有価証券報告書-第75期(平成28年4月1日-平成29年3月31日)

【提出】
2017/06/29 9:22
【資料】
PDFをみる
【項目】
107項目

業績等の概要

(1) 業績
当連結会計年度におけるわが国経済は、世界経済の改善を追い風として輸出企業を中心に景況感が上向いて、国内景気の緩やかな回復が見られました。しかし、生活防衛意識により個人消費は相変わらず力強さを欠き、足元の人手不足も深刻化しつつあり、景気の先行きには慎重な見方も根強く残りました。
当社グループの中核事業の一つである菓子・食品の市場におきましては、消費者の節約志向が強まるなかで、企業間の販売競争激化により膨らむ販売促進費などが企業収益を圧迫して、厳しい事業環境が続きました。
こうした情勢のもと、当社グループは、商品の品質向上と安全性確保のため品質管理体制の強化に引き続き注力するとともに、お客様の健康志向などにお応えする高機能な商品の提供ならびに積極的な販売促進活動を推進してまいりました。
以上の結果、当連結会計年度の売上高は、前連結会計年度比3.5%増の22,137百万円となりました。営業利益につきましては、数理計算上の差異に伴う退職給付費用の一時的な増加が利益の圧迫要因となりましたが、売上規模の拡大と売上原価率の低減などにより、前連結会計年度比15.4%増の556百万円となりました。また、経常利益は営業利益の改善に営業外収益645百万円などを計上して、前連結会計年度比8.4%増の1,030百万円となりました。親会社株主に帰属する当期純利益につきましては、特別利益に新株予約権戻入益106百万円を、特別損失に固定資産撤去費用引当金繰入額210百万円などを計上しました結果、前連結会計年度比14.9%増の877百万円となりました。
セグメント別の業績は、次のとおりであります。
食品事業
当連結会計年度におきましては、主力の菓子部門は「お客様に喜んで戴ける商品づくり」をテーマに新商品を投入して、「MYアルファベットチョコレートキャンペーン」などの販売促進活動を展開したことなどにより、売上が好調に推移して増収となりました。チョコレート類は、チョコレートの効能に関心が寄せられるなか、主力ブランドの「アルファベットチョコレート」や「まろやかミルクチョコレート苺」などのファミリータイプの商品および受託商品が売上を伸ばして、増収となりました。キャンディ類は、自社商品の売上が伸長して増収となりました。
粉末飲料部門は、ココアの健康効果が注目されるなか、レシピ提案サイトとのコラボレーションなどの販売促進活動を展開しましたところ、「香り高いミルクココア」や「乳酸菌ココア」などのココア類の売上が大きく拡大して、増収となりました。
また、主として九州地区で製造・販売している冷菓部門は、自社商品が健闘し売上を伸ばしましたが、受託商品の売上が落ち込み減収となりました。
そのほか、連結子会社の株式会社エースベーカリーは、積極的な商品提案活動を継続しましたところ、主力のバウムクーヘン類の売上が減少しましたが、ゼリー類が自社商品、受託商品ともに好調に売上を伸ばし、増収となりました。
これらの結果、食品事業の売上高は前連結会計年度比4.4%増の19,684百万円となりました。営業利益につきましては、販売促進費の増加などが利益の圧迫要因となりましたが、売上原価率の改善などにより、前連結会計年度比23.6%増の1,003百万円となりました。
化成品事業
酵素部門につきましては、海外企業との販売競争が激化するなか、円高の影響も受けました。脂肪分解酵素「リパーゼ」の売上は増加しましたが、チーズ用凝乳酵素「レンネット」が苦戦を強いられて売上を落とし、減収となりました。
また、薬品部門につきましては、医薬品、X線フィルムなどの原料用の「デキストラン」は売上を落としましたが、「デキストラン」の誘導体の売上が伸長して、前連結会計年度並みの売上となりました。
これらの結果、化成品事業の売上高は前連結会計年度比4.2%減の2,149百万円となり、営業利益につきましては前連結会計年度比55.3%減の108百万円となりました。
不動産事業
不動産事業につきましては、事務所や駐車場の賃貸契約の増加などにより、売上高は前連結会計年度比5.8%増の304百万円となり、営業利益は前連結会計年度比9.6%増の112百万円となりました。
(2) キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度末における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ4,431百万円増加し、7,232百万円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの主な要因は次のとおりであります。
営業活動の結果得られた資金は、前連結会計年度に比べ369百万円減少し、1,890百万円となりました。当連結会計年度における資金の主な増加要因は、減価償却費1,044百万円および税金等調整前当期純利益920百万円であり、主な減少要因は、法人税等の支払額403百万円であります。
投資活動の結果使用した資金は、前連結会計年度に比べ1,720百万円増加し、2,166百万円となりました。当連結会計年度における資金の主な増加要因は、有価証券及び投資有価証券の売却及び償還による収入608百万円であり、主な減少要因は、有形固定資産の取得による支出2,673百万円であります。
財務活動の結果得られた資金は、4,707百万円となりました。資金の主な増加要因は、長期借入れによる収入5,836百万円であり、主な減少要因は、長期借入金の返済による支出596百万および配当金の支払額337百万円であります。なお、前連結会計年度の財務活動の結果は、818百万円の資金の減少でありました。