有価証券報告書-第79期(2023/04/01-2024/03/31)
④ 指標と目標
当社グループは、マテリアリティにおける「持続可能な地球環境への貢献」を実現するため、2030年度を見据えた化石燃料由来のCO2排出量削減を設定しております(中長期環境目標)。また、2050年に向けては、カーボンニュートラルの実現を目指し、日々の活動を推進していきます。また、物理リスクとしては水ストレスに関する指標も中長期環境目標として設定、水資源の有効活用に努めております。
また、日本最大級(*)のたんぱく質供給企業として、より環境負荷に配慮した畜産業を追求することは使命と考えております。家畜由来の温室効果ガス排出量をグループ全体で可視化、開示しております。削減に向けて、GHG削減に向けた研究開発を社外研究機関と協力して推進しております。
(注) 1 「*」は当社取り扱い重量データ及び外部データを基に当社で推計しております。
2 当社グループのスコープ1~3については、下記URLに開示しております。
(https://www.nipponham.co.jp/ir/library/data_book/pdf/2023/all.pdf)
⑤シナリオ分析と対応
脱炭素社会をキーワードとし、2つの対比的な気候変動シナリオパターンを設定、分析を実施しております。2023年度の活動において、物理リスクのインパクト大の項目について財務インパクトの算定を行いました。
シナリオの概要
シナリオ分析結果
(注)「*」は、配合飼料における穀物等の配合を成長に適したものに調整し、効率の良い体重増加を促すことをいいま
す。飼料要求率のシナリオ分析の結果、部分的に影響が出る可能性はありますが大きな影響には至らないと想定
しております。
a. 飼料価格の上昇・不安定化
(特定理由)
当社グループでは家畜の生産事業を行っており、今後、人口増による食糧需要の拡大、気温上昇や渇水による影響、穀物のバイオマス燃料需要との競合の可能性等から、穀物飼料の価格が上昇する可能性が考えられました。
シナリオ分析を実施した結果、気温上昇の程度によっては一部の穀物は増収の可能性があるものの、4℃シナリオでは気候変動の影響により穀物は減収、調達コストが増加する可能性がありました。家畜の畜種や飼育地域によっても気候変動の影響が異なるため、今後もそれら固有のリスク/機会分析を継続していきます。
加えて、昨今の穀物輸出国の情勢の不安定化等により、飼料価格も上昇しました。このトレンドは今後も発生する可能性があるため、対策を継続的に検討しております。
(対応状況)
穀物飼料価格高騰への対策について、商品の価格改定の他に、従来より飼料要求率の改善に取り組んでおり、技術開発を進めることで、飼料コストの削減を進めております。
また、グループ外からの畜肉調達におけるコスト上昇や不足の影響下でも、安定した供給を維持するため、新たな取引先を開拓して調達先を拡大し、より安定的な畜肉調達網の構築を進めております。
(事例)
「自社で豚ふん堆肥を活用した飼料穀物確保の取組み」
グループ会社が保有する北海道内の畑で栽培した小麦を、飼料メーカーと協力して飼料にし、豚に給餌しておりま
す。また、養豚場で発生したふん尿は肥料へ加工して畑へ散布し、循環型農業に挑戦しております(*)。
(注)「*」については、一部の農場で実施しております。
b. 家畜生育への気温上昇影響
(特定理由)
家畜の生育には気温や湿度等の環境が大きく影響します。当社グループの生産飼育拠点が存在する日本、豪州、トルコにおいて分析を行った結果、気温上昇に伴い、一日あたりの増体量が低下する可能性がありました。また、気温の上昇はグループ外からの畜肉調達コストについても長期的リスクの可能性となると考えております。
(対応状況)
(事例)
「鶏舎のクーリングパッド/ミスト装置の設置」
養鶏の暑熱対策として、クーリングパッド(※1)、ミスト装置(※2)の設置を進めております。前年度までは設置予定のなかった東北地域の農場についても、気温の急変の影響及び将来の気温上昇の影響を考慮し、ミスト装置を設置する方針に変更しました。設置予定に対する進捗は以下のとおりです。今後については、飼育管理等の改善を行うとともに、暑熱環境下での生産成績を上げるための技術開発の検討を進めます。
c. 拠点における災害リスクの高まり
(特定理由)
気候変動に伴い異常気象が増加する中、激甚災害のリスクが高まると言われています。当社グループでは、農場、処理・製造工場、物流センターのうち、一部の拠点が洪水や高潮の高リスクの地域に位置していることを確認しました。
(対応状況)
洪水高リスクの地域に位置している拠点については、現在の対応状況等をヒアリングした結果、引き続き洪水による影響は軽微と判断されました。今後もリスクモニタリングを継続します。
(注)1 「*1」について、 日本国のデータはハザードマップを、海外拠点のデータは
World Resources InstituteのAqueductを参照しております。
2 「*2」について、中東地域は複数拠点がありますが、管理上1拠点とカウントしております。
d. 拠点における水ストレスの高まり
(特定理由)
グループ内の農場、処理・製造工場について、水ストレスの評価や高ストレス地域の取水量について把握をしております。調査の結果、多くの拠点では水ストレスは少ないものの、一部では高い水ストレスとされる地域に所在することがわかりました。
(対応状況)
高い水ストレスとされる地域にある拠点に対し、ヒアリングを継続して実施した結果、2023年度に改めて状況を確認したところ変化はありませんでした。
水ストレスに関するリスクは、今後も継続的にモニタリングを行います。また、環境目標の達成に向けて、取組みを継続します。
(注)「*」はWorld Resources InstituteのAqueductを参照しております。
水ストレス高地域における取水量(2022年度)
e. 炭素税によるコスト増
(特定理由)
1.5℃/2℃シナリオにおいて、化石燃料由来のCO2排出に対する炭素税の導入が考えられました。財務インパクトを評価した結果、事業に大きなインパクトを与える可能性が特定されました。また、中長期的には家畜由来の排出に対しても炭素税導入の可能性があり、削減施策の検討を進めます。
国際情勢の影響により、化石燃料の高騰が続いています。この状況が2030年まで続いた場合、国内の電気料金が2022年度と比べて年間約10~20億円程度の影響を受ける可能性があります。
(注)1 財務インパクトは、2022年度の排出量での計算と2030年度の削減目標が達成された場合を
比較しております。
2 炭素税価格については、IEAの World Energy Outlook 2021のNet Zero by 2050シナリオ
(1.5℃目標相当)を参考にしております。
また、2030年度はUSD130/t- CO2、2050年度はUSD250/t- CO2、1USD=140円で算出しております。
(対応状況)
化石燃料由来のCO2排出の削減
当社グループは自社敷地等における太陽光発電の導入推進や、使用済みのフライ油や排水中の油分を回収したものを燃料として活用する廃油ボイラーの利用を進めております。これらの取り組み状況については、以下のとおりです。
(注)1 設定拠点数は、2023年1~12月実績を記載しております。
2 CO2削減量は、太陽光発電導入拠点の電力供給会社の排出係数に基づき算出しております。
3 「*」については、2023年度見込み値を記載しております。
また、北海道南幌町に設置予定の年間約3,000MWhの発電量を有する太陽光発電施設で発電した電力を当社グループの養豚施設に供給し、エネルギー利用の効率化や生体由来のGHGのクレジットによるオフセット等によって、2026年までにカーボンニュートラル農場稼働を目指しております。
その他では、豪州で排水由来のバイオガスプラントの設置や、省エネ機器の導入、一定金額以上の設備導入・更新時にインターナルカーボンプライシング(ICP)の考え方を取り入れ、CO2のコスト意識づけを行っております。
家畜由来の温室効果ガス排出削減
当社グループでは、国内の養豚事業で排せつ物・排水処理から発生するバイオガスのエネルギー利用を行っております。また、家畜由来のメタン排出量抑制につながる研究については、北海道大学、徳島大学とそれぞれ連携して進めております。
f. 環境に配慮した消費動向の強まり
(特定理由)
脱炭素が進む社会では、気候変動への関心が高まり、環境対応が進む企業や商品が選ばれやすくなることが予想されます。当社グループは、サステナビリティ価値を実現し、消費者に伝えることがますます重要になると認識しております。
このため、グループ全体で持続可能な社会の実現に向けた取組みを推進し、サステナブルな商品・サービスを提供することを目指しております。さらに、消費者の期待に応えるため、持続可能性に配慮したパッケージングや、環境負荷の低い商品開発等も積極的に取り組んでおります。
(対応状況)
当社グループでは、プラスチック使用量の削減を通したCO2排出量の削減に取り組んでおります。
「中華名菜®」のノントレイ化を実施したことで、プラスチック使用量を2022年より約21%削減し、さらに、2023年には対象商品を拡大しました。また、主要ウインナー商品の包装形態をエコ・ピロタイプへ変更したことで、包装資材重量を2022年より28%削減しました。
その他にも、2024年より「石窯工房®」の包装形態の変更や包装サイズの見直しを行い、トレイサイズを2.4%削減しました。「Isey SKYRシリーズ」では、2022年より容器をプラスチックから紙に変更し、また、加工食品の一部製品や鶏肉「桜姫®」及び「北のこめこっこ®」では、包装原料の一部にバイオマス素材を使用したプラスチックを利用する等の取組みを展開しております。
g. 新たんぱく質市場の拡大
(特定理由)
将来的には世界人口増によるたんぱく質需要の増大を背景に、畜肉市場に加えて新たんぱく質を含めた市場の拡大が見込まれます。さらに、健康への意識向上や、脱炭素社会への移行に伴う消費者意識の変化や技術革新等も背景となり、新たんぱく質市場は大きな成長が予想されます。外部機関が公開している新たんぱく質の将来市場規模の推計値には幅がありますが、脱炭素への移行が進むシナリオにおいては、グローバルで数十兆円超規模の市場が見込まれており、中長期的に大きな事業機会が生まれることが予想されることから、引き続き研究開発に取り組んでおります。
(対応状況)
当社グループでは、植物由来商品である「ナチュミート」シリーズをコンシューマ向け、外食・流通企業向け双方で展開しており、さらに海外での展開も検討しております。
また、水産物代替品の開発を進め、フィッシュ風フライに加え、マグロ刺身やポップコーンシュリンプ等の商品開発を実施しております。
家畜由来の細胞を大量に増やして食品とする細胞性食品(培養肉)に関して、外部研究機関やスタートアップとの共同研究を実施しております。コストの高い動物血清を使用しない、食品を主成分とした培養液を使用し、これまでより安価に細胞を培養する方法の開発等、将来の商品化に向けた研究を行っております。
当社グループは、マテリアリティにおける「持続可能な地球環境への貢献」を実現するため、2030年度を見据えた化石燃料由来のCO2排出量削減を設定しております(中長期環境目標)。また、2050年に向けては、カーボンニュートラルの実現を目指し、日々の活動を推進していきます。また、物理リスクとしては水ストレスに関する指標も中長期環境目標として設定、水資源の有効活用に努めております。
| 指標 | 2030年度目標 | 対象 | 2022年度実績 |
| 化石燃料由来 CO2排出量 | 46%以上削減(2013年度比) | 国内全拠点 | 増減量:△ 102,828t-CO2 進捗率:40.6% |
| 24%以上削減(2021年度比) | 海外全拠点 | 増減量:△ 2,809t-CO2 進捗率:8.2% | |
| 用水使用量 原単位 | 5%削減(2019年度比) 2030年度目標削減値:0.8㎥/t | 国内処理・製造拠点 | 増減量:0.2㎥/t 進捗率:△ 25.0% |
| 5%削減(2021年度比) 2030年度目標削減値:0.6㎥/t | 海外処理・製造拠点 | 増減量:0.5㎥/t 進捗率:△ 83.3% |
また、日本最大級(*)のたんぱく質供給企業として、より環境負荷に配慮した畜産業を追求することは使命と考えております。家畜由来の温室効果ガス排出量をグループ全体で可視化、開示しております。削減に向けて、GHG削減に向けた研究開発を社外研究機関と協力して推進しております。
(注) 1 「*」は当社取り扱い重量データ及び外部データを基に当社で推計しております。
2 当社グループのスコープ1~3については、下記URLに開示しております。
(https://www.nipponham.co.jp/ir/library/data_book/pdf/2023/all.pdf)
⑤シナリオ分析と対応
脱炭素社会をキーワードとし、2つの対比的な気候変動シナリオパターンを設定、分析を実施しております。2023年度の活動において、物理リスクのインパクト大の項目について財務インパクトの算定を行いました。
シナリオの概要
![]() |
| パターン | 参照 シナリオ | 考える世界観 |
| 1.5/2℃ | SSP1-1.9/2.6IEA-NetZero | ・脱炭素トレンド(炭素税等の規制コストが高まる) ・気候変動への関心を背景に、新たんぱく質市場の活性化、環境へ配慮した製品の 選択機会増加 |
| 4℃ | SSP3-7.0 | ・気温上昇、水害、渇水等による飼料価格の上昇や畜肉調達価格の上昇 ・家畜への気温上昇影響 ・自社拠点における水リスクの懸念 |
シナリオ分析結果
| リスクと機会 | 財務インパクト 1.5/2℃~4℃ | 対応状況 | ||
| 物理 リスク | 飼料価格の上昇・ 不安定化による飼育コストの上昇 | 自社飼育の 豚鶏 | 大 (影響なし~53億円) | ・飼料要求率(*)改善の取組み ・飼料会社と連携、地産原料を使った飼料の開発 ・自社で豚ふん堆肥を活用した循環型農業による穀物確保 |
| 加工食品原料 (豚肉) | 大 (影響なし~22億円) | ・気候変動を考慮し、国や地域、さらにはその中で新たな取引先を開拓、調達先を拡大 ・製造コストの改善や商品価格改定 | ||
| 家畜生育への気温上昇影響 | 中 | ・暑熱対策の実施 | ||
| 拠点における水災害リスクの高まり | 小 | ・洪水リスクに対する設備の強化 ・災害時の製品供給体制の強化 | ||
| 拠点における水ストレスの高まり | 小 | ・水ストレスリスク高拠点における水資源有 効活用 | ||
| 移行 リスク | 炭素税導入によるエネルギー費用の高まり | 大 (130~200億円) | ・処理・製造工程でのエネルギー利用の効率化・燃料転換 ・再生可能エネルギーの利用拡大 ・低排出車両への転換・物流効率化による物流での排出削減 | |
| 機会 | 環境に配慮した消費動向の強まり | 中 | ・サステナビリティ価値の高い商品の開発 ・新たんぱく質を活用した商品開発 ・新たんぱく質の研究開発 | |
| 新たんぱく質市場の拡大 | 大 | |||
(注)「*」は、配合飼料における穀物等の配合を成長に適したものに調整し、効率の良い体重増加を促すことをいいま
す。飼料要求率のシナリオ分析の結果、部分的に影響が出る可能性はありますが大きな影響には至らないと想定
しております。
a. 飼料価格の上昇・不安定化
(特定理由)
当社グループでは家畜の生産事業を行っており、今後、人口増による食糧需要の拡大、気温上昇や渇水による影響、穀物のバイオマス燃料需要との競合の可能性等から、穀物飼料の価格が上昇する可能性が考えられました。
シナリオ分析を実施した結果、気温上昇の程度によっては一部の穀物は増収の可能性があるものの、4℃シナリオでは気候変動の影響により穀物は減収、調達コストが増加する可能性がありました。家畜の畜種や飼育地域によっても気候変動の影響が異なるため、今後もそれら固有のリスク/機会分析を継続していきます。
加えて、昨今の穀物輸出国の情勢の不安定化等により、飼料価格も上昇しました。このトレンドは今後も発生する可能性があるため、対策を継続的に検討しております。
(対応状況)
穀物飼料価格高騰への対策について、商品の価格改定の他に、従来より飼料要求率の改善に取り組んでおり、技術開発を進めることで、飼料コストの削減を進めております。
また、グループ外からの畜肉調達におけるコスト上昇や不足の影響下でも、安定した供給を維持するため、新たな取引先を開拓して調達先を拡大し、より安定的な畜肉調達網の構築を進めております。
(事例)
「自社で豚ふん堆肥を活用した飼料穀物確保の取組み」
グループ会社が保有する北海道内の畑で栽培した小麦を、飼料メーカーと協力して飼料にし、豚に給餌しておりま
す。また、養豚場で発生したふん尿は肥料へ加工して畑へ散布し、循環型農業に挑戦しております(*)。
(注)「*」については、一部の農場で実施しております。
b. 家畜生育への気温上昇影響
(特定理由)
家畜の生育には気温や湿度等の環境が大きく影響します。当社グループの生産飼育拠点が存在する日本、豪州、トルコにおいて分析を行った結果、気温上昇に伴い、一日あたりの増体量が低下する可能性がありました。また、気温の上昇はグループ外からの畜肉調達コストについても長期的リスクの可能性となると考えております。
(対応状況)
| 畜種 | 国 | 主な施策 |
| 鶏 | 日本 | クーリングパッド、ミスト装置 |
| トルコ | クーリングパッド | |
| 豚 | 日本 | ・全地域:遮光ネット ・一部地域:スポットクーラー、クーリングパッド、屋根の散水、 送風・排気ファンの増設 |
| 牛 | 豪州 | 区画ごとにサンシェードの設置 |
(事例)
「鶏舎のクーリングパッド/ミスト装置の設置」
養鶏の暑熱対策として、クーリングパッド(※1)、ミスト装置(※2)の設置を進めております。前年度までは設置予定のなかった東北地域の農場についても、気温の急変の影響及び将来の気温上昇の影響を考慮し、ミスト装置を設置する方針に変更しました。設置予定に対する進捗は以下のとおりです。今後については、飼育管理等の改善を行うとともに、暑熱環境下での生産成績を上げるための技術開発の検討を進めます。
| 国 | 地域 | 設置率 |
| 日本 | 北海道 | 84% |
| 青森・山形・新潟 | 80% | |
| 宮崎・鹿児島 大分・熊本 | 100% | |
| トルコ | イズミル | 100% |
| ※1 クーリングパッド | ※2 ミスト装置 | ||
![]() | クーリングパッドは、湿らせたパッドを外気取り入れ口に設置して、外気が通過することで気化熱を利用して空気を冷やします。 | ![]() | ミスト装置は、鶏舎内に霧状の水を散布する装置で、霧状の水を蒸発させることで気化熱により空気の温度を下げます。 |
c. 拠点における災害リスクの高まり
(特定理由)
気候変動に伴い異常気象が増加する中、激甚災害のリスクが高まると言われています。当社グループでは、農場、処理・製造工場、物流センターのうち、一部の拠点が洪水や高潮の高リスクの地域に位置していることを確認しました。
(対応状況)
洪水高リスクの地域に位置している拠点については、現在の対応状況等をヒアリングした結果、引き続き洪水による影響は軽微と判断されました。今後もリスクモニタリングを継続します。
| 地域 | 拠点数 | 水災害(*1) | 主な対応 | リスク評価 | ||
| 洪水 | 高潮 | |||||
| アジア | 212 | 11 | 3 | - | - | |
| 内訳 | 日本 | 205 | 6 | 2 | ・主要製品の供給体制を含めたBCPの見直し ・水害に対する付保 | 軽微 |
| 中国 台湾 | 2 | 1 | 0 | ・現地確認の結果、発生の可能性が低い | 軽微 | |
| 東南 アジア | 5 | 4 | 1 | ・設備の床上げ等対策の実施済み ・工業団地における共同対策実施済み | 軽微 | |
| オセアニア | 8 | 0 | 1 | ・サイトを分散させて配置しており、万が一自然災害による影響を受けた場合でも事業影響は軽微 | 軽微 | |
| 北米 | 2 | 0 | 0 | - | - | |
| 南米 | 1 | 0 | 0 | - | - | |
| 中東 | 1 (*2) | 1 | 0 | ・現地確認の結果発生の可能性が低い | 軽微 | |
(注)1 「*1」について、 日本国のデータはハザードマップを、海外拠点のデータは
World Resources InstituteのAqueductを参照しております。
2 「*2」について、中東地域は複数拠点がありますが、管理上1拠点とカウントしております。
d. 拠点における水ストレスの高まり
(特定理由)
グループ内の農場、処理・製造工場について、水ストレスの評価や高ストレス地域の取水量について把握をしております。調査の結果、多くの拠点では水ストレスは少ないものの、一部では高い水ストレスとされる地域に所在することがわかりました。
(対応状況)
高い水ストレスとされる地域にある拠点に対し、ヒアリングを継続して実施した結果、2023年度に改めて状況を確認したところ変化はありませんでした。
水ストレスに関するリスクは、今後も継続的にモニタリングを行います。また、環境目標の達成に向けて、取組みを継続します。
| 国・地域 | 拠点数 | 水ストレス高地域 の拠点数(*) | 主な対応 | リスク 評価 | ||
| 1.5/2℃ | 4℃ | |||||
| アジア | 196 | 4 | 5 | - | - | |
| 内訳 | 日本 | 189 | 0 | 0 | - | - |
| 中国・台湾 | 2 | 0 | 0 | - | - | |
| 東南アジア | 5 | 4 | 5 | 過去の水ストレスによる事業影響や現地ヒアリングによりリスクは軽微と判断 | 軽微 | |
| オセアニア | 8 | 0 | 0 | - | - | |
| 北米 | 2 | 1 | 1 | 過去の水ストレスによる事業影響や現地ヒアリングによりリスクは軽微と判断 | 軽微 | |
| 南米 | 1 | 0 | 0 | - | - | |
| 中東 | 1 | 1 | 1 | 過去の水ストレスによる事業影響や現地ヒアリングによりリスクは軽微と判断 | 軽微 | |
(注)「*」はWorld Resources InstituteのAqueductを参照しております。
水ストレス高地域における取水量(2022年度)
| グループ全体 | 内)4℃における 水ストレス高地域 | |
| 生産・製造拠点数 | 208 | 7 (3.4%) |
| 取水量 (千㎥) | 16,311 | 1,149 (7.0%) |
e. 炭素税によるコスト増
(特定理由)
1.5℃/2℃シナリオにおいて、化石燃料由来のCO2排出に対する炭素税の導入が考えられました。財務インパクトを評価した結果、事業に大きなインパクトを与える可能性が特定されました。また、中長期的には家畜由来の排出に対しても炭素税導入の可能性があり、削減施策の検討を進めます。
国際情勢の影響により、化石燃料の高騰が続いています。この状況が2030年まで続いた場合、国内の電気料金が2022年度と比べて年間約10~20億円程度の影響を受ける可能性があります。
| シナリオ | 地域 | 項目 | 2030年 | 2050年 |
| 2022年度排出量前提 | 国内 | 炭素税インパクト(億円) | 84 | 161 |
| 排出量(千t-CO2) | 459 | 459 | ||
| 海外 | 炭素税インパクト(億円) | 26 | 49 | |
| 排出量(千t-CO2) | 141 | 141 | ||
| 削減目標達成前提 (2030年以降は横引き) | 国内 | 炭素税インパクト(億円) | 54 | 104 |
| 排出量(千t-CO2) | 297 | 297 | ||
| 海外 | 炭素税インパクト(億円) | 20 | 38 | |
| 排出量(千t-CO2) | 109 | 109 |
(注)1 財務インパクトは、2022年度の排出量での計算と2030年度の削減目標が達成された場合を
比較しております。
2 炭素税価格については、IEAの World Energy Outlook 2021のNet Zero by 2050シナリオ
(1.5℃目標相当)を参考にしております。
また、2030年度はUSD130/t- CO2、2050年度はUSD250/t- CO2、1USD=140円で算出しております。
(対応状況)
化石燃料由来のCO2排出の削減
当社グループは自社敷地等における太陽光発電の導入推進や、使用済みのフライ油や排水中の油分を回収したものを燃料として活用する廃油ボイラーの利用を進めております。これらの取り組み状況については、以下のとおりです。
| 取組み | 2021年設置拠点数 | 2023年 設置拠点数 | CO2削減量 |
| 太陽光発電 | 稼働:8拠点 (2,442 MWh) | 稼働:29拠点 (7,254 MWh/年) | 2,855t-CO2 |
| 廃油ボイラー | 稼働:5拠点 | 稼働:7拠点 | 約2,100t-CO2(*) |
(注)1 設定拠点数は、2023年1~12月実績を記載しております。
2 CO2削減量は、太陽光発電導入拠点の電力供給会社の排出係数に基づき算出しております。
3 「*」については、2023年度見込み値を記載しております。
また、北海道南幌町に設置予定の年間約3,000MWhの発電量を有する太陽光発電施設で発電した電力を当社グループの養豚施設に供給し、エネルギー利用の効率化や生体由来のGHGのクレジットによるオフセット等によって、2026年までにカーボンニュートラル農場稼働を目指しております。
その他では、豪州で排水由来のバイオガスプラントの設置や、省エネ機器の導入、一定金額以上の設備導入・更新時にインターナルカーボンプライシング(ICP)の考え方を取り入れ、CO2のコスト意識づけを行っております。
家畜由来の温室効果ガス排出削減
当社グループでは、国内の養豚事業で排せつ物・排水処理から発生するバイオガスのエネルギー利用を行っております。また、家畜由来のメタン排出量抑制につながる研究については、北海道大学、徳島大学とそれぞれ連携して進めております。
| 連携先 | 研究テーマ |
| 北海道大学 | ウシルーメンにおけるメタン発生抑制法の開発 |
| 徳島大学 | ブタにおける温室効果ガス排出に関する研究 |
f. 環境に配慮した消費動向の強まり
(特定理由)
脱炭素が進む社会では、気候変動への関心が高まり、環境対応が進む企業や商品が選ばれやすくなることが予想されます。当社グループは、サステナビリティ価値を実現し、消費者に伝えることがますます重要になると認識しております。
このため、グループ全体で持続可能な社会の実現に向けた取組みを推進し、サステナブルな商品・サービスを提供することを目指しております。さらに、消費者の期待に応えるため、持続可能性に配慮したパッケージングや、環境負荷の低い商品開発等も積極的に取り組んでおります。
(対応状況)
当社グループでは、プラスチック使用量の削減を通したCO2排出量の削減に取り組んでおります。
「中華名菜®」のノントレイ化を実施したことで、プラスチック使用量を2022年より約21%削減し、さらに、2023年には対象商品を拡大しました。また、主要ウインナー商品の包装形態をエコ・ピロタイプへ変更したことで、包装資材重量を2022年より28%削減しました。
その他にも、2024年より「石窯工房®」の包装形態の変更や包装サイズの見直しを行い、トレイサイズを2.4%削減しました。「Isey SKYRシリーズ」では、2022年より容器をプラスチックから紙に変更し、また、加工食品の一部製品や鶏肉「桜姫®」及び「北のこめこっこ®」では、包装原料の一部にバイオマス素材を使用したプラスチックを利用する等の取組みを展開しております。
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| 中華名菜® 包装からトレイをなくし、プラスチック使用量を約21%削減(※) ※2021年中華名菜15品中10品の出荷数に基づき算定 | 主力ウインナー商品 包装形態を巾着タイプからエコ・ピロタイプへ変更し包装資材重量28%削減(※) ※「シャウエッセン®」巾着127g 2束と比較(フィルム重量比) | 桜姫®、北のこめこっこ® 包材プラスチックの一部にバイオマス素材を使用 |
g. 新たんぱく質市場の拡大
(特定理由)
将来的には世界人口増によるたんぱく質需要の増大を背景に、畜肉市場に加えて新たんぱく質を含めた市場の拡大が見込まれます。さらに、健康への意識向上や、脱炭素社会への移行に伴う消費者意識の変化や技術革新等も背景となり、新たんぱく質市場は大きな成長が予想されます。外部機関が公開している新たんぱく質の将来市場規模の推計値には幅がありますが、脱炭素への移行が進むシナリオにおいては、グローバルで数十兆円超規模の市場が見込まれており、中長期的に大きな事業機会が生まれることが予想されることから、引き続き研究開発に取り組んでおります。
(対応状況)
当社グループでは、植物由来商品である「ナチュミート」シリーズをコンシューマ向け、外食・流通企業向け双方で展開しており、さらに海外での展開も検討しております。
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また、水産物代替品の開発を進め、フィッシュ風フライに加え、マグロ刺身やポップコーンシュリンプ等の商品開発を実施しております。
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| プラントベース マグロ刺身タイプ | プラントベース ポップコーンシュリンプ |
家畜由来の細胞を大量に増やして食品とする細胞性食品(培養肉)に関して、外部研究機関やスタートアップとの共同研究を実施しております。コストの高い動物血清を使用しない、食品を主成分とした培養液を使用し、これまでより安価に細胞を培養する方法の開発等、将来の商品化に向けた研究を行っております。
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| 当社技術を用いて作成した細胞性食品の試作品 |












