有価証券報告書-第187期(2025/01/01-2025/12/31)
(ウ)戦略
事業活動を通じて社会課題の解決を図り、社会とともに持続的な成長を果たしていくためには、人権の尊重は大前提であり、すべての事業活動の土台と位置づけて、CSVパーパスの土台である「普遍的な責務」の一つとしております。当社グループはすべてのステークホルダーの人権を尊重することを重要な経営課題と捉え、継続的に取り組んでいくとともに、そのための体制も整備していきます。人権への負の影響の特定、予防、低減に努めるとともに、是正のための適切な処置を実施します。事業を通じて、潜在的に人権への負の影響を受ける可能性のあるステークホルダー、及び関連する人権への影響について把握に努め、負の影響を予防、低減し、負の影響があった場合には是正のための適切な処置を行い、当社グループに関わるすべての人々の人権の尊重に継続して取り組みます。
なお、当年度においては、前年度末時点で想定していた計画通りに取り組みを推進しております。
本テーマにおいて選定した当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会は以下のとおりです。
<リスク/機会への対応戦略>1)「当社グループのサプライチェーンで人権侵害が発生するリスク」への対応戦略
当社グループは、「キリングループ人権方針」を策定し、バリューチェーンにおける人権課題の特定から、是正取り組みの計画と実行、モニタリング及び情報開示を経て、外部ステークホルダーとのコミュニケーションに至る継続的なプロセスである人権デューデリジェンスを実施しております。当社グループでは、バリューチェーン全体の人権リスクを評価した上で、バリューチェーン上流の人権リスクに対し優先的に取り組みを行っております。外部の専門機関であるBSR (Business for Social Responsibility™)の助言も受けながら、人権リスクの高い農産物及び農産物加工品を特定し、Sedexの評価ツールを用いて、調達国の人権リスクと事業への影響度という二軸で優先順位付けを行い、サプライチェーンの人権デューデリジェンスを実施しております。また、定期的にサプライヤーに対するリスクアセスメントを実施し、不適合事項の是正に取り組むことで、サプライヤーにおける児童労働や強制労働の撲滅に取り組んでおります。当年度においては、国別の人権リスク評価の結果をもとに、相対的に高リスクと評価された国を対象とした、人権デューデリジェンスを計画通りに実施しております。なお、当年度において、サステナビリティ関連の他のリスク及び機会との間のトレードオフを考慮した事例はありません。
2)「当社グループの役員・従業員又はサプライヤーが人権侵害を起こし、それに対する是正のための措置が不十分となるリスク」への対応戦略
当社グループの役員・従業員が人権侵害を起こすリスクに備え、国内では役員向け研修・階層別研修及び全従業員向けの人権啓発研修等を毎年継続して実施しております。また、ステークホルダーが、当社グループのビジネスに関して、人権侵害の懸念を感じられた際の報告先として、サプライヤーホットラインと苦情処理窓口を設置しております。当年度においても、サプライヤーホットラインと苦情処理窓口への通報を受けており、それらに対して、必要な是正措置を講じております。なお、当年度において、サステナビリティ関連の他のリスク及び機会との間のトレードオフを考慮した事例はありません。
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会への対応戦略、並びにリスク及び機会対応のために発生する財務的影響は以下のとおりです。
当年度においては、リスクは顕在化しておりませんが、人権方針やサプライヤー規範への重大な、あるいは疑わしい違反が発生した場合、既存顧客との関係悪化に伴う販売機会の喪失により売上が減少し、その影響が中期に及ぶ可能性があります。なお、リスクが顕在化した場合、どの程度の既存顧客に影響を及ぼすかを見積ることが困難であるため、定量的情報を記載しておりません。
*1:当社グループでは、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会の影響が生じると見込む短期・中期・長期の時間軸について、短期を当年度末後1年、中期を2年から3年、長期を4年から10年と定義しておりますが、リスク及び機会対応のために発生する財務的影響の記載に当たっては、短期・中期・長期の数値の傾向を把握できるよう、短期は1年後、中期は3年後、長期は10年後の単年度に発生する数値を記載しております。
*2:CF影響を正確に算出することが困難であるため、PL影響とBS影響の合計額を記載しております。
<短期、中期及び長期にわたる財政状態の変化見込み>投資や処分は予定しておらず、戦略を遂行するための資金調達は予定しておりません。なお、上記のリスクが、次の年次報告期間中に関連する財務諸表で報告される資産及び負債の帳簿価額に重要性がある修正を生じさせることはないと考えております。
(エ)戦略-レジリエンス
人権課題に関する当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスクが発生すると見込む時間軸から、同課題に関する当社グループのレジリエンスは中期の時間軸で評価を行っております。当社グループは、人権デューデリジェンスを実施し、サプライヤーホットラインや苦情処理窓口を運用したにもかかわらず、人権課題の負の影響が顕在化し、特定の原料産地からの調達が困難になったとしても、調達先を分散しており、特定の原料産地への依存度合が低いため、影響は限定的と考えております。
以上のビジネスモデルへの影響度分析を実施した結果、CPO(グループ人財統括担当役員)は、中期的に人権の負の影響が当社グループの想定を超えて発生した場合でも、当社グループは当該不確実性の顕在化に対応する能力を有しており、人権課題に関する当社グループの現在のビジネスモデルを変更する必要はないと評価しております。
事業活動を通じて社会課題の解決を図り、社会とともに持続的な成長を果たしていくためには、人権の尊重は大前提であり、すべての事業活動の土台と位置づけて、CSVパーパスの土台である「普遍的な責務」の一つとしております。当社グループはすべてのステークホルダーの人権を尊重することを重要な経営課題と捉え、継続的に取り組んでいくとともに、そのための体制も整備していきます。人権への負の影響の特定、予防、低減に努めるとともに、是正のための適切な処置を実施します。事業を通じて、潜在的に人権への負の影響を受ける可能性のあるステークホルダー、及び関連する人権への影響について把握に努め、負の影響を予防、低減し、負の影響があった場合には是正のための適切な処置を行い、当社グループに関わるすべての人々の人権の尊重に継続して取り組みます。
なお、当年度においては、前年度末時点で想定していた計画通りに取り組みを推進しております。
本テーマにおいて選定した当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会は以下のとおりです。
| リスク及び機会 | バリューチェーン (当社グループのステークホルダーを記載) | リスク及び機会が顕在化したときに発生するビジネスモデル・バリューチェーンへの影響と財務的影響 | 発生 可能性 | 金額的 重要性 | リスク及び 機会の影響が 及ぶセグメント | リスク及び 機会の影響が 発生すると 見込む時間軸 | |||
| 上流 | 当社 | 下流 | |||||||
| リスク | 1)当社グループのサプライチェーンで人権侵害が発生するリスク | ビジネスパートナー | ビジネスモデル・バリューチェーンへの影響 ・原材料の安定調達を阻害 財務的影響 ・顧客の喪失による売上の減少 ・人権侵害対応コストや調達先切替コストの発生 | 高 | 大 | 酒類 飲料 | 中期 | ||
| リスク | 2)当社グループの役員・従業員又はサプライヤーが人権侵害を起こし、それに対する是正のための措置が不十分となるリスク | ビジネスパートナー | 従業員 | ビジネスモデル・バリューチェーンへの影響 ・原材料の安定調達を阻害 ・商品のサプライチェーンを分断 財務的影響 ・顧客の喪失による売上の減少 ・人財離れによる採用・育成コストの増加 ・人権侵害対応コストの発生 | 中 | 大 | 酒類 飲料 医薬 ヘルスサイエンス | 中期 | |
<リスク/機会への対応戦略>1)「当社グループのサプライチェーンで人権侵害が発生するリスク」への対応戦略
当社グループは、「キリングループ人権方針」を策定し、バリューチェーンにおける人権課題の特定から、是正取り組みの計画と実行、モニタリング及び情報開示を経て、外部ステークホルダーとのコミュニケーションに至る継続的なプロセスである人権デューデリジェンスを実施しております。当社グループでは、バリューチェーン全体の人権リスクを評価した上で、バリューチェーン上流の人権リスクに対し優先的に取り組みを行っております。外部の専門機関であるBSR (Business for Social Responsibility™)の助言も受けながら、人権リスクの高い農産物及び農産物加工品を特定し、Sedexの評価ツールを用いて、調達国の人権リスクと事業への影響度という二軸で優先順位付けを行い、サプライチェーンの人権デューデリジェンスを実施しております。また、定期的にサプライヤーに対するリスクアセスメントを実施し、不適合事項の是正に取り組むことで、サプライヤーにおける児童労働や強制労働の撲滅に取り組んでおります。当年度においては、国別の人権リスク評価の結果をもとに、相対的に高リスクと評価された国を対象とした、人権デューデリジェンスを計画通りに実施しております。なお、当年度において、サステナビリティ関連の他のリスク及び機会との間のトレードオフを考慮した事例はありません。
2)「当社グループの役員・従業員又はサプライヤーが人権侵害を起こし、それに対する是正のための措置が不十分となるリスク」への対応戦略
当社グループの役員・従業員が人権侵害を起こすリスクに備え、国内では役員向け研修・階層別研修及び全従業員向けの人権啓発研修等を毎年継続して実施しております。また、ステークホルダーが、当社グループのビジネスに関して、人権侵害の懸念を感じられた際の報告先として、サプライヤーホットラインと苦情処理窓口を設置しております。当年度においても、サプライヤーホットラインと苦情処理窓口への通報を受けており、それらに対して、必要な是正措置を講じております。なお、当年度において、サステナビリティ関連の他のリスク及び機会との間のトレードオフを考慮した事例はありません。
当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会への対応戦略、並びにリスク及び機会対応のために発生する財務的影響は以下のとおりです。
当年度においては、リスクは顕在化しておりませんが、人権方針やサプライヤー規範への重大な、あるいは疑わしい違反が発生した場合、既存顧客との関係悪化に伴う販売機会の喪失により売上が減少し、その影響が中期に及ぶ可能性があります。なお、リスクが顕在化した場合、どの程度の既存顧客に影響を及ぼすかを見積ることが困難であるため、定量的情報を記載しておりません。
| リスク及び機会 | リスク及び機会への 対応戦略 | 対応戦略の 財務的影響 | 財務的影響(百万円)*1 | ||||
| 当年度 | 短期 (1年後) | 中期 (3年後) | 長期 (10年後) | ||||
| リスク | 1)当社グループのサプライチェーンで人権侵害が発生するリスク | ・人権デューデリジェンス ・サプライヤーリスクアセスメント | PL影響 ・人権デューデリジェンスの高度化に向けたコンサル費用 ・人権デューデリジェンスの実行費用 ・サプライヤーリスクアセスメントの実行費用 ・Sedexメンバー費用 | 0 | 約9 | 約9 | 約9 |
| BS影響 ・該当なし | - | - | - | - | |||
| リスク | 2)当社グループの役員・従業員又はサプライヤーが人権侵害を起こし、それに対する是正のための措置が不十分となるリスク | ・サプライヤーホットライン ・苦情処理メカニズム | PL影響 ・キリングループ内の人権啓発費用等 ・各種ホットライン費用 | 2 | 約5 | 約5 | 約5 |
| BS影響 ・該当なし | - | - | - | - | |||
| 合計 | PL影響 | 2 | 約14 | 約14 | 約14 | ||
| BS影響 | - | - | - | - | |||
| CF影響*2 | 2 | 約14 | 約14 | 約14 | |||
*1:当社グループでは、当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスク及び機会の影響が生じると見込む短期・中期・長期の時間軸について、短期を当年度末後1年、中期を2年から3年、長期を4年から10年と定義しておりますが、リスク及び機会対応のために発生する財務的影響の記載に当たっては、短期・中期・長期の数値の傾向を把握できるよう、短期は1年後、中期は3年後、長期は10年後の単年度に発生する数値を記載しております。
*2:CF影響を正確に算出することが困難であるため、PL影響とBS影響の合計額を記載しております。
<短期、中期及び長期にわたる財政状態の変化見込み>投資や処分は予定しておらず、戦略を遂行するための資金調達は予定しておりません。なお、上記のリスクが、次の年次報告期間中に関連する財務諸表で報告される資産及び負債の帳簿価額に重要性がある修正を生じさせることはないと考えております。
(エ)戦略-レジリエンス
人権課題に関する当社グループの見通しに影響を与えると合理的に見込み得るサステナビリティ関連のリスクが発生すると見込む時間軸から、同課題に関する当社グループのレジリエンスは中期の時間軸で評価を行っております。当社グループは、人権デューデリジェンスを実施し、サプライヤーホットラインや苦情処理窓口を運用したにもかかわらず、人権課題の負の影響が顕在化し、特定の原料産地からの調達が困難になったとしても、調達先を分散しており、特定の原料産地への依存度合が低いため、影響は限定的と考えております。
以上のビジネスモデルへの影響度分析を実施した結果、CPO(グループ人財統括担当役員)は、中期的に人権の負の影響が当社グループの想定を超えて発生した場合でも、当社グループは当該不確実性の顕在化に対応する能力を有しており、人権課題に関する当社グループの現在のビジネスモデルを変更する必要はないと評価しております。