有価証券報告書-第93期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/27 13:49
【資料】
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【項目】
116項目

研究開発活動

当社グループの研究開発活動につきましては、砂糖事業、フードサイエンス事業を中心とする当社事業の更なる拡大発展とこれら事業を核とする「さとうきび総合企業」を目指した新規領域への展開を引き続き実施いたしました。なお、当連結会計年度にかかる研究開発費用の総額は1,022百万円であります。
主な内容は、以下の通りであります。
砂糖事業
砂糖事業に関する研究開発活動としては、加工糖、甘蔗糖、てん菜糖の連結子会社・関連会社を活用した砂糖新商品開発とその用途開発に取組んでおります。また、北海道糖業㈱においては、てん菜の生産性向上を目的として農事技術の試験研究を、タイ国製糖事業関連ではタイ東北部でさとうきび栽培改善試験や農業機械改良に関する共同研究を行っております。
フードサイエンス事業
当社フードサイエンス事業に関する研究開発活動は主に「パラチノース」と「さとうきび抽出物」に関する取組みを行っております。
「パラチノース」は、血糖値上昇抑制等の効果を有しており、生活習慣病予防の有望な素材と位置付け、研究開発及びパブリシティー活動を積極的に推進しております。特にスポーツ分野への応用など販路拡大の取組みにより、採用が進んでおります。また、パラチノースの認知度向上を目的にメディアなどを通じたPR活動を行いテレビや新聞で広く報道されました。
「さとうきび抽出物」に関しては、呈味改善、環境消臭、飼料、黒糖香気用途の各製品の用途開発や機能性研究を進めております。新規領域では、免疫調節、抗ストレス等に着目した機能性開発を産学共同で取組んでおります。また、さとうきび抽出物の新機能探索として抗糖化、抗炎症、抗菌等の試験を実施しております。この結果、動物試験レベルでの抗糖化作用が確認されました。
連結子会社の㈱タイショーテクノスにおいては食品添加物、色素、除菌剤・防腐剤について、ニュートリー㈱においては栄養療法食品・嚥下障害対応食品についてそれぞれ製剤開発・商品開発に取組んでおります。また、グループ各社の研究開発連携を進めており、各社製品を活用した商品開発を進めております。
その他
新たな事業領域に向けた研究開発活動では、バガス(さとうきびの搾汁後に残る固形物)の高度利用に取組んでおります。環境省委託事業として東レ㈱と共同実施したバガス原料のエタノール発酵技術開発では、バガスからオリゴ糖やポリフェノールを製造する技術を確立の上、整腸効果(プレバイオティック効果)を確認し、委託事業を完了いたしました。また、タイ国におけるバガス原料セルロース糖製造事業がNEDO(国立研究開発法人新エネルギー・産業技術総合開発機構)委託事業に採択され、東レ㈱、三井物産㈱と共同で取り組みを開始し、技術実証を通じた事業化検討のため東レ㈱と合弁でCellulosic Biomass Technology Co.,Ltd.を設立いたしました。さとうきびの裁培から製糖副産物利用や周辺領域への展開について検討を進めております。また、これまで蓄積してきた特許、ノウハウ等知的財産権としてその有効利用を図っております。