有価証券報告書-第72期(平成27年4月1日-平成28年3月31日)

【提出】
2016/06/24 13:00
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【項目】
113項目

財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況の分析

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度の末日現在において当社グループが判断したものであります。
なお、当連結会計年度より、「企業結合に関する会計基準」(企業会計基準第21号 平成25年9月13日)等を適用し、「当期純利益」を「親会社株主に帰属する当期純利益」としております。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、金融商品取引法及び建設業法施行規則に従って作成されており、財政状態及び経営成績に関する以下の分析が行われております。
連結財務諸表の作成に際し、決算日における資産・負債の報告数値及び偶発債務・負債の開示、並びに報告期間における収入・費用の報告数値に影響を与える見積り及び仮定設定を行わなければなりません。不良債権、棚卸資産、投資、法人税等、財務活動、アフターサービス、退職金、偶発事象や訴訟等に関する見積り及び判断に対して継続して評価を行っております。
過去の実績や状況に応じ合理的だと考えられる様々な要因に基づき見積り及び判断を行い、その結果は、他の方法では判断しにくい資産・負債の簿価及び収入・費用の報告数値についての判断の基礎となります。実際の結果は、見積り特有の不確実性があるため、これらの見積りと異なる場合があります。
当社グループの連結財務諸表で採用する重要な会計方針は、「第5 経理の状況 1 連結財務諸表等 (1)連結財務諸表 注記事項 連結財務諸表作成のための基本となる重要な事項」に記載しております。
(2) 財政状況の分析
当連結会計年度末の資産合計は、145億6百万円となり、前連結会計年度末に比べ15億70百万円増加いたしました。主な要因は、受取手形・完成工事未収入金等5億69百万円、販売用不動産1億12百万円、土地1億52百万円等の減少に対し、現金預金22億24百万円、未成工事支出金2億28百万円等の増加によるものであります。
当連結会計年度末の負債合計は、88億66百万円となり、前連結会計年度末に比べ6億1百万円増加いたしました。主な要因は、短期借入金3億20百万円、未成工事受入金2億69百万円等の減少に対し、支払手形・工事未払金等9億50百万円、その他流動負債2億24百万円等の増加によるものであります。
当連結会計年度末の純資産合計は、56億40百万円となり、前連結会計年度末に比べ9億68百万円増加いたしました。主な要因は、その他有価証券評価差額金54百万円、退職給付に係る調整累計額98百万円等の減少に対し、利益剰余金11億20百万円の増加によるものであります。
(3)経営成績の分析
① 概要
当社グループと関係が深い建設業界、特に被災地の建設業界におきましては、労務単価の上昇や資機材費の高騰があるものの、東日本大震災の復旧・復興需要に支えられ、総じて堅調な受注状況で推移いたしました。
このような中、売上高は197億58百万円(前年同期比 6.8%増)、親会社株主に帰属する当期純利益は、12億28百万円(前年同期比 44.3%増)となりました。
② 販売費及び一般管理費
販売費及び一般管理費は、13億44百万円(前年同期比 1.3%増)となりました。
③ 営業外損益
営業外損益は前連結会計年度の13百万円の利益(純額)から21百万円の利益(純額)となりました。
④ 特別損益
特別損益は、前連結会計年度の48百万円の損失(純額)から13百万円の損失(純額)となりました。
⑤ 税金等調整前当期純利益
税金等調整前当期純損益は、前連結会計年度の14億18百万円の税金等調整前当期純利益から18億58百万円(前年同期比 31.0%増)の税金等調整前当期純利益となりました。
⑥ 親会社株主に帰属する当期純利益
親会社株主に帰属する当期純損益は、前連結会計年度の8億51百万円の親会社株主に帰属する当期純利益から12億28百万円(前年同期比 44.3%増)の親会社株主に帰属する当期純利益となりました。
(4)経営成績に重要な影響を与える要因について
今後のわが国経済は、引き続き緩やかな回復基調が期待されますが、円高・株安の進行による企業業績の悪化懸念や個人消費の低迷等により、依然として不透明な状況が続くものと予測されます。
当社グループを取り巻く経営環境につきましては、引き続き、建設需要の拡大に伴う資機材価格や労務費の高止まりの影響等がある中で、企業収益の改善等を背景に民間設備投資の増加が期待されます。しかしながら、東北地方の被災地におきましては、今年度から5年間の「復興・創生期間」がスタートし、復興の出口が見え始めてきている中で、震災復興需要を含む公共投資は、緩やかな減少傾向を辿ると想定され、価格競争による厳しい受注環境が予測されるため、事業等のリスクにも記載の通り、今後の動向によっては、売上高及び利益に重要な影響を与えると考えられます。
(5)経営戦略の現状と見通し
当社グループは、「変化する時代・社会の中にあっても、常に顧客から選択してもらえる企業を目指し、もって、安定した収益基盤を築くことにより、社会(顧客)、株主、社員の期待に応える」ことを基本としております。
当社グループは、経営環境と第8次中期経営計画の達成状況を踏まえ、平成27年度から平成29年度までの新たな第9次中期経営計画を策定しております。
平成27年度からの3年間は、中長期的な将来を見据えた経営戦略の構築を図り、事業構造の充実と転換に取り組みながら、引き続き国土復興・地域再生の担い手として主体的に尽力し、力強く企業継続に向けて努力いたします。
その重点項目は、
1.建設事業の強化と環境事業の再構築を図る。
2.営業機能の強化を図る。
3.競争力のアップを図る。
であります。
以上の実行をとおして、当社グループは、業をもって社会(顧客)に貢献し、投資いただいている株主の皆様の付託にこたえていく所存であります。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
当社グループの資金状況は、「第2 事業の状況 1業績等の概要 (2)キャッシュ・フロー」に記載のとおり、営業活動の結果得られた資金は、26億53百万円(前年同期 13億68百万円の使用)となりました。これは主に、法人税等の支払額6億円等の減少要因に対して、税金等調整前当期純利益18億58百万円、売上債権の減少額5億70百万円、仕入債務の増加額9億51百万円等の増加要因があったことによるものであります。
投資活動の結果使用した資金は、57百万円(前年同期 5百万円の獲得)となりました。これは主に有形固定資産の売却による収入1億90百万円等の増加要因に対して、定期預金の預入による支出1億9百万円、有形固定資産の取得による支出1億41百万円等の減少要因があったことによるものであります。
財務活動の結果使用した資金は、4億71百万円(前年同期 2億49百万円の使用)となりました。これは、長期借入れによる収入2億70百万円の増加要因に対し、短期借入金の純減少額3億20百万円、長期借入金の返済による支出2億94百万円、配当金の支払額1億17百万円等の減少要因があったことによるものであります。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
当社グループの経営陣は、現時点においての震災復興関連需要等の状況を把握して見定めながら、年度の経営方針に基づいて事業展開をしておりますが、中長期的には主力事業である建設事業の受注環境は、公共投資の減少等により、厳しさが増すことが予測されます。
このような状況下で、当社グループの経営陣は、時代のニーズに適合した企業グループとして、生き残り、勝ち残り、さらなる成長と発展を目指すため、環境の整備・浄化・保全の機能を兼ね備えた総合建設業者として、建築、土木緑地事業をベースに環境関連事業の確立・拡大を図り、さらに、時代の要求に迅速に対応しながら新たな事業にも積極的に挑戦し、邁進していく所存であります。