有価証券報告書-第125期(平成31年1月1日-令和1年12月31日)

【提出】
2020/03/25 13:09
【資料】
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【項目】
151項目

対処すべき課題

文中の将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において判断したものであります。
経営環境及び対処すべき課題
当社グループを取り巻く経済環境につきましては、雇用・所得環境の改善傾向が続き、景気は緩やかに回復していくことが期待されております。一方で、消費税率引上げによる消費者マインドの悪化に加え、東京オリンピック・パラリンピック閉会後の景気停滞の懸念、さらには一部原材料価格の上昇、人手不足による人件費上昇の懸念もあり、経営環境は厳しい状況が続くと予想されます。また、食品の安全・安心をめぐる消費者の関心は一層高まっており、食品会社にとって重要な課題となっております。このような状況にあって当社グループは、「常により良い商品と最善のサービス(ベストクオリティ・ベストサービス)を通じて、お客様ご家族に、おいしさ、楽しさ、満足を提供する」という経営理念のもと、事業環境の変化に迅速に対応するため、全従業員が新たな課題に果敢に取り組み、自らの持てる力を存分に活かす意識作りを行い、業績の向上につとめてまいります。この実現のため、従業員教育の充実、働き方改革にも継続して取り組みます。さらに、HACCP(国際的な衛生管理手法)を含め、事業の基盤となる食品安全衛生管理を着実に実行するとともに、労災ゼロ、異物混入クレームゼロを目標に、業務に取り組んでまいります。
なお、次期は「ペコちゃん」の生誕70周年に当たり、各事業を横断してキャンペーンを実施するとともに記念製品を随時発売するほか、社会活動においても「ペコちゃん」を通して当社の活動を発信してまいります。
各事業における対処すべき課題は次のとおりです。
[洋菓子事業]
単体の洋菓子においては、利益の回復という課題に対し、洋菓子チェーン店の売上確保、広域流通企業との取り組みの拡大をはかり、収益性の向上に取り組んでまいります。
洋菓子チェーン店の売上確保については、地域に根差す食品スーパー等との納品取引を強化し、納品店業態の拡大をはかる一方、百貨店や主要駅の商業施設へ高付加価値製品を中心とした品揃えの店舗の出店を進めてまいります。製品面では、産地・品種にまでこだわった原料を使用した魅力ある製品の開発・販売を加速、さらに既存店では、立地と店舗規模に即した最適な製品構成・棚割りを進めます。店舗運営では、ITシステムのさらなる活用により、発注の最適化による販売機会損失や製品ロスの低減に加え、人件費管理を強化するなど効率化を促進してまいります。
広域流通企業との取り組みについては、主力生産ラインを有効に活用できる製品の開発・提案を積極的に行い、さらに、外食チェーンをはじめとする幅広い企業へ販路を拡大し、売上の伸長をはかります。また配送の共同化に取り組み物流の効率化を進めるなど、グループシナジーを活用してまいります。
㈱スイートガーデンにおいては、チェーン店の売上確保と広域流通企業との取り組みを強化するとともに、ITシステムの導入により店舗運営の効率化をはかり、加えて製品開発・生産・営業・物流等で当社との連携を強化し、収益性の向上につとめてまいります。
㈱ダロワイヨジャポンにおいては、製品個々の基本品質の向上、規格の見直し及び新製品の開発を促進するとともに、百貨店等との取引の拡大、新たな販路の開拓などにより売上の回復につとめてまいります。また、当社購買部門や物流部門との連携により、引き続きコスト管理の強化をはかってまいります。
レストランにおいては、ライフスタイルや市場環境の変化に対応した健康志向メニュー等、メニューの強化に取り組むとともに、シニア向けをはじめ、客層に応じた集客施策を進めてまいります。一方で、ITシステムを人手不足対策にも活用するなど、店舗運営の効率化に取り組んでまいります。
[製菓事業]
菓子においては、収益性の向上という課題に対し、主力ブランドの強化・拡大をはかり、主力生産ラインの稼働を促進させて生産性向上に取り組んでまいります。
製品面では、引き続き『健康・グルメ』をテーマとした新製品開発を促進してまいります。「カントリーマアム」をはじめ、主力製品において基本品質の向上を進めるとともに、増強した主力大型生産ラインを活用した大袋製品の拡販をはかり、さらにお客様の幅広いニーズに対応し、機能性を訴求した製品や高付加価値製品を開発・販売してまいります。同時に、キャンペーンやSNS等を活用した販売促進活動を多方面で展開してブランドの強化をはかります。
販売面では、地域別に伸長する販売チャネルに注力した製品提案を一層強化してまいります。また、引き続き東南アジア各国の市場を中心とした輸出を進め、売上の伸長をはかります。
これらの施策によって、主力ブランドを中心とした生産ラインの稼働を促進させるとともに、包材のダウンサイジングによる原材料費や物流費の削減等のコスト管理を強化することにより収益性の向上につとめてまいります。
飲料においては、「ネクター」、「レモンスカッシュ」の2大ブランドを中心に、広域流通企業向け新製品の開発・提案を積極的に行い、売上の回復をはかります。
不二家(杭州)食品有限公司においては、売上の主力である「ポップキャンディ」に加え、製造・販売を開始したビスケット製品のさらなる拡販に取り組んでまいります。また、代理店と連携し、中国で拡大するインターネット通販市場向けの製品の開発・販売を引き続き推進し、売上の伸長につとめます。
[その他]
通販・キャラクター事業、不動産賃貸事業及び㈱不二家システムセンターにつきましても、既存取引先との関係強化や新規顧客開拓を積極的に行い、売上の向上につとめてまいります。
当社グループを取り巻く環境は、厳しい状況が続いておりますが、前記の各施策を着実に実行し、業績の向上につとめてまいります。
また、親会社の山崎製パン㈱との連携を強化し、グループ全体の総合力を発揮して、持続的な企業価値の向上と不二家ブランドの強化につとめ、全事業の黒字化と安定した収益の確保を目指します。