有価証券報告書-第91期(平成26年1月1日-平成26年12月31日)
有報資料
当連結会計年度における財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの分析は、以下のとおりです。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来に関する事項には不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。また、海外の連結子会社は、米国会計基準又は国際財務報告基準に準拠しております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、ならびに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループは、過去の実績又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しています。
以下、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明します。
① 棚卸資産の評価
「商品及び製品」、「原材料及び貯蔵品」等の棚卸資産につきましては、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成18年7月5日公表分)を適用しており、評価基準は原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)としています。市場価格が下落した場合には、棚卸資産の簿価を切下げ、売上原価を増加させる会計処理を行っています。
② 投資有価証券の減損
投資有価証券の時価の下落が著しく、かつ回復可能性があると認められない株式などについては、減損処理を行っています。時価のある投資有価証券については、連結決算日における時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合は全ての銘柄について、減損処理を行っており、30%以上50%未満下落した場合は、個々の銘柄について、その時価が取得原価を下回っている期間と程度、予測される時価の回復の可能性、及び、財政状態を精査し、必要と認められた額の減損を行っています。また、時価のない投資有価証券については実質価額が取得原価に比べて50%以上下落した場合は回復の可能性及び財政状態を精査し、減損処理を行っています。
③ 固定資産の減損
当連結会計年度において、収益性低下などにより投資額の回収が困難と見込まれる事業用資産について減損処理を行っています。なお、前述以外の固定資産についての回収可能性は、将来の収益計画に基づき判断していますが、将来の収益獲得が見込めなくなった場合は、減損損失が発生することで当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
また、海外の連結子会社は、米国会計基準又は国際財務報告基準に準拠し減損処理を行っております。
④ 貸倒引当金
貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権などについては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。相手先の財務状況が悪化した場合は、貸倒引当金を積み増すことで、当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来における課税所得の見積りにより影響を受けます。市場環境や経営成績の悪化により、将来の課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が取崩されることにより、当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
⑥ 退職給付に係る負債及び退職給付費用
退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算には、割引率、年金資産の期待運用収益率などの基礎率に見積りの要素が含まれており、これら基礎率の変動により当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は5,187億円(前期比89億円、2%増)となりました。報告セグメント別の売上高は次のとおりです。
[国内酒類事業]
国内酒類事業においては、ビール類合計の売上数量が前期を上回り、また、商品多層化の基盤となるRTDやワイン、洋酒、和酒等の売上を順調に伸ばし、2,818億円(前期比69億円、3%増)となりました。
[国際事業]
国際事業においては、ベトナムでの売上数量が引き続き伸張を続けていることに加え、円安の影響もあり、496億円(前期比14億円、3%増)となりました。
[食品・飲料事業]
食品・飲料事業においては、海外飲料の売上数量が前期を上回ったこともあり、1,334億円(前期比27億円、2%増)となりました。
[外食事業]
外食事業においては、入居ビル建て替えによる基幹店舗の休業もあり、263億円(前期比4億円、2%減)となりました。
[不動産事業]
不動産事業においては、「恵比寿ガーデンプレイス」の大型テナントの賃貸契約終了による一時的な稼働率低下と、再開発物件の不稼働期間中の賃料収入減少等があり、215億円(前期比12億円、6%減)となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、国内酒類事業の売上高増加や円安の影響もあり、3,363億円(前期比67億円、2%増)となりました。なお、売上原価の売上高に対する比率は、原材料コストの高騰により国内酒類事業、国際事業及び食品・飲料事業の製造原価が増加したことにより0.2ポイント増加し、64.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、国内酒類事業の販売費増加等もあり、1,676億円(前期比27億円、2%増)となりました。
③ 営業利益
営業利益は、147億円(前期比6億円、4%減)となりました。報告セグメント別の営業利益は次のとおりです。
[国内酒類事業]
国内酒類事業では、販売費の積極的な投入による増加はありましたが、ビール類の販売数量が前期を上回ったことに加え、一般管理費のコストコントロールにより、営業利益は102億円(前期比3億円、3%増)となりました。
[国際事業]
国際事業では、北米における原料高騰と販売費の増加、また、ベトナムでの販売費の増加もあり、営業利益は1
億円(前期比10億円、86%減)となりました。
[食品・飲料事業]
食品・飲料事業では、海外飲料の増収に加え国内飲料事業でのコストコントロールにより、営業利益は1億円(前期は14億円の損失)となりました。
[外食事業]
外食事業では、既存店や新規店の売上は好調に推移したものの、原材料価格等の調達コストや人件費の上昇等もあり、営業利益は2億円(前期比1億円、30%減)となりました。
[不動産事業]
不動産事業では、保有不動産の再開発に伴う賃料収入の減少等もあり、営業利益は76億円(前期比9億円、11%減)となりました。
④ 営業外損益及び経常利益
営業外損益は、営業外収益28億円から営業外費用29億円を差引き、1億円のマイナスとなりました。受取利息及び受取配当金から支払利息などを差引いた金融収支については、調達金利の低減が寄与したことで、前連結会計年度より改善し13億円のマイナスとなりました。
その他営業外損益としては、円安による為替差益5億円などがありました。
以上の結果、経常利益は145億円(前期比5億円、4%減)となりました。
⑤ 特別損益
特別利益は47億円となりました。主な内訳としては固定資産売却益などです。
特別損失は165億円となりました。主な内訳としては、以下のとおりです。
固定資産除却損は21億円となりました。主に「サッポロ銀座ビル」の再開発に伴う解体撤去費用や、ビール製造設備、飲料水製造設備に伴うものです。
減損損失は8億円となりました。主に食品・飲料事業の子会社の収益性低下等によるもの、外食事業の不採算の飲食店舗を閉鎖したことによるものです。詳細につきましては「連結損益計算書関係」の注記に記載のとおりです。
支払補償費は17億円となりました。主に「サッポロ銀座ビル」の再開発にかかる退去に伴う諸費用です。
酒税追加支払額等は116億円となりました。主に国内酒類事業で「極ZERO」の税率適用区分を自主的に修正申告したことに伴う酒税納付額の差額などです。
⑥ 法人税等及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を合わせた税金費用合計は25億円で、税金等調整前当期純利益に対する負担率は96%です。法定実効税率(38%)との差につきましては、主にのれんの償却費の損金不算入によるものです。詳細につきましては「税効果会計関係」の注記に記載のとおりです。
以上の結果、当期純利益は3億円(前期比91億円、96%減)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、概ね「4.事業等のリスク」に記載のとおりです。
中でも、当社グループでは海外での事業展開を進めており、日本国内の景気動向のみではなく、事業活動を行っている国・地域の経済動向及びその他の要因により影響を受ける可能性があり、リスク管理体制を一層強化する取り組みを進めます。
経営環境が依然として不透明な状況が続く中、環境変化への対応力を一層高める取り組みを進めます。
(4)事業戦略と見通し
次期は、「サッポログループ経営計画2015年-2016年」に基づいた成長戦略を加速させ、特徴のある「食のメーカー」として存在感を示すとともに平成28年度の財務目標達成を目指します。また、当社グループは、安定的に利益を生み出す国内酒類事業と不動産事業を柱として、将来の成長に向けた国際事業、食品・飲料事業への投資、将来の成長の芽となる研究開発投資を進めています。
[国内酒類事業]
国内酒類業界は、飲酒人口の減少や、嗜好・飲用シーンの多様化が進み、引き続き厳しい市場環境が予想されます。
このような中で、国内酒類事業は、平成26年より新たなビジョンとして「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を掲げ、「乾杯をもっとおいしく。」をコミュニケーションメッセージに据えながら、当社グループならではの価値のご提供を積み重ねることで、引き続き更なる成長を目指します。
ビール類については、基軸ブランドの更なる価値向上に取り組み、4年連続の販売数量前年実績越えを目指します。特に、「ヱビス」「サッポロ生ビール黒ラベル」「麦とホップ The gold」「極ZERO」に経営資源を集中します。また、近年成長しているクラフトビール市場に参入します。「ビール文化の創造」をテーマに、今までには無い価値を生み出し、新しいビジネスモデルでの事業構築を図っていきます。当社グループが培ってきた醸造技術や原料へのこだわりを活かした商品を発売する予定です。
RTDについては、「男梅サワー」を筆頭に、コラボレーションによる独自価値の提案を引き続き行います。
ワインについては、「高品質の追求」をテーマに、国産ぶどう100%プレミアムワイン「グランポレール」で新商品を投入するほか、輸入ワインでは、成長する中高級価格ワイン市場に対応します。一方で、「ポレール サングリア リコ」シリーズや、樽詰スパークリングワイン「ポールスター」の更なる拡大を図り、カジュアルにワインを楽しめる取り組みを継続していきます。
焼酎については、好調な甲乙混和芋焼酎「こくいも」に加え、本格焼酎「和ら麦」「からり芋」でソーダ割りの提案を進めます。また、「3種の贅沢ポリフェノール 赤梅酒」を中心に機能プラス系梅酒をシリーズ化します。
洋酒については、世界販売量・販売金額No.1ラム「バカルディ」をはじめとして、「ボンベイ・サファイア」、「デュワーズ」、「マルティーニ」に注力します。特に「バカルディ」では、人気が定着してきた「モヒート」をさらに強化します。
事業全体では、為替相場により原料・資材コストが影響を受けるものの、更なるブランド価値向上に向けた効果的かつ機動的な販売費の投下を行うとともに、その他のコスト削減にも引き続き取り組み、利益計画の達成を目指します。
[国際事業]
北米においては、雇用情勢の改善、株高を背景に緩やかな成長が見込まれるものの、米国での利上げ観測、そしてカナダでは原油価格の下落による景気への影響が懸念されており、北米のビール市場の総需要はほぼ横ばい圏に留まるものと見込まれます。一方、人口増加及び堅調な経済成長を背景に、アジアのビール市場は引き続き成長を続けていくものと見込まれます。
このような中で、国際事業は、重点エリアである北米及び東南アジアにおいて「サッポロ」をはじめとしたプレミアムブランドの浸透を図り、同市場におけるグループ独自の地位を築いていきます。
カナダ市場においては、「スリーマン社」が主力プレミアムブランドにTVCMの放映や屋外イベントの実施等ブランド価値の維持・向上のためのマーケティング投資を継続し、バリューブランドには伸びが期待できるエリアに営業人員を投入します。これにより、プレミアムブランドとバリューブランドの合計で総需要の伸びを上回る売上数量達成を目指します。
米国市場においては、「サッポロUSA社」が従来からの日系市場への取り組みに加えて、米国一般市場やアジア系市場への展開を一層強化することにより、総需要の伸びを上回る売上数量達成を目指します。また、米国の飲料市場においては、「シルバー スプリングス シトラス社」に加え、業務用飲料に強みを持つ「カントリー ピュア フーズ社」の事業基盤を活用する等両社のシナジーを最大化することで、売上拡大と収益向上を図っていきます。
北米以外においては、東南アジアをはじめとする成長市場への積極展開による売上増を図るとともに、新たな市場の開拓も視野に入れながら国際事業の基盤強化と更なる事業発展を図っていきます。ベトナム市場においては、「サッポロ」ブランド構築に向けて、効果的・効率的なマーケティング投資とターゲットを明確にした営業活動により、売上拡大と収益改善を図ります。韓国市場においては、業務提携先の販売網を活用して、同国内の家庭用及び業務用市場へのビール販売数量増加を加速していきます。オセアニア市場においては、現地でのライセンス生産を核として同市場での「サッポロ」ブランドの販路拡大に取り組みます。また、シンガポール市場においては、グループ内のシンガポール子会社と協働して同国内の家庭用市場を中心に販路拡大を推進していきます。
[食品・飲料事業]
国内飲料業界は、消費税増税による影響は一巡したものの、消費者の低価格志向は継続し、総需要の伸びは厳しいものと推定されます。また、為替の影響や主要原材料の値上げ等コスト増加要因も見込まれ、依然として厳しい経営環境が予想されます。
このような中で、国内の食品・飲料事業は、徹底したローコストオペレーションを図り、今後の成長に向け安定的に利益を生み出せる体制を目指します。また、“毎日の生活に彩りと輝きをくわえる、新しい「おいしい」を次々と生み出し続けます“というビジョンの下、顧客視点を徹底し、カテゴリーやブランドごとのマーケティングプランを立案・実現していきます。
国内食品飲料においては、飲料既存ブランド「アロマックス」「Ribbon」「がぶ飲み」や平成26年4月に発売した無糖炭酸水「GREEN SHOWER」等、ブランドごとの販促策を展開していきます。レモン・ナチュラルフードについては、食品の基幹ブランドである「ポッカレモン100」のプレミアムタイプを発売する等、調味用途・飲用用途拡大を訴求していくとともに新しいコンセプトの製品を積極的に展開します。飲料でも基幹ブランド「キレートレモン」の価値観を生かした新製品開発により、「レモンのリーダー」としてのポジションをさらに盤石にしていきます。好調が続くスープ・食品については、「じっくりコトコト」のラインナップ強化、「こんがりパン」ではフレーバーの見直しによるブランド強化を目指します。また、新製品開発も積極的に進め、インスタントスープ市場での新しい価値提案に取り組んでいきます。業務用については、ポッカレモン、アルコールの割材飲料、粉末茶、粉末スープ等でグループシナジーを生かしながら売上拡大を図っていきます。
国内外食においては、平成26年11月に20周年をむかえた「カフェ・ド・クリエ」において、アニバーサリー企画を展開し、更なるブランド価値の向上と成長の加速を図っていきます。
海外飲料においては、東南アジア各国での競争がさらに激化すると見込まれますが、主力のシンガポール市場で茶飲料のトップシェアを維持しながら、新規カテゴリーでの成長を図っていきます。また、輸出先においてはエリアの優先順位をつけながらその国・地域に合った商品提案を行い、売上拡大を目指します。平成26年に生産を開始したマレーシア新工場の稼働率向上とともに、コストダウンの推進、SCM機能の強化を推進し、成長への基盤構築を図っていきます。
[外食事業]
国内外食業界は、円安の進行に伴う価格の上昇や採用コストの高止まりに加え、小売業との業界を超えた競争の激化により引き続き厳しい経営環境が継続するものと想定されます。
このような中で、外食事業は、引き続き「お客様へ100%満足の提供」を軸に、基本となるサービスレベルの向上を図るとともに、安全・安心な商品の提供に向けた取り組みを進めます。
また、新たなファン拡大の施策として、平成26年12月より導入したポイントカード「クラブ LION CARD」の会員数を拡大し、より多くのお客様にご来店いただき、満足される店舗づくりを進めます。
新規出店については、基幹業態である「銀座ライオン」や「ヱビスバー」を軸に展開するとともに、既存業態のブラッシュアップによる収益改善に取り組みます。
海外においては、シンガポールでの「銀座ライオン」ブランドの定着に向けて取り組みを進めるとともに、周辺諸国への展開に向けた検討を開始します。
[不動産事業]
不動産業界は、首都圏オフィス賃貸市場において、空室率改善、賃料水準上昇等、市況を取り巻く環境は更なる回復が期待されていますが、一定水準の新規オフィスビルの供給も見込まれていることから賃料上昇ペースは緩やかなものと予想されています。一方、法人減税等による企業の経済活動の活発化に伴うオフィス需要の増加も期待されます。
このような中で、当社の不動産賃貸は、ハード・ソフト両面における競争力強化に努め、引き続き保有物件の稼働率及び賃料水準の向上に取り組んでいきます。
中核施設である「恵比寿ガーデンプレイス」では、平成26年5月の大型テナントの賃貸契約終了から一時的に低下した稼働率が回復していますが、さらに街全体のより一層のブランド力強化と利便性向上を図るため商業区画をはじめとする各エリアにおいてバリューアップを推進していきます。また、災害対応等、安心・安全レベルの向上にも引き続き取り組みます。平成26年9月に竣工した「恵比寿ファーストスクエア」は通年稼働することにより収益に貢献します。
不動産開発では、「銀座5丁目再開発計画」(※)において、着実に計画を推進し、銀座のランドマークに相応しい新しい情報発信拠点となる施設を目指します。
また、今後も引き続き不動産事業全体の価値向上を図るために保有物件ポートフォリオの見直しに取り組んでいきます。
(※)「銀座5丁目再開発計画」:銀座の中心である銀座四丁目交差点に面する敷地面積約644㎡において進めている再開発計画。
(5)当連結会計年度末の連結財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末の総資産は、償却によるのれんの減少等があった一方、機械装置及び運搬具、投資有価証券の増加等によって、前連結会計年度末と比較して86億円増加し、6,254億円となりました。
②負債
負債は、短期借入金の減少等があった一方、長期借入金、社債(1年内償還予定の社債を含む)の増加等によって、前連結会計年度末と比較して40億円増加し、4,654億円となりました。
③純資産
純資産は、期末配当の実施による減少等があった一方、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加等によって、前連結会計年度末と比較して46億円増加し、1,600億円となりました。
④経営指標
流動比率は、受取手形及び売掛金の増加などの要因により、流動資産が90億円増加し、短期借入金の返済などの要因により、流動負債が155億円減少したことにより、前連結会計年度の64.8%から73.8%に9.0ポイント増加しました。
自己資本比率は、「③純資産」に記載のとおりその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定等の増加に伴って自己資本が増加したことにより、前連結会計年度の24.6%から25.0%に増加しております。
自己資本当期純利益率(ROE)は、「(2)当連結会計年度の経営成績の分析」に記載のとおり当期純利益が前年同期比で減益となったことにより、前連結会計年度の6.7%から0.2%に減少しております。
D/Eレシオ(金融負債÷純資産)は、純資産の増加により前連結会計年度の1.6倍から1.5倍に減少しております。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ17億円(15%減)減少し、当連結会計年度末には97億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果得られた資金は、222億円(前期比105億円、32%減)となりました。これは主に、減価償却費244億円、未払消費税等の増加額42億円、のれん償却額37億円等による増加要因と、法人税等の支払額76億円、利息の支払額25億円、たな卸資産の増加額14億円等の減少要因によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果使用した資金は、172億円(前期比39億円、30%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出173億円等があったことによるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果使用した資金は、73億円(前期比118億円、62%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入256億円、社債の発行による収入99億円等があった一方、長期借入金の返済による支出384億円、ファイナンス・リース債務の返済による支出33億円、配当金の支払額27億円等があったことによるものです。
②資金の流動性について
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を当社が一元管理しています。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っています。
③資金の調達
現在そして将来の営業活動及び債務の返済などの資金需要に備え十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めています。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、金融機関などからの借り入れによって調達しています。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、概ね「3.対処すべき課題」に記載のとおりです。
特に今後の方針につきましては、新たに策定した「サッポログループ経営計画2015年-2016年」のもと、取り組みを推進します。
なお、文中における将来に関する事項は、当連結会計年度末現在において当社グループが判断したものであり、将来に関する事項には不確実性を内在しており、あるいはリスクを含んでいるため、将来生じる実際の結果と大きく異なる可能性があります。
(1)重要な会計方針及び見積り
当社グループの連結財務諸表は、我が国において一般に公正妥当と認められている会計基準に基づいて作成されています。また、海外の連結子会社は、米国会計基準又は国際財務報告基準に準拠しております。
連結財務諸表の作成においては、連結会計年度末日における資産・負債の金額及び偶発債務の開示、ならびに連結会計年度における収益・費用の適正な計上を行うため、見積りや前提が必要となります。当社グループは、過去の実績又は各状況下で最も合理的と判断される前提に基づき見積りを実施しています。
以下、当社グループの財政状態、経営成績及びキャッシュ・フローの状況にとって重要であり、かつ相当程度の経営判断や見積りを必要とする重要な会計方針についてご説明します。
① 棚卸資産の評価
「商品及び製品」、「原材料及び貯蔵品」等の棚卸資産につきましては、「棚卸資産の評価に関する会計基準」(企業会計基準第9号 平成18年7月5日公表分)を適用しており、評価基準は原価法(貸借対照表価額は収益性の低下による簿価切下げの方法により算定)としています。市場価格が下落した場合には、棚卸資産の簿価を切下げ、売上原価を増加させる会計処理を行っています。
② 投資有価証券の減損
投資有価証券の時価の下落が著しく、かつ回復可能性があると認められない株式などについては、減損処理を行っています。時価のある投資有価証券については、連結決算日における時価が取得原価に比べて50%以上下落した場合は全ての銘柄について、減損処理を行っており、30%以上50%未満下落した場合は、個々の銘柄について、その時価が取得原価を下回っている期間と程度、予測される時価の回復の可能性、及び、財政状態を精査し、必要と認められた額の減損を行っています。また、時価のない投資有価証券については実質価額が取得原価に比べて50%以上下落した場合は回復の可能性及び財政状態を精査し、減損処理を行っています。
③ 固定資産の減損
当連結会計年度において、収益性低下などにより投資額の回収が困難と見込まれる事業用資産について減損処理を行っています。なお、前述以外の固定資産についての回収可能性は、将来の収益計画に基づき判断していますが、将来の収益獲得が見込めなくなった場合は、減損損失が発生することで当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
また、海外の連結子会社は、米国会計基準又は国際財務報告基準に準拠し減損処理を行っております。
④ 貸倒引当金
貸倒引当金は、債権の貸倒れによる損失に備えるため、一般債権については貸倒実績率により、貸倒懸念債権及び破産更生債権などについては個別に回収可能性を検討し、回収不能見込額を計上しています。相手先の財務状況が悪化した場合は、貸倒引当金を積み増すことで、当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
⑤ 繰延税金資産の回収可能性
繰延税金資産の回収可能性は、将来における課税所得の見積りにより影響を受けます。市場環境や経営成績の悪化により、将来の課税所得の見積額が減少した場合、繰延税金資産が取崩されることにより、当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
⑥ 退職給付に係る負債及び退職給付費用
退職給付に係る負債及び退職給付費用の計算には、割引率、年金資産の期待運用収益率などの基礎率に見積りの要素が含まれており、これら基礎率の変動により当社グループの連結財務諸表に影響を与える可能性があります。
(2)当連結会計年度の経営成績の分析
① 売上高
売上高は5,187億円(前期比89億円、2%増)となりました。報告セグメント別の売上高は次のとおりです。
[国内酒類事業]
国内酒類事業においては、ビール類合計の売上数量が前期を上回り、また、商品多層化の基盤となるRTDやワイン、洋酒、和酒等の売上を順調に伸ばし、2,818億円(前期比69億円、3%増)となりました。
[国際事業]
国際事業においては、ベトナムでの売上数量が引き続き伸張を続けていることに加え、円安の影響もあり、496億円(前期比14億円、3%増)となりました。
[食品・飲料事業]
食品・飲料事業においては、海外飲料の売上数量が前期を上回ったこともあり、1,334億円(前期比27億円、2%増)となりました。
[外食事業]
外食事業においては、入居ビル建て替えによる基幹店舗の休業もあり、263億円(前期比4億円、2%減)となりました。
[不動産事業]
不動産事業においては、「恵比寿ガーデンプレイス」の大型テナントの賃貸契約終了による一時的な稼働率低下と、再開発物件の不稼働期間中の賃料収入減少等があり、215億円(前期比12億円、6%減)となりました。
② 売上原価、販売費及び一般管理費
売上原価は、国内酒類事業の売上高増加や円安の影響もあり、3,363億円(前期比67億円、2%増)となりました。なお、売上原価の売上高に対する比率は、原材料コストの高騰により国内酒類事業、国際事業及び食品・飲料事業の製造原価が増加したことにより0.2ポイント増加し、64.8%となりました。
販売費及び一般管理費は、国内酒類事業の販売費増加等もあり、1,676億円(前期比27億円、2%増)となりました。
③ 営業利益
営業利益は、147億円(前期比6億円、4%減)となりました。報告セグメント別の営業利益は次のとおりです。
[国内酒類事業]
国内酒類事業では、販売費の積極的な投入による増加はありましたが、ビール類の販売数量が前期を上回ったことに加え、一般管理費のコストコントロールにより、営業利益は102億円(前期比3億円、3%増)となりました。
[国際事業]
国際事業では、北米における原料高騰と販売費の増加、また、ベトナムでの販売費の増加もあり、営業利益は1
億円(前期比10億円、86%減)となりました。
[食品・飲料事業]
食品・飲料事業では、海外飲料の増収に加え国内飲料事業でのコストコントロールにより、営業利益は1億円(前期は14億円の損失)となりました。
[外食事業]
外食事業では、既存店や新規店の売上は好調に推移したものの、原材料価格等の調達コストや人件費の上昇等もあり、営業利益は2億円(前期比1億円、30%減)となりました。
[不動産事業]
不動産事業では、保有不動産の再開発に伴う賃料収入の減少等もあり、営業利益は76億円(前期比9億円、11%減)となりました。
④ 営業外損益及び経常利益
営業外損益は、営業外収益28億円から営業外費用29億円を差引き、1億円のマイナスとなりました。受取利息及び受取配当金から支払利息などを差引いた金融収支については、調達金利の低減が寄与したことで、前連結会計年度より改善し13億円のマイナスとなりました。
その他営業外損益としては、円安による為替差益5億円などがありました。
以上の結果、経常利益は145億円(前期比5億円、4%減)となりました。
⑤ 特別損益
特別利益は47億円となりました。主な内訳としては固定資産売却益などです。
特別損失は165億円となりました。主な内訳としては、以下のとおりです。
固定資産除却損は21億円となりました。主に「サッポロ銀座ビル」の再開発に伴う解体撤去費用や、ビール製造設備、飲料水製造設備に伴うものです。
減損損失は8億円となりました。主に食品・飲料事業の子会社の収益性低下等によるもの、外食事業の不採算の飲食店舗を閉鎖したことによるものです。詳細につきましては「連結損益計算書関係」の注記に記載のとおりです。
支払補償費は17億円となりました。主に「サッポロ銀座ビル」の再開発にかかる退去に伴う諸費用です。
酒税追加支払額等は116億円となりました。主に国内酒類事業で「極ZERO」の税率適用区分を自主的に修正申告したことに伴う酒税納付額の差額などです。
⑥ 法人税等及び当期純利益
法人税、住民税及び事業税、法人税等調整額を合わせた税金費用合計は25億円で、税金等調整前当期純利益に対する負担率は96%です。法定実効税率(38%)との差につきましては、主にのれんの償却費の損金不算入によるものです。詳細につきましては「税効果会計関係」の注記に記載のとおりです。
以上の結果、当期純利益は3億円(前期比91億円、96%減)となりました。
(3)経営成績に重要な影響を与える要因について
当社グループの経営成績に重要な影響を及ぼすと思われる事項については、概ね「4.事業等のリスク」に記載のとおりです。
中でも、当社グループでは海外での事業展開を進めており、日本国内の景気動向のみではなく、事業活動を行っている国・地域の経済動向及びその他の要因により影響を受ける可能性があり、リスク管理体制を一層強化する取り組みを進めます。
経営環境が依然として不透明な状況が続く中、環境変化への対応力を一層高める取り組みを進めます。
(4)事業戦略と見通し
次期は、「サッポログループ経営計画2015年-2016年」に基づいた成長戦略を加速させ、特徴のある「食のメーカー」として存在感を示すとともに平成28年度の財務目標達成を目指します。また、当社グループは、安定的に利益を生み出す国内酒類事業と不動産事業を柱として、将来の成長に向けた国際事業、食品・飲料事業への投資、将来の成長の芽となる研究開発投資を進めています。
[国内酒類事業]
国内酒類業界は、飲酒人口の減少や、嗜好・飲用シーンの多様化が進み、引き続き厳しい市場環境が予想されます。
このような中で、国内酒類事業は、平成26年より新たなビジョンとして「オンリーワンを積み重ね、No.1へ」を掲げ、「乾杯をもっとおいしく。」をコミュニケーションメッセージに据えながら、当社グループならではの価値のご提供を積み重ねることで、引き続き更なる成長を目指します。
ビール類については、基軸ブランドの更なる価値向上に取り組み、4年連続の販売数量前年実績越えを目指します。特に、「ヱビス」「サッポロ生ビール黒ラベル」「麦とホップ The gold」「極ZERO」に経営資源を集中します。また、近年成長しているクラフトビール市場に参入します。「ビール文化の創造」をテーマに、今までには無い価値を生み出し、新しいビジネスモデルでの事業構築を図っていきます。当社グループが培ってきた醸造技術や原料へのこだわりを活かした商品を発売する予定です。
RTDについては、「男梅サワー」を筆頭に、コラボレーションによる独自価値の提案を引き続き行います。
ワインについては、「高品質の追求」をテーマに、国産ぶどう100%プレミアムワイン「グランポレール」で新商品を投入するほか、輸入ワインでは、成長する中高級価格ワイン市場に対応します。一方で、「ポレール サングリア リコ」シリーズや、樽詰スパークリングワイン「ポールスター」の更なる拡大を図り、カジュアルにワインを楽しめる取り組みを継続していきます。
焼酎については、好調な甲乙混和芋焼酎「こくいも」に加え、本格焼酎「和ら麦」「からり芋」でソーダ割りの提案を進めます。また、「3種の贅沢ポリフェノール 赤梅酒」を中心に機能プラス系梅酒をシリーズ化します。
洋酒については、世界販売量・販売金額No.1ラム「バカルディ」をはじめとして、「ボンベイ・サファイア」、「デュワーズ」、「マルティーニ」に注力します。特に「バカルディ」では、人気が定着してきた「モヒート」をさらに強化します。
事業全体では、為替相場により原料・資材コストが影響を受けるものの、更なるブランド価値向上に向けた効果的かつ機動的な販売費の投下を行うとともに、その他のコスト削減にも引き続き取り組み、利益計画の達成を目指します。
[国際事業]
北米においては、雇用情勢の改善、株高を背景に緩やかな成長が見込まれるものの、米国での利上げ観測、そしてカナダでは原油価格の下落による景気への影響が懸念されており、北米のビール市場の総需要はほぼ横ばい圏に留まるものと見込まれます。一方、人口増加及び堅調な経済成長を背景に、アジアのビール市場は引き続き成長を続けていくものと見込まれます。
このような中で、国際事業は、重点エリアである北米及び東南アジアにおいて「サッポロ」をはじめとしたプレミアムブランドの浸透を図り、同市場におけるグループ独自の地位を築いていきます。
カナダ市場においては、「スリーマン社」が主力プレミアムブランドにTVCMの放映や屋外イベントの実施等ブランド価値の維持・向上のためのマーケティング投資を継続し、バリューブランドには伸びが期待できるエリアに営業人員を投入します。これにより、プレミアムブランドとバリューブランドの合計で総需要の伸びを上回る売上数量達成を目指します。
米国市場においては、「サッポロUSA社」が従来からの日系市場への取り組みに加えて、米国一般市場やアジア系市場への展開を一層強化することにより、総需要の伸びを上回る売上数量達成を目指します。また、米国の飲料市場においては、「シルバー スプリングス シトラス社」に加え、業務用飲料に強みを持つ「カントリー ピュア フーズ社」の事業基盤を活用する等両社のシナジーを最大化することで、売上拡大と収益向上を図っていきます。
北米以外においては、東南アジアをはじめとする成長市場への積極展開による売上増を図るとともに、新たな市場の開拓も視野に入れながら国際事業の基盤強化と更なる事業発展を図っていきます。ベトナム市場においては、「サッポロ」ブランド構築に向けて、効果的・効率的なマーケティング投資とターゲットを明確にした営業活動により、売上拡大と収益改善を図ります。韓国市場においては、業務提携先の販売網を活用して、同国内の家庭用及び業務用市場へのビール販売数量増加を加速していきます。オセアニア市場においては、現地でのライセンス生産を核として同市場での「サッポロ」ブランドの販路拡大に取り組みます。また、シンガポール市場においては、グループ内のシンガポール子会社と協働して同国内の家庭用市場を中心に販路拡大を推進していきます。
[食品・飲料事業]
国内飲料業界は、消費税増税による影響は一巡したものの、消費者の低価格志向は継続し、総需要の伸びは厳しいものと推定されます。また、為替の影響や主要原材料の値上げ等コスト増加要因も見込まれ、依然として厳しい経営環境が予想されます。
このような中で、国内の食品・飲料事業は、徹底したローコストオペレーションを図り、今後の成長に向け安定的に利益を生み出せる体制を目指します。また、“毎日の生活に彩りと輝きをくわえる、新しい「おいしい」を次々と生み出し続けます“というビジョンの下、顧客視点を徹底し、カテゴリーやブランドごとのマーケティングプランを立案・実現していきます。
国内食品飲料においては、飲料既存ブランド「アロマックス」「Ribbon」「がぶ飲み」や平成26年4月に発売した無糖炭酸水「GREEN SHOWER」等、ブランドごとの販促策を展開していきます。レモン・ナチュラルフードについては、食品の基幹ブランドである「ポッカレモン100」のプレミアムタイプを発売する等、調味用途・飲用用途拡大を訴求していくとともに新しいコンセプトの製品を積極的に展開します。飲料でも基幹ブランド「キレートレモン」の価値観を生かした新製品開発により、「レモンのリーダー」としてのポジションをさらに盤石にしていきます。好調が続くスープ・食品については、「じっくりコトコト」のラインナップ強化、「こんがりパン」ではフレーバーの見直しによるブランド強化を目指します。また、新製品開発も積極的に進め、インスタントスープ市場での新しい価値提案に取り組んでいきます。業務用については、ポッカレモン、アルコールの割材飲料、粉末茶、粉末スープ等でグループシナジーを生かしながら売上拡大を図っていきます。
国内外食においては、平成26年11月に20周年をむかえた「カフェ・ド・クリエ」において、アニバーサリー企画を展開し、更なるブランド価値の向上と成長の加速を図っていきます。
海外飲料においては、東南アジア各国での競争がさらに激化すると見込まれますが、主力のシンガポール市場で茶飲料のトップシェアを維持しながら、新規カテゴリーでの成長を図っていきます。また、輸出先においてはエリアの優先順位をつけながらその国・地域に合った商品提案を行い、売上拡大を目指します。平成26年に生産を開始したマレーシア新工場の稼働率向上とともに、コストダウンの推進、SCM機能の強化を推進し、成長への基盤構築を図っていきます。
[外食事業]
国内外食業界は、円安の進行に伴う価格の上昇や採用コストの高止まりに加え、小売業との業界を超えた競争の激化により引き続き厳しい経営環境が継続するものと想定されます。
このような中で、外食事業は、引き続き「お客様へ100%満足の提供」を軸に、基本となるサービスレベルの向上を図るとともに、安全・安心な商品の提供に向けた取り組みを進めます。
また、新たなファン拡大の施策として、平成26年12月より導入したポイントカード「クラブ LION CARD」の会員数を拡大し、より多くのお客様にご来店いただき、満足される店舗づくりを進めます。
新規出店については、基幹業態である「銀座ライオン」や「ヱビスバー」を軸に展開するとともに、既存業態のブラッシュアップによる収益改善に取り組みます。
海外においては、シンガポールでの「銀座ライオン」ブランドの定着に向けて取り組みを進めるとともに、周辺諸国への展開に向けた検討を開始します。
[不動産事業]
不動産業界は、首都圏オフィス賃貸市場において、空室率改善、賃料水準上昇等、市況を取り巻く環境は更なる回復が期待されていますが、一定水準の新規オフィスビルの供給も見込まれていることから賃料上昇ペースは緩やかなものと予想されています。一方、法人減税等による企業の経済活動の活発化に伴うオフィス需要の増加も期待されます。
このような中で、当社の不動産賃貸は、ハード・ソフト両面における競争力強化に努め、引き続き保有物件の稼働率及び賃料水準の向上に取り組んでいきます。
中核施設である「恵比寿ガーデンプレイス」では、平成26年5月の大型テナントの賃貸契約終了から一時的に低下した稼働率が回復していますが、さらに街全体のより一層のブランド力強化と利便性向上を図るため商業区画をはじめとする各エリアにおいてバリューアップを推進していきます。また、災害対応等、安心・安全レベルの向上にも引き続き取り組みます。平成26年9月に竣工した「恵比寿ファーストスクエア」は通年稼働することにより収益に貢献します。
不動産開発では、「銀座5丁目再開発計画」(※)において、着実に計画を推進し、銀座のランドマークに相応しい新しい情報発信拠点となる施設を目指します。
また、今後も引き続き不動産事業全体の価値向上を図るために保有物件ポートフォリオの見直しに取り組んでいきます。
(※)「銀座5丁目再開発計画」:銀座の中心である銀座四丁目交差点に面する敷地面積約644㎡において進めている再開発計画。
(5)当連結会計年度末の連結財政状態の分析
①資産
当連結会計年度末の総資産は、償却によるのれんの減少等があった一方、機械装置及び運搬具、投資有価証券の増加等によって、前連結会計年度末と比較して86億円増加し、6,254億円となりました。
②負債
負債は、短期借入金の減少等があった一方、長期借入金、社債(1年内償還予定の社債を含む)の増加等によって、前連結会計年度末と比較して40億円増加し、4,654億円となりました。
③純資産
純資産は、期末配当の実施による減少等があった一方、その他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定の増加等によって、前連結会計年度末と比較して46億円増加し、1,600億円となりました。
④経営指標
流動比率は、受取手形及び売掛金の増加などの要因により、流動資産が90億円増加し、短期借入金の返済などの要因により、流動負債が155億円減少したことにより、前連結会計年度の64.8%から73.8%に9.0ポイント増加しました。
自己資本比率は、「③純資産」に記載のとおりその他有価証券評価差額金、為替換算調整勘定等の増加に伴って自己資本が増加したことにより、前連結会計年度の24.6%から25.0%に増加しております。
自己資本当期純利益率(ROE)は、「(2)当連結会計年度の経営成績の分析」に記載のとおり当期純利益が前年同期比で減益となったことにより、前連結会計年度の6.7%から0.2%に減少しております。
D/Eレシオ(金融負債÷純資産)は、純資産の増加により前連結会計年度の1.6倍から1.5倍に減少しております。
(6)資本の財源及び資金の流動性についての分析
①キャッシュ・フローの状況
当連結会計年度における現金及び現金同等物(以下「資金」という。)は、前連結会計年度末に比べ17億円(15%減)減少し、当連結会計年度末には97億円となりました。
当連結会計年度における各キャッシュ・フローの状況とそれらの要因は次のとおりです。
[営業活動によるキャッシュ・フロー]
営業活動の結果得られた資金は、222億円(前期比105億円、32%減)となりました。これは主に、減価償却費244億円、未払消費税等の増加額42億円、のれん償却額37億円等による増加要因と、法人税等の支払額76億円、利息の支払額25億円、たな卸資産の増加額14億円等の減少要因によるものです。
[投資活動によるキャッシュ・フロー]
投資活動の結果使用した資金は、172億円(前期比39億円、30%増)となりました。これは主に、有形固定資産の取得による支出173億円等があったことによるものです。
[財務活動によるキャッシュ・フロー]
財務活動の結果使用した資金は、73億円(前期比118億円、62%減)となりました。これは主に、長期借入れによる収入256億円、社債の発行による収入99億円等があった一方、長期借入金の返済による支出384億円、ファイナンス・リース債務の返済による支出33億円、配当金の支払額27億円等があったことによるものです。
②資金の流動性について
当社グループは、主要な連結子会社にキャッシュ・マネジメント・システム(CMS)を導入し、日本国内のグループ内資金を当社が一元管理しています。各グループ会社において創出したキャッシュ・フローを当社に集中することで資金の流動性を確保し、また、機動的かつ効率的にグループ内で配分することにより、金融負債の極小化を図っています。
③資金の調達
現在そして将来の営業活動及び債務の返済などの資金需要に備え十分な資金を確保するために、資金調達及び流動性の確保に努めています。必要な資金は、主に営業活動によって得られるキャッシュ・フロー、金融機関などからの借り入れによって調達しています。
(7)経営者の問題認識と今後の方針について
経営者の問題認識と今後の方針につきましては、概ね「3.対処すべき課題」に記載のとおりです。
特に今後の方針につきましては、新たに策定した「サッポログループ経営計画2015年-2016年」のもと、取り組みを推進します。