有価証券報告書-第187期(2025/01/01-2025/12/31)
有報資料
(1) リスクマネジメントの考え方
キリングループでは、経営目標の達成や企業の継続性に大きな影響を与える機会・脅威それぞれの不確実性を「リスク」、ある時点を境に脅威のリスクが顕在化し対応に緊急性を要するものを「クライシス」と定義しており、お客様、従業員、株主および社会から長期的な信頼を獲得できるよう、以下の考え方のもとリスクマネジメントシステムを構築・運用することで、事業活動上で発生するさまざまなリスクを特定し、適切にコントロールしていくことを基本方針としています。なお、リスク情報は、当社ホームページなどを通じて適時適切に開示してまいります。
(基本方針)
① 経営理念および価値観のもと、経営目標の達成や企業の継続性を確保し、企業の社会的責任を果たし、中長期的な企業価値の向上を目的として、リスクマネジメントを実行する。
② 戦略とリスクを一体で検討を行い、適切なリスクテイクを実現する。
③ リスクマネジメントの推進のため、組織や仕組みを整え、環境変化に柔軟に対応できる組織能力の向上を図る。
④ 平時からリスクの洗い出しを行い、企業活動に伴うさまざまなリスクを把握の上、リスクの特定・分析・評価・対策+モニタリングを行い、リスクへの適切な対応(保有、低減、回避、移転)を行っていく。
⑤ リスクマネジメントは全社員が参画して取り組む活動であるとの認識を持ち、教育や訓練等の啓発活動を通じて、リスクへの感度の醸成を図る。
⑥ クライシスに対しては、未然防止を徹底するとともに、早期発見、迅速な報告・情報共有・対応を通じ、影響を最小化する。クライシスの対応後には、その発生要因・対処法などを分析し、再発防止に努める。
⑦ 会社におけるリスクの内容や対策等のリスク情報について、適時、ステークホルダーに対し適切な情報開示を行う。
また上記方針に加え、リスクに対する基本姿勢を作成し「リスクコントロールしつつ取りに行くリスク」と「取らないリスク」を明確にすると共に、リスクの許容度を設定することで、リスクマネジメントを通じた事業の継続的な成長を後押ししています。(図1)
(図1)

(2) リスクマネジメント体制及び、グループ重要リスクの確定プロセスとモニタリング
キリングループでは、当社の常務執行役員以上で構成され、リスク担当執行役員が委員長を務める「グループリスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。同委員会は、リスク情報の収集やグループリスクマネジメント方針・重点課題の立案、リスク低減だけでなくリスクテイクも含めた戦略とリスク一体検討の推進、クライシス発生時の情報共有や対策の検討など、リスクマネジメント活動の全般を統括しています。また、取締役会ではグループ重要リスクの審議や報告を通じ、リスクマネジメントの有効性を監督しています。(図2)
グループ重要リスクは、グループ全体の目標や戦略・事業遂行に関するリスクだけでなく、それぞれの事業固有のリスクの両面からリスクを集約して作成しています。各リスクについては、定量・定性の両面からグループに与える影響度を評価すると共に、発生確率を考慮し、影響度と発生確率の両軸でリスクの重要度を設定します。さらに重要リスクはリスクマップ上で一元化して管理を行っています。グループリスク・コンプライアンス委員会では、作成したグループ重要リスクについて議論し、それぞれのリスクへの対応、許容度などについて議論を行います。またこれらのグループ重要リスクは取締役会で審議され、状況変化の確認や対策の見直しを行っています。(図3)
当社およびグループ会社はリスクに応じた対策を立案・実行し、相互に連携することでリスクマネジメントを推進・運用しています。また、事業と機能の両軸で実施するモニタリングを通じて、戦略リスクを管理・統制するとともに、クライシスに転ずるリスクの顕在化の未然防止や発生時にはその影響を最小限に留めるなど、リスクマネジメント体制を整備し、リスクの低減や適切な管理に努めています。(図4)
(図2)

(図3)

(図4)

(3) キリングループの主要なリスク
キリングループの戦略・事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主要な事項について、「各事業領域におけるリスク」と「各事業領域共通のリスク」に分類して記載しています。なお、本文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り当年度末において当社が判断した内容に基づきます。
① 各事業領域におけるリスク
② 各事業領域共通のリスク
上記以外にも、レピュテーションに関するリスク、地政学上のリスク、事業投資に関わるリスク、法改正に伴うリスクなど様々なリスクがあります。これらのリスクを認識した上で、発生の未然防止・速やかな対応に努めてまいります。
キリングループでは、経営目標の達成や企業の継続性に大きな影響を与える機会・脅威それぞれの不確実性を「リスク」、ある時点を境に脅威のリスクが顕在化し対応に緊急性を要するものを「クライシス」と定義しており、お客様、従業員、株主および社会から長期的な信頼を獲得できるよう、以下の考え方のもとリスクマネジメントシステムを構築・運用することで、事業活動上で発生するさまざまなリスクを特定し、適切にコントロールしていくことを基本方針としています。なお、リスク情報は、当社ホームページなどを通じて適時適切に開示してまいります。
(基本方針)
① 経営理念および価値観のもと、経営目標の達成や企業の継続性を確保し、企業の社会的責任を果たし、中長期的な企業価値の向上を目的として、リスクマネジメントを実行する。
② 戦略とリスクを一体で検討を行い、適切なリスクテイクを実現する。
③ リスクマネジメントの推進のため、組織や仕組みを整え、環境変化に柔軟に対応できる組織能力の向上を図る。
④ 平時からリスクの洗い出しを行い、企業活動に伴うさまざまなリスクを把握の上、リスクの特定・分析・評価・対策+モニタリングを行い、リスクへの適切な対応(保有、低減、回避、移転)を行っていく。
⑤ リスクマネジメントは全社員が参画して取り組む活動であるとの認識を持ち、教育や訓練等の啓発活動を通じて、リスクへの感度の醸成を図る。
⑥ クライシスに対しては、未然防止を徹底するとともに、早期発見、迅速な報告・情報共有・対応を通じ、影響を最小化する。クライシスの対応後には、その発生要因・対処法などを分析し、再発防止に努める。
⑦ 会社におけるリスクの内容や対策等のリスク情報について、適時、ステークホルダーに対し適切な情報開示を行う。
また上記方針に加え、リスクに対する基本姿勢を作成し「リスクコントロールしつつ取りに行くリスク」と「取らないリスク」を明確にすると共に、リスクの許容度を設定することで、リスクマネジメントを通じた事業の継続的な成長を後押ししています。(図1)
(図1)

(2) リスクマネジメント体制及び、グループ重要リスクの確定プロセスとモニタリング
キリングループでは、当社の常務執行役員以上で構成され、リスク担当執行役員が委員長を務める「グループリスク・コンプライアンス委員会」を設置しています。同委員会は、リスク情報の収集やグループリスクマネジメント方針・重点課題の立案、リスク低減だけでなくリスクテイクも含めた戦略とリスク一体検討の推進、クライシス発生時の情報共有や対策の検討など、リスクマネジメント活動の全般を統括しています。また、取締役会ではグループ重要リスクの審議や報告を通じ、リスクマネジメントの有効性を監督しています。(図2)
グループ重要リスクは、グループ全体の目標や戦略・事業遂行に関するリスクだけでなく、それぞれの事業固有のリスクの両面からリスクを集約して作成しています。各リスクについては、定量・定性の両面からグループに与える影響度を評価すると共に、発生確率を考慮し、影響度と発生確率の両軸でリスクの重要度を設定します。さらに重要リスクはリスクマップ上で一元化して管理を行っています。グループリスク・コンプライアンス委員会では、作成したグループ重要リスクについて議論し、それぞれのリスクへの対応、許容度などについて議論を行います。またこれらのグループ重要リスクは取締役会で審議され、状況変化の確認や対策の見直しを行っています。(図3)
当社およびグループ会社はリスクに応じた対策を立案・実行し、相互に連携することでリスクマネジメントを推進・運用しています。また、事業と機能の両軸で実施するモニタリングを通じて、戦略リスクを管理・統制するとともに、クライシスに転ずるリスクの顕在化の未然防止や発生時にはその影響を最小限に留めるなど、リスクマネジメント体制を整備し、リスクの低減や適切な管理に努めています。(図4)
(図2)

(図3)

(図4)

(3) キリングループの主要なリスク
キリングループの戦略・事業その他を遂行する上でのリスクについて、投資家の判断に重要な影響を及ぼす可能性があると考えられる主要な事項について、「各事業領域におけるリスク」と「各事業領域共通のリスク」に分類して記載しています。なお、本文中における将来に関する事項は、別段の記載がない限り当年度末において当社が判断した内容に基づきます。
① 各事業領域におけるリスク
| 事業分野 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 食領域 | ・事業環境の変化への対応に関するリスク ・原材料価格・燃料価格の高騰に関するリスク ・新規事業の成否に関するリスク | ・市場環境や嗜好の変化、販売価格の変動、競合他社の動向等により、販売計画を達成できない ・原材料価格・燃料価格の高騰により調達コストが上昇し、製造原価に影響を及ぼす ・新規事業が市場に浸透せず、売上・利益が下振れし、事業計画が遅滞する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| 食領域はキリングループの主力事業分野であり、脅威のリスクが発現した場合には甚大な影響が想定されます。既存事業では事業環境の変化に対してこれまでに培った知見を基にリスクへの対応策を実施するとともに、新規事業についても従来とは異なる機会・脅威含めた新たなリスクを想定し、対策することでリスクの低減だけでなく機会の最大化に努めています。地政学リスクに起因する原材料や燃料価格の高騰が直接的に収益に影響を与える可能性や、高付加価値商品の展開拡大の成否による中長期的な事業計画への影響はそれぞれグループ重要リスクの一つとして位置づけており、引き続き情勢を注視し適切なリスクコントロール策を講じてまいります。 (具体的な対策につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]に記載しています) | ||
| 事業分野 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 医領域 | ・グローバル戦略品の価値最大化に関するリスク ・製品品質・安定供給に関するリスク ・研究開発に関するリスク ・医療費抑制策に関するリスク | ・上市準備の遅延等により事業エリア拡大が遅れる、潜在患者の掘り起こしの難航などで市場に浸透しない ・製品の安全性や品質に懸念が生じる、急激な需要増/需給逼迫により安定供給に支障が発生する ・パイプラインの拡充が進まず、将来の成長性と収益性が低下する ・国内外において医療費抑制の圧力による製品の価格引き下げ、後発医薬品への移行が進む |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| 医領域においては、グローバル戦略品の価値最大化に向けて、市場浸透施策や欧米を中心とした事業地域の拡大を進めており、製品の品質保証体制と安定供給体制といった基盤の強化も重要と考えています。グローバル品質保証委員会等によるモニタリングや、独立した専門の監査チームによる自社や委託先の品質監査を実施するとともに、委託先の拡充、自社工場への設備投資、需給計画の可視化や製造作業効率化のためのデジタル化推進等に取り組んでいます。また、国内外において医薬費抑制の圧力が高まっていますが、各国の医療政策動向を注視するとともに、患者さんにLife-changingな医薬品等を確実にお届けするために、その製品のもつ価値を多様な側面から評価する方策を戦略的に検討しています。また、上市後の価格設定については、各国制度に準拠し、ステークホルダーからの理解も得ながら、革新的な医薬品を継続的に創出していくために適正な売上収益の確保につながるよう、事業への影響を評価しています。(詳細につきましては、協和キリン㈱の有価証券報告書に記載しています) | ||
| 事業分野 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| ヘルスサイエンス領域 | ・既存展開国の法規制変更、及び新規展開国の法規制対応が遅れるリスク ・品質保証、製品の安全性、欠品に関するリスク ・事業を担う人財や組織能力が不足するリスク | ・欠品、品質トラブル、エビデンス不足、不適切な情報発信等により、ブランド、レピュテーションを毀損する ・グループ内のシナジー創出が進まず、新たな価値創造を伴う高収益モデルが構築できない |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| ヘルスサイエンス領域では中長期的な社会環境の変化に伴って発生する健康課題に対して土台の健康づくりを推進し、人間が元来持つ力を高めることで、お客様の健康課題をより効果的・効率的に解決することに貢献します。新たに取得したBlackmores Limited、㈱ファンケルの成長とグループ内のシナジー創出を最優先課題とし、持続的な成長を実現するビジネスモデルの確立に取り組んでいます。主力事業の食とは異なる領域での事業推進にあたり、迅速果断な意思決定を実行するため、また、適時適切なリスクコントロールができるよう、リスクマネジメントの観点でも組織能力の拡充とガバナンスの強化を図ってまいります。 (具体的な対策につきましては、1[経営方針、経営環境及び対処すべき課題等]に記載しています) | ||
② 各事業領域共通のリスク
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 人財獲得・育成 | ・グループ経営を推進する人財や事業活動に必要な高い専門性を持った人財を十分に確保できないリスク ・人財マネジメントの仕組みが計画通りに進まないリスク | ・競争優位性のある組織能力が実現せず、経営戦略が推進できない ・想定した体制への移行が進まず、組織能力が低下し、経営戦略の実現に支障が出る |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| キリングループは、人財を価値創造、競争優位の源泉と捉えています。経営戦略の実行に求められる人財の獲得・育成に向けて、機能を軸とした専門性をより重視する人財マネジメントの仕組みを導入・運用しています。キャリア採用も着実に増えており、多様な経験・価値観・専門性を持った人財が集い、グループ全体でイノベーションを生み出す組織文化の醸成を目指した取組みや環境整備を進めています。中長期視点で経営戦略と人財戦略の連動性を高め、持続的な事業成長と企業価値向上に取り組んでまいります。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| デジタル活用の加速 | ・AIを含むデジタル技術の活用が進まず、競合劣後となるリスク ・DX専門人財の獲得・育成が計画通りに進まないリスク | ・事業課題の解決が進まず、競争力の低下やコスト増を招き、売上・利益が減少する ・DXの推進に必要な要員が不足し、組織能力を高められず、効率化や価値創造の成果創出が遅延する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| キリングループでは、デジタルトランスフォーメーション(DX)の推進により、デジタル技術やデータを活用した業務プロセスの変革を進め、既存業務の効率化を実現するとともに、顧客理解やプロダクト/サービスの開発工程においてもAIを含むテクノロジー活用を進めるなど、新たな価値創出に取り組んでいます。各グループ会社・各部門での自律的なDX推進の実現に向けて、独自のプログラムによる社内人財育成を進めるとともに、DXの推進に必要な専門人財を外部から確保することで、体制の充実と組織能力の強化を図っています。今後もグループ全体のあらゆる領域でデジタル技術の活用・推進に取り組み、イノベーション創出に繋げてまいります。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 品質 | ・商品・サービスの品質問題が発生するリスク ・品質関連法令への対応不備により、関係官庁から改善命令や指導を受けるリスク | ・商品・サービスの販売・提供中止や回収または損害賠償請求などにより、多額の費用の発生や事業活動の制限がなされる ・お客様からの信頼を失い、企業ブランド価値が低下する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| キリングループでは、グループ共通の価値観である「先駆」「お客様本位/患者さん本位」「品質本位」に基づきお客様/患者さんへの安全・安心な商品・サービスの提供を何よりも優先することを「キリングループ品質方針」に定め、実現するための行動や考え方を「行動宣言」で示しています。「品質方針」「行動宣言」を具現化した「キリングループ グローバル品質マネジメントの原則」を定め、グループ各社が保有する品質マネジメントシステムに反映し、品質保証の仕組みと運用を継続的に改善することで確かな品質の商品・サービスへとつなげています。法令遵守への対応として各領域の品質に関する法令改正動向の把握と対応、食品製造工場における国際認証の取得、国内主要事業会社における原材料情報の一元管理・トレーサビリティシステムの導入などの品質保証の仕組みを構築しています。グループ全体で品質を大切にする風土の醸成に取り組み、お客様/患者さんに安全・安心な商品・サービスを提供してまいります。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 人権 | ・従業員及びビジネスパートナーをはじめ、キリングループに関わる全ての人々に対して、直接または間接的に人権に負の影響を及ぼすリスク | ・企業価値の低下を招く、あるいは事業縮小や撤退を余儀なくされる ・法令に違反する場合は、罰金や訴訟リスクまたは経済的な制裁措置を受ける |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| キリングループでは、人権の尊重は全ての事業活動の土台であるとの認識のもと、国連の「ビジネスと人権に関する指導原則」に準拠した「キリングループ人権方針」を2018年に策定、2023年には国際的な人権に関する規範に沿って同方針を改定しました。従来通り、人種、肌の色、民族、国籍、社会的身分、門地、性別、障害の有無、健康状態、宗教、思想・信条、性的指向・性自認及び職種・雇用形態の違い等に基づくあらゆる差別を禁止するとともに、事業活動上の全てのバリューチェーンにおいて、人身取引、奴隷労働や強制労働及び児童労働を容認しません。改定版は、ステークホルダー毎に想定される重要な人権課題を明確にするなど、より具体的な内容としています。国内外グループ会社の全ての従業員だけでなく、バリューチェーンに関わる様々なビジネスパートナーに対しても同方針への理解と遵守を求めることで、人権を尊重し、社会に対してポジティブインパクトを生み出すことに取り組んでまいります。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 環境 | ・気候変動による物理的リスク ・脱炭素社会への移行リスク ・技術開発等が遅れ、環境問題の解決が困難になる・遅延するリスク | ・温暖化や渇水・洪水による原材料農産物の収量減による調達コスト増、渇水・洪水による操業停止 ・炭素税などによる燃料費・農産物コストの上昇 ・企業に対する社会の期待に十分に応えられず、企業価値が低下する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| キリングループでは、様々な環境問題の統合的な解決に向けた「キリングループ環境ビジョン2050」を策定し、その達成に向けて取り組んでいます。気候変動に伴う原材料農産物の収量減といった物理的リスクやカーボンプライシング等の移行リスクについては、事業継続や収益性に影響を及ぼす重要なリスクとして認識しています。これらのリスクに対しては、TCFD提言に基づくシナリオ分析により財務影響や戦略のレジリエンスを評価し、リスクの低減及び機会の獲得につながる施策を選択的に実行しています。環境負荷低減と中長期的な企業価値向上の両立が見込まれる分野については、将来の競争優位性確立に向けて積極的に取り組むべきリスクとして位置づけ、取り組みを進めます。プラスチック容器の問題では、2027年までに日本国内におけるPET樹脂使用量におけるリサイクル樹脂使用率50%(「キリングループプラスチックポリシー」)を目指して着実に進捗しています。相互に関連する環境問題である生物資源、水資源、容器包装、気候変動を統合的に解決し、持続可能な地球環境を次世代につなぎます。企業価値の棄損やグループ方針である環境ビジョン2050と一致しないリスクについては、事業機会が見込まれる場合であっても取らないリスクとして明確に区分しています。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| アルコールの負の影響 | (脅威) ・世界的な規模で酒類の販売、広告・宣伝に対する規制が強化されるリスク ・世界的に酒類の販売、広告・宣伝に対する規制が強化されるリスク (機会) ・ノンアルコール・低アルコール商品の市場や売上の拡大 | (脅威) ・酒類の消費が減少する ・企業価値が低下する (機会) ・ノンアルコール・低アルコール商品の市場や売上が拡大する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| アルコールの有害摂取による負の影響に関して、WHOは世界的な規模での酒類販売・マーケティングに関する規制強化に向けた議論をしています。また日本国内でも飲酒と健康に関する関心が高まっています。キリングループは酒類事業を営む企業グループの責任としてアルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みを推進しています。酒類事業の展開にあたっては法令を遵守し、責任ある飲酒に関するグローバルマーケティング指針や厳しい自主基準を遵守する他、IARDをはじめ国内外の業界団体と連携した取り組みを進めるとともに、適正な飲酒に関する正しい知識の普及や意識の啓発を行っています。また、アルコールの有害摂取の根絶に向けた取り組みの一環としてノンアルコール・低アルコール飲料の拡充に取り組んでいます。社会情勢の変化に対応しながらアルコールの有害摂取根絶に向けた取り組みを着実に進展させてまいります。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| サプライチェーン | ・地震・台風などの大規模自然災害や感染症、地政学リスクの影響、サイバー攻撃、委託先の被災等によりサプライチェーンが分断するリスク | ・災害により事業所等を閉鎖する、あるいは事業活動を縮小・停止する ・異常気象に伴う販売量の急増やドライバー不足等の外部環境要因により、調達・製造・物流能力が供給に追いつかず遅配や欠品が発生する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| サプライチェーンにおいては、災害・事故等による影響の他、国内では労働力不足の進行や物流を取り巻く制度・環境変化による輸送能力への影響、海外ではテロや政治的な不安が顕在化することによるサプライチェーンの分断が懸念され、各事業では、需給予測精度の向上や物流能力の強化、代替戦略の検討等によるリスクの低減を進めています。キリングループでは災害・事故等への対応として、経営資源を起点に対策を考えるオールハザード型BCP(事業継続計画)を策定し、複数のグループ会社を対象として、物流面の機能発揮状況を確認する訓練を実施していますが、引き続き、危機事象への対応力強化、レジリエンスの向上に取り組んでまいります。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 調達 | ・市況・為替変動リスク ・地政学や災害発生、サプライヤーの事業撤退・業界再編リスク ・取適法(改正下請法)など法令違反リスク ・サプライチェーン上の人権・環境リスク | ・調達コストが計画を上回り、事業利益を圧迫する ・原材料について必要量を確保できない、または納品に遅れが生じ、製造計画に影響を及ぼすことで需給調整が発生、長期化する ・企業イメージの低下や不買運動の発生など、レピュテーションリスクが顕在化する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| 市況・為替変動リスクに対しては、長期契約や為替ヘッジによるコスト低減・安定化の取り組みを行い、地政学・災害発生リスクに対しては調達先の分散、原材料在庫率の引き上げ、また取適法(改正下請法)などの調達業務に関連する法令違反リスクについても、施行・改正動向を確認し、関連部門と協力して適切な対応を行っています。更にサプライチェーン上の人権や環境に関するリスクへの対応を重要な経営課題の1つと認識しており、人権デューデリジェンスの実施など、高まる企業への要請に十分に応えられる体制の整備と組織能力の強化に取り組んでいます。サプライヤーに対しては、「キリングループ持続可能なサプライヤー規範」の説明を行うとともに、遵守に向けて承諾書の提出を求め、定期的にその遵守状況を確認しています。さらに、サプライヤーが通報できる窓口(ホットライン)や苦情処理メカニズムも整備しており、サプライヤーとの連携を密にすることで持続可能な調達の推進に取り組んでいます。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 情報セキュリティ | ・外部等からのサイバー攻撃による事業活動の停止および当社グループ保有の顧客情報・企業秘密など重要データの漏えい・改ざん・消失に係るリスク ・従業員や業務委託先等の内部不正・過失、事故等による当社グループ保有の顧客情報・企業秘密など重要データの漏えい・改ざん・消失および業務プロセスの中断・遅延に係るリスク | ・顧客等のステークホルダーへの賠償責任が発生する ・社会的信用が低下、ブランドイメージが毀損、風評が悪化する ・顧客からの取引が縮小・停止、営業機会が喪失する ・事後対応に伴う業務への支障により、従業員の業務効率、モラルが低下する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| 当社グループでは情報セキュリティについての基本的な考え方を示した「グループ情報セキュリティ規程」を制定し、グループ各社に向けて情報セキュリティの重要性に関して浸透させるとともに、役員や従業員へ教育研修等を通じて周知徹底を図っています。また、各種サイバー攻撃等への対策として、「統治」「特定」「防御」「検知」「対応」「復旧」のためのセキュリティ基盤の強化およびプロセスの整備をグループ全体で図るとともに、「KIRIN‑CSIRT(Computer Security Incident Response Team)」により、セキュリティインシデント等に対応できる体制を構築しています。さらに国内外のグループ各社のセキュリティリスクの評価・モニタリングにより管理状況を可視化、改善することで、継続的なセキュリティ強化・高度化に努めています。これらの取り組みにより、一定レベル以下にリスクは低減できているものと認識しておりますが、未知のサイバー脅威への備えとして、脅威インテリジェンスの活用、外部専門機関との連携強化、クラウド・AI環境への対応など、多面的な情報収集と改善を継続し、今後も更なる有事の発生防止と早期復旧、グループ全体のセキュリティ水準の維持・向上に努めてまいります。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| コンプライアンス | ・法令違反や社会の要請に反した行動が行われるリスク | ・法令による処罰・訴訟の提起・社会的制裁を受け、お客様からの信頼を失う |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| キリングループでは、コンプライアンスについて、「法令、社内外の諸規則・ルールの遵守はもちろんのこと、社会からの要請に応え、法的責任と社会が求める倫理的責任を果たすこと」と定義しています。人権やハラスメント、腐敗行為(贈賄を含む)防止や適正飲酒などに関する研修を定期的に実施し、ルールの理解浸透や意識啓発に取り組んでいます。また、毎年、従業員コンプライアンス意識調査を実施し、潜在的なリスクの洗い出しにつなげるとともに、回答によっては事実確認や調査を行い、対策を講じることでリスク低減に取り組んでいます。リスク事案の早期発見につなげるべく内部通報の体制も整備しており、グループ各社で通報窓口が設置されているほか、コンプライアンス担当役員や監査役直通の通報窓口、海外のグループ会社従業員が利用できるグローバルホットラインも設置しています。法令を遵守することはもとより、社会の要請を踏まえた高い倫理観を醸成できるよう、引き続き従業員のコンプライアンス意識の向上に取り組んでまいります。 | ||
| 項目 | 想定するリスク | リスクが顕在化した場合の主な影響 |
| 財務・税務 | ・為替レートにより円換算後の価値が変動するリスク ・金融市場の変化や格付の変更等により必要資金が調達できないリスク / 資金調達コストが変動するリスク ・各国税制の変化や税務申告における税務当局との見解の相違により、予想以上の税負担が生じるリスク | ・現地通貨建て財務諸表の円換算値や、外国通貨建て取引による原材料の調達コストが変動する ・資金調達が制約され運転資金不足が生じる / 高金利での資金調達により金融収支が悪化する ・追加税負担により業績が悪化する、社会的信用が低下する |
| 主な対策、その他リスクの状況認識等 | ||
| 市場環境や為替レート変動による影響は完全に排除できませんが、キリングループではデリバティブを使ったヘッジ等により、業績や財務状況に大きな影響を与える可能性を低減しています。調達手段の多様化やグループキャッシュの一元管理を通した効率化により、資金関連リスクに大きな影響を与える可能性を低減しています。税務コンプライアンスを遵守した適正な納税の徹底により、税務リスクに大きな影響を与える可能性を低減しています。 | ||
上記以外にも、レピュテーションに関するリスク、地政学上のリスク、事業投資に関わるリスク、法改正に伴うリスクなど様々なリスクがあります。これらのリスクを認識した上で、発生の未然防止・速やかな対応に努めてまいります。