有価証券報告書-第49期(平成25年5月1日-平成26年4月30日)

【提出】
2014/07/25 15:02
【資料】
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【項目】
125項目

業績等の概要

(1)業績
当連結会計年度(平成25年5月1日から平成26年4月30日まで)におけるわが国の経済は、政府の経済対策や金融政策への期待とその効果から、輸出企業の業績改善、個人消費の持ち直し、雇用情勢の改善等の景気回復の兆しが見え始めております。その一方で、欧州や新興国経済の鈍化にくわえ中国経済の財政金融リスク、ウクライナ情勢の緊迫化など引き続きわが国の景気を押し下げるリスクとなっております。
飲料業界におきましては、新商品の積極的な導入もあり、市場全体での販売数量は引き続き増加しております。しかしながら、円安に伴う原材料・燃料コストの上昇懸念が残るなか、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動、消費者の節約志向、競争激化による低価格化、2月の大雪等の天候要因による厳しい状況が続いており、予断を許さない経営環境となっております。
このような状況のなか、当グループは経営理念であります「お客様第一主義」のもと、当グループを取り巻く全てのお客様に対し「お客様が今でもなお何を不満に思っていらっしゃるか」を常に考え、グループ一丸となって積極的な事業活動を行ってまいりました。
この結果、当連結会計年度の業績は、売上高4,377億55百万円(前期比8.4%増)となりましたが、利益面におきましては、競争激化による販売費の増加や、天候不順ならびに消費税率引き上げの影響などにより、営業利益211億円(前期比4.2%増)、経常利益205億18百万円(前期比3.0%増)となり、当期純利益120億96百万円(前期比7.6%増)となりました。セグメント別の業績を示すと次のとおりであります。
<リーフ・ドリンク関連事業>国内においては、主力製品であります「お~いお茶 緑茶」と「お~いお茶 濃い味」につきまして、「おいしいお茶は、いい畑から。」というメッセージを掲げ、伊藤園だからできる“畑、原料茶葉、製法のこだわり”を総結集し、“おいしさの集大成”2013年品質として、平成25年5月にリニューアルいたしました。さらに茶産地育成事業による契約茶園で丹念に育て上げた一番茶を100%使用している「お~いお茶 ぞっこん」をリニューアルいたしました。また簡単・手軽にお楽しみいただけるティーバッグを中心とする簡便性商品のラインアップの拡充と、リーフ製品「お~いお茶」シリーズを強化することで、日本茶市場全体の活性化、「お~いお茶」ブランドの更なる価値向上と販売強化を図ってまいりました。そのほか、平成25年6月発売の健康茶飲料である「ヘルシー ルイボスティー」や、野菜飲料の「1日分の野菜」、平成26年3月発売の希少糖を使用した梅ソーダ「希少糖ソーダ」においても順調に売上を伸ばしております。コーヒー飲料におきましては「TULLY'S COFFEE」ブランドシリーズが引き続きご好評をいただき、販売数量を伸ばすなど、業績の向上に寄与しております。
また、競争激化のなか、原価低減や各経費の見直しに努めた一方で、一層のブランド強化のため広告宣伝や販売促進費用を積極的に投入してまいりました。
チチヤス㈱においては、全国展開をしております「乳酸菌ソーダ」が、発売時より好調に推移しており、「朝のYoo」同様、当社とチチヤスブランドとのシナジー効果を拡大しております。また、ネオス㈱は、西日本に強い販売チャネルを持っており、当グループの自販機事業に関して、更なる強化が期待できます。
海外においては、ITO EN(North America)INC.の主力製品である「TEAS' TEA」が、順調に売上を伸ばしているほか、無糖茶飲料が好調に推移しております。さらに中国事業及び東南アジア事業の基盤確立へ向け、今日の健康志向の追い風とともに、積極的な海外展開を行ってまいりました。
この結果、リーフ・ドリンク関連事業の売上高は4,096億96百万円(前期比8.0%増)となり、営業利益は179億35百万円(前期比1.2%増)となりました。
<飲食関連事業>タリーズコーヒージャパン㈱は、引き続き好調に推移し、店舗数も555店舗と更なる拡充を続け、売上高は231億80百万円(前期比12.9%増)となり、営業利益は31億78百万円(前期比18.1%増)となりました。
<その他>売上高は48億77百万円(前期比18.7%増)となり、営業利益は10億11百万円(前期比20.4%増)となりました。
(2)キャッシュ・フローの状況
<営業活動によるキャッシュ・フロー>営業活動によるキャッシュ・フローは、243億円の収入(前年同期は240億42百万円の収入)となりました。主な要因といたしましては、増加要因として税金等調整前当期純利益206億33百万円、減価償却費151億40百万円、のれん償却額13億32百万円であるのに対し、減少要因として売上債権の増加60億3百万円、法人税等の支払額82億60百万円であったことによるものです。
<投資活動によるキャッシュ・フロー>投資活動によるキャッシュ・フローは、45億98百万円の支出(前年同期は92億72百万円の支出)となりました。これは主に、設備投資による支出48億43百万円があったことによるものです。
<財務活動によるキャッシュ・フロー>財務活動によるキャッシュ・フローは、181億47百万円の支出(前年同期は164億51百万円の支出)となりました。これは主に、ファイナンス・リース債務の返済による支出124億56百万円、配当金の支払49億98百万円があったことによるものです。
以上の結果、当連結会計年度末の現金及び現金同等物の残高は、前連結会計年度末と比較して17億19百万円増加し、446億17百万円となりました。