状況
営業活動によるキャッシュ・フローは、売上債権の増加9,066百万円などの減少要因があったものの、税金等調
整前当期純利益7,476百万円の計上、仕入債務の増加7,355百万円などの増加要因があり、2,692百万円の資金増加
(前連結会計年度は24,055百万円の資金増加)となりました。
投資活動によるキャッシュ・フローは、有形固定資産の取得による支出2,805百万円、投資有価証券の売却によ
る収入1,770百万円などにより、1,883百万円の資金減少(前連結会計年度は1,917百万円の資金減少)となりま
した。
財務活動によるキャッシュ・フローは、借入金(短期及び長期)の減少2,064百万円、配当金の支払額1,248百
万円などにより、3,376百万円の資金減少(前連結会計年度は9,288百万円の資金減少)となりました。
以上の結果、当連結会計年度末における現金及び現金同等物は、前連結会計年度末に比べ2,555百万円
(11.8%)減少し19,077百万円となりました。
③生産、受注及び販売の実績
当社グループでは生産実績を定義することが困難であるため「生産実績」は記載していません。
なお、参考に提出会社個別の事業の状況を「提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況」に記載しています。
a.受注実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) (自平成31年4月1日 至令和2年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
| 土木工事 | 96,027 | △25.6% | ||
| 建築工事 | 81,290 | △19.2% | ||
| 合 計 | 177,317 | △22.8% | ||
(注) 当社グループにおいては土木工事・建築工事以外は受注生産を行っていません。
b.売上実績
| セグメントの名称 | 当連結会計年度(百万円) (自平成31年4月1日 至令和2年3月31日) | 前年同期比(%) | ||
| 土木工事 | 105,642 | 7.7% | ||
| 建築工事 | 84,582 | 13.4% | ||
| 不動産事業 | 1,178 | 61.0% | ||
| 付帯事業 | 1,119 | 14.5% | ||
| 報告セグメント計 | 192,523 | 10.4% | ||
| その他 | 319 | 9.6% | ||
| 合 計 | 192,842 | 10.4% | ||
(注) セグメント間の取引については相殺消去しています。
提出会社の受注工事高及び完成工事高の状況
①受注工事高、完成工事高及び次期繰越工事高
| 期 別 | 区 分 | 前期繰越工事高 (百万円) | 当期受注工事高 (百万円) | 計 (百万円) | 当期完成工事高 (百万円) | 次期繰越工事高 (百万円) |
| 第78期 (自平成30年4月1日 至平成31年3月31日) | 土木工事 | 139,126 | 127,210 | 266,336 | 95,940 | 170,396 |
| 建築工事 | 73,813 | 100,592 | 174,406 | 74,589 | 99,817 | |
| 計 | 212,940 | 227,802 | 440,742 | 170,529 | 270,213 | |
| 第79期 (自平成31年4月1日 至令和2年3月31日) | 土木工事 | 170,396 | 95,819 | 266,215 | 104,428 | 161,787 |
| 建築工事 | 99,817 | 81,290 | 181,107 | 84,582 | 96,525 | |
| 計 | 270,213 | 177,110 | 447,323 | 189,011 | 258,312 |
(注)1.前事業年度以前に受注した工事で、契約の変更により請負金額に増減のあるものについては、当事業年度受
注工事高にその増減額を含みます。したがって、当事業年度売上高にもかかる増減額が含まれます。また、前事業年度以前に外貨建で受注した工事で、当事業年度中の為替相場の変動により請負金額に増減のあるも
のについても同様に処理しています。
2.次期繰越工事高は、(前期繰越工事高+当期受注工事高-当期完成工事高)に一致します。
②受注工事高の受注方法別比率
工事の受注方法は、特命と競争に大別されます。
| 期別 | 区分 | 特命(%) | 競争(%) | 計(%) |
| 第78期 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 土木工事 | 25.9 | 74.1 | 100.0 |
| 建築工事 | 51.3 | 48.7 | 100.0 | |
| 第79期 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | 土木工事 | 31.2 | 68.8 | 100.0 |
| 建築工事 | 49.3 | 50.7 | 100.0 |
(注) 百分比は請負金額比です。
③完成工事高
| 期別 | 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 第78期 (自 平成30年4月1日 至 平成31年3月31日) | 土木工事 | 41,529 | 54,411 | 95,940 |
| 建築工事 | 8,770 | 65,818 | 74,589 | |
| 計 | 50,299 | 120,229 | 170,529 | |
| 第79期 (自 平成31年4月1日 至 令和2年3月31日) | 土木工事 | 47,796 | 56,632 | 104,428 |
| 建築工事 | 12,814 | 71,768 | 84,582 | |
| 計 | 60,610 | 128,400 | 189,011 |
(注)1.完成工事のうち主なものは、次のとおりです。
第78期
| 東日本旅客鉄道(株) | 品川車両基地整備他2 |
| 東日本旅客鉄道(株) | 東北本線伊達・桑折間桑折こ線橋新設 |
| 東日本旅客鉄道(株) | 川崎駅北口自由通路新設・駅改良他 |
| 東日本旅客鉄道(株) | 鉄道博物館新館新築・本館改修他工事 |
| 国土交通省 | 横浜湘南道路引地川改良工事 |
| 東京都 | 第二田柄川幹線その2工事 |
| 東日本高速道路(株) | 東北中央自動車道 にしごうトンネル工事 |
| 知立駅北地区市街地再開発組合 | 知立駅北地区第一種市街地再開発事業施設建築物新築工事 |
| ルートインジャパン(株) | (仮称)奈良倉庫跡地ルートイングランティア奈良和蔵の宿新築工事 |
| 東洋濾紙(株) | (仮称)東洋濾紙中条工場新築工事 |
第79期
| 東日本旅客鉄道(株) | 新小岩駅南北自由通路整備 |
| 東日本旅客鉄道(株) | 東海道本線戸塚・大船間横浜環状南線交差部下部工新設 |
| 東日本旅客鉄道(株) | 津田山駅橋上本屋ほか新設その他工事 |
| 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 | 北陸新幹線、九頭竜川橋りょう他 |
| 国立大学法人京都大学 | 京都大学(桂)図書館(仮称)新営その他工事 |
| 中日本高速道路(株) | 中部横断自動車道 新清水ジャンクションHランプ橋他4橋 (PC上部工)工事 |
| 東京都 | オリンピックアクアティクスセンター(仮称)(27)新築工事 |
| 東京都 | 有明アリーナ(仮称)(27)新築工事 |
| 東京都 | 落合水再生センター~みやぎ水再生センター間送泥管工事 |
| 積水ハウス(株) | (仮称)グランドメゾン汐路新築工事 |
2.完成工事高総額に対する割合が100分の10以上の相手先別の完成工事高及びその割合は次のとおりです。
第78期
東日本旅客鉄道(株) 54,329百万円 31.9%
第79期
東日本旅客鉄道(株) 54,612百万円 28.9%
④ 手持工事高
| 令和2年3月31日現在 |
| 区分 | 官公庁(百万円) | 民間(百万円) | 計(百万円) |
| 土木工事 | 75,258 | 86,528 | 161,787 |
| 建築工事 | 10,730 | 85,794 | 96,525 |
| 計 | 85,989 | 172,323 | 258,312 |
(注)手持工事のうち主なものは、次のとおりです。
| 東日本旅客鉄道(株) | 新橋駅改良(Ⅰ期)その1 | 令和3年2月 | 完成予定 |
| 東日本旅客鉄道(株) | 仙台駅東口オフィス棟新築他 | 令和3年3月 | 完成予定 |
| 東日本旅客鉄道(株) | 原宿駅改良(建) | 令和2年5月 | 完成予定 |
| 国土交通省 | 大野油坂道路下山トンネル工事 | 令和2年8月 | 完成予定 |
| 国土交通省 | 赤坂迎賓館前公園施設(仮称)新築(18)建築その他工事 | 令和2年5月 | 完成予定 |
| 防衛省 | 根室(30)東基地局舎新設等建築その他工事 | 令和3年5月 | 完成予定 |
| 鉄道建設・運輸施設整備支援機構 | 北陸新幹線、梯川橋りょう他 | 令和3年3月 | 完成予定 |
| 東日本高速道路(株) | 北陸自動車道、栄橋床版取替工事 | 令和5年3月 | 完成予定 |
| ミャンマー国有鉄道 | ヤンゴン・マンダレー鉄道整備事業フェーズ1 (CP102) | 令和4年10月 | 完成予定 |
| (株)マリモ・三菱地所レジデンス(株)・鉄建建設 (株) | (仮称)広島市東区二葉の里1丁目計画新築工事 | 令和3年7月 | 完成予定 |
(2)経営者の視点による経営成績等の状況による分析・検討内容
経営者の視点による当社グループの経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容は次のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものです。
①財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析・検討内容
a.経営成績等
1)財政状態
(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。
2)経営成績
(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。
b.経営成績等の状況に関する認識及び分析・検討内容
当社グループの経営に影響を与える大きな要因としては、市場動向、労務費・資材費動向、事故・災害、生産能力
の低下等があります。
また、今後、当社を取り巻く経営環境については、以下の内容について認識しています。
[社会・経済の動向]
・少子高齢化の進展
・第4次産業革命がもたらす産業構造の変化(IoT・AIの活用)
・働き方改革の実現(生産性向上、労働時間短縮、ダイバーシティ等)
・新型コロナウイルス感染症の拡大
[建設業を取り巻く情勢]
・建設投資から維持修繕投資へのシフトチェンジ
・世界的なインフラ需要の拡大
・建設就業者数の減少、高齢化に伴う担い手不足
・慢性的な長時間労働からの脱却
・経営の多角化(建設請負業以外の拡大)
このような状況のなか、当社におきましては、「中期経営計画2018〜2020」の2年目にあたり、目に見える成果を
挙げるべく様々な経営課題の解決に取り組んだ結果、社員及び協力会社に対する安全、品質などの研修の強化、働き
方改革の推進による労働時間の削減や健康経営の推進、新規子会社を設立し新たな事業創造への挑戦によるグループ
体制の強化など多くの成果を挙げ、中期経営計画の最終年度を見据え取り組んでまいりました。
当連結会計年度の経営成績等に与える新型コロナウイルス感染症の影響は軽微であるものとして連結財務諸表を作
成しておりますが、今後、新型コロナウイルス感染症の経済への影響が長期化し景気が悪化した場合には、当社グル
ープの業績に影響を与える可能性があります。
c.経営方針、経営戦略、経営上の達成状況を判断するための客観的な指標等
第2 事業の状況 1 経営方針、経営環境及び対処すべき課題等 (3)経営上の目標の達成状況を判断するた
めの客観的な指標に記載のとおりです。
d.セグメントごとの財政状態及び経営成績の状況に関する認識及び分析検討内容
(1)経営成績等の状況の概要 ①財政状態及び経営成績の状況に記載のとおりです。
②キャッシュ・フローの状況の分析・検討内容並びに資本の財源及び資金の流動性に係る情報
a.キャッシュ・フローの状況
(1)経営成績等の状況の概要 ②キャッシュ・フローの状況に記載のとおりです。
b.資金需要
当社グループの事業活動における運転資金需要の主なものは、土木事業と建築事業により構成される建設事業に関
わる資機材及び外注業者に支払われる工事代金、各事業の一般管理費等があります。また、設備資金需要としては、不動産投資に加え、情報処理の為の無形固定資産があります。
c.財政施策
当社グループの事業活動の維持拡大に必要な資金を安定的に確保するため、内部資金の活用及び金融機関からの借
入により資金調達を行っています。
当社グループの主要な事業である建設事業の資金の調達にあたっては、担当部署が各部署からの報告に基づき適時
資金計画を作成・更新し、適正に管理しています。
また、顧客からの工事代金については、社内規程に従って、取引先ごとの期日管理及び残高管理を行うとともに、主な取引先の信用状況を適宜把握する体制としています。
③重要な会計上の見積り及び当該見積りに用いた仮定
当社グループの連結財務諸表は、わが国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づき作成されていま
す。この連結財務諸表の作成にあたっては、過去の実績や現在の状況に応じ合理的と考えられる見積りによっている部
分があり、見積り特有の不確実性のために、実際の結果が見積りと異なることがあります。
重要な会計方針については「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸
表作成のための基本となる重要な事項」に記載されているとおりです。
完成工事高の計上は、当連結会計年度末までの進捗部分について成果の確実性が認められる工事については工事進行
基準を適用しております。工事進行基準による完成工事高の計上にあたっては適切に見積りをおこなっていますが、見
積り特有の不確実性のために、実際の結果が見積りと異なることがあります。
なお、新型コロナウイルス感染症の影響に関する見積りに用いた仮定については、「第5 経理の状況 1 連結財
務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 追加情報」に記載されているとおりです。