有価証券報告書-第17期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)

【提出】
2020/06/26 15:31
【資料】
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【項目】
172項目
当社グループにおける経営方針、経営環境及び対処すべき課題等は以下のとおりです。
なお、文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものです。
(1) 会社の経営の基本方針、経営環境
当社グループを取り巻く中長期的な事業環境は、国内建設需要の縮小が懸念されるものの、海外では特に新興国(東南アジア、南アジア、アフリカ等)において、急速な経済成長によるインフラ需要が見込まれています。また、建設産業全体の課題である担い手不足問題の深刻化が見込まれる一方、IoT、AIなど先進的なICTをはじめとした技術革新が急速に進み、建設生産プロセスにおけるデジタル化の進展が予想されています。
こうした事業環境の変化に対し、当社グループの強みを活かして、社員一人ひとりが未来志向を持って行動し、持続可能な社会の実現と当社グループの持続的な成長を遂げるため、目指すべき「2030年の将来像」に向け取り組んでいます。また、長期非財務目標として、SDGsの目標達成への貢献を掲げ、「環境方針“GreenChallenge2030”」を策定しています。
<理念と経営計画の体系>
(経営理念)
「顧客満足の追求」高い技術力と豊かな創造力の向上に努め、顧客そして社会のニーズと信頼に応えて、高品質な建設作品とサービスを提供します。
「株主価値の増大」徹底した効率経営と安定した収益力により、事業の継続的発展を実現し、企業価値=株主価値の増大に努めます。
「社員活力の尊重」社員の個性と能力が遺憾なく発揮でき、働き甲斐のある、開かれた闊達な会社を創ります。
「社会性の重視」公正な企業活動を行い、社会から信頼される健全な企業市民を目指します。
「地球環境への貢献」人と地球に優しい建設企業の在り方を常に求め、生活環境と自然の調和を大切に考えます。

(2030年の将来像)
2015年に国連サミットで採択されたSDGs(Sustainable Development Goals)を受け、2030年の持続可能な世界の実現に向けて各国で各種施策を展開しています。
日本では、少子高齢化が進み、生産年齢人口の減少が問題視されるなか、建設業界においても、若年入職者の減少や高齢者の離職増加など、中長期的な担い手確保の必要性が高まっています。
また、高度経済成長期に造られたインフラの老朽化も社会問題になっています。インフラの品質確保と適切な機能維持を図るためにも、担い手の確保や生産性の向上は重要な課題です。
一方、海外では、多くの地域で引き続き人口の増加と経済成長が期待されますが、開発に伴う環境破壊や、資源の枯渇など、解決すべき課題も多く存在しています。
これらの課題の解決に向けて、新たな技術を育み、強化していくことも含め、当社グループだからこそ提供できる価値が必ずあると確信しています。社会のインフラと、人々のくらしを支えていくという使命を果たすため、三井住友建設グループは総力を結集して、SDGsをはじめとする社会的課題の解決に取り組みます。
SDGsの目標年にあわせ、当社は目指す「2030年の将来像」として『新しい価値で「ひと」と「まち」をささえてつなぐグローバル建設企業』を掲げました。次の4つの新しい価値の提供を通じ、当社グループならではの技術とサービスで人々のくらしを支え、SDGsの目標達成に貢献するとともに、企業価値の向上を図ってまいります。

「2030年の将来像」の具体的な到達点として、以下の4つの項目を掲げました。国内建設事業を主体としつつ、海外事業や新規・建設周辺事業を拡大し、地球環境への貢献を果たしてまいります。

(環境方針“GreenChallenge2030”)
当社は全社をあげてSDGsに取り組んでいくにあたり、理解促進のための役員・社員教育を展開するとともに、当社が事業として目指す方向性と関わりが深い「注力する6つのSDGs目標」を設定しています。
また、SDGsの中でも全世界中の人々の生活に特にインパクトのある環境面に関しては、SDGsが目指す2030年の持続可能な社会の実現への貢献に向け、新たに『環境方針“Green Challenge 2030”』を策定しました。「生活の質の向上」と「環境負荷低減」が両立した2030年の理想の姿を見据え、「持続可能な社会の実現」に貢献してまいります。



(2) 中長期的な会社の経営戦略と目標とする経営戦略
「2030年の将来像」への第一歩として、「中期経営計画2019-2021」のテーマには「変革の加速」を掲げました。前中期経営計画の変革をさらに進め、新しい成果をスピード感を持って産み出していきたいと考えています。社会的な課題であるSDGsに、事業を通じて取り組むとともに、自社の競争力強化と価値創造をさらに加速させていきたいと考えています。基本方針には次の3つを掲げました。

(経営数値目標)
目標計画最終年度である2021年度の経営数値目標は、連結売上高5,000億円、営業利益率6%以上を掲げました。財務体質の充実を図りつつ、安定した配当を維持し、自己株式の取得を含めた総還元性向は30%以上を目標としています。
経営数値目標
2019年度実績2021年度目標
売上高4,724億円5,000億円
営業利益率5.2%6%以上
ROE16.7%12%以上
自己資本比率27.1%30%以上
総還元性向34.0%30%以上

(事業戦略)
1.国内土木事業戦略
(1) 建設生産プロセスの変革(i-Constructionの推進、現場作業ロボット化等による省力化)
(2) 重点取組分野(国土強靭化、大規模更新事業、上下水道施設更新事業)
2.国内建築事業戦略
(1) 建設生産プロセスの変革(BIM適用の推進、人材育成と推進体制の整備、PCaの自動施工化)
(2) 重点取組分野(PCa工法を活かした超高層住宅、市街地再開発事業、官公庁工事)
3.海外事業戦略
(1) 事業領域の拡大(土木は橋梁を中心に南アジア等で重点展開、建築は工場を中心に取り組み拡大)
(2) グローバル体制の強化(人材開発センター拡充、現地企業とのアライアンス、内部統制の強化)
4.新規・建設周辺事業戦略
(1) 新規事業(自社発電事業、水上太陽光発電用フロート製造販売)
(2) 建設周辺事業(橋梁マネジメント技術、リニューアル事業、エンジニアリングサービス)
(基盤戦略)
1.技術戦略
(1) SMile生産システム(当社が取り組んでいる土木・建築共通のトータル建設マネジメントシステム)の実現に向けた技術開発(建設現場のデジタル化、機械化、自動化、PCa新工法の開発、適用拡大)
(2) サステナブルな独自技術・サービスの開発(構造物の長寿命化、ベンチャー企業との協業等)
(3) 技術開発基盤の強化(マーケティング機能の強化、知財管理と有効活用)
2.人材戦略
(1) 働き方改革、魅力ある職場環境の実現(時短プログラムの推進、多様な働き方をサポート)
(2) 人材の確保・育成(多様な人材の獲得と人事制度再構築、グローバル人材の育成)
3.ICT戦略
(1) 建設事業の競争力強化に向けたデジタル化の推進
(2) デジタル技術を活用した基幹業務の効率化
(3) 情報セキュリティ対策の強化
(4) 全社的なICT活用に向けた推進体制の整備
4.ESG経営
E:環境方針“Green Challenge 2030”に基づく持続可能な社会の実現
S:快適で働きやすい職場環境の実現(働き方改革、ダイバーシティ推進、健康経営)
G:法令遵守の徹底、コーポレートガバナンスの継続強化
(安全文化の構築と究極品質の実現)
1.「安全」・「健康」・「快適」な職場の実現
2.施工プロセスを重視した『究極品質』の早期実現
3.ICTを活用した安全・品質管理の展開
(3) 会社の対処すべき課題
① 新型コロナウイルス感染症の拡大に伴い、世界経済の急速な悪化が製造業などの企業業績に大きな影響を与え、建設需要の縮小が懸念されております。
国内におきましては、感染者数の増加や影響の深刻化に鑑み、全国に「緊急事態宣言」が出されるなど、国内外で経済影響の長期化が懸念されております。
建設業は裾野が広く、新型コロナウイルス禍にあっても公共インフラなど社会資本の適確な維持管理・更新を担っており、雇用をはじめ広い範囲に影響を及ぼす可能性がありますので、当社といたしましては、引き続き、関係先及び社員の安全、健康を最優先に、日本政府及び進出各国の方針や行動計画に基づいた対応を実施してまいります。
② 当社施工の横浜市所在マンションの事案につきましては、引き続き建替組合様、売主様やご関係の皆様と必要に応じ協議を持ち、適宜適切に対応しております。
なお、平成29年11月28日付にて、本件マンションの発注者の1社である三井不動産レジデンシャル株式会社(以下、レジデンシャル社といいます。)が提起した、本件マンション全棟の建替え費用等の合計約459億円(その後平成30年7月11日付にて約510億円に増額)を当社並びに杭施工会社2社に対し求償する訴訟につきましては、レジデンシャル社の請求は、根拠、理由を欠くものであると考えており、引き続き裁判において、当社の主張を適切に展開してまいります。

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