有価証券報告書-第136期(2025/04/01-2026/03/31)
Ⅱ.戦略
TCFD提言に基づき、当社グループにおけるリスクおよび機会を特定・評価し、気候関連問題が事業に与える影響を把握するため、短期・中期・長期のすべての視点を踏まえてシナリオ分析を実施しております。なお、シナリオ分析にあたり、以下の代表的なシナリオを採用しております。
■気候関連の主なリスクおよび機会と対応策
(1.5℃または4℃のいずれかのシナリオで影響度を「大」と評価したリスク・機会のみ記載)
本シナリオ分析の結果に基づき、具体的な対応策として、施工段階でのCO2排出量低減、建築物のZEB/ZEH化の推進、洋上風力発電事業への参画に向けた取組み、インフラの防災・減災やリニューアルに資する技術開発、ブルーカーボン創出のための技術開発などに戦略的に取り組み、財務への負の影響を抑制するとともに、事業機会の最大化に努めております。
TCFD提言に基づき、当社グループにおけるリスクおよび機会を特定・評価し、気候関連問題が事業に与える影響を把握するため、短期・中期・長期のすべての視点を踏まえてシナリオ分析を実施しております。なお、シナリオ分析にあたり、以下の代表的なシナリオを採用しております。
| 1.5℃シナリオ | 国際エネルギー機関(IEA)が策定したシナリオのうち、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇を1.5℃以下に抑えるため2050年にネットゼロを達成するためのシナリオ(NZE2050) |
| 4℃シナリオ | 気候変動に関する政府間パネル(IPCC)が策定したシナリオのうち、産業革命前と比べて今世紀末の気温上昇が4℃を越えるシナリオ(SSP5-8.5) |
■気候関連の主なリスクおよび機会と対応策
(1.5℃または4℃のいずれかのシナリオで影響度を「大」と評価したリスク・機会のみ記載)
| リスク/機会 | 影響 | 影響度 (対応するシナリオ) | 対応策 | ||
| 移 行 リ ス ク | 炭素税導入及び脱炭素に向けた規制強化 | ・環境に対する規制の導入・強化に伴い、建設コストが上昇 ・事業活動を通じて排出するCO2に炭素税が課税されコスト増となる ・建設資材の価格が上昇し、調達コストが増加 | 大 (1.5℃) | ・設計・施工段階でのCO2排出量低減に向けた取組み ・低炭素型技術の開発 ・建設機材の脱炭素化、協力会社との協働による省エネルギー推進 ・再生材及び低炭素型資材の活用 | |
| 物 理 的 リ ス ク | 平均気温上昇 | ・建設技能者の健康被害(熱中症等)の増加 ・労働環境悪化による担い手不足が更に加速 | 大 (4℃) | ・ICT、AI等を活用した現場の省人化、生産性向上 ・働き方改革を通じた労働環境の改善 | |
| リスク/機会 | 影響 | 影響度 (対応するシナリオ) | 対応策 | ||
| 機会 | 製品/サービス | 環境配慮型建物の需要拡大 | ・ZEBや省エネルギー技術がより注目され、需要が増加する ・低炭素技術や施工方法が、価格競争力に繋がる | 大 (1.5℃) | ・ZEBの推進、建物の省エネ性能向上への取組み強化 ・低炭素技術や施工方法の開発促進 |
| 市場 | カーボンニュートラル関連施設の需要増加 | ・水素やアンモニアの受入れ施設など、カーボンニュートラル推進のための関連施設への建設投資の増加 | 大 (1.5℃) | ・カーボンニュートラル関連施設の整備事業への取組み強化 | |
| 市場 | 再生可能エネルギーの需要増加 | ・風力発電などの再エネ関連施設への建設投資の増加 | 大 (1.5℃) | ・洋上風力発電事業へのEPC事業者としての参画に向けた取組み推進 | |
| 市場 | 気候変動に伴う市場変化 | ・自然災害の甚大化を見据えて、建物の新築やリニューアル市場の拡大、施設移転ニーズの高まり ・環境にやさしく、安心で安全な街づくりの需要増加 | 大 (4℃) | ・防災・減災やリニューアルを柱としたインフラ整備事業への取組み強化 ・快適な都市環境の整備事業への取組み強化 ・上記に資する技術の開発促進 | |
| 製品/サービス | 海面上昇に伴う工事需要増 | ・海面上昇や高潮等を見据えて、港湾・海岸部の防災対策工事の需要増加 | 大 (4℃) | ・防災・減災のためのインフラ整備事業への取組み強化 ・上記に資する技術の開発促進 | |
本シナリオ分析の結果に基づき、具体的な対応策として、施工段階でのCO2排出量低減、建築物のZEB/ZEH化の推進、洋上風力発電事業への参画に向けた取組み、インフラの防災・減災やリニューアルに資する技術開発、ブルーカーボン創出のための技術開発などに戦略的に取り組み、財務への負の影響を抑制するとともに、事業機会の最大化に努めております。