有価証券報告書-第59期(2022/04/01-2023/03/31)

【提出】
2023/06/28 12:06
【資料】
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【項目】
150項目
(1)【コーポレート・ガバナンスの概要】
①企業統治の体制
イ.企業統治体制の概要
a.基本的な考え方
当社は、事業成長を通じ広く社会に貢献する企業となることを企業理念としております。このため、コーポレート・ガバナンスの強化充実を重要な経営の課題として位置づけ、経営の健全性及び透明性を維持向上するとともに、公正且つ効率的な経営を遂行するために、役員、従業員へのコンプライアンスの徹底を行い、一人ひとりが法令を厳格に遵守し、社会規範に沿った責任をとる行動をとることで誠実かつ公正な企業集団を確立するべく取組を行っております。以上の基本的な考え方は、当社グループ全体に共通するものであります。
なお、記載内容につきましては、時期等の記載がある場合を除き、有価証券報告書提出日現在の状況に基づいております。
b.会社の機関及び内部統制の関係図
0104010_001.pngロ.企業統治の体制を採用する理由
当社の取締役会は、社外取締役2名を含む取締役6名で構成されており、監査役会は社外監査役2名を含む3名で構成されておりますが、これにおきましては、取締役会における意思決定の有効性、効率性を高めるとともに、その内容について、監査役の牽制機能を確保することを目的に、現在の体制としております。
なお、当社と取締役(業務執行取締役等であるものを除く。)及び監査役は、会社法第427条第1項の規定に基づき、同法第423条第1項の損害賠償責任を限定する契約を締結しております。当該契約に基づく損害賠償責任の限度額は、会社法第425条第1項に定める額としております。
ハ.会社の機関の内容及び内部統制システムの整備の状況
a.会社の機関の基本説明
・取締役、取締役会
取締役会は「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の社外取締役2名を含む取締役6名で構成され、監査役3名も常時出席し、議長を代表取締役社長 西山由之として行っております。法令、定款に定められた事項、業務執行の監督機能に限定せず、その他決議事項、報告事項を幅広く議案とする事により、実質的な最高意思決定機関として機能しております。また、取締役会は原則毎月1回、これに加え、必要に応じ適宜臨時取締役会を開催しております。
なお、当社の取締役の定員は15名以内とする旨定款により定めております。
・経営会議
経営会議は、代表取締役が主宰し月2回開催され、取締役及び各本部の本部長で構成されており、適宜監査役及び代表取締役の指名する者も参加して行われています。経営会議は、業務執行の具体的な方針及び計画の策定、取締役会に付議すべき重要な事項等について審議を行い、経営諸施策に関する報告・検討を行っております。
なお、当社の各本部の本部長は、業務執行における意思決定の迅速化を図るため、代表取締役により一定分野の業務を執行する権限と責任を委譲された者であり、経営会議に参加し、業務執行にあたっての報告及び決議事項を速やかに執行する義務を負っております。
なお、現時点において、執行役員の任命はなく、構成員は「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の社外取締役2名を除く取締役4名で構成され、議長を代表取締役社長 西山由之として行っております。
・監査役、監査役会
監査役会は「(2)役員の状況 ①役員一覧」に記載の監査役3名で構成され、2名が社外監査役であり、3名のうち1名が議長を務める常勤監査役であります。取締役の業務執行を監査する機関である監査役会は、定時監査役会が毎月、その他必要に応じ適宜臨時監査役会を開催しております。各監査役は、取締役会をはじめ、経営会議等の重要な会議にも出席し意見を述べる等、取締役及の業務執行における監査を行っております。
・内部監査室
当社は代表取締役の下に独立した内部監査室を設置しており、内部監査担当者1名が内部監査人として、当社各部門及び連結子会社に対し、内部統制・管理体制、及び業務執行・事務運営の有効性の検証等に取り組んでおります。尚、監査結果につきましては、代表取締役に報告し、改善すべき事項においては、被監査部門に通知し、改善状況を確認することで、監査の有効性の向上と実効性を確保しております。
b.内部統制システムの整備の状況
当社は、「内部統制基本方針」に則り、当社及びグループ企業が経営理念、倫理方針及び行動規範に基づき、会社法第362条第5項に基づく当社の「取締役の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制その他株式会社の業務の適正を確保するために必要なものとして法務省令で定める体制の整備」をしております。又当社及びグループ企業の統制環境、統制活動の現状調査を実施し「正確で信頼性のある財務報告」を作成するための体制の維持運用をしております。これら内部統制システムの維持確保のため、代表取締役の命により内部監査担当者が各部門の内部監査を行い、内部統制の仕組みが有効に機能しているか継続的に監視しております。
なお、当社の内部統制システムの整備に関する基本方針を以下のとおり定め、各体制の整備に努めております。
(a)取締役・使用人の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保するための体制
・企業理念のもと、「企業倫理行動規範」及び「グループ行動規範」を制定し、取締役をはじめ、役員・従業員の職務の執行が法令及び定款に適合することを確保する。
・「コンプライアンス規程」及び、「コンプライアンスマニュアル」に定めた社会行動基準に則った行動、内部通報体制を確立し、さらに「公益通報に関する規定」を整備することで、企業活動の透明性を確保するとともにその浸透を図る。
・「取締役会規程」等、各会議体の規程・規則に従い職務執行に関する適正な意思決定を確保する。
・定期的な内部監査により法令及び定款への適合性を確認する。
・必要に応じ、役員・従業員に対して研修会を実施し、コンプライアンス教育・啓発の推進を行い、又、役員及び従業員はそれぞれの立場でコンプライアンスの実践的運用を図る。
(b)取締役の職務執行に係る情報の保存及び管理に関する体制
・取締役の職務執行に係る電磁的記録を含む文書、その他貴重な情報を法令及び社内規程に基づき適正な保管及び管理をし、その保存期間中はいつでも閲覧可能な状態を維持する。
(c)損失の危険の管理に関する規程その他の体制
・取締役会は企業価値を高め、企業活動の持続的発展を実現する事を脅かすあらゆるリスクに対処する。
・リスク管理体制の整備を進め、当社を取り巻くリスクを特定した上で、適切なリスク対応を図る。また、リスク情報を集約し、職務執行への活用を図るとともに、緊急事態が生じた場合の危機管理対応を整備する。
(d)取締役の職務の執行が効率的に行われることを確保するための体制
・「取締役会規程」に基づき、取締役の職務権限、会議体の開催や付議基準を明確化するとともに、意思決定の妥当性を高めるためのプロセス・体制を整備する。
・取締役会は原則毎月1回開催する他、業務執行上の必要に応じて、しかるべき時期に決定が行えるよう、適宜、臨時取締役会を開催する。その他業務執行に係る重要事項において取締役会に付議すべき事項等については、月2回開催される経営会議において事前協議の上、取締役会に付議、報告する体制を構築することで経営の効率化を図る。
(e)グループ会社から成る企業集団における業務の適正を確保するための体制
・グループ会社を含めたコンプライアンス体制及びリスク管理体制を整備するとともに、当社の内部通報体制及び「公益通報に関する護規程」を当社グループ会社も共有する。
・内部監査室は、当社グループにおける内部監査を実施又は統括し、グループ業務全般にわたる内部統制の有効性と妥当性を確保する。
(f)監査役がその職務を補助すべき使用人を置くことを求めた場合における当該使用人に関する事項
・当社は現在監査役の職務を補助する使用人はおりませんが、監査役から求められた場合には、監査役と協議の上合理的な範囲で配備することとします。また、当該使用人の任務・意向等人事権に係る事項の決定には、監査役の事前の同意を得ることにより、取締役からの独立性を確保します。
(g)取締役及び使用人が監査役に報告するための体制その他の監査役への報告に関する体制及びその他監査役の監査が実効的に行われることを確保するための体制
・監査役は重要な意思決定の過程及び業務執行状況を把握するため、会社の重要な会議に出席することができる。
・取締役及び使用人は、定期又は不定期に業務に係る報告を行う。
・監査が実効的に行われることを確保するために内部監査室、管理部等の関連部署が監査役の職務を補助する。
(h)リスク管理体制の整備の状況
・当社のリスク管理体制は、契約書等の法務管理、資金管理、情報システム管理に区分されます。まず、契約書等の法務管理につきましては、建設業界では特に多いとされる一般顧客との瑕疵担保責任、請負契約の費用負担の割合等の紛争に対しては工事責任者の教育の徹底、本社総務部門の体質の強化を図っております。資金管理につきましては、資金の予実管理を徹底し、設備投資等の多額の支出を伴う場合は事前報告及稟議決裁を行うことにより安定的な資金管理を行っております。また、情報システム管理につきましては外部阻害要因(ウィルス等)の排除、システムの安定した運用、業務の省力化・迅速化のためのシステム構築等を図るため、外部専門技術者の受入及びシステム部門の人員増強を行っております。
(i)反社会的勢力排除に向けた体制
・当社及び当社グループは「企業倫理行動規範」において、市民社会の秩序や安全に脅威を与える反社会的勢力・団体に対しては毅然とした行動をとるものとし、一切の関係を遮断するものと定め、不当要求等に対しては、警察等の外部機関と連携を図り、組織的な対応を行う。
(j)提出会社の子会社の業務の適正を確保するための体制
・当社は、子会社の取締役会等による意思決定及び業務執行の監督について、子会社の取締役会又は子会社の使用人から当社の代表取締役、経営会議、内部監査室に定期的及び適宜に報告を行わせることで、業務執行の状況について確認を行い、業務の適正を確保します。また、子会社の社規、社内ルール等の作成・運用については、当社の担当及び社外有識者による補助を受け整備・運用が行われます。
c.責任限定契約の内容の概要
当社は、職務の遂行にあたり責任を合理的範囲にとどめるため、会社法第426条第1項の規定により、同法第423条第1項に規定する取締役、監査役(取締役、監査役であった者を含む。)の損害賠償責任を、法令の限度において、取締役の決議によって免除することができる旨定款に定めております。これは、取締役及び監査役が職務を遂行するにあたり、その能力を十分に発揮して、期待される役割を果たしうる環境を整備することを目的とするものであります。
②取締役の定数
当社の取締役は15名以内とする旨定款に定めております。
③取締役の選任及び解任の決議要件
当社は、取締役の選任決議について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、出席した当該株主の議決権の過半数をもって行う旨、累積投票によらない旨定款に定めております。
④自己の株式の取得の決定機関
当社は、会社法第165条第2項の規定により、取締役会の決議によって市場取引等によって自己の株式を取得することができる旨定款に定めております。これは、機動的な資本政策の遂行を目的とするものであります。
⑤株主総会の特別決議要件
当社は、会社法第309条第2項に定める株主総会の特別決議要件について、議決権を行使することができる株主の議決権の3分の1以上を有する株主が出席し、その議決権の3分の2以上をもって行う旨定款に定めております。これは、株主総会の特別決議の定足数を緩和することにより、株主総会を円滑に運営することを目的とするものであります。
⑥中間配当の決定機関
当社は、株主への機動的な利益還元を行うため、会社法第454条第5項の規定により取締役会の決議によって中間配当を行うことができる旨定款に定めております。
⑦取締役会の活動状況
当事業年度において当社は取締役会を月2回開催しており、個々の取締役の出席状況については次のとおりであります。
取締役会(25回開催)
氏名出席回数出席率
代表取締役社長 岡本 武之25回100.0%
取締役 前田 修18回72.0%
取締役 齋藤 雅彦24回96.0%
取締役 星野 和也18回72.0%
社外取締役 佐伯 英隆25回100.0%
常勤監査役 杉浦 亮次25回100.0%
社外監査役 笹本 秀文23回92.0%
社外監査役 花房 裕志22回88.0%

取締役会における具体的な検討内容として、当社が持続的に成長し、中長期的な企業価値の向上を実現するため、経営戦略や経営企画など経営に関する重要事項を検討・決定しております。また、当社グループのコンプライアンスやリスク管理、並びにサステナビリティ推進等の報告を行うことで、当社グループの経営全般について監督することを目的としております。