有価証券報告書-第17期(2025/04/01-2026/03/31)

【提出】
2026/06/24 15:55
【資料】
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【項目】
172項目
② 戦略
分析のプロセス
TCFD提言で示された各リスク・機会の項目を参考に、気候変動問題が当社グループの事業に及ぼす影響について検討を行いました。1.5℃シナリオと4℃シナリオの二つを用い、政策や市場動向の変化(移行リスク・機会)及び災害等による物理的変化(物理的リスク・機会)に関する分析を実施しております。これらの分析を通じて、リスク・機会の特定及び定性的な評価を行い、それらに対応するための対応策の検討も進めております。
気候変動シナリオ
◆1.5℃シナリオ(脱炭素移行シナリオ)
気候変動の影響を抑制するため、カーボンニュートラル実現を目指した取り組みが世界的に活発化しており、これにより世界の平均気温を産業革命期以前と比較して1.5℃未満に抑えることを目標としたシナリオが「1.5℃シナリオ」です。このシナリオでは、温室効果ガスの排出削減を加速させるために、より厳格な規制や炭素税の導入、排出量取引制度の強化等が世界各国で求められることが想定されております。そのため、移行リスクの中でも特に政策・法規制リスクの影響が2℃シナリオと比較して大きくなる可能性があります。また、企業に対しては、脱炭素技術や再生可能エネルギーへの迅速な移行が強く求められると同時に、これらへの対応が企業競争力や市場評価に大きな影響を与えることが予測されております。
◆4℃シナリオ(高排出シナリオ)
気候変動対策が現状から進展せず、世界の平均気温が産業革命期以前と比較して今世紀末頃に約4℃上昇するとされるシナリオです。このシナリオでは、物理的リスクとして異常気象の激甚化が顕著となり、台風や豪雨、猛暑の頻度や強度の増加が予想されます。また、海面上昇に伴い、沿岸部での浸水リスクが高まり、人々の生活基盤やインフラに甚大な影響を及ぼす可能性があります。このように、4℃シナリオは、社会・経済・自然環境にわたる広範かつ深刻な影響をもたらすと想定されております。
◆1850~1900年を基準とした世界の平均気温の変化

当社の気候関連の主なリスクと機会
当社は、TCFD提言に基づき、気候変動が当社事業に与える影響について、脱炭素化が急速に進展する1.5℃シナリオ及び物理的被害が深刻化する4℃シナリオを用いて分析を実施しました。
◆1.5℃シナリオ(脱炭素移行シナリオ)
1.5℃シナリオにおいては、世界的な脱炭素化の加速により、事業活動における直接的な炭素税の賦課や、サプライヤーへの課税に伴う原材料・資材の調達コスト増加リスクが想定されます。特に、当社の主力事業であるインフラ施工において欠かせない重機や車両からのGHG排出削減は喫緊の課題であり、化石燃料価格の高騰も将来的な財務リスクとなる可能性を確認しております。これらに対し、当社は高効率な電動重機・車両への買い替えや施工プロセスの最適化による自社排出量の削減を進めるとともに、サプライチェーン全体での低炭素資材の活用を推進します。こうした変化は同時に大きな好機でもあり、カーボンニュートラル社会の実現に向けた次世代鉄道インフラの構築、及び再生可能エネルギーの導入拡大に伴う送電・変電設備の増強、EV充電インフラの整備といった需要拡大は、当社の電気工事・電気通信工事における総合技術力を最大限に発揮する事業機会となります。高度な施工技術とメンテナンス能力を通じて、次世代のグリーンエネルギー網構築に積極的に貢献してまいります。
◆4℃シナリオ(高排出シナリオ)
対して4℃シナリオでは、屋外の施工現場や事業拠点の被災、それに伴う工期の遅延や復旧コストの発生がリスクとして想定されます。また、集中豪雨や台風による供給網の寸断も懸念されますが、これらに対しては、デジタル技術を活用したプロジェクト管理の高度化や、資機材の分散調達の徹底により、施工体制のレジリエンスを強化しております。あわせて、社会全体の防災・減災意識の高まりを受け、既存インフラの耐震・耐水補強工事や、被災時の緊急復旧対応等の需要拡大も見込まれます。当社が長年維持してきた社会インフラを支える独自の存在としての高度な技術力と緊急対応体制を活かし、官公庁や鉄道事業者等に対するソリューション提案を強化することで、安定的な受注確保を目指します。
本分析結果を踏まえ、当社は温室効果ガス排出削減と適応策を具現化し、気候変動という地球規模の課題を「社会インフラの再構築」という中長期的な成長機会と捉え、レジリエンスの高い事業構造と収益基盤の強化を推進してまいります。

・時間軸…短期(~2027年)、中期(~2035年)、長期(~2050年)
・影響度…小:7,000万円未満 / 中:7,000万円〜7億円未満 / 大:7億円以上
・採用シナリオ…移行リスク:1.5℃シナリオ / 物理リスク:4℃シナリオ
・現時点で財務影響の合理的な推計が困難な項目については「-」としております。
今後のシナリオ分析のアップデートに合わせ、順次算定対象を拡充していく予定です。

・時間軸…短期(~2027年)、中期(~2035年)、長期(~2050年)
・影響度…小:7,000万円未満 / 中:7,000万円〜7億円未満 / 大:7億円以上
・採用シナリオ…主に1.5℃シナリオを使用(※印の項目は4℃シナリオにて分析)
・現時点で財務影響の合理的な推計が困難な項目については「-」としております。
今後のシナリオ分析のアップデートに合わせ、順次算定対象を拡充していく予定です。

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