有価証券報告書-第75期(平成31年4月1日-令和2年3月31日)
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注記事項-金融商品、連結財務諸表(IFRS)
29.金融商品
(1) 資本管理
当社グループは、企業価値の安定的かつ持続的な向上を目指すとともに、株主への利益還元も重要な経営課題と位置づけております。そのため、資本効率を向上させつつ、財務の健全性も確保された最適な資本構成を維持することを資本管理の基本方針として、現金及び現金同等物、有利子負債及び資本のバランスに注意して管理しております。なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定をのぞく)はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の現金及び現金同等物、有利子負債及び資本(親会社の所有者に帰属する持分)の残高は以下のとおりであります。
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、事業活動を行うにあたり、市場リスク、信用リスク及び流動性リスク等の財務上のリスクにさらされております。これらのリスクを軽減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。また、デリバティブ取引については、後述するリスクを軽減するために利用し、投機的な取引は行わない方針であります。
①市場リスク
(ⅰ)為替リスク
当社グループは、海外でも事業を展開しており、機能通貨以外の通貨建ての取引及び在外営業活動体への純投資において、外国為替相場の変動リスクにさらされております。当該リスクを軽減するため、先物外国為替契約等のデリバティブ取引を利用しております。また、当社グループは、為替リスク管理規程を定め、為替相場を継続的に監視し、外国為替相場の変動リスクを定期的に評価しております。全てのデリバティブ取引は為替リスク管理規程、取引権限及び取引限度額等を定めた社内規程に基づいて行われております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当社グループの主な為替リスクエクスポージャー(純額)は以下のとおりであります。なお、為替予約等により、為替リスクがヘッジされている金額を除いております。
為替リスクの感応度分析
前連結会計年度及び当連結会計年度において、USドル、チリペソが各機能通貨に対して1%増価した場合に、連結損益計算書の税引前当期利益に与える影響は以下のとおりであります。ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。また、機能通貨建ての金融商品、並びに在外営業活動体の収益及び費用、資産及び負債を表示通貨に換算する際の影響は含まれておりません。
(ⅱ)株価変動リスク
当社グループは、取引関係の維持・発展に係る業務の円滑な推進のため、取引先等の株式を保有しており、株価変動リスクにさらされております。当該リスクを軽減するため、当社グループは、毎年1回全投資銘柄につきレビューを行い、取引の安定や事業拡大のための連携強化等、当社グループの持続的成長に保有が欠かせないと判断した場合に限り継続保有するものとし、保有の必要性が薄れてきた銘柄については、株価や市場動向を踏まえて適宜処分しております。
株価変動リスクの感応度分析
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社グループが保有する取引先等の株式について、株価が1%上昇した場合に、連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果調整前)に与える影響は、以下のとおりであります。ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(ⅲ)金利リスク
当社グループの有利子負債のうち一部は変動金利であり、金利リスクにさらされております。当該リスクを軽減するため、金利スワップ契約を利用しております。そのため、当社グループの金利リスクに対するエクスポージャーは限定的であり、連結損益計算書の税引前当期利益に与える影響は軽微であります。
②信用リスク
当社グループは、保有する営業債権及びその他の債権について、信用リスクにさらされております。当該リスクを軽減するため、販売管理規程等に基づき、期日管理及び残高管理を行うとともに、取引先の信用状況を定期的に把握する体制をとっております。なお、当社グループは、特定の相手先に対して過度に集中した信用リスクを負っておりません。また、為替リスク及び金利リスクを軽減する目的で行っているデリバティブ取引については、取引の相手方である金融機関の信用リスクにさらされております。いずれも格付の高い金融機関のみを相手方としているため、信用リスクは極めて限定的であると判断しております。金融資産に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に計上されている減損損失控除後の帳簿価額となっております。また、期日が経過しているが減損していない債権の額に重要性はありません。
③流動性リスク
当社グループは、事業活動を行うにあたり借入金及び社債により資金を調達しております。そのため、支払期日に支払義務を履行できなくなる流動性リスクにさらされております。当社は、キャッシュ・マネジメント・システムの活用や子会社からの報告によって、随時資金計画のモニタリングや把握を行い、資金計画の管理を行っております。これらの体制により必要な運転資金の水準を想定するとともに、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結することにより、流動性リスクの軽減を図っております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。
(注) 1 当社グループは、金融機関との間に、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在とも、合計75,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の未行使額75,000百万円は、即時に利用可能であります。
2 前連結会計年度において「リース債務」として表示しておりましたが、IFRS第16号の適用に伴い表記を変更しております。
(3) デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは、事業活動に関連する様々なリスクにさらされております。それらのリスクのうち、デリバティブを利用することで管理されている主要なリスクは、外国為替相場の変動リスク(主として米ドル及びチリペソ)及び金利変動リスクであります。当社グループは、外国為替相場の変動リスクを軽減するために、先物外国為替契約を利用しております。また、当社グループは、金利変動リスクを軽減するために金利スワップ契約を利用しております。
当社グループは、ヘッジ取引を行うための戦略を含むリスク管理方針を文書化しており、全てのデリバティブは、これらの目的と戦略及び関連する詳細な規程に基づいて実行されております。
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ
これらのデリバティブは、外国為替相場の変動リスク及び金利変動リスクを軽減するために利用されております。ヘッジ会計として適格でないデリバティブの公正価値の変動は、ただちに損益として認識されます。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、当社グループが保有するヘッジ会計として適格でない金融派生商品の契約金額又は想定元本は以下のとおりであります。
当社グループは、ヘッジ目的以外にはデリバティブを利用しないことをその方針としております。また、当社グループが利用しているデリバティブは、主要な格付機関から一定の投資適格信用格付を維持することが要求される条項を含んでおりません。
(4) 金融商品の公正価値
①公正価値の測定方法
当社グループは、金融資産及び金融負債の公正価値について以下のとおり測定しております。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務、短期借入金)
これらは短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
(投資有価証券)
市場性のある投資有価証券の公正価値は市場価格を用いて測定しております。非上場株式については評価技法(マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ等)を利用して公正価値を測定しております。
(その他の金融資産)
外国為替先物予約の公正価値は、先物為替レート等の観察可能な市場データを使用した契約期間に基づく割引キャッシュ・フローモデルを用いて算定した価値により測定しております。
(社債及び長期借入金)
社債及び長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により測定しております。
(その他の金融負債)
外国為替先物予約及び金利スワップ契約の公正価値は、先物為替レートや市場金利等の観察可能な市場データを使用した契約期間に基づく割引キャッシュ・フローモデルを用いて算定した価値により測定しております。
②償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
なお、公正価値で測定する金融商品及び帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品については、次表には含めておりません。
なお、償却原価で測定する金融負債はレベル2に分類しております。
③公正価値で測定する金融商品
以下の表では、公正価値で測定する金融商品に関する分析を示しております。それぞれのレベルは以下のとおり定義されております。なお、非経常的に公正価値で測定する金融商品はありません。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:直接又は間接的に観察可能なインプットのうち、レベル1に含まれる相場価格以外のインプットにより算出された公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振り替えは、振り替えを生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、公正価値ヒエラルキーのレベル1、レベル2及びレベル3の間の振り替えはありません。
レベル3に分類した金融商品の調整表
レベル3に分類した金融商品の公正価値測定について、期首残高から期末残高への調整表は以下のとおりであります。
レベル3に分類される金融資産は、主として非上場株式であり、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しております。
非上場株式の公正価値測定にあたっては、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しております。公正価値は営業利益倍率等の上昇(低下)により増加(減少)します。
(5) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループでは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融資産に対する投資について、その保有目的を鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
① 銘柄ごとの公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定された資本性金融資産に対する投資の主な銘柄の公正価値は以下のとおりであります。
前連結会計年度末(2019年3月31日)
当連結会計年度末(2020年3月31日)
② 受取配当金
③ 期中に認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
これらは主に、取引関係の見直し等により売却したものであります。
④ 利益剰余金への振り替え額
当社グループでは、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の変動による累積利得又は損失は、投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に利益剰余金に振り替えることにしております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得(△損失)(税引後)は、それぞれ233百万円、△417百万円であります。
(1) 資本管理
当社グループは、企業価値の安定的かつ持続的な向上を目指すとともに、株主への利益還元も重要な経営課題と位置づけております。そのため、資本効率を向上させつつ、財務の健全性も確保された最適な資本構成を維持することを資本管理の基本方針として、現金及び現金同等物、有利子負債及び資本のバランスに注意して管理しております。なお、当社が適用を受ける重要な資本規制(会社法等の一般的な規定をのぞく)はありません。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末の現金及び現金同等物、有利子負債及び資本(親会社の所有者に帰属する持分)の残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度末 (2019年3月31日) | 当連結会計年度末 (2020年3月31日) | |
現金及び現金同等物 | 48,108 | 72,399 |
有利子負債 | 147,009 | 176,493 |
資本(親会社の所有者に帰属する持分) | 401,014 | 404,414 |
(2) 財務上のリスク管理
当社グループは、事業活動を行うにあたり、市場リスク、信用リスク及び流動性リスク等の財務上のリスクにさらされております。これらのリスクを軽減するために、一定の方針に基づきリスク管理を行っております。また、デリバティブ取引については、後述するリスクを軽減するために利用し、投機的な取引は行わない方針であります。
①市場リスク
(ⅰ)為替リスク
当社グループは、海外でも事業を展開しており、機能通貨以外の通貨建ての取引及び在外営業活動体への純投資において、外国為替相場の変動リスクにさらされております。当該リスクを軽減するため、先物外国為替契約等のデリバティブ取引を利用しております。また、当社グループは、為替リスク管理規程を定め、為替相場を継続的に監視し、外国為替相場の変動リスクを定期的に評価しております。全てのデリバティブ取引は為替リスク管理規程、取引権限及び取引限度額等を定めた社内規程に基づいて行われております。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末における当社グループの主な為替リスクエクスポージャー(純額)は以下のとおりであります。なお、為替予約等により、為替リスクがヘッジされている金額を除いております。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度末 (2019年3月31日) | 当連結会計年度末 (2020年3月31日) | |
USドル | 26,516 | 40,198 |
チリペソ | 7,188 | 6,359 |
為替リスクの感応度分析
前連結会計年度及び当連結会計年度において、USドル、チリペソが各機能通貨に対して1%増価した場合に、連結損益計算書の税引前当期利益に与える影響は以下のとおりであります。ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。また、機能通貨建ての金融商品、並びに在外営業活動体の収益及び費用、資産及び負債を表示通貨に換算する際の影響は含まれておりません。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2018年4月1日 ~2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年4月1日 ~2020年3月31日) | |
税引前当期利益 | ||
USドル | 265 | 402 |
チリペソ | 72 | 64 |
(ⅱ)株価変動リスク
当社グループは、取引関係の維持・発展に係る業務の円滑な推進のため、取引先等の株式を保有しており、株価変動リスクにさらされております。当該リスクを軽減するため、当社グループは、毎年1回全投資銘柄につきレビューを行い、取引の安定や事業拡大のための連携強化等、当社グループの持続的成長に保有が欠かせないと判断した場合に限り継続保有するものとし、保有の必要性が薄れてきた銘柄については、株価や市場動向を踏まえて適宜処分しております。
株価変動リスクの感応度分析
前連結会計年度末及び当連結会計年度末に当社グループが保有する取引先等の株式について、株価が1%上昇した場合に、連結包括利益計算書のその他の包括利益(税効果調整前)に与える影響は、以下のとおりであります。ただし、本分析においては、その他の変動要因は一定であることを前提としております。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2018年4月1日 ~2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年4月1日 ~2020年3月31日) | |
その他の包括利益への影響 | 220 | 207 |
(ⅲ)金利リスク
当社グループの有利子負債のうち一部は変動金利であり、金利リスクにさらされております。当該リスクを軽減するため、金利スワップ契約を利用しております。そのため、当社グループの金利リスクに対するエクスポージャーは限定的であり、連結損益計算書の税引前当期利益に与える影響は軽微であります。
②信用リスク
当社グループは、保有する営業債権及びその他の債権について、信用リスクにさらされております。当該リスクを軽減するため、販売管理規程等に基づき、期日管理及び残高管理を行うとともに、取引先の信用状況を定期的に把握する体制をとっております。なお、当社グループは、特定の相手先に対して過度に集中した信用リスクを負っておりません。また、為替リスク及び金利リスクを軽減する目的で行っているデリバティブ取引については、取引の相手方である金融機関の信用リスクにさらされております。いずれも格付の高い金融機関のみを相手方としているため、信用リスクは極めて限定的であると判断しております。金融資産に係る信用リスクの最大エクスポージャーは、連結財政状態計算書に計上されている減損損失控除後の帳簿価額となっております。また、期日が経過しているが減損していない債権の額に重要性はありません。
③流動性リスク
当社グループは、事業活動を行うにあたり借入金及び社債により資金を調達しております。そのため、支払期日に支払義務を履行できなくなる流動性リスクにさらされております。当社は、キャッシュ・マネジメント・システムの活用や子会社からの報告によって、随時資金計画のモニタリングや把握を行い、資金計画の管理を行っております。これらの体制により必要な運転資金の水準を想定するとともに、複数の金融機関とコミットメントライン契約を締結することにより、流動性リスクの軽減を図っております。
金融負債の期日別残高は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | |||||
前連結会計年度末 (2019年3月31日) | |||||
帳簿価額 | 契約上 の金額 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | |||||
短期借入金 | 49,858 | 49,858 | 49,858 | - | - |
営業債務及びその他の債務 | 111,573 | 111,573 | 111,573 | - | - |
社債 | 49,835 | 50,965 | 10,197 | 20,538 | 20,230 |
長期借入金 | 35,988 | 37,312 | 279 | 11,847 | 25,186 |
リース債務 | 11,264 | 11,754 | 2,912 | 6,408 | 2,434 |
デリバティブ金融負債 | |||||
デリバティブ | 320 | 320 | 244 | 76 | - |
合計 | 258,838 | 261,782 | 175,063 | 38,869 | 47,850 |
(単位:百万円) | |||||
当連結会計年度末 (2020年3月31日) | |||||
帳簿価額 | 契約上 の金額 | 1年以内 | 1年超 5年以内 | 5年超 | |
非デリバティブ金融負債 | |||||
短期借入金 | 44,528 | 44,528 | 44,528 | - | - |
営業債務及びその他の債務 | 99,802 | 99,802 | 99,802 | - | - |
社債 | 54,776 | 57,522 | 259 | 20,789 | 36,474 |
長期借入金 | 41,441 | 42,564 | 874 | 14,114 | 27,576 |
リース負債(注)2 | 35,748 | 36,616 | 11,033 | 16,971 | 8,612 |
デリバティブ金融負債 | |||||
デリバティブ | 1,402 | 1,402 | 1,356 | 46 | - |
合計 | 277,697 | 282,434 | 157,852 | 51,920 | 72,662 |
(注) 1 当社グループは、金融機関との間に、前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在とも、合計75,000百万円のコミットメントライン契約を締結しております。前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在の未行使額75,000百万円は、即時に利用可能であります。
2 前連結会計年度において「リース債務」として表示しておりましたが、IFRS第16号の適用に伴い表記を変更しております。
(3) デリバティブ及びヘッジ活動
当社グループは、事業活動に関連する様々なリスクにさらされております。それらのリスクのうち、デリバティブを利用することで管理されている主要なリスクは、外国為替相場の変動リスク(主として米ドル及びチリペソ)及び金利変動リスクであります。当社グループは、外国為替相場の変動リスクを軽減するために、先物外国為替契約を利用しております。また、当社グループは、金利変動リスクを軽減するために金利スワップ契約を利用しております。
当社グループは、ヘッジ取引を行うための戦略を含むリスク管理方針を文書化しており、全てのデリバティブは、これらの目的と戦略及び関連する詳細な規程に基づいて実行されております。
ヘッジ会計として適格でないデリバティブ
これらのデリバティブは、外国為替相場の変動リスク及び金利変動リスクを軽減するために利用されております。ヘッジ会計として適格でないデリバティブの公正価値の変動は、ただちに損益として認識されます。
前連結会計年度末及び当連結会計年度末現在、当社グループが保有するヘッジ会計として適格でない金融派生商品の契約金額又は想定元本は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度末 (2019年3月31日) | 当連結会計年度末 (2020年3月31日) | |
金利スワップ契約 | 3,000 | 3,000 |
先物外国為替契約 | 87,960 | 96,807 |
当社グループは、ヘッジ目的以外にはデリバティブを利用しないことをその方針としております。また、当社グループが利用しているデリバティブは、主要な格付機関から一定の投資適格信用格付を維持することが要求される条項を含んでおりません。
(4) 金融商品の公正価値
①公正価値の測定方法
当社グループは、金融資産及び金融負債の公正価値について以下のとおり測定しております。
(現金及び現金同等物、営業債権及びその他の債権、営業債務及びその他の債務、短期借入金)
これらは短期間で決済されるため、公正価値は帳簿価額にほぼ等しいことから、当該帳簿価額によっております。
(投資有価証券)
市場性のある投資有価証券の公正価値は市場価格を用いて測定しております。非上場株式については評価技法(マーケット・アプローチ、インカム・アプローチ等)を利用して公正価値を測定しております。
(その他の金融資産)
外国為替先物予約の公正価値は、先物為替レート等の観察可能な市場データを使用した契約期間に基づく割引キャッシュ・フローモデルを用いて算定した価値により測定しております。
(社債及び長期借入金)
社債及び長期借入金は、将来キャッシュ・フローを新規に同様の契約を実行した場合に想定される利率で割り引いた現在価値により測定しております。
(その他の金融負債)
外国為替先物予約及び金利スワップ契約の公正価値は、先物為替レートや市場金利等の観察可能な市場データを使用した契約期間に基づく割引キャッシュ・フローモデルを用いて算定した価値により測定しております。
②償却原価で測定する金融商品
償却原価で測定する金融商品の帳簿価額と公正価値は以下のとおりであります。
なお、公正価値で測定する金融商品及び帳簿価額と公正価値が極めて近似している金融商品については、次表には含めておりません。
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度末 (2019年3月31日) | 当連結会計年度末 (2020年3月31日) | |||
帳簿価額 | 公正価値 | 帳簿価額 | 公正価値 | |
金融負債 | ||||
償却原価で測定する金融負債 | ||||
借入金 | 35,988 | 36,750 | 41,441 | 41,967 |
社債 | 49,835 | 50,383 | 54,776 | 54,986 |
なお、償却原価で測定する金融負債はレベル2に分類しております。
③公正価値で測定する金融商品
以下の表では、公正価値で測定する金融商品に関する分析を示しております。それぞれのレベルは以下のとおり定義されております。なお、非経常的に公正価値で測定する金融商品はありません。
レベル1:活発な市場における相場価格により測定された公正価値
レベル2:直接又は間接的に観察可能なインプットのうち、レベル1に含まれる相場価格以外のインプットにより算出された公正価値
レベル3:観察可能な市場データに基づかないインプットを含む評価技法から算出された公正価値
公正価値ヒエラルキーのレベル間の振り替えは、振り替えを生じさせた事象又は状況の変化が生じた日に認識しております。
なお、前連結会計年度及び当連結会計年度において、公正価値ヒエラルキーのレベル1、レベル2及びレベル3の間の振り替えはありません。
(単位:百万円) | ||||
前連結会計年度末 (2019年3月31日) | レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 |
金融資産 | ||||
純損益を通じて公正価値で 測定する金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | 351 | 482 | - | 833 |
負債性金融資産 | - | 287 | 742 | 1,029 |
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | ||||
資本性金融資産 | 22,044 | - | 5,117 | 27,161 |
金融資産合計 | 22,395 | 769 | 5,859 | 29,023 |
金融負債 | ||||
純損益を通じて公正価値で 測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | - | 320 | - | 320 |
金融負債合計 | - | 320 | - | 320 |
(単位:百万円) | ||||
当連結会計年度末 (2020年3月31日) | レベル1 | レベル2 | レベル3 | 合計 |
金融資産 | ||||
純損益を通じて公正価値で 測定する金融資産 | ||||
デリバティブ資産 | 117 | 712 | - | 829 |
負債性金融資産 | - | 273 | 738 | 1,011 |
その他の包括利益を通じて 公正価値で測定する金融資産 | ||||
資本性金融資産 | 20,742 | - | 6,146 | 26,888 |
金融資産合計 | 20,859 | 985 | 6,884 | 28,728 |
金融負債 | ||||
純損益を通じて公正価値で 測定する金融負債 | ||||
デリバティブ負債 | - | 1,402 | - | 1,402 |
金融負債合計 | - | 1,402 | - | 1,402 |
レベル3に分類した金融商品の調整表
レベル3に分類した金融商品の公正価値測定について、期首残高から期末残高への調整表は以下のとおりであります。
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2018年4月1日 ~2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年4月1日 ~2020年3月31日) | |
期首残高 | 6,405 | 5,859 |
その他の包括利益 | △534 | 1,029 |
購入 | 0 | 0 |
処分 | △13 | △4 |
その他 | 1 | 0 |
期末残高 | 5,859 | 6,884 |
レベル3に分類される金融資産は、主として非上場株式であり、類似会社の市場価格に基づく評価技法等を用いて算定しております。
非上場株式の公正価値測定にあたっては、評価倍率等の観察可能でないインプットを利用しております。公正価値は営業利益倍率等の上昇(低下)により増加(減少)します。
(5) その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産
当社グループでは、取引関係の維持・強化を目的として保有する資本性金融資産に対する投資について、その保有目的を鑑み、その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定しております。
① 銘柄ごとの公正価値
その他の包括利益を通じて公正価値で測定する金融資産に指定された資本性金融資産に対する投資の主な銘柄の公正価値は以下のとおりであります。
前連結会計年度末(2019年3月31日)
(単位:百万円) | |
銘柄 | 金額 |
(株)モスフードサービス | 4,039 |
中部飼料(株) | 2,466 |
漯河双匯万中禽業加工有限公司 | 1,679 |
イオン(株) | 1,541 |
(株)アクシーズ | 1,149 |
当連結会計年度末(2020年3月31日)
(単位:百万円) | |
銘柄 | 金額 |
(株)モスフードサービス | 3,762 |
中部飼料(株) | 3,051 |
漯河双匯万中禽業発展有限公司 | 2,689 |
漯河双匯万中禽業加工有限公司 | 1,702 |
イオン(株) | 1,614 |
② 受取配当金
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2018年4月1日 ~2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年4月1日 ~2020年3月31日) | |
期中に認識を中止した投資 | 2 | 1 |
期末日現在で保有する投資 | 504 | 579 |
合計 | 506 | 580 |
③ 期中に認識を中止したその他の包括利益を通じて公正価値で測定する資本性金融資産
(単位:百万円) | ||
前連結会計年度 (2018年4月1日 ~2019年3月31日) | 当連結会計年度 (2019年4月1日 ~2020年3月31日) | |
認識中止時点の公正価値 | 513 | 39 |
認識中止時点の累積利得 | 260 | 0 |
これらは主に、取引関係の見直し等により売却したものであります。
④ 利益剰余金への振り替え額
当社グループでは、その他の包括利益を通じて測定する金融資産の公正価値の変動による累積利得又は損失は、投資を処分した場合、もしくは公正価値が著しく低下した場合に利益剰余金に振り替えることにしております。
前連結会計年度及び当連結会計年度において、利益剰余金へ振り替えたその他の包括利益の累積利得(△損失)(税引後)は、それぞれ233百万円、△417百万円であります。